飲食店向けCRM(顧客管理システム)おすすめ10選
飲食店を経営していて、「せっかく来てくれた顧客が次に来るきっかけを作れない」「顧客情報は紙のノートに書きっぱなし」「スタッフに任せきりでデータが活かせていない」そんな課題を感じている方も多いでしょう。
本記事では、飲食店の現場で本当に役立つCRM(顧客管理システム)を厳選して紹介します。顧客との関係性を深め、リピーターを育て、安定した売上をつくっていくためのヒントとして、選び方や活用のポイントもあわせて解説しています。
- 飲食店におけるCRM(顧客管理システム)とは
- 飲食店がCRM導入を検討すべき理由
- 飲食店が顧客管理システムを導入するメリット
- 【比較表】飲食店向けCRM(顧客管理システム)
- 【複数店舗向け】飲食店向けCRMおすすめ4選
- 【マーケティング重視】飲食店向けCRMおすすめ3選
- 【小規模・個人経営】飲食店向けCRMおすすめ3選
- 飲食店で活用できるCRMの主な機能
- 失敗しない飲食店向けCRMの選び方・比較方法
- 飲食店におけるCRM導入の成功事例
- まとめ:CRMで新規顧客をリピーターに変える仕組みを構築しよう
- よくある質問

飲食店におけるCRM(顧客管理システム)とは

CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)とは、お客様との関係を築き、深める仕組みや考え方です。もともとは営業やマーケティングの幅広い活動を指していましたが、最近では「顧客情報を一元管理し、活用するITシステム」として使われることが増えています。
飲食店でも、CRMを活用するとお客様の来店履歴や好みのメニューなどをまとめて管理できます。顧客情報を活かし、常連のお客様に特別メニューを案内したり、人気メニューの復活をお知らせしたりといった個別対応が可能です。お客様に「自分のことを覚えてくれている」と感じてもらえ、満足度が上がり、再来店のきっかけやお店のファンづくりにもつながります。新規のお客様を増やすだけでなく、既存のお客様と長くつながることが、飲食店経営にとって大切なポイント。CRMは、その基盤を整え、情報の蓄積から活用までをスムーズに行うための有効な手段です。
飲食店がCRM導入を検討すべき理由
ここでは、飲食業界が直面する課題と、その解決策としてのCRM導入の必要性について詳しく解説します。
飲食業界が直面する課題とCRM導入の必要性
飲食店は現在、「人手不足」「人件費の高騰」「売上の低迷」「物価の上昇」など、さまざまな課題を同時に抱えています。特に深刻なのが人手不足で、コロナ禍を経た今でもスタッフが十分に戻らず、少ない人数でお店を切り盛りしている店舗が少なくありません。こうした状況で、限られた人員でも効率よく営業し、リピーターを増やす仕組みづくりが欠かせません。そこで注目されるのが、顧客情報を有効に活用してサービスを最適化できるCRM(顧客管理システム)です。
CRMがもたらす業務効率と収益効果
CRMは、顧客情報を自動で収集・分析し、それを活用できる仕組みを備えたツールです。経営者は分析結果をもとに、個々の顧客のニーズや嗜好に応じたサービス提供が可能に。結果として、顧客満足度が向上し、リピート率や収益の改善につながります。また、ツールを活用することで、接客の属人化を防ぎつつ、スタッフの経験に依存しない施策展開も可能になります。これは人手不足下にある飲食業界にとって、大きなメリットといえるでしょう。
データが示す、CRM導入の効果
株式会社リクルートが2023年3月に行った調査によると、デジタルツールの導入に関心を持つ飲食店経営者は全体の45.5%と、前回よりわずかに増加しています。これは、デジタル活用への関心が引き続き高まっていることを示しています。

飲食店の経営課題としては「売上UP」が50.4%で最も多く、次いで「食材費の削減・最適化」(28.7%)や「顧客満足度UP」(20.9%)が続いています。 こうした課題への対策として、すでにデジタルツールを導入している飲食店のうち、82.4%が「何らかの効果を感じている」と回答しています。これはデジタル化による一定の成果が現場で実感されている証拠といえるでしょう。

さらに、導入による具体的な効果として、最も多かったのが「売上UP」。次いで「顧客満足度の向上」や「経営数値の管理強化」など、店舗運営の課題に直結する改善が見られました。前年度の調査に比べ、これらの効果実感の割合が複数の項目で上昇しており、デジタルツール活用がさらに浸透している様子がうかがえます。特に、CRM(顧客管理システム)に限った調査結果でも、「顧客満足度の向上」が33.1%、「売上UP」が30.3%と、導入店舗の約3割が効果を実感しています。再来店促進や客単価向上など、店舗の収益に直結する成果がデータでも示されています。
