【2024年最新】人手不足の原因は?日本の中小企業の現状と対策
とりわけ中小企業にとって慢性的な課題となっている人手不足。なかなかいい人材を採用できない、いい人材を採用しても会社に定着しないなどとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、中小企業を中心に人手不足が起こってしまう理由や人手不足による影響、企業が人手不足に対してできる取り組みなどをまとめて解説していきます。
- 1.日本の人手不足の現状
- 2.企業が人手不足を感じる理由
- 3.人手不足の原因
- 4.人手不足が企業に及ぼす影響とは?
- 5.人手不足に対し企業ができる取り組み・対策とは?
- 6.人手不足の解消に繋がるSaaS(クラウドサービス)とは?
- 7.【まとめ】人手不足の解決策で迷ったらアイミツへ
1.日本の人手不足の現状
日本国内においては、人手不足・人手不足に関する現状はどのようになっているのでしょうか。
中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」※によれば、全ての業種において従業員数はマイナス傾向に。とりわけサービス業や建設業などで人手不足が顕著となっています。
以下では、どういった企業において人手不足が深刻な状況となっているのか、雇用形態や地域によって人手不足かどうかに差はあるのかなどをチェックしていきましょう。
※出典:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/h30/html/b2_1_1_0.html
1‐1.中小企業で特に深刻化
日本国内の企業において全体の約半分ほどが人手不足に悩んでいることがわかりましたが、中でも中小企業においては深刻化している傾向にあります。
厚生労働省の発表している「我が国を取り巻く人手不足等の現状」によれば、大企業よりも中小企業の方が人手不足に悩んでおり、とりわけ建設業やサービス業などの業界を中心に人手不足が感じられているようです。
同資料の雇用人員判断D.I(Diffusion Index)に関する2019年のデータによれば、中小企業はマイナス39ポイントともっとも人手不足を感じていることが示されています。
※出典:厚生労働省 我が国を取り巻く人手不足等の現状 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-1_01.pdf
1‐2.雇用形態や地域によっても差がある
雇用形態によっての差も確認してみましょう。
厚生労働省による「我が国を取り巻く人手不足等の現状」では、最大都市圏・それ以外どちらも人手不足に悩んでおり、三大都市圏以外の方が若干上回りつつあるという結果が出ています。
雇用形態別に見ると、正社員の雇用においての方が非正規雇用よりも人手不足を感じているという結果が出ているようです。
※出典:厚生労働省 我が国を取り巻く人手不足等の現状 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-1_01.pdf
2.企業が人手不足を感じる理由
人手不足を感じるようになった背景には、求人倍率が跳ね上がっている点があげられるでしょう。
リクルートワークス研究所の調査によれば、従業員数が299人以下の企業の場合、2020年には求人倍率が8.62倍に。さらに、民間企業就職希望者数は44万人を記録しているものの、企業が募集している求人に対しては36.5万人もの不足となっています。※
概して、新たに人材を雇うこと自体が困難になっているという状況が見られるでしょう。
※リクルートワークス研究所 第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)https://www.works-i.com/research/works-report/item/190424_kyujin.pdf
3.人手不足の原因
それでは、こういった人手不足が巻き起こってしまうのはなぜなのでしょうか。
ここからは、企業における人手不足が起こっている理由について解説していきます。
3‐1.少子高齢化
慢性的な人手不足が起こってしまっている原因としてはじめにあげられるのが、少子高齢化です。
現在の日本は少子高齢化が急速に進んでおり、厚生労働省によれば「2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%となり、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%となる」※とのこと。少子高齢化がこのまま進んでいくことによって人口が9,000万人を割り込んでしまうことも指摘されています。
このまま実際に人口減少が起これば、より人手不足は深刻になるでしょう。
※出典:厚生労働省 我が国を取り巻く人手不足等の現状 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-1_01.pdf
3‐2.労働力人口 の減少
少子高齢化ともつながっている問題ではありますが、労働力人口の減少も慢性的な人手不足が起こってしまっている原因としてあげられるでしょう。
先にも説明している通り、日本では少子高齢化が急速に進んでいるため、働ける世代の人口は自ずと減っています。
総務省による2021年度の「労働力調査(基本集計)」によれば、労働力人口は前年よりも8万人減少。とりわけ15~64歳は15万人減少となっています。
また、就業者数を11(北海道、東北、南関東、北関東・甲信、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄)の地域に分けて見てみても、そのうち7つ(北海道、東北、北関東・甲信、北陸、東海、四国及び九州)の地域において減少しているという結果となりました。
※出典:総務省統計局 労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の概要 https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index.pdf
3‐3.転職率・早期退職の高まり
慢性的な人手不足が起こってしまっている原因として3つ目にあげられるのが、転職率・早期退職率が以前よりも高まっているという背景です。
マイナビによる「転職動向調査2022年版」※によれば、2021年度における20〜50代の男女正社員の転職率は、前年に比べて2.1ポイントアップの7%を記録。過去6年間において最も高い数値を記録しました。
また、とりわけ男性の30〜40代、クリエイター職やエンジニア職などの場合には、在職企業よりも大きな企業へと転職する傾向が強く、中小企業の人手不足の原因がここにも垣間見えます。
※出典:株式会社マイナビ 転職動向調査 2022年版(2021年実績)https://career-research.mynavi.jp/reserch/20220325_25056/
4.人手不足が企業に及ぼす影響とは?
