無料のCRM(顧客管理システム)おすすめ8選丨ツールで効率化
CRM(顧客管理システム)の導入を検討している企業では、「まずは無料のCRMを運用し、費用対効果を確認したい」「費用はかけられないので、無料のCRMを活用したい」という場合も多いのではないでしょうか。CRMの中には、顧客管理を効率化するさまざまな機能を無料プランで提供しているツールも存在します。
そこで本記事では、法人向けITツールの比較メディア「PRONIアイミツ」がおすすめの無料のCRM8選を紹介します。無料版と有料版の違いや、CRMを導入するメリットも解説しますので、無料ツールで顧客管理を効率化したい担当者は、ぜひご覧ください。
- 【比較表】無料で使えるCRM(顧客管理システム)
- 無料で使えるCRM(顧客管理システム)おすすめ6選
- 無料トライアルがあるCRM(顧客管理システム)おすすめ2選
- 無料版と有料版のCRMの違い
- CRMを導入するメリット
- CRMの選び方・比較ポイント
- CRM(顧客管理システム)とは
- CRMの機能
- まとめ:CRMの無料ツールは利用できる機能を確認しよう
- よくある質問
【比較表】無料で使えるCRM(顧客管理システム)
CRM(顧客管理システム)とは、顧客管理を効率化するシステムです。顧客情報の収集・管理やデータ分析などの機能が1つに集約され、顧客情報の共有もスムーズに行えます。CRMの活用で、顧客への対応漏れをなくす、顧客満足度の向上など、さまざまな効果を得られます。下記は、無料で使えるCRMの比較表です。無料プランや無料トライアルの有無をご確認いただけます。
サービス名 | 無料プラン | 無料トライアル または 無料デモ |
有料プランの月額料金 |
---|---|---|---|
Zoho CRM | ◯ | ◯ | 1,680円~/1ユーザーあたり |
HubSpot | ◯ |
◯ |
2,400円~/2ユーザーまで |
Fullfree | ◯ |
× |
8,800円 ※買い切り |
Ambassador Relations Tool | ◯ | × | 29,480円/1契約 |
F-RevoCRM | × |
◯ |
20,000円/10ユーザーまで |
Sugar CRM | × | ◯ |
49USD/1ユーザーあたり |
Salesforce Sales Cloud | × | ◯ | 3,000円~/1ユーザーあたり |
FlexCRM | × | ◯ | 1,200円~/1ユーザーあたり |
上記比較表の「Zoho CRM」と「HubSpot」は、無料プランに加え、有料版をお試しできる無料トライアルや無料デモも用意されています。「Ambassador Relations Tool」は、MA機能やメール配信システムの機能も無料で使えるため、マーケティングに活用できます。「FlexCRM」は90日間の無料トライアルを提供しており、さまざまな機能を十分に試すことが可能です。
CRMを活用することで業務を大幅に効率化できるため、多くの企業が導入を進めています。金融庁の「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」によると、CRMのデータ活用によって、収益機会の拡大などの効果が想定通りと回答した企業は83.7%、想定以上と回答した企業は8.2%と報告されています。
引用:金融庁 「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」
統計データから、CRMの導入によって大多数の企業が効果を得ていることが分かります。現在、名刺や顧客情報を営業担当者ごとにバラバラに管理している企業には、CRMでの一元管理がおすすめです。CRMによってデータを1つのシステムに集約でき、顧客対応や情報共有の効率化が可能になります。今後も幅広い業界でCRMの導入が進み、生産性の向上や収益アップにつなげる企業が増えるでしょう。
無料で使えるCRM(顧客管理システム)おすすめ6選
「CRMにコストはかけられない」という方に向け、無料で使えるCRM(顧客管理システム)おすすめ6選をご紹介します。
- Zoho CRM
- HubSpot
- Fullfree(フルフリー)