参考:株式会社リクルート「飲食店経営者のDX※2に対する興味・関心と導入状況の実態調査(2023年3月調査)」
飲食店が顧客管理システムを導入するメリット
売上や顧客満足度の向上を実感している飲食店も増えており、CRM(顧客管理システム)の導入が注目されています。では、CRMを導入することで具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
- 来店履歴や予約情報を一元管理し、顧客対応をスムーズに
- 顧客情報の共有でスタッフの接客レベルを統一
- 来店傾向に合わせた販促でリピーターを増やす
- 個別対応で満足度を高め、再来店を促進
来店履歴や予約情報を一元管理し、顧客対応をスムーズに
CRMを導入すると、顧客の来店履歴や予約情報など、あらゆる情報を一ヶ所にまとめて管理できます。顧客数が増えても、情報が散在せずに集約・可視化されるため、対応漏れや情報の重複が起こりにくくなります。さらに、予約状況を正確に把握することで、スムーズな接客が可能になり、安定した店舗運営をサポートします。スタッフ間でも同じ情報を共有でき、担当者が不在でも接客の質を一定に保てるのも大きなメリットです。
顧客情報の共有でスタッフの接客レベルを統一
CRMがあれば、店舗内での顧客情報の共有がスムーズになります。どのスタッフが対応しても、同じ情報をもとにした接客ができ、サービスのばらつきを抑えることが可能です。 逆にCRMがない場合は、顧客情報がスタッフごとにバラバラに管理されがち。認識の違いや伝達ミスが起こりやすく、クレームにつながる恐れもあります。CRMはこうしたリスクをなくし、安定した接客を実現するための強い味方です。
来店傾向に合わせた販促でリピーターを増やす
CRMでは、顧客の誕生日や記念日、好みのメニュー、アレルギー情報などの詳細なプロフィールを管理できます。これらの情報を活かし、個々の顧客に合わせた販促施策を展開することで、「また行きたい」と思わせるリピーターを増やすことが可能です。お客様に「自分のことを覚えていてくれた」と感じてもらえるようなパーソナライズされたサービスを提供でき、顧客のロイヤリティ向上にもつながります。
個別対応で満足度を高め、再来店を促進
CRMに蓄積された顧客データを分析することで、それぞれのお客様に合った最適なタイミング・内容で情報を届けられます。例えば、初回来店者にはクーポン付きのお礼メールを送り、常連には過去の注文履歴に基づくおすすめメニューを提案するなど、状況に応じた施策が実現できます。また、サービスの評価やフィードバックをデータとして蓄積・可視化することで「どんなサービスを強化すべきか」「どんなメニューが高評価か」を見極め、次の販促や改善に活かせる体制をつくれます。結果的に、店舗全体のファンづくりや再来店率アップに貢献できます。
【比較表】飲食店向けCRM(顧客管理システム)
ここからは、飲食店向けCRMを比較します。以下の比較表で、月額料金や機能・特徴を比較していますので、自社の予算や必要な機能と照らし合わせながら、ご確認ください。
サービス名 | 月額料金 | 機能・特徴 |
---|---|---|
レストランボード | 無料〜 | 複数店舗の予約・売上情報をAirレジと連携して一元管理可能。初期費用・月額ともに無料で導入しやすい。 |
ぐるなび台帳 | 無料〜 | ぐるなびネット予約と連携し、予約情報と顧客台帳を一元管理。系列店間の送客や顧客着信通知など多店舗運営に便利な機能が揃う。 |
リザーブキーパー | 3,300円(税込)~ | 電話番号をキーとしたCTI機能で、着信時に顧客情報を即時表示。SMSリマインドやデリバリー管理も可能で店舗展開にも対応。 |
Knowledge Suite | 55,000円(税抜)/1法人〜 | CRM+SFA+グループウェアが統合されており、多拠点の営業活動や顧客情報を本部で一元的に管理できる |
トレタ予約台帳 | 要問合せ | 顧客アンケートや来店履歴の蓄積で、接客改善や再来店施策を展開可能。データに基づいた販促支援がしやすい |
TableCheck | 要問合せ | キャンセル対策やコンタクトレス決済、多言語対応、SMS配信など、販促・顧客対応機能が豊富 |
ebica | 要問合せ | グルメサイト連携、属性管理、AI電話予約対応など、マーケティング重視の店舗運営に向いている |
スマレジ | 無料〜 | POS・在庫・顧客管理の基本機能を無料導入できる。初めてのCRM導入に適した設計 |
ユビレジ | 6,900円(税抜)~ | 操作が直感的で、個人経営店舗でも扱いやすい。POS中心に必要機能がまとまっている |
