カスタマーサクセスツールの導入事例6選|失敗しない選び方も解説
カスタマーサクセスツール導入の検討にあたり、「実際、どれだけ解約率を改善できるの?」「具体的な効果を知りたい」と考えいてる担当者は多いのではないでしょうか。
カスタマーサクセスツールには、顧客の満足度を向上させるさまざまな機能が搭載されています。しかし、初めて利用するとなると機能説明だけではわかりづらいでしょう。実際の導入イメージを知るには、事業規模が自社に近い他社導入事例を参考にするのがおすすめです。
そこで本記事では、カスタマーサクセスツールを検討している企業に向け、導入事例を紹介します。ツール導入を成功させるコツも解説しますので、顧客満足度を向上させたいと考える担当者はぜひ参考にしてください。
カスタマーサクセスツールの導入事例6選
カスタマーサクセスツールとは、企業がサブスクリプション型のサービスを提供する際に、顧客の成功をサポートするために利用するツールです。ツール導入により、顧客が製品・サービスを効果的に利用し、最大限の価値を引き出せるよう支援します。
実際にカスタマーサクセスツールを導入した企業にはどのような変化があったのか、BtoC企業とBtoB企業、合わせて6つのカスタマーサクセスツール導入事例をご紹介します。ぜひツールを選ぶ際の参考にしてください。
【BtoC】カスタマーサクセスツールの導入成功事例3選
自社商品のファンとの交流を、商品開発に生かした事例
食品メーカーの大手企業(従業員数5,439名)に、カスタマーサクセスツール「Coorum」を導入した事例です。この企業では、「商品を愛するファンに恩返しをしたい」という強い思いがあったそうです。そこで、お菓子の世界観を表現できるデザイン性や運用のしやすさからCoorumの導入を決意。ツールにより、自社で開発するお菓子のファンとつながるためのコミュニティを立ち上げました。
そして、企業やファン同士のコミュニケーションを増やすため、回答しやすいキャンペーンやオンラインイベントを実施。ユーザーのリアルな声を収集することで、商品開発やマーケティングに生かせるようになりました。今後は、ファン同士が共同で取り組むイベントや、より深いキャンペーンを実施し、お菓子の魅力を広く発信していく予定とのことです。
参照:Coorum公式サイト
コミュニティサイトの運用で顧客との交流を活発化させた事例
アパレル小売業を営む企業(従業員数1,726名)に、カスタマーサクセスツール「Commune」を導入した事例です。この企業では、コロナ禍により来客数が減った時期に、顧客との関係維持の手段としてコミュニティサイトを活用することに。
Communeを選んだ理由としては、カスタマイズ性の高さと「コミュニティキャンバス」というロードマップの存在だそうです。この機能により、プロジェクトの方向性がぶれることなく、持続的な運用が可能となりました。
そしてツール導入後のコミュニティサイトの運用により、スタッフと顧客、また顧客同士の交流が活発になり、1対1の関係から多対多の関係へと発展しました。例えばあるイベントでは、オンラインで交流していた顧客同士がリアルに会い、さらに交流を深めることができました。このような実体験が、顧客同士やスタッフとの結びつきを強化しています。
コミュニティサイトの導入で顧客とのつながりを強化し、リアルとオンラインを融合させた新しい形のコミュニケーションが実現しました。今後は、他のレーベルにもコミュニティサイトを拡大していく予定ということです。
参照:commune公式サイト
NPSを活用して営業の質を向上させた事例
人材紹介業を営む企業(従業員数783名)に、カスタマーサクセスツール「EmotionTech CX」を導入した事例です。
この企業がカスタマーサクセスツールを導入した背景は、営業体制の変化にあります。体制変化に伴い、営業担当者の評価を定量化し、顧客満足度を向上させるための指標としてNPS®を活用することに。ツール導入により、営業の質向上や顧客対応の改善を目指しました。