それでは、人手不足が起こることによって、企業にはどのような影響が及ぶのでしょうか。
会社経営においての影響と、職場環境における影響をそれぞれ確認していきましょう。
4‐1.会社経営への影響
厚生労働省の調査※によれば、人手不足が解消されないことによって、会社経営では以下のような影響があるという結果が示されています。
・既存事業の運営への支障
・技術・ノウハウの伝承の困難化
・既存事業における新規需要増加への対応不可
・余力以上の人件費の高騰
つまり、雇用がうまくいかず人手不足が進んでいくことで、今取り組んでいるビジネスを縮小せざるを得ない、新たに顧客をとって売上を伸ばすことも難しい、これまでに築いてきた技術やノウハウを伝承できないため後継者不足にも悩まされる、売上は減るのに人件費は上がるなどといった困難に陥ってしまうという状況が考えられます。人手不足は会社経営に多くの悪影響を及ぼしていると言えるでしょう。
※出典:厚生労働省 我が国を取り巻く人手不足等の現状 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-1_03.pdf
4‐2.職場環境への影響
それでは、人手不足が解消されないことによって、職場環境においてはどのような影響が見られるのでしょうか。
こちらも同様に厚生労働省の調査による結果※を見てみましょう。
・残業時間の増加、休暇取得数の減少
・従業員の働きがいや意欲の低下
・離職者の増加
・能力開発機会の減少
・将来不安の高まりやキャリア展望の不透明化
・職場の雰囲気の悪化
厚生労働省の調査によれば、人手不足が続くことによって上記のような影響がみられるという結果になりました。
概して、人手不足は職場環境に対して多くの悪影響を及ぼすことがわかります。
とりわけ残業時間の増加や休暇取得数の減少の影響を受けていると答えた人は多く、中でも医療・福祉関係専門職や技術系専門職ではその傾向が強いとのことです。
※出典:厚生労働省 我が国を取り巻く人手不足等の現状 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-1_03.pdf
5.人手不足に対し企業ができる取り組み・対策とは?