GMOおみせアプリ | 22,000円(税込)〜 | アプリ型のCRMで、スタンプ、クーポン、プッシュ通知などリピーター向け施策に特化。個人店との親和性が高い |
飲食店向けのCRMは、無料プランから月額数千円、さらに高価格帯まで幅広く展開されています。無料プランでは「レストランボード」「ぐるなび台帳」などがあり、手軽に導入可能です。一方で、販促や顧客対応を強化できる機能を備えた「GMOおみせアプリ」や「Knowledge Suite」などは、月額2万円超のものも見られます。
また、飲食店向けのCRMはPOSや在庫管理に加え、着信時に顧客情報を表示するCTI機能やSMS配信、多言語対応など、幅広い機能を提供しています。全体的に、無料や低価格から始め、多店舗運営やリピーター施策の強化へと拡張しやすいラインナップが揃っているのが特徴です。
【複数店舗向け】飲食店向けCRMおすすめ4選
複数店舗を運営する飲食店では、店舗ごとの顧客情報や予約データをいかに一元管理できるかが大きな課題。本部からの統一施策やデータ分析を行う上でも、CRMの導入は欠かせません。ここでは、複数拠点での展開を前提とした飲食店に適したCRMを厳選して紹介します。

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料金
要問合せ -
初期費用
要問合せ
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最低利用期間
要問合せ
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最低利用人数
要問合せ
レストランボードは、リクルートが提供する飲食店向けのCRMです。初期費用・月額料金ともに無料から導入でき、iPadやパソコン、スマートフォンから利用可能です。電話やネット予約を一元管理でき、ホットペッパーグルメやAirレジとの連携により、予約情報や会計データを統合管理できます。
顧客台帳機能では来店履歴や注文履歴を蓄積し、記念日や好みに合わせた接客が可能。また、メッセージ配信やホームページ作成、ネット広告配信などのオプション機能も提供されており、集客とリピート促進を支援します。
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料金
月0円 -
初期費用
要問合せ
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最低利用期間
要問合せ
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最低利用人数
要問合せ
ぐるなび台帳は、ぐるなびが提供する飲食店向けのCRM。「ぐるなびネット予約」との連携により、予約情報が自動で反映され、配席まで自動化されます。さらに、POS+との連携により、喫食情報や会計データも統合管理が可能です。
顧客台帳機能では、来店履歴やアレルギー情報、記念日などの詳細情報を蓄積し、リピーター促進に活用できます。また、電話自動受付予約(IVR)や着信顧客通知(CTI)などのオプション機能も提供されており、予約の取りこぼしを防ぎ、接客品質の向上を支援します。

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料金
月3,300円/企業 -
初期費用
要問合せ
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最低利用期間
3ヶ月間
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最低利用人数
要問合せ
リザーブキーパーは、株式会社エアネットが提供する飲食店向けのCRMです。イートイン予約に加え、テイクアウトや自社デリバリーの注文管理も可能で、ネット予約と電話予約を一元管理できます。
CTI機能により、着信時に顧客情報を自動表示し、過去の来店履歴や注意事項を即座に確認できます。また、SMSによる予約リマインド送信や、送客手数料不要のWeb予約ページ作成、メール配信機能など、集客とリピート促進を支援する多彩な機能を備えています。
初期費用は無料、月額料金は基本料金と店舗利用料金の合計で構成され、CTIオプションの有無により変動します。中小規模から大規模店舗まで、幅広い飲食店の業務効率化と顧客満足度向上を実現するツールです。

Knowledge Suite
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料金
月55,000円 -
初期費用
0円
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最低利用期間
