CRMとは?仕組みから使い方・CRM施策までわかりやすく解説
CRMは顧客情報を管理し、分析したデータを基に顧客それぞれのニーズに合わせた対応ができます。そのため価値観の多様化により市場が細分化され、競争が激化している現代の日本において大きな注目を集めているツールです。実際CRMは日本でも浸透しておきており、導入により高い成果を出している企業も多く存在します。
そこで今回は、CRMの主な機能や仕組み、メリット・デメリットなどを紹介すると共に、CRMの使い方や施策など最大限効果を発揮させるためのコツなども紹介します。CRMの導入を検討している方や、CRMの活用方法に悩んでいる方はぜひチェックしてください。
- CRMとは
- CRMの仕組み
- CRMとSFAの主な違い
- CRMツールの主な機能
- CRMのメリット・デメリット
- CRMの使い方
- CRMの導入形態における種類
- CRMの費用相場
- CRMを用いた施策とは
- CRMを活用する際のコツ
- まとめ
CRMとは
まずCRMの使い方や施策を知る前に、そもそもCRMとは何か、基本的な知識と目的について紹介します。CRMは顧客管理を行うことが目的の情報管理システムであり、この情報を活用して営業活動をよりスムーズに行えるようになります。
またCRMの仕組みなどについても紹介していますので、詳しい情報を知りたい方はぜひチェックしてください。では次の項目で詳しく見ていきましょう。
CRMの意味
CRMはCustomer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネージメント)の略で、日本語に訳すと「顧客関係管理」という意味になります。基本的には既存顧客に対して使われるツールであり、名前のとおり顧客の情報を収集・管理をメインに行うツールです。収集した情報をもとに自社サービスの顧客満足度を向上させるための施策を行います。
CRMの目的
CRMの目的は顧客との良好な関係を構築し、リピーター獲得や顧客単価アップを目指すことにあります。CRMはITツールとしての印象が強くなっていますが、広義のCRMは顧客中心にビジネスを展開し、利益の最大化を目指すマネジメント手法のことを指します。
現在日本では価値観の多様化により市場が細分化されており、顧客のニーズを正確に把握し、最適な戦略を打つための手法として注目されるようになりました。
CRMの仕組み
CRMの仕組みは主に、顧客情報の収集・情報の整理と分析・サービスの提供に分けられます。まず氏名や性別、年齢、職業などの顧客情報をなるべく多く集めます。次に集めた情報を分類、整理し分析を実施。顧客がどのようなときに購買を行う傾向があるかなどのニーズを把握し、どういったサービス提供をすれば顧客満足度を上げられるかなどを考えます。
最後に分析した情報をもとに、顧客それぞれに合ったサービスを提供します。サービス提供の方法としてよく利用されるのは、おすすめ商品をPRするDMの送信や、割引・キャンペーン情報の発信などです。また発信した情報に対する顧客の反応を収集し、分析して次に発信するDMなどの情報に活用します。
CRMとSFAの主な違い
CRMと似たシステムとしてSFAが存在します。そこで次にCRMとSFAの特徴を紹介すると共に、CRMとSFAでは機能や目的がどのように違うのかについて詳しく紹介します。
CRMの特徴
CRMは既存顧客に対して使用されるツールであり、収集した顧客の属性や行動傾向などの情報をもとに分析を行い、それぞれに合った幅広い施策を実施します。顧客との関係性を強化することが目的であり、自社サービスに対する顧客満足度を向上させることで、リピーター獲得や継続的なサービス利用を図ります。機能としては顧客情報の収集と分析、DMなどの情報発信などが可能です。
SFAの特徴
SFAはSales Force Automation(セールスフォースオートメーション)の略で、日本語に訳すと「営業支援システム」という意味があります。名前のとおり営業を支援するためのツールであり、主な機能は顧客管理や行動管理、スケジュール管理など営業の進捗状況が把握できる機能と、ToDoリストの作成・通知、データ分析など効率化を助ける機能に分かれます。営業を幅広い面からサポートできることが特徴です。
CRMとSFAの違い
CRMとSFAの大きな違いは目的です。CRMは顧客との良好な関係性を構築することが最終的な目的ですが、SFAは行動管理やToDoリスト作成などにより営業活動の効率性を向上させることが目的となっています。
使用する順番で言えばSFAの次にCRMであり、SFAでマーケティングと新規顧客獲得を行い、CRMで獲得した顧客をリピーターにするなど継続的な利用を促す、という流れになります。
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CRMツールの主な機能
CRMに搭載されている機能としては以下のものが挙げられます。
- 顧客情報の分析
- DMやメールの配信
- キャンペーンやプロモーションの管理
- 各種計測ツールなど外部システムとの連携
- KPI分析
DM・メールの配信においては新商品などの情報を自動的に送信できるほか、開封率が検証できるためアプローチの精度を高めることが可能です。キャンペーン・プロモーションの管理では、直近の購入履歴など顧客情報に合わせて、最適なターゲットへ最適なタイミングで優待券・クーポンの配布が自動配布できます。
KPI分析とは、ある目標を達成するまでに段階的な指標を設け、評価基準をつくることを言います。CRMを導入することで、もし目標に到達できなかったとしてもその要因が分析しやすくなるでしょう。
CRMのメリット・デメリット
さまざまな機能があり、売上アップが期待できるCRMですが、導入するにあたり気になるのはどのようなメリット・デメリットがあるかということです。そこで次にCRMを導入するメリットとデメリットを詳しく紹介します。
主なメリットは業務効率の向上や情報共有・管理のしやすさなどで、デメリットはコストと社内への定着のしにくさです。では次の項目で詳しく見ていきましょう。