- Ambassador Relations Tool
- F-RevoCRM
- SugerCRM
Zoho CRMは、ゾーホージャパン株式会社が提供する、無料で使えるCRMです。見込み客や取引先、名刺管理など顧客情報を管理できるほか、見積書の作成、案件・商談管理といった営業支援、MA、チャネル管理などをこれ1つでカバーできます。
分析機能を使用すれば、ワークフローの最適化が可能。わかりにくかった営業や顧客対応のワークフローをチームで共有でき、人の入れ替わりが多い職場でも、社員への働き方を明示できます。機能が充実しながらも、料金は1ユーザーあたり月額1,680円〜とリーズナブルな点もZoho CRMがおすすめの理由です。
Zoho CRMの無料プランは、機能数やストレージ容量に制限はあるものの、3ユーザーまでであれば無期限で利用可能。無料トライアルも提供されており、たっぷり15日間にわたって有料プランの機能をお試しできるので、使いやすさをチェックしてから導入できます。Zoho CRMは、トライアル終了後は無料プランに切り替わるので、いつの間にか料金が発生していたという失敗もありません。
「クラウド型顧客管理システムを無料で利用したい」「有料版に移行してもコストを抑えられるCRMが良い」「万全なセキュリティが必要」という企業に、Zoho CRMはおすすめです。
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- 顧客管理機能
- 見込み顧客の管理機能
- メール一斉配信
- 問い合わせ管理機能
- ダッシュボード機能
- 顧客情報の重複データ除外機能
- レポートのカスタマイズ設定
- コストパフォーマンスが高く、カスタマイズも簡単ですので、専門知識が無くても自社に合わせたシステムが実現できます。 ブループリント機能により、ボタンを押せば複数処理が実行できるため利用側の負担を軽くすることもできます。Zoho Flowの活用でCRMの情報を社内のチャットツールにも送ることができます。
- 画面が直感的で、説明書が無くても使えるところが非常に良いです。SFA/CRMを使うのは初めてだっだのですが、特に困ることなく利用することが出来ました。初心者の方にも本当にオススメですね!
HubSpot
HubSpotは、HubSpot Japan株式会社が提供する、無料で使えるCRMです。無料版と有料版があり、無料版でも十分な機能を搭載しています。メールやチャットなど、顧客との間で行われたあらゆるやりとりを自動的に保存。商談情報は、すべて記録されているため、書き留めておく必要がありません。
CRM機能を利用できるSales Hub®や、リード創出やマーケティング自動化を実現できるMarketing Hub®など、顧客管理に関連した製品を集約して使用可能。各製品単体での使用も問題ありません。HubSpotでは無料でできることが多いのも大きなメリット。無料プランでは、製品ライブラリー数やセグメント数、ダッシュボード数などが制限されているものの、CRMとして十分に利用できます。「多様な業務に役立つ機能を無料で使いたい」「Eメールテンプレート作成機能、AI搭載のEメール生成機能などの便利機能を無料で活用したい」という企業に、HubSpotはおすすめのCMRです。無料デモサービスも用意されていますので気軽にお試しが可能です。
有料プランであっても、Starterプランは2ユーザー分込みで月額2,400円とリーズナブルな料金。ユーザーを追加する場合も1人あたり1,200円なので、費用を抑えて導入可能です。
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- 顧客管理機能
- 見込み顧客の管理機能
- メール一斉配信
- 問い合わせ管理機能
- ダッシュボード機能
- 顧客情報の重複データ除外機能
- レポートのカスタマイズ設定
- 顧客データの管理がしやすく、他のデータと突合して見込み度などを把握しやすい。専門部署のサポートが無くともある程度までは活用できるのもよい。
- 説明書がなくても使いやすく、初心者の方でも安心して、使用できるところが良いと感じました。また、特に困ることも無かったです。