要問合せ
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最低利用人数
要問合せ
Knowledge Suite(ナレッジスイート)は、ブルーテック株式会社が提供する純国産のクラウド型CRM。複数店舗を展開する飲食店に適しており、SFAやグループウェアと統合された機能で顧客情報や業務データを本部で一元管理できます。
ユーザー数無制限の料金体系により、店舗数やスタッフ数の増加にも柔軟に対応可能。動的可視化やIP制限といったセキュリティ機能で、店舗ごとの閲覧権限を細かく設定でき、情報漏洩のリスクを抑えながら、効率的な情報共有が可能です。
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- 顧客管理機能
- 見込み顧客の管理機能
- メール一斉配信
- 問い合わせ管理機能
- レポートのカスタマイズ設定
- リードのタグ設定
- 企業情報の自動取得機能
【マーケティング重視】飲食店向けCRMおすすめ3選
顧客との関係性を深め、再来店やファン化を促すには、マーケティング機能を備えたCRMの導入が効果的。ここでは、集客やリピーター施策を強化したい飲食店におすすめのCRMを紹介します。

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料金
要問合せ -
初期費用
要問合せ
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最低利用期間
要問合せ
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最低利用人数
要問合せ
トレタ予約台帳は、飲食店向けに設計されたCRM。誰でも直感的に使える操作性であり、予約の入力から配席、顧客情報の蓄積までを一元管理できるのが特長です。
無料でオンライン予約ページを作成でき、SNSや公式サイトと連携させることで、24時間365日予約受付が可能に。予約情報は自動で台帳に反映されるため、転記ミスやダブルブッキングを防止します。
さらに、10以上のPOSレジ、20以上のグルメサイトと連携しており、売上や予約情報の一元管理が可能。予約業務を効率化したい飲食店経営者やマネージャーにとって、操作性と機能性を兼ね備えた実用的なツールです。

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料金
要問合せ -
初期費用
要問合せ
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最低利用期間
要問合せ
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最低利用人数
要問合せ
TableCheckは、飲食店向けのCRM・予約管理システムです。グルメサイトや自社サイト、SNS経由の予約を一元管理でき、送客手数料も不要。キャンセル防止機能や非接触決済など、業務効率化にも強みがあります。
顧客の来店履歴や好みなどを詳細に記録・共有でき、パーソナライズされた接客が可能に。さらに、SMSやメールでの自動リマインド・フォローアップ機能も備えており、リピーター育成や再来店促進に活用できます。予約管理にとどまらず、マーケティング施策まで見据えた運用ができる点が特徴です。

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料金
要問合せ -
初期費用
要問合せ
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最低利用期間
要問合せ
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最低利用人数
要問合せ
ebica(エビカ)は、株式会社エビソルが提供する飲食店向けのクラウド型予約管理システムです。自社サイト、SNS、電話、グルメサイトなど複数の予約経路を一元管理し、業務の自動化と予約機会の最大化を実現します。
業界初の「グルメサイトコントローラー」で在庫情報を自動更新し、ダブルブッキングの防止にも貢献。さらに、AI電話応対「AIレセプション」やPOS、CRMとの連携、予約分析ダッシュボードも備え、多店舗展開する飲食店の効率的な運営と顧客満足度の向上を支援します。
【小規模・個人経営】飲食店向けCRMおすすめ3選
個人経営や小規模な飲食店でも、リピーター獲得や接客の質向上にCRMは十分役立ちます。本章では、小規模店舗の現場になじみやすいCRMを厳選して紹介します。