ツール導入後はメールアンケートで営業担当者の評価を集め、回収率を20%向上させました。また、四半期ごとにトップ営業担当者への表彰を行うことで、顧客満足度向上と営業担当者の意識改革を実現。顧客体験マネジメントが社内に定着し、顧客対応の質が大幅に改善されました。さらに、カスタマージャーニーマップやアラート機能を活用し、具体的な改善点をフィードバックすることで、顧客満足度の向上にも寄与したそうです。
参照:EmotionTech CX公式サイト
【BtoB】カスタマーサクセスツールの導入成功事例3選
顧客へのサポート対応に関する工数を削減できた事例
人事労務の効率化を支援するクラウドサービスを提供する企業(従業員数473名)が、カスタマーサクセスツール「Fullstar」を導入した事例です。この企業がカスタマーサクセスツールを導入したのは、提供システムの初期設定や機能活用を、顧客自身でスムーズに進められるようにするためです。新規顧客の増加に伴いカスタマーサクセスのリソースが不足したため、顧客が直接サポートコンテンツにアクセスできる仕組みの必要性が高まりました。
Fullstarを選定した理由は、導入コストの低さと費用対効果の高さ、開発リソースを使わずにチュートリアルを簡単に作成できる点です。また、オンボーディングチェックリストで利用手順を分かりやすく表示できる機能に魅力を感じたそうです。
画面内で専門用語の補足説明を行う「ツールチップ」や、顧客の設定進捗を一目で把握できる「チェックリスト」などの機能を活用し、顧客が疑問を解決しやすい環境を整備しました。
ツールの導入により、開発リソースを使わずにカスタマーサクセス部門のみで施策の実施が可能になったこと、また顧客への機能説明に関する工数の削減を実現しました。今後は、ログを活用してコンテンツの追加や改良を進め、顧客がどこでつまずいているかを分析し、より快適にサービスを活用してもらうための支援を強化していく予定ということです。
参照:Fullstar公式サイト
顧客情報の一元管理により業務を80%以上削減した事例
主に複写機やファクシミリなどを販売する企業(従業員数18,518名)に、カスタマーサクセスツール「Growwing」を導入した事例です。
この企業では、法務部門の課題解決に寄与する法務支援クラウドサービスを展開しています。顧客の利用状況を一元管理し、継続的なフォローに向けてカスタマーサクセスの環境整備を進めていく課題がありました。そこで、すでにSFAとして使用していたSalesforceと組み合わせが可能かつ、契約前から顧客管理が可能な「Growwing」を導入することに。
導入後は、カスタマーカルテによって顧客情報の一元管理を実現し、利用状況の可視化や導入までの進捗状況の把握などが可能になりました。具体的には、ある障害に対する影響範囲を調査してアナウンスを迅速に行うことが求められた際、 従来工数をかけていた顧客情報の調査時間を80%以上削減することができたそうです。顧客に向き合う時間が増えただけでなく、プロアクティブな活動に目を向けるためのリストも作りやすくなったことも大きな効果だと評価しています。
参照:Growwing公式サイト
自社の施策が、顧客の動きに現れることがわかるようになった事例
主に保育園・幼稚園向けの業務支援システムを提供するIT企業に、カスタマーサクセスツール「pottos」を導入した事例です。この企業では、カスタマーサクセス業務が属人的であり、情報管理もアナログでした。また、人員リソースや工数の状況から、解約率改善に対するアクションも先回りの対応が難しいという課題がありました。
そこで、導入コストに対して、業務がどれほど楽になるのかの対価が最も計算しやすいと感じた「pottos」を導入することに。また、解約リスクや利用状況の変化などの検知に重きを置いていたので、アクションの効率化を実現できそうなイメージが持てたことにあるということです。
導入や運用サポートはSlackで行えるため、「わからない」と思ったときにすぐ気軽に聞けるのがとても便利だということです。また、導入後は日々顧客のヘルススコアの変動や、アクティビティログがリアルタイムに確認できるようになりました。自社の施策が顧客の動きに反映されていることがわかるようになったということが大きい価値だそうです。