Fullfree(フルフリー)は、株式会社フリースタイルが提供する、無料で利用可能なCRMです。PRO版も有料にてリリースされていますが、無料プランであればホームページからダウンロード後すぐに利用できます。月額利用料金やカスタマイズ料金も無料。
クラウドサービスでありながらも管理項目やレイアウト等を柔軟に変更できるので、「導入してみたら使いづらかった」という失敗を防止できる点もおすすめ。また、エクセルと同じような感覚で操作でき、はじめてCRMを導入する方でも導入がスムーズです。
Fullfreeは、「エクセルのようなツールを導入したい」「エクセルでの顧客管理に限界を感じている」という企業にはぴったりです。CTI接続も可能なので、費用を抑えつつ電話対応を円滑化したい企業にもおすすめ。顧客から電話がかかってくると、PC画面に顧客情報が表示されます。顧客の氏名、企業の住所などが表示されるため、顧客対応が円滑に進みます。一目で顧客情報を確認し、顧客対応をスピーディに行いたいという企業に、FullfreeはおすすめのCRMです。
- クラウド(SaaS)
- 顧客管理機能
- 問い合わせ管理機能
- 顧客情報の重複データ除外機能
- 案件管理機能
- データのインポート機能
- メールサポートあり
- 通信の暗号化
- タブレット対応
- ダッシュボードのカスタマイズ対応
Ambassador Relations Toolは、株式会社コンファクトリーが提供する、無料で利用可能なCRM・マーケティングツールです。顧客情報や商談情報を管理できるCRM機能をはじめ、マーケティングオートメーション、メールマーケティング、顧客分析などの便利な機能が揃っています。
無料のフリープランでも顧客数1万人まで対応可能で、メール同時配信数も1万通まで対応しています。カスタマイズやデータの自動連携はできないものの、その他の機能は有料プラン同様に利用できます。CRMだけでなく、MAツールやメール配信システムの機能も搭載しながら無料で使えるため、費用を抑えながらもマーケティングに注力したい企業にぴったりです。
「MA機能があるCRMを導入したい」「メール機能を活用し、メールマーケティングを行いたい」という企業に、Ambassador Relations Toolはおすすめの無料で使えるCRMです。
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- 顧客管理機能
- 見込み顧客の管理機能
- メール一斉配信
- 問い合わせ管理機能
- データのインポート機能
- アンケート作成機能
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
F-RevoCRMは、シンキングリード株式会社が提供するCRMです。オープンソースシステムを活用することによって、他社CRMよりもリーズナブルな価格設定を実現しています。
F-RevoCRMは、無料トライアルが利用可能。無料トライアルでは1ヶ月間にわたって機能をフル活用できるので、操作性の高さや便利さを念入りに確認できます。初期費用・ライセンス費用はかからず、月額料金は10人までであれば月額2万円で利用可能です。1ユーザーあたりの従量課金制ではないので、ユーザー数が多い企業であってもコストを抑えてCRMを導入できます。
また、オープンソースシステムを活用しているからこそ、カスタマイズや外部システム連携にも柔軟に対応し、自社が使いやすいCRMを構築可能です。「オープンソースCRMを導入したい」「SFAも含めて高機能なシステムを利用したい」という企業に、F-RevoCRMはおすすめのCRMです。
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- 顧客管理機能
- 見込み顧客の管理機能
- メール一斉配信
- 問い合わせ管理機能
- ダッシュボード機能
- リードのタグ設定
- 企業情報の自動取得機能
- 案件管理機能
Sugar CRMは、シュガー・シーアールエム社が提供するCRMです。高機能で使いやすいという理由から、世界中で数百万以上のユーザーに利用されているCRMプラットフォーム。営業向けの「sell」、マーケティング向けの「market」、カスタマーサービス向けの「serve」といった各サービスを1つに集約しています。
