顧客管理システム(CRM)の導入事例を6つ紹介!成功ポイントや選び方も徹底解説
顧客管理のため初めてCRMを導入したいという営業担当者は多いでしょうが、新しいツールを導入するのには、リスクが伴います。リスクを回避し安定した運用を目指すため、CRMを選ぶ際に参考にすべきなのが、候補製品の導入事例です。
自社の規模や業種に近い企業のCRM導入成功事例を確認することで、運用後のイメージを具体的に想像しやすくなるだけでなく、業界の抱える課題を洗い出す参考にもなります。
- 【BtoC】CRM(顧客管理システム)導入事例3選
- 【BtoB】CRM(顧客管理システム)導入事例3選
- CRM導入を成功させるポイント
- CRMの導入により得られるメリット
- まとめ:導入事例を参考にして、自社に合うCRMを選ぼう
【BtoC】CRM(顧客管理システム)導入事例3選
CRM(顧客管理システム)とは、企業が顧客とのつながりを深め、信頼関係を築くためのシステムです。
特にBtoCサービスは顧客が個人であり、顧客総数が数千〜数百万人にのぼることも。企業はできるだけ顧客ごとのニーズに応じたアプローチを検討する必要があり、CRMはそのサポートに大きく役立ちます。本章では、BtoC向けサービスのCRM導入成功事例を3つ紹介しますので、担当者はぜひ参考にしてください。
- 事例①顧客満足度の定量化で、従業員のモチベーションが向上
- 事例②メルマガの開封率が6割超えを達成
- 事例③営業活動のフロー短縮で効率化を実現!商談件数が1.4倍に増加
事例①顧客満足度の定量化で、従業員のモチベーションが向上
全国に結婚式場を展開する従業員数700名以上の企業が、CRM「Synergy!」を導入した事例を紹介します。この企業では前から新郎新婦からのアンケート回答による顧客満足度の評価を徹底しており、さらにサービス品質の安定化に繋げるため、収集した感想や意見を分析できるCRMを導入することにしました。
CRMを選ぶ際に、条件としていたことの一つは「すでに導入していたSFAと機能が重複しない」こと。Synergy!は基本の機能以外は、必要な機能のみを契約できるプランだったため、決め手の一つになりました。
CRM導入後はSynergy!のアンケート機能の活用により、顧客満足度を定量化。スタッフの評価に直結する仕組みを作りました。お客様の反応をダイレクトに確認できることが、スタッフのモチベショーンにも大きく繋がるようになったといいます。また、改善案の検討やナレッジの蓄積にも効果があったということです。
事例②メルマガの開封率が6割超えを達成
創業から65年以上、主に有名なハンドクリームを製造・販売する従業員数約150名の製薬会社が、CRM「Zoho CRM」を導入した事例を紹介します。この企業では、蓄積した顧客データの活用や顧客情報の二元管理、そしてハンドクリーム製品の「ファンの可視化」に課題を感じていました。ファンとコミュニケーションを図ることで、最適なマーケティング施策を実施したいと考えたそうです。
ZohoCRMを選んだ決め手は、自社の課題を解決する機能を搭載しているだけでなく、自社に合う予算感でした。また誰でも使いやすい操作性だったことも魅力の一つだったといいます。
CRM導入後はアンケートの収集や、メルマガの配信を行っており、アンケートの開封率が向上。1,961人に対し6割を超える人数が開封したということです。また、アドレス情報を獲得できていない顧客に対してはDMを送信することで、高確率の回答をいただけたそうです。またシンプルな操作性により業務が効率化され、導入の効果を非常に実感しています。
事例③営業活動のフロー短縮で効率化を実現!商談件数が1.4倍に増加
首都圏や東北に学習塾を展開する従業員数700名以上の企業が、CRM「Mazrica」を導入した事例を紹介します。この企業では、本部に来た顧客からの問い合わせ情報を、各校舎に伝える非効率的なフローがありました。また各校舎の情報管理もエクセルで行っていたため、引き継ぎや再アプローチもうまく実施できていませんでした。そこで、より営業活動を効率化するためにCRM「Maczrica」の導入を決意。
Mazricaを選んだ大きな決め手は、現場で誰でも使いやすいことでした。また多機能を求めていたわけではないため、自社に十分な機能が備わっており、かつ予算に合うプランがある製品を選んだそうです。