スマレジ
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料金
月5,500円/店舗 -
初期費用
0円
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最低利用期間
要問合せ
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最低利用人数
要問合せ
スマレジは、株式会社スマレジが提供するクラウド型POSレジシステムで、iPadやiPhoneを活用し飲食店や小売店、美容室などに対応します。
スタンダードプランは基本機能を無料で提供し、有料プランでは在庫管理・複数店舗管理・顧客管理が可能です。CRM機能では来店履歴や購入履歴、属性情報をもとに顧客を分析し、ポイント管理や会員ランクと連携したリピーター施策が実施可能。外部マーケティングツールとの連携にも対応し、販促強化と顧客満足度向上を支援します。

ユビレジ
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料金
月6,900円~ -
初期費用
145,173円~
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最低利用期間
1ヶ月~
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最低利用人数
要問合せ
ユビレジは、株式会社ユビレジが提供するiPad対応のクラウド型POSレジ。シンプルな操作性と導入のしやすさから小規模店舗に最適です。「カンタンがいちばん」をコンセプトに、ITに不慣れなスタッフでも直感的に使えるUI設計が特徴で、教育コストも最小限。
初期費用を抑えてスタートでき、必要な機能に応じてプランを選べるため、単店舗でも無駄なく導入できます。さらに、顧客管理機能では来店履歴や購買情報を蓄積し、CSV連携により他ツールとの併用も可能。シンプルながらPOS・在庫・CRMを統合し、成長に合わせて機能を拡張できる柔軟性も備えています。
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料金
月22,000円〜 -
初期費用
要問合せ
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最低利用期間
要問合せ
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最低利用人数
要問合せ
GMOおみせアプリは、GMOデジタルラボ株式会社が提供する、店舗向けのオリジナルアプリ制作サービスです。飲食店や小売店、美容室など多業種に対応し、スタンプカードや会員証、クーポン配信、プッシュ通知など、集客・販促に特化した機能を備えています。セミオーダー形式での開発により、低コストかつ短期間での導入が可能です。
また、POSレジやCRM、ECサイトとのAPI連携にも対応し、店舗の業務効率化と顧客満足度の向上を支援します。2025年1月時点で、導入実績は10,900店舗を超えています。
以上、おすすめの飲食店向けCRMを詳しく紹介しました。PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、飲食店向けCRM選びの相談を承っています。いくつかの質問に答えるだけで自社におすすめのツールがわかる診断(無料)も用意していますのでぜひご活用ください。
飲食店で活用できるCRMの主な機能
飲食店におけるCRM(顧客関係管理)ツールの活用は、リピーターの獲得や売上アップに直結します。本章では、飲食店に特に効果的なCRMの主な機能を紹介します。
機能 | 機能内容 |
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顧客情報の一元管理 | 名前・連絡先・来店頻度などの顧客データを一括管理し、個別対応を効率化 |
ポイント・クーポン管理機能 | 来店や注文に応じてポイント付与やクーポン発行を自動化し、再来店を促進 |
予約・来店履歴の管理 | 予約情報や来店履歴を記録し、常連客の傾向把握や接客に活用 |
メッセージ配信・キャンペーン通知 | セグメント別にメールやLINEなどで情報配信し、来店誘導や販促を強化 |
アンケート・フィードバック収集 | 顧客満足度調査や意見収集を実施し、サービス改善や新メニュー開発に反映 |
売上・顧客分析 | 顧客層や来店傾向を分析し、効果的な販促やメニュー戦略の立案に活用 |
顧客情報の一元管理