SlackやDropbox、Zendeskなどの外部ツールとの連携も柔軟に行えます。カレンダーによるスケジュールの共有など、グループウェア機能も利用可能。
気になる料金は、最もリーズナブルな「sell」の場合1ユーザーあたり49USドルで利用でき、契約は3ユーザーから。Sugar CRMは、無料デモの利用が可能です。3分間の間Sugar CRMを操作できるデモを提供しているので、気になる方はぜひお試しください。「システムの連携が柔軟にできるCRMを使いたい」「導入実績が豊富なCRMを選びたい」という企業に、Sugar CRMはおすすめのCRMです。
- クラウド(SaaS)
- オンプレミス(パッケージ)
- 顧客管理機能
- 見込み顧客の管理機能
- 問い合わせ管理機能
- ダッシュボード機能
- 案件管理機能
- スケジュール管理機能
- リードスコアリング機能
- 電話サポートあり
無料トライアルがあるCRM(顧客管理システム)おすすめ2選
ここからは、無料トライアルがあるCRM(顧客管理システム)おすすめ2選を紹介します。
- Salesforce Sales Cloud
- FlexCRM
Salesforce Sales Cloudは、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するCRM。世界で最も利用されているCRMで、中堅・中小企業から大企業まで15万社以上の企業がSalesforce Sales Cloudを使って業績を伸ばしています。
顧客管理、案件管理、リード管理、ファイル管理、ワークフローなど、ビジネスに必要な多岐にわたる機能を提供。顧客管理機能では、企業情報や連絡先、過去の対応履歴や活動履歴、社内のやり取りなど、あらゆる情報を一元管理します。さらに、TwitterやFacebookなどのSNSとの連携も可能で、リアルタイムでの情報確認をサポート。迅速な市場投入戦略の策定が可能となり、営業プロセスの効率化やデジタル営業の成長を支援します。
30日間の無料トライアルで、導入前に機能を十分に体験できます。料金プランは、1ユーザーあたり月額3,000円(税抜)から利用可能で、4つの異なるプランを提供。「世界と日本でシェアNo.1のCRMを活用したい」「顧客管理だけでなく、営業活動の支援も求めている」「豊富な機能を搭載したCRMを探している」という企業に、Salesforce Sales Cloudは特におすすめのCRMです。
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- 顧客管理機能
- 見込み顧客の管理機能
- メール一斉配信
- 問い合わせ管理機能
- ダッシュボード機能
- 顧客情報の重複データ除外機能
- レポートのカスタマイズ設定
- 画面が非常にわかりやすく、入社したての人でも非常に使いやすいところがお気に入りです。直感的な操作ができるのが良いと思います。
- 利用していて便利に感じるので、導入を推奨したい印象です、サポートも良く使いやすいのが何よりも一番良いと感じいます、従業員の評価も良く、社内としては導入効果が出ている
FlexCRMは、株式会社G.FLEXが提供するCRMです。中小企業だけでなく、大手テレビ局、大手不動産会社など大企業への導入実績もある顧客管理システム。特徴は、低価格でありながら多岐にわたる機能が揃っていること。
顧客の基本情報や購買履歴、対応履歴の管理を行う顧客管理機能に加え、日報作成・管理、目標管理、見積書・請求書管理といったSFA(営業支援)機能、さらにコールセンター運営をサポートするお客様サポート機能などを提供しています。
これだけ充実した機能を搭載し、料金設定は非常にリーズナブル。初期費用無料で、スタンダードプランは1ユーザーあたり月額1,200円(税抜)、プレミアムプランは月額2,000円(税抜)です。さらに90日間の無料トライアルも用意。「コストを抑えながら高性能なCRMを導入したい」「自社に最適化された顧客データベースを簡単に構築したい」という企業に、FlexCRMは特におすすめのCRMです。
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(Android)対応
- スマホアプリ(iOS)対応