CRM導入後は、営業活動のフローが短縮されたことで、窓口での説明まで進んでくれる顧客数が1.4倍ほど増加したといいます。また現場では、営業活動が可視化されたことで、引き継ぎに時間をかけることなく、スムーズな顧客対応が可能となりました。
【BtoB】CRM(顧客管理システム)導入事例3選
続いて、BtoB企業向けのCRM導入成功事例を紹介します。BtoBサービスを運営する企業の顧客は商品を比較検討し、社内で承認を得る必要があるため、意思決定期間は長くなる傾向です。
- 事例④営業進捗やスケジュールの可視化で社内連携が強化
- 事例⑤事業が拡大しても、状況に合う顧客管理を実現
- 事例⑥営業プロセスをDX化しPDCAが加速!年間目標2.2倍を達成
事例④営業進捗やスケジュールの可視化で社内連携が強化
銀行のグループ会社で地域有数の実績を誇る、従業員数60名以上の総合リース会社が、CRM「戦略箱ADVANCED」を導入した事例を紹介します。この企業は長年導入していたツールの契約更新を見送り後、Excelで日報管理をしており、データの集約や集計、基幹システムとデータ連携ができないことなど多くの課題を抱えていました。そこでグループ会社共同で、CRM「戦略箱ADVANCED」を導入することに。
UIが洗練されており誰でも使いやすく、必要な機能だけが搭載されていたこのCRMが満場一致で選ばれたといいます。またアドオンでカスタマイズに対応しているため、共同購入しているグループ会社に了承をとる必要がない点も魅力だったといいます。
CRM導入後は個人のスケジュール確認がしやすくなり、自社の従業員だけでなく、グループ会社とも連携を行いやすくなりました。また案件情報に入力した受注予定や売上予定から予測集計も自動的に行えるため、リアルタイムな数字を把握・共有することが可能になったということです。
事例⑤事業が拡大しても、状況に合う顧客管理を実現
制御機器やヘルスケアなど、多岐にわたる事業を展開する従業員数2万人以上の企業が、CRM「GENIEE SFA/CRM」を導入した事例です。この企業は新規事業の立ち上げに伴い、顧客が増える前に営業管理の基盤を構築をするために、CRMの導入を決めました。
GENIEE SFA/CRMを選んだ理由は、新規事業で顧客数が少ないためスモールスタートできるプランがあったためです。GENIEE SFA/CRMは料金や機能が異なる3つのプランが用意されており、事業の状況に合わせて、カスタマイズが可能です。実際、当初は顧客情報の可視化だけの予定でしたが、事業が拡大するにつれ商談の状況や、進捗件数の管理など、業務の幅が広がりました。
CRM導入後は企業データベースの更新が自動化されたことで工数を削減できました。他にもCRMの最適な業務フロー構築機能により、契約書の管理フローを変更。GENIEE SFA/CRMはフローを自由に変えることができるため、さらなる業務効率化を実現できたと言うことです。
事例⑥営業プロセスをDX化しPDCAが加速!年間目標2.2倍を達成
肉や野菜、魚などを総合的に取り扱う食の総合商社である従業員数700人以上の企業が、CRM「eセールスマネージャーRemix」を導入した事例です。この企業は各地にある5つの営業所の営業プロセスがガラパゴス化しており、ナレッジが蓄積されていないことが課題でした。
それでも個々の担当者は販売目標をクリアしていましたが、今後市場の変化により組織の営業力を磨きたいと考え、部署の垣根を超えたコミュニケーション構築や、営業ノウハウの共有のためにCRMを導入することに決めました。eセールスマネージャーRemixを選んだ理由は、営業活動をプロセスごとに細かく分けるだけでなく、進捗を自己管理しやすいと感じたためです。また、マネジメント側も個々の担当者に的確な指示が出しやすいという印象も受けたそうです。
CRM導入後は新規飲食店の情報登録からアプローチ、報告だけでなく、情報に対する指示まで全てCRM上で完結できるようになり、営業のPDCAサイクルが加速しました。年間目標の約2.2倍の数字となる1,300件の新規顧客開拓という実績を8人のチームメンバーで成し遂げたという、前例のない結果を出すチームも現れたということです。
参照:eセールスマネージャーRemix公式サイト「導入事例」
CRM導入を成功させるポイント
CRMの導入事例を踏まえ、導入を成功させる3つのポイントをまとめました。自社に合うシステムを選ぶだけでなく、導入後に定着させることが重要です。