CRMのメリット
CRMを導入するメリットとしては顧客情報の共有・管理のしやすさと業務効率の向上が挙げられます。まずこれまで営業担当者が個人で管理していた顧客情報を一元化できるため、引継ぎにかかっていた時間が削減でき、対応漏れなどを防げます。
またシステムにアクセスすれば誰でも情報が閲覧できるため共有も行いやすいでしょう。CRMシステムは分析や商談の日程調整などを自動で行ってくれるため、業務効率を向上させることも可能です。
CRMのデメリット
CRM導入のデメリットとしては、コストの高さと社内への定着のしにくさが挙げられます。CRMはシステムに費用がかかるのはもちろん、業務フローの構築や、システムの使い方を教えるためにかかるコスト、月々の運用費が必要となるため、総合的にある程度の費用は必要となってくるでしょう。
またCRMを利用するのは現場の営業マンであるため、操作が難しい、業務フローが整備されていないなどの理由で中々社内に定着できない企業も存在します。
CRMの使い方
CRMの使い方としては、部門間の連携強化や顧客満足度のアップ、投資するべき施策の分析などが挙げられます。
企業は規模が大きくなれば部門間の連携が取りにくくなりますが、CRMは情報共有がしやすく、会社全体で目標を顧客目線に合わせて設定できるため、連携しやすい環境づくりが行えます。またCRMは購入履歴などのデータを素早く参照できるため電話問い合わせなどにもスムーズに対応でき、顧客満足度を高めることが可能です。
さらに新規顧客の開拓が難しい昨今では、どのような施策で売り上げアップを目指すかは大きな課題となります。しかしCRMは既存顧客の購買履歴などが分析レポートとして提出されるため、今一番効果の高い施策は何か、どうアプローチすればいいかを素早く検討できます。
CRMの導入形態における種類
CRMにはパッケージ型・オンプレミス型・クラウド型の3種類があり、それぞれに特徴や導入方法が異なります。そこで次に、それぞれの導入形態について詳しく紹介します。
パッケージ型
パッケージ型はメーカーなどから発売されているソフトウェアを購入し、自社のパソコンやサーバーにインストールして使用するタイプです。
機能性は価格に依存しており、カスタマイズのしにくさがありますが、インターネットを介さないためセキュリティ面で安全性を確保しやすいのが魅力。またオンプレミス型ほどではないものの、初期コストや障害対応で費用がかかりやすいことも特徴です。
オンプレミス型
オンプレミス型は自社サーバーに直接システムを構築・運用するタイプです。パッケージ型よりも基本的に高性能となっている上、カスタマイズ性が高く自社に適したシステムにできます。
またネットワークは構築するものの社内で完結しているため、セキュリティ面も安心。ただし3種類のなかでもっとも初期費用が高く、システムを利用できるIT人材なども確保する必要があるため、比較的規模の大きな会社への導入がおすすめです。
クラウド型
クラウド型は、サービスの運営会社が運用するサーバー上に構築したCRMシステムをインターネットを介して利用するタイプです。自社のパソコンやサーバーを利用しないため気軽に導入しやすく、初期費用も上の2種類よりも安くなっています。
また新機能もアップグレードで自動追加されるのも魅力です。ただしインターネットを経由する分、高度なセキュリティレベルを求められるデータの取り扱いなどでは、利用しにくくなっているのが現状です。
CRMの費用相場
前述したようにCRMは導入形態によって特徴が大きく異なるため、導入費用の相場も形態によって異なります。まずクラウド型の場合初期費用は無料~5万円程度であり、これにくわえて月額費用が1人あたり500~1,000円程度、つまり利用者が10人いれば月5,000~1万円程度かかります。
一方でオンプレミス型は初期費用が50~215万円(20人で運用する場合)ほどかかり、そのほか年間の保守費用が1人5~30万円程度必要です。
別記事「CRM(顧客管理システム)の費用相場」ではより詳しくCRMの導入費用の相場を紹介していますのでぜひご覧ください。
CRMを用いた施策とは
CRMで施策を進めるには顧客分析・改善施策の運用・効果検証の3つの手順が必要です。
まず重要となるのは顧客分析で、顧客の購買データを基に商品の種類・頻度・時間帯・価格帯を分析することで、例えば定期購入はどのタイミングで解約されやすいか、その原因は何かが分かります。この分析結果を基に改善施策を運用、例えば定期購入が3回目で解約されやすく、商品が余ることが理由であれば、2・3回目で定期購入の周期が変更できることDMなどでアピールし継続的な購入を促進します。
またこのような施策を行った場合はセットで効果検証も行いましょう。例えば継続率はどの程度向上したか、また解約理由がどのように変わったかを確認すれば、次のPDCAサイクルも精度を上げて回せます。
CRMを活用する際のコツ
CRMを効果的に活用するには、目的の明確化・社内体制の構築・目標となる指標(KPI)の設定がポイントです。CRMを導入する際には自社の課題を洗い出し、導入する目的(顧客満足度の向上・業務効率の向上など)や期待する効果を明確にすることでどのようなCRMを導入すべきかが分かるようになります。
また導入の際はシステムを定着させるため、会社全体で体制や業務プロセスの改革に取り組みましょう。このときあらかじめ関連部門に同意や理解を得ることが大切です。導入後は事前に掲げた目的を達成するために、段階的に具体的な数値で中間目標(KPI)を設定します。KPI設定は過去の業績などを基準として実現可能な範囲で設定を行い、達成状況に応じて戦略の見直しを行いましょう。
まとめ
本記事では、CRMの目的や機能などの基本的な知識を紹介すると共に、導入形態の違いや費用相場、施策の打ち方、活用のコツなどを解説しました。CRMはコストの高さや定着のしにくさはあるものの、導入によって顧客満足度大幅な向上が期待でき、顧客情報が一元管理できるため業務効率の向上や情報共有もしやすくなります。
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