- 顧客管理機能
- 見込み顧客の管理機能
- メール一斉配信
- 問い合わせ管理機能
- ダッシュボード機能
- 顧客情報の重複データ除外機能
- レポートのカスタマイズ設定
以上、無料トライアルがあるCRMを紹介しました。CRMのサービスは多数あるため、どれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。PRONIアイミツは、ITツール受発注のプロとして、希望要件に合ったCRMの案内が可能です。料金無料・最大6社をご紹介しますのでぜひ一度お試しください。
無料版と有料版のCRMの違い
無料版と有料版が用意されているCRMツールの場合、当然ながら機能に一定の差異があり、有料版のほうがさまざまな面で優れています。無料版のCRMを導入する前に、無料版と有料版のCRMを比較した違いを確認しておきましょう。
比較項目 | 無料版CRM | 有料版CRM |
---|---|---|
ユーザー数 | 制限あり | 無制限 |
機能 | 制限あり | 基本機能は全て利用可能 |
ストレージの容量 | 制限あり | 十分な容量を利用可能 |
サポート | × | ◯ |
無料トライアル | 無料版で対応 | ◯ |
※上記は一例であり、詳細は製品によって異なります。
上記比較表をご覧の通り、無料版と有料版のCRMを比較した違いはユーザー数や機能をはじめとし多数あります。ここでは3つのポイントにフォーカスし、無料版と有料版のCRMの違いを解説します。
- 無料版は人数や機能に制限がある
- 無料トライアルは期間が限定されている
- オープンソースCRMは無料だが、知識が必要とされる
無料版は人数や機能に制限がある
無料版のCRMは、使用できる人数や機能に制限がある場合が多いです。たとえば、無料版では、ユーザー数は3名まで、使える機能は最低限の基本機能のみ、使用できるストレージの容量も少なめ、といった利用制限が設定されています。個人事業主や小規模事業者でユーザー数が少なく、顧客数も多くないという場合は無料版でもカバーできますが、より本格的に顧客管理を行いたい場合には有料版がおすすめです。
また、ベンダーによる導入・運用サポートを受けたい場合も、無料版ではなく有料版を導入しておくと安心です。経営や事業戦略にもCRMを活かしたい場合や大幅に業務を効率化したい場合も、有料版の導入が得策。有料版のツールには分析機能のような充実した機能が提供されており、戦略にも活用できます。
無料トライアルは期間が限定されている
無料トライアル期間中には利用できる機能に制限はなく、有料プランで使用できるすべての機能を使えます。また、本来であれば有料プランでしか使えないサポートデスクも、無料トライアル期間中に活用できることが多いです。
ただし、CRMの無料トライアルは、利用できる期間が限定されています。1週間、15日間、1ヶ月間など各社によって期間は異なり、あくまでもトライアルのため何ヶ月も無料で使うことはできません。
オープンソースCRMは無料だが、知識が必要とされる
オープンソースCRMの場合、無料で導入できるのはメリットですが、知識が必要とされる点が有料版と大きく異なります。オープンソースとは、ソースコードを無償で公開しているシステムです。そのため、オープンソースCRMでは導入費用や月額料金がかからず、カスタマイズも自由にできます。しかし、ベンダーではなく自分たちで対応しなければならないので、システム構築についての知識やスキルが欠かせません。セキュリティに関しても自社で対策する必要があります。
有料CRMの場合、メンテナンスやセキュリティ対策などもすべてベンダーに任せられるので、システム運用にリソースが割けない企業は有料版がおすすめです。別記事「価格が安いクラウド型CRM」では、費用相場や、安くておすすめのクラウド型CRMを紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
CRMを導入するメリット
CRM(顧客管理システム)を導入し、それらの機能を有効活用することにより、企業はどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、企業がCRMを導入するメリットを解説します。