- 導入目的を明確にし、自社に合うシステムを選ぶ
- 従業員へトレーニングや社内文化への浸透
- 導入後のフォローアップと継続的な改善
導入目的を明確にし、自社に合うシステムを選ぶ
CRMを導入する際、「顧客満足度の向上」や「営業プロセスの効率化」「リピート顧客の増加」など、達成したい具体的なゴールを設定しましょう。課題の洗い出しや数値化可能な目標設定、関係者との共有、導入から目標達成までのロードマップを作成し、導入目的を具体化することで、自社に合うツールを選ぶ基準が明確になります。CRMツールの詳しい選び方については「CRM(顧客管理システム)とは?仕組みや使い方、メリットを解説」の記事をご覧ください。
従業員へトレーニングや社内文化への浸透
CRMの導入を成功させるためには、システムを実際に使用する現場の従業員がどれだけ使いこなせるかが何よりも重要です。従業員へは操作方法をトレーニングするだけでなく、CRMを活用することで得られるメリットを理解してもらう必要があります。
CRMを活用した業務が社内文化として定着するよう、全社的な取り組みを行い、継続的に改善を行っていきましょう。初期の段階でしっかりとしたトレーニングを実施することで、長期的な成功に繋がります。
導入後のフォローアップと継続的な改善
CRMは導入するだけでなく、定期的なフォローアップとシステムの改善が必要です。導入直後は、実際の運用状況をチェックし、従業員が適切に利用できているか確認しましょう。また、業務フローや顧客ニーズの変化に対応するために、定期的にシステムの見直しや機能の追加を行うことも重要です。継続的な改善を繰り返すことで、CRMの効果を最大限に引き出し、企業の成長に繋げることができます。
CRMの導入により得られるメリット
CRM導入で得られるメリットについて4つ解説します。CRMの導入により顧客の情報や行動履歴が登録され、社内での共有に役立ちます。
- 顧客情報の一元管理で属人化を防ぐ
- 売上効果を促す高精度な情報分析
- 履歴によりどんな時でも顧客対応ができる
- 社内コミュニケーションの強化
顧客情報の一元管理で属人化を防ぐ
CRMを導入することで、顧客の基本情報や過去のやり取り、競合製品の導入状況などの管理を実現します。またCRMに入力している情報を、Google WorkspaceやSlackなどの外部製品と連携できるツールも。CRMは、営業担当者に属人化することなく、会社全体で営業状況を把握するメリットがあります。
売上効果を促す高精度な情報分析
CRMを導入することで、年齢や住所、購買履歴などをもとに顧客をセグメント化し、個別に応じたマーケティング戦略を立案できます。ニーズに合わせた個別対応は、顧客満足度の向上を促進します。さらに過去の顧客行動データを活用し、最も反応をえやすいタイミングでキャンペーンやプロモーションを実施することで、売上向上の効果をもたらします。
履歴によりどんな時でも顧客対応ができる
売上向上のためには、顧客と適切なタイミングで接触することが鍵。そのため、各顧客に対するフォローアップや連絡の履歴を正確に把握することが重要です。CRMを活用することで、誰がいつ、どの顧客とどのように接触したかが全社員に共有できるため、過去の対応状況を踏まえた適切なフォローアップができます。また、担当者の不在や急な変更により代理対応が必要な場合も、CRMに記録された顧客とのやりとりをすぐ確認できるため、迅速な引き継ぎが可能です。
社内コミュニケーションの強化
CRMにより、営業やマーケティング、カスタマーサポートなど、複数の部門間で顧客情報を共有しやすくなることで、部門間の連携が強化されます。また、情報の透明性が高まることで、各部門の業務効率が向上。CRMの導入により、効果的な顧客対応が実現できます。
まとめ:導入事例を参考にして、自社に合うCRMを選ぼう
この記事では、顧客管理システムの導入事例や、成功するために重要なポイントについて解説しました。CRM導入には「自社に合ったシステムを選ぶこと」と「導入前の準備を済ませておくこと」が欠かせません。どんなシステムが合っているかは、自社の規模やCRMによって解決したい問題が何であるかによって異なります。
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