来店客の名前、連絡先、誕生日、アレルギー情報、来店頻度などを一つのデータベースで管理できます。スタッフが情報を瞬時に確認でき、個別対応やリピーターへのサービス向上が可能になります。顧客満足度の維持にも効果的です。
ポイント・クーポン管理機能
ポイントの付与やクーポンの発行・使用を自動で管理できる機能です。来店や注文金額に応じた特典で再来店を促進でき、紙のスタンプカードよりも管理が簡単。利用履歴に基づいて特別クーポンを配信するなど、ファン作りにもつながります。
予約・来店履歴の管理
電話やネット予約などの情報を一元化し、顧客ごとの来店履歴を蓄積できます。過去の注文内容や来店日時を把握することで、常連客への一言サービスや、混雑時の事前対応にも役立ちます。予約対応の効率化にも貢献します。
メッセージ配信・キャンペーン通知
特定の顧客層に向けたメッセージを、メールやLINEで個別・一斉配信できる機能です。誕生日特典や季節のフェア案内、雨の日キャンペーンなど、柔軟な告知が可能。パーソナライズされた配信により、高い反応率が期待できます。
アンケート・フィードバック収集
来店後のアンケートや口コミ、メニューへの評価などを簡単に収集できます。顧客の声をデータで蓄積し、サービスや料理の改善、新メニュー開発の参考にすることが可能。ネガティブな意見への即時対応も信頼度向上につながります。
売上・顧客分析
来店時間帯・曜日別の売上や、客層の年齢・性別別の傾向などを分析できます。人気メニューやキャンペーン効果も数値で把握でき、今後の集客戦略やメニュー構成に反映できます。勘に頼らない店舗運営を実現します。
失敗しない飲食店向けCRMの選び方・比較方法
飲食店向けのCRM(顧客管理システム)の選び方・比較方法は次の通りです。
- 従業員が入力しやすい操作画面か
- 自社に必要な機能は搭載されているか
- POSなど他システムとのデータ連携はできるか
- トータルコストで費用を比較し、予算内に収まっているか
従業員が入力しやすい操作画面か
飲食店には、正社員のみならずパートスタッフ、バイトスタッフなどさまざまな従業員がいます。誰もが簡単に使いこなせる操作性の良いCRMを導入しましょう。「入力しづらく、従業員が使いこなせない」という失敗を防ぐために、CRM導入前に無料トライアルや無料デモの利用がおすすめ。また、製品資料だけではなく、口コミもチェックしましょう。
自社に必要な機能は搭載されているか
飲食店のCRMには数多くの製品があり、製品によって使える機能は異なるため、自社に必要な機能を搭載したCRMを選びましょう。例えば、マーケティングの分析に注力したいのであればAI搭載のシステムが役立ちます。また、導入費用をなるべく抑えたいという場合、とにかくリーズナブルなCRMを選んでしまいがちです。しかし、料金の安さだけで選んでしまうと、将来的に必要となる機能が搭載されていないケースも。まずは導入目的を明確にした上で、いくつかの顧客管理システムを比較してください。
POSなど他システムとデータ連携はできるか
飲食店にCRMを導入する場合、POSシステムのような他システムとデータ連携ができるかも確認しましょう。POSシステムとCRMを連携できれば、顧客の性別や購入内容などのデータをCRM内に取り込めます。また、CRMと予約管理システムを連携できれば、顧客の氏名や電話番号、注文内容、来店回数などのデータも一元管理可能です。POSシステムや予約管理システムと連携できない場合、それぞれのシステムからデータを手打ちしなければならないため、非効率。余計な手間を減らすためにも、システム連携の可否は事前に行ってください。
トータルコストで費用を比較し、予算内に収まっているか
CRM導入の初期費用や月額利用料だけでなく、オプション料金の対象範囲、従量課金制の有無も確認し、トータルコストで費用を比較して予算内に収まっているかをチェックしましょう。CRM導入前にランニングコストを把握しておくことで、「年間の利用料金が経営に影響している」事態を回避できます。
飲食店におけるCRM導入の成功事例
他社の導入事例を参考にすることで、自社の課題に合ったCRMを選びやすくなり、成功のヒントを得られるでしょう。本記事では、飲食店がCRMを活用して課題を解決した具体的な事例を2つご紹介します。
事例①スムーズな会計と顧客データ管理を効率化した事例
個人経営の飲食店(顧客数1,000名以上)に「Airレジ」を導入した事例を紹介します。3店舗を展開するこの飲食店では、従来のシステムによる顧客管理がうまくいかないだけでなく、消費税の計算にもミスが生じるなどの状況にありました。そこでCRM機能を搭載したPOSレジシステム「Airレジ」の導入することに。
導入後は、スムーズな会計が可能になっただけでなく、顧客のデータ管理も効率化。顧客データに加え、オーダーされたメニュー、頼んだコースの価格帯などの情報も一元管理し、来店後のDM送付やリピーター育成に役立てているとのことです。