- 顧客情報を企業内に蓄積し、共有できる
- データを分析し、マーケティングに活用できる
- 最適なコミュニケーションで顧客満足度が向上
顧客情報を企業内に蓄積し、共有できる
CRMを導入すると顧客データを一元管理できるため、顧客情報を企業内に蓄積・共有できるメリットがあります。「顧客情報の管理が属人化している」「営業担当者が異動・退職した際にスムーズに引き継ぎできない」「顧客情報が社内にバラバラに管理されている」という企業は、CRMを導入・活用することで、顧客に関する情報を全社的に一元管理できます。
CRMでは顧客の企業名や担当者名、これまでの対応履歴、購買履歴などの情報を1つのシステムにまとめて管理でき、顧客データベースの構築が可能。CRMにより、各営業担当者のフォロー漏れや、引き継ぎの手間を大きく減らせます。マーケティング部門や商品企画部門など、他部署にもデータを簡単に共有できるので、社内全体のパフォーマンス向上にもつながります。
データを分析し、マーケティングに活用できる
CRMには多くのデータを収集・蓄積できるため、蓄積されたデータを分析し、マーケティングに活用できる点もメリットです。CRMには顧客の年代・性別などの属性だけでなく、過去の購入履歴・購入金額、お問い合わせ内容など、さまざまなデータの登録が可能です。
収集したデータを自動で分析してレポートする機能も搭載されているため、分析結果をマーケティングの施策に活用すれば、質の良いリードの創出にもつながります。CRMの導入で、顧客一人ひとりのニーズを知り、それぞれの顧客に適したコミュニケーションを的確なタイミングで実施できます。
最適なコミュニケーションで顧客満足度が向上
CRMで管理している基本データや対応履歴、購買履歴などをもとに顧客にアプローチできれば、最適なタイミングで最善のコミュニケーションやフォローができます。その結果、サービスや企業への信頼感が増し、顧客満足度の向上につなげられる点も大きなメリットです。
また、CRM内でデータを管理・共有することで、業務の属人化を防止でき、担当者が不在であっても他の担当者がスムーズに対応できます。そのため、いつでも適切な顧客対応が実現でき、顧客とのトラブルも防止可能に。顧客のニーズに合うコミュニケーションを継続的に行うことで顧客満足度の向上が見込めるとともに、自社の製品やブランドに対する信頼度も高められます。
PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、CRM選びの相談を承っています。いくつかの質問に答えるだけで自社におすすめのツールがわかる診断(無料)も用意していますのでぜひご活用ください。
CRMの選び方・比較ポイント
ここでは、CRM(顧客管理システム)を導入する際の選び方や比較ポイントを解説します。以下で紹介する比較ポイントを把握し、CRM選びで失敗するリスクを減らしましょう。
- 自社の課題解決に必要な機能があるか
- 担当者が簡単に操作できるツールか
- 他のツールと連携できるか
- 案件・商談管理といった営業支援にも対応しているか
- サポート体制は十分か
- 運用コストは予算内に収まっているか
自社の課題解決に必要な機能があるか
CRMにはさまざまな種類があり、搭載されている機能も異なるため、自社の課題をあらかじめ整理しておき、課題解決に必要な機能があるツールを選びましょう。実際に顧客管理業務を担当している従業員にも課題を確認し、導入の理由や目的を明確にしてください。必要な機能、CRMでシステム化したい範囲などを明確にし、そのニーズに応えられるCRMを選びましょう。
また、CRMの分析機能を活用したい場合、どんな項目を分析したいのかも重要です。RFM分析やCTB分析、セグメンテーション分析、行動トレンド分析など、どの分析手法で調査したいのかまで整理しておけば、CRMを選定する際に役立ちます。
担当者が簡単に操作できるツールか
管理画面が分かりやすく、操作しやすいCRMであれば業務の効率化が進むため、CRMを導入する際には、担当者が簡単に操作できるツールを選びましょう。誰にとっても使いやすく、直感的に操作できるCRMを導入できれば、現場ですぐに定着し、効率化・生産性アップなどさまざまなメリットを得られます。