参照:pottos公式サイト
カスタマーサクセスツール導入成功のコツ
ここでは、カスタマーサクセスツール導入成功に繋げる選び方について解説します。主に、以下の3つに注意すれば、スムーズな導入・運用が実現できます。
- 導入目的を明確にする
- 必要な機能を確認
- 費用相場を確認
導入目的を明確にする
カスタマーサクセスツールは主に、5つのタイプに分けられます。
タイプ | 目的 |
---|---|
問い合わせ対応効率化 | 顧客からの問い合わせへの、効率的な対応 |
LTV最大化 | サービスの解約率改善や売上を向上 |
オンボーディング管理 | サービス利用を開始する新規顧客へのサポート |
コミュニティ構築・管理 | 顧客間の交流を促進し、ブランドに対する忠誠心やエンゲージメントを高める |
顧客満足度を測定 | サービスの改善や、顧客サービスの質の向上 |
例えば、サービスの解約率(チャーンレート)を改善したい場合、顧客の行動データを詳しく分析し、サービスから離れそうなタイミングを予測する機能が搭載された「LTV(顧客生産価値)最大化」の強みがあるツールをおすすめします。
また競合が多い市場でコミュニティを通じて、顧客がブランドに対する愛着を持ち続けるようにしたい場合「コミュニティ構築・管理」に特化したツールを選ぶと良いでしょう。サービスや製品への具体的な目的を設定することにより、ツール選定の基準が明確になります。
必要な機能を確認
カスタマーサクセスツールを選ぶ際は、サービスが抱える課題を解決するために必要な機能を確認しましょう。例えば、顧客からの問い合わせを効率化したい場合には、オンライン上の複数チャネル(SNS・電話・メールなど)からの問い合わせを一元管理する機能があるツールがおすすめです。
他にも、顧客満足度を定量的に測定するNPS(ネットプロモータースコア)機能があるツールを選ぶことで、顧客満足度を分析してサービス改善点を把握し、次のアクションに繋げることができます。
他にも、導入したいツールが他の既存システムと連携できるかどうかも確認が必要です。例えば、すでに使用しているCRMやMAツールとの連携が可能だと、各ツールで顧客情報を一元管理することで、より効果的なカスタマーサクセス活動を実現します。
費用相場を確認
料金項目 | 費用相場 |
---|---|
初期費用 | 無料〜お問い合わせ |
月額料金 | 従量課金:3,000円〜10,000円程度 固定費用:30,000円〜110,000円程度 |
カスタマーサクセスツールの導入にかかる初期費用は、課題をヒアリングしてから各企業にあうプランを提案する場合が多く、費用が明かされていないツールも多々あります。その中でも「Fullstar」や「Ambassador Relations Tool」「Re:lation」は初期費用無料のため、導入時のコストを抑えたい場合はおすすめです。
また月額料金は、プランによって分かれているツールが多いです。登録ユーザー数につき月額料金が変動する月額従量課金タイプの月額料金相場は3,000円〜10,000円程度。月額固定費用の場合の相場は、月額料金30,000円〜110,000円程度です。
まとめ:導入事例を参考に、自社の課題を解決できるカスタマーサクセスツールを選ぼう
カスタマーサクセスにより顧客の満足度を向上させるために、カスタマーサクセスツールを導入する企業が増えています。カスタマーサクセスツールには、カスタマーサクセス業務を効率化するだけでなく、解約率(チャーンレート)の引き下げやLTV(顧客生涯価値)向上、アップセル・クロスセルによる売上向上といった数多くのメリットが存在します。
しかし、導入するにあたって最も気になるのが実際の効果でしょう。自社にはどのような課題があり、どのような機能のあるツールを導入し、そしてどれだけ顧客満足度改善ができたのか知りたい方は多いはずです。その場合、自社と近い事業規模や業種の事例を参考に、自社の課題を解決できるカスタマーサクセスツールを選びましょう。
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