事例②売上20%増加・ミスを減らすことに成功した事例
2023年3月にリニューアルオープンした海鮮居酒屋に「ユビレジ」を導入した事例を紹介します。この飲食店はもともと使用していた他社製品について、オペレーションやサポート対応に課題を感じており、店舗のリニューアルをきっかけにユビレジに乗り換えました。ユビレジを選んだ理由はシンプルかつ操作性の良さ、そして営業担当者の対応や充実したサポートも決めての一つだったそうです。
ユビレジを通じてスタッフを呼ばずに気軽に注文できるため、売上が20%増加。また本部と店舗で同じ画面を見て会議できるだけでなく、以前よりも管理・分析が楽に。さらにランチ時に特に多い、個別会計時の処理も楽になり、ミスも減ったということです。
まとめ:CRMで新規顧客をリピーターに変える仕組みを構築しよう
飲食店におけるリピーター化には、店舗の顧客情報をデータで集約し、そのデータを元に最適なマーケティングを展開していくことが欠かせません。「新規顧客をリピーター化できていない」とお悩みの飲食店オーナーは、CRMを導入して顧客データを分析し、新規顧客をリピーター化する施策を打ち出していきましょう。
PRONIアイミツでは、さまざまな条件でCRMを比較できます。導入実績のある業界・企業規模・使いたい機能などで絞り込み、あなたの会社に最適なサービスを探してみてください。
→CRMの最新ランキングはこちら
飲食店向けCRMは多数あり、どれを導入すべきか迷ってしまうでしょう。PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、飲食店向けCRM選びについての相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った飲食店向けCRMが分かる診断(無料)もありますので、ぜひ一度お試しください。
よくある質問
飲食店のCRM(顧客管理システム)について、よくある質問に答えます。
エクセルでも顧客管理は可能?
エクセルは初期導入コストが低く、導入しやすい点がメリット。また豊富なテンプレや柔軟なカスタマイズ性があり、基本的なデータの整理や分析が可能です。しかしデータが増えると手動での更新や管理に時間がかかるだけでなく、手入力によるミスが発生することも。CRMを導入することで顧客情報を一元管理だけでなく、自動化された分析や効果的なマーケティング施策を実現できます。
無料で使える飲食店向け顧客管理アプリは?
無料で使える飲食店向け顧客管理アプリは、「HubSpot」と「Zoho CRM」です。また、POSレジシステムの「Airレジ」 は、オーダーシステムの機能を除くすべての機能を無料で利用できます。
CRM以外に、飲食店におすすめの管理システム(SaaS)は?
SaaS(Software as a Service)とは、インターネットを経由しソフトウェアを利用できるサービス形態のことです。飲食店が導入すべき管理システムはCRM以外にもあり、ここでは飲食店向けSaaSツールをを紹介します。
SaaS | できること |
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POSレジシステム | 会計・売上管理 |
販売管理システム | 売上データ管理 |
店舗管理システム | 多店舗運営の一元管理 |
注文処理システム | 注文の効率化・自動化 |
営業支援システム(SFA) | BtoB営業の進捗管理 |
飲食店にとってPOSレジシステムは、売上のリアルタイム把握や会計時の不正防止、閉店作業の効率化といった多くのメリットがあり、導入優先度の高いSaaSツール。販売管理システムは、売上データをリアルタイムで確認しながら効率よく管理でき、仕入れや売上計画の精度向上にもつながります。特にBtoB取引を行う飲食事業者には、営業支援システム(SFA)の導入も効果的。商談の進捗や取引先の対応状況を一元管理でき、営業活動を効率化できます。
また、複数の店舗を展開している飲食チェーンには店舗管理システムがおすすめ。売上・在庫・従業員の管理がまとめて行えるため、本部と店舗間の連携がスムーズになります。さらに、注文回転率の高さが求められる店舗では、注文処理システムの導入により注文受付の自動化や待ち時間の短縮が実現し、業務効率と顧客満足度の向上が期待できます。例えば「gateモバイルオーダー」や「CASHER ORDER」などが代表的な製品です。
探すのに時間がかかる
相場がわからない
複数を比較しづらい
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