簡単に操作できるCRMかどうかは、無料トライアルや無料デモ、無料プランなどを活用し、実際にツールを操作してみて確かめましょう。その際は、決裁者ではなく現場の担当者たちに操作してもらい、使いこなせそうか確かめてもらうことが重要です。
他のツールと連携できるか
CRMは、外部ツールと連携することでさらに導入効果を得られます。例えば、CRMと連携される代表的なツールにMAツールがあります。連携により、MAツールにおけるリードジェネレーションから、CRMにおける顧客管理までをシームレスに行えるので、マーケティングをより効率的に進められます。
その他にも、CRMと連携させることで便利になる外部ツールは、CTIシステムやビジネスチャットツール、名刺管理アプリ、グループウェアなどさまざまです。CRMを導入する際には、自社ではどのツールと連携させたいのか整理し、選ぶ際の条件としましょう。
案件・商談管理といった営業支援にも対応しているか
CRMとSFA(営業支援システム)を別々に導入してデータ連携をするよりも、案件・商談管理といった営業支援にも対応する製品を導入するのがおすすめ。なぜなら、CRM兼SFAとして利用できるツールを導入することで、導入費用も運用コストも抑えられるためです。データも一元化して管理でき、CRMとSFAをバラバラに導入するより効率的に業務を進められます。CRMを導入する際には、案件管理や商談管理、行動管理といった営業支援向きの機能があるCRMを選び、効率化を図りましょう。
サポート体制は十分か
サポート体制が十分なCRMを導入することで、導入時や運用中にトラブルが発生してもスムーズに解決可能です。特に、CRMを電話システム(クラウドPBX・CTIシステムなど)と連携して活用したい企業や、主に営業活動の管理にCRMを利用したい企業は、システムで問題が発生すると顧客対応に影響が出るため注意が必要です。サポート体制が充実したサービスを導入することで、早急な対処が可能になります。
運用コストは予算内に収まっているか
CRMを導入する際には、運用コストが予算内に収まっているかも確認しましょう。CRMを導入するにあたって注意すべきは、初期費用だけでなく月額料金やサポート料金まで含んだトータルコストです。初期費用は無料でも月額料金は割高なツールや、サポート料金が月額料金とは別に発生するツールなど、CRMを提供する会社によって料金設定はバラバラです。CRMを利用する人数を明確にした上で、費用の無駄がより少なく自社の予算内に収まるツールを選びましょう。
CRM(顧客管理システム)とは
CRM(顧客管理システム)とは、顧客の企業名や担当者名、連絡先、これまでの購買履歴といった顧客情報を一元管理し、顧客との良好な関係を構築するためのツールです。CRM(Customer Relationship Management)は、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。CRMにより、顧客情報の共有や活用を効率化し、顧客満足度の向上やロイヤルカスタマーの増加を実現します。
企業規模が大きくなればなるほど、顧客との1対1の関係づくりや関係維持は困難になりがちです。そこをフォローするのがCRMです。CRMは顧客とのメールや電話を通じた関係づくり、維持に役立ちます。顧客情報から購入履歴、過去のクレーム情報などをクラウドで把握し、担当者を問わずにコミュニケーションを円滑にとることができます。
CRMの機能
CRM(顧客管理システム)は製品によって機能は異なりますが、共通する基本的な機能もあります。ここでは、CRMの基本的な機能をご紹介します。
CRMの機能 | できること |
---|---|
顧客管理機能 | 顧客の企業名や連絡先、対応履歴などの管理 |
分析機能 | 顧客データベースをもとにした売上や顧客の分析 |
プロモーション・マーケティング支援機能 | 顧客データベースをもとにした最適なプロモーション・マーケティングを支援 |
カスタマーサポート機能 | 顧客への対応履歴を管理 |
顧客管理機能
顧客の企業名や担当者名、所属部署、連絡先といった基本的な情報をはじめ、これまでの対応履歴や購買履歴、クレームの有無など、顧客に関連したさまざまな情報を管理できる機能です。顧客情報をCRM内に収集して管理していくことで、データベースを構築でき、セグメント分けしてマーケティングにも活用できます。
