カスタマーサクセスツールとは?
「カスタマーサクセスツールって何?」「どんなメリットがあるの?」という疑問はありませんか?
カスタマーサクセスツール(CSツール)とは、顧客の成果をサポートするためのツールです。顧客管理や分析、売り上げ拡大やサービスの向上が望めます。
しかし、カスタマーサクセスツールが誰のどんな課題を解決できるのかわからない方も多いです。
そこで今回はカスタマーサクセスツールの概要からメリット、注意点やよくある質問について徹底解説。専門用語には解説も入れてわかりやすく説明しています。この記事を読めばカスタマーサクセスツールについて網羅的に理解できます。
- カスタマーサクセスツールとは?
- カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの違い
- ユーザーが抱えるカスタマーサクセスの課題
- カスタマーサクセスツールを導入するメリット
- カスタマーサクセスツールの種類
- カスタマーサクセスツールを導入する際の注意点
- よくある質問
- まとめ|顧客の成功体験をサポートするカスタマーサクセスツール
カスタマーサクセスツールとは?
カスタマーサクセスツール(CSツール)とは、自社商品やサービスを利用している顧客データの集計管理、顧客の行動の分析、顧客とのコミュニケーション管理など、様々な機能を搭載しているツールです。カスタマーサクセスツールの使用により、顧客のニーズを把握し、顧客の成功を効果的かつ継続的に支援できます。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスと聞くと、カスタマーサポートという言葉を連想する方もいます。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、どちらも顧客を支援する役割を担っていますが、その目的やアプローチなどいくつかの違いがあります。違いを理解しカスタマーサクセスの理解を深めていきましょう。
以下は、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いをまとめた表です。
カスタマーサクセス | カスタマーサポート | |
アプローチ | 能動的 | 受動的 |
目的 | 顧客の成功をサポート | 顧客からの問い合わせに応答 |
必要なスキル | ・顧客データの管理能力 ・顧客の事業内容の理解 ・提案力 ・コミュニケーション力 |
・自社サービスの知識 ・提案力 ・コミュニケーション力 |
効果 | ・解約率の減少 ・顧客生涯価値の向上 ・顧客満足度向上 |
・解約率の減少 ・顧客満足度向上 |
カスタマーサポートは顧客からの問い合わせに対して応答するため受動的なアプローチです。一方、カスタマーサクセスは顧客が成果を上げるために積極的に提案するので、能動的なアプローチになります。
ユーザーが抱えるカスタマーサクセスの課題
カスタマーサクセスツールはユーザーのどのような課題を解決できるのでしょうか。ここではユーザーが抱えるカスタマーサクセスの課題を解説します。
- 既存顧客のサポートができない
- 新規案件を取りに行けない
- 顧客データの共有ができていない
- 顧客データの整理・分析ができていない
既存顧客のサポートができない
カスタマーサポートの分野に会社のリソースを割くことで、能動的に既存顧客のサポートができないケースがあります。この場合、問い合わせのない顧客のサポートができないため、自社商品やサービスの継続的な利用や満足度向上のための対策ができないリスクがあります。
頻繁に問い合わせのある顧客とはコミュニケーションを取れますが、問い合わせのない顧客はもしかしたら不満を抱いているかもしれません。不満や無関心の状態を放置しておけば、継続的な利用は見込めず、顧客が他の良い商品やサービスを見つければ解約率も上がります。
新規案件を取りに行けない
既存業務が多くて新規案件を取りに行けないという課題は、多くの企業が抱えている課題の一つです。既存業務は、それぞれの顧客からの要望に応じて対応しなければならないため、どうしても時間と労力を要します。 その結果、新規案件を取りに行く時間がなくなり、下記のような事態に陥る可能性があります。
- 売上や利益の成長が鈍化する
- 競合他社に市場を奪われる
- 利益が出ないことによる原価ひっ迫
- 既存顧客へのサービス停止
既存顧客を維持するためにも、新規案件の獲得は非常に重要です。
顧客データの共有ができていない
組織において業務の進め方や顧客対応が特定の社員しかわからない状態も不利益が起こります。顧客データを共有せず、業務や顧客対応が属人化してしまうと以下のような問題が発生する可能性があります。
- 特定の個人が離職したり、不在になると誰も対応できない
- 他の従業員が業務をサポートできない
- 会社として一貫したサービスが提供できない
このような属人化された状態では、スキルが失われたり、業務が非効率的、顧客満足度の低下につながる可能性があります。そのため、顧客データを共有しておくことが重要です。
顧客データの整理・分析ができていない
データの整理がされていないと、いくつかの課題が生じます。まず、名刺などの顧客データが散在しているために重要な情報が見落とされたり、重複が発生したりする可能性があります。具体的には、重要顧客との新規案件のチャンスを逃したり、今までに取り引きのあった顧客の見落としなどです。これにより、新規顧客との機会喪失や既存顧客からの信頼が損なわれる可能性があります。
顧客データをカテゴライズしたり、最新情報を更新したりするなど、データの整理・分析することで正確な情報に基づく提案が可能になります。
カスタマーサクセスツールを導入するメリット
カスタマーサクセスツールは上記のような課題解決に役立ちます。次は具体的にカスタマーサクセスツールを導入するメリットを下記で解説していきます。
- チャーンレート(解約率)を削減
- LTV(顧客生涯価値)の向上
- 業務効率の改善
チャーンレート(解約率)の削減
カスタマーサクセスツールを導入するメリットの一つは、チャーンレート(解約率)の削減です。チャーンレートとは、自社のサービス利用をやめてしまった顧客の割合のこと。カスタマーサクセスツールでは下記の機能を使ってチャーンレートを下げことができます。