分析機能
CRM内に蓄積された顧客情報をベースに、各種分析をできる機能です。CRMでは、顧客情報をデータベース化し、そのデータを多角的に分析してマーケティングに活かせます。都度分析と見直しを繰り返すことで、PDCAサイクルによるマーケティング精度向上も可能。営業担当者は営業活動のムダを省け、経営者や管理職は最新の分析データに基づく判断や指示を行えます。
分析することに加え、レポートの作成まで自動で行ってくれるので、社内資料や他社へのプレゼン資料の作成にも役立ちます。
プロモーション・マーケティング支援機能
プロモーション・マーケティング支援機能では、CRM内のデータベースをもとに、顧客情報をソートしてOne to Oneのプロモーションやマーケティングへと活用できます。例えば、優良顧客にのみクーポンを送付する、年齢や属性に合わせたキャンペーンのお知らせを送る、休眠顧客の掘り起こしにDMを送るなど、それぞれの顧客に合わせたマーケティングが可能です。
カスタマーサポート機能
カスタマーサポート機能では、顧客への適切なフォローを実現できます。顧客からの問い合わせやクレームにどのように対応したのか、電話であればどんな通話内容か、メールであればどんな送信内容かなども記録でき、顧客情報として管理可能です。情報の属人化を防止し、担当者が不在の際の対応や、担当者の引継ぎもスムーズになります。
まとめ:CRMの無料ツールは利用できる機能を確認しよう
今回は、無料で利用できるCRMの中からおすすめのツールを紹介するとともに、無料版と有料版の違いや、CRMを導入するメリットなどを解説してきました。CRMの無料ツールは使える機能に制限があるケースが多いため、利用できる機能を確認し、自社の課題に対応可能かをチェックしましょう。
無料プランのあるCRMには、「HubSpot」「Zoho CRM」「Fullfree」などがあります。月々の費用を抑えたい企業におすすめです。なお、企業によっては、無料のCRMでは使える機能が十分でないケースもあります。無料のCRMでは課題に対応できない場合には、「Salesforce Sales Cloud」のような幅広い機能がある有料CRMがおすすめ。
有料CRMは、サポートが充実していることもあり定着率が高い傾向にあります。現場への定着を進め、効率化を早めたい方には、サポートが充実した有料CRMをおすすめします。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったCRMが分かる診断(無料)ができます。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。
よくある質問
無料のCRM(顧客管理システム)について、よくある質問に答えます。
無料で利用できるクラウド型のCRM(顧客管理システム)は?
無料で利用できるクラウド型のCRM(顧客管理システム)には、HubSpotやZoho CRMが挙げられます。どちらも無料プランが用意されているので、費用を抑えてCRMを導入したい企業におすすめです。
CRMとSFAの違いは?
CRMとSFAの違いは、CRMは「受注後における顧客とのコミュニケーションをサポートするツール」なのに対し、SFAは「商談〜受注までの営業プロセスを効率化するツール」です。最近ではCRMとSFAが1つに集約されたツールが多くリリースされています。そのため、どちらか1つだけを導入する企業が多いです。
有料版CRMのおすすめは?
有料版のCRMを導入したい場合は、「Salesforce Sales Cloud」がおすすめです。世界・国内でトップシェアを誇り、世界中の大企業から中小企業で導入されています。最大の特長は「Salesforce Sales Cloud」独自のAI機能。受注と失注の差から見込み顧客を分析し、顧客に優先順位をつけてくれます。営業管理や顧客管理、予実管理などに関連した豊富な機能が揃い、1ユーザーあたり月額3,000円〜(税抜)と始めやすい価格なこともおすすめの理由。有料版で人気のCRMはランキングページでもご確認いただけます。
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