- 解約時期の共有
- 解約理由の共有
- 現状の契約状況との突合
最新の顧客データを担当者だけでなく全社で共有・分析することで解約を未然に防ぎ、顧客を定着化させるための戦略が立てられます。
LTV(顧客生涯価値)の向上
カスタマーサクセスツールはLTV(顧客生涯価値)の向上にも貢献します。LTVとは、顧客が取引きを始めてから終了までにもたらす利益の合計額です。LTVを向上させるためには、顧客満足度を上げて、より上位モデルに乗り換えることで顧客の単価を向上(アップセル)。加えて、別の商品やサービスを購入してもらえるよう促す(クロスセル)必要があります。
カスタマーサクセスツールには、顧客のヘルススコア(今後のサービス継続可能性を数値化した指標)を計測し、顧客の状態を把握できる機能があります。ヘルススコアの良い顧客にはアップセルとクロスセルの提案で、売り上げにつなげることも可能です。結果として、LTVの向上に役立てることもできます。
業務効率の改善
カスタマーサクセスでは、問い合わせのない顧客にも自ら気づいて積極的に対応する必要があります。そのため人員が少ない組織だと、対応の量や質に偏りが出てきます。
カスタマーサクセスツールを使うことで、担当者一人当たりが対応できる顧客数を増やすことができます。加えて、顧客のサービス利用状況を把握できるので、優先順位をつけて対応することも可能。社内で顧客情報を共有することで、多くの従業員が対応可能になるため、一人では対応しきれない数の顧客でも対応できるようになります。
カスタマーサクセスツールを導入することで業務を効率化すると同時に、顧客対担当者ではなく顧客対企業で対応できるため、顧客からの信頼感(顧客エンゲージメント)も向上します。
カスタマーサクセスツールの種類
カスタマーサクセスツールの種類をまとめました。
- 顧客情報管理型
- 顧客エンゲージメント型
- プロダクト情報提供型
- FAQ管理型
顧客情報管理型
顧客の基本情報や利用状況を管理に長けているのが特徴です。顧客の基本情報には、氏名、電話番号、メールアドレスなど、利用状況には、注文履歴、問い合わせ履歴、サポート履歴などがあります。これらの情報を管理することで、顧客のニーズをより深く理解し、適切なサポートを提供することができます。その結果、LTVを最大化し、チャーンレートの低減を推進できます。
顧客エンゲージメント型
顧客と継続的にコミュニケーションを取り、関係を構築するために使用されます。顧客エンゲージメント型には、メール配信、チャットツール、SNSなどを1つにまとめる機能があります。これらの機能で、顧客とのコミュニケーションツールのプラットフォームとして活用して顧客との距離を縮め、信頼関係を構築することができます。
プロダクト情報提供型
顧客に商品やサービスの情報を提供し、長く使い続けてもらうために使用されます。顧客の利用状況を把握できるので、より効果的に利用できるように対応し、顧客満足度を向上させることができます。また、優先的に対応すべき顧客を分析可能なので、業務効率を高めることもできます。既存の商品やサービスに愛着を持ってもらうことでチャーンレートの低減を目指せます。
FAQ管理型
顧客からの問い合わせを管理することで、顧客の抱える問題を一元管理。傾向を分析し、顧客の課題を迅速に解決できます。加えて、問い合わせから見えてきた課題を抽出して、サービス向上に役立てたり、対応時間の分析をすることで業務効率の向上にも役立てることができます。
カスタマーサクセスツールを導入する際の注意点
カスタマーサクセスツールを導入する際の注意点は以下の通りです。
- カスタマーサクセスの体制を整える
- 自社に最適なツールを選ぶ
導入体制を整える
カスタマーサクセスツールは導入するだけでは効果は上がりません。ツールを導入する目的を明確にし、カスタマーサクセスの体制を整えてから導入することで、ツールを最大限に活用することができます。
またツールを導入した後も、担当者への操作説明会の実施するなど社内に浸透させることが重要です。カスタマーサクセスツール導入の体制を整えるためのコストや時間も加味して導入の検討をすることをおすすめします。
自社に最適なツールを選ぶ
カスタマーサクセスツールは種類も豊富なため、自社に最適なシステムがどれか悩む方も多いです。予算や目的、必要な機能を整理してから導入することが大切です。
よくある質問
最後に、カスタマーサクセスツールの関連でよくある質問をまとめました。
CSツールとは何ですか?
CSツールとは、カスタマーサクセスツールと同義で、カスタマーサクセスを支援するツールのことです。(カスタマーサポートツールを意味することもあります。)
カスタマーサクセスとCRMの違いは何ですか?
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客の情報を管理し、顧客とのコミュニケーションを円滑にすることを目的としたマーケティング用語です。カスタマーサクセスも能動的に課題解決をしていくアクションのことなので、カスタマーサクセスの中にCRMという考え方があります。
CRMとSFAの違いは何ですか?
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を支援することを目的としたシステムです。CRMが顧客情報の管理ができましたが、SFAは見込み客の情報管理や営業活動の進捗管理など、営業担当者の活動に特化したシステムのことを言います。
まとめ|顧客の成功体験をサポートするカスタマーサクセスツール
今回はカスタマーサクセスツールについての概要、メリット、および注意点について解説しました。カスタマーサクセスツールは、顧客管理だけでなく積極的に顧客の成果をサポートすることができます。
顧客の課題解決にあたり、自分の部署では対応が難しいと思われる場合でも、他の部署では対応可能なことがあるかもしれません。カスタマーサクセスツールを使って顧客についてより多くの情報を共有・分析することで、顧客の課題解決や顧客満足度の向上につながります。是非、導入を検討してみてください。
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