企業は、人手不足に対してどのような取り組みが行えるのでしょうか。
ここからは、人手不足に対して企業が行うべき取り組みや対策についていくつか紹介していきます。
5‐1.賃金・労働条件の見直し
人手不足に対する取り組みとして、自社の賃金や労働条件の見直しは欠かせません。
転職率が上昇傾向にあるだけでなく、中小企業の場合は新規採用も難しい状況が続いているため、募集時における賃金引き上げや有給消化率、年間休日数のアップなどといった待遇の改善を行い、求職者にとって魅力的な求人情報となるよう心がけましょう。
とりわけ給料やボーナスなどについては求職者がチェックしがちなので、現段階で問題がある場合には早急に改善するべきです。
5‐2.採用活動・インターンシップ等の強化
人手不足がなかなか解消されないという場合には、採用活動やインターンシップなどをこれまでよりも強化しましょう。
いつまでも受け身の状況だと、人手不足が解消されることはありません。新卒イベントや中途採用イベントなどに積極的に参加する、社員のリファラル採用も始めてみる、学生のインターンシップ制度に力を入れてみるなどといった行動を中心に、リクルートサイトの制作にもこだわってみる、求人サイトを有効活用するなどといった取り組みも効果的でしょう。
5‐3.非正規雇用労働者の正社員登用を行う
人手不足に悩まされている場合には、非正規雇用労働者の正社員登用を行ってみるのも1つの手段です。
厚生労働省の調査※によれば、週就業時間が35〜42時間の非正規雇用労働者の場合、15〜54歳の男女ともに「就業時間を増やしたい」と回答している人が多く、一方で同じ就業時間の正規雇用労働者の場合は「就業時間を減らしたい」と答えている人が多い結果となりました。
つまり、非正規雇用労働者は働きたい気持ちがあるにも関わらず働けない状況にあると言えます。やる気のある非正規雇用労働者を正社員として登用することで、人手不足の解消につながるはずです。
※出典:厚生労働省 我が国を取り巻く人手不足等の現状 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-1_03.pdf
5‐4.業務をアウトソーシングする
人手不足がなかなか解消されず悩んでいる場合には、業務をアウトソーシングしてみるのも1つの手段です。
例えば、「新たなサービスを打ち出すにも関わらず、営業できる社員が少ない」とお悩みの場合、短期間だけ営業代行会社などに依頼し、営業活動をサポートしてもらうのもおすすめでしょう。
アウトソーシングサービスを提供している会社は数多く存在するので、いざという時には有効活用してみると安心かもしれません。
5‐5.業務の効率化・生産性の向上
人手不足に悩まされており、なかなか業務が回らないという場合には、業務の効率化や生産性アップを狙う必要があります。
例えば、人手不足であるにも関わらず、勤怠管理や経費精算、会計管理などをエクセルやスプレッドシートで行っている企業も多いのではないでしょうか。
その場合、クラウド上で気軽に利用できるような勤怠管理サービスや経費精算システム、会計システムなどを導入することで、人手不足であっても業務を効率化することができます。
5‐6.従業員満足度(ES)を向上させる
人手不足が大きな課題となっているものの、なんとか改善させたいという場合には、従業員の満足度を向上させるように対策を取りましょう。
従業員満足度(ES=Employee Satisfaction)が高いということは、個人のパフォーマンス向上、そして企業全体のパフォーマンス向上にもつながっていく非常に重要なポイントです。
逆に言えば、従業員満足度が低いということは、その会社で働くことへのモチベーションも低いということなので、パフォーマンスの悪化につながります。
待遇改善や教育環境の充実などを通し、従業員満足度をアップさせましょう。
6.人手不足の解消に繋がるSaaS(クラウドサービス)とは?
先にも説明している通り、人手不足においては業務の効率化が非常に重要なポイントとなります。また、業務の効率化にはITツール・SaaS(クラウドサービス)が不可欠と言っても過言ではありません。
ここからは、人手不足で悩む企業におすすめなクラウドサービスを紹介します。
6‐1.採用管理システム・Web面接ツール
採用管理システム・Web面接ツールは、人手不足に悩む企業の採用強化、さらには採用活動の効率化に大きく貢献するクラウドサービスです。
採用管理システムでは、採用へ応募してくれた人材情報をまとめて管理できるほか、応募者とのやりとりやスケジュール管理なども一元化可能。Web面接ツールは、遠方からの応募者であっても気軽に面接を行える点がメリットでしょう。
これまでよりもスムーズに採用活動を進めたい、より広い地域を対象に応募者を集めたいという場合におすすめのサービスと言えます。
6‐2.シフト管理システム・勤怠管理システム
シフト管理システム・勤怠管理システムは、名前からもわかる通り従業員のシフトや出退勤に関するデータをシステム上で管理することができます。
SaaSタイプのシフト管理システム・勤怠管理システムを導入すれば、リアルタイムでシフトや勤怠状況について管理できるため、データの管理が非常にスムーズになるでしょう。
人手不足の場合はシフトの調整も難しいかもしれませんが、システム上でわかりやすく管理できることによって、人員バランスも整えやすくなるはずです。
6‐3.ナレッジマネジメントシステム
ナレッジマネジメントシステムは、人手不足故に技術・ノウハウを伝えていくことができないとお悩みの企業にはおすすめのツールです。
ナレッジマネジメントシステムと一口に言っても機能はさまざまですが、気軽にコミュニケーションを取れる社内SNSやグループウェア、FAQ機能などを備えている場合が多く、情報共有に長けています。
人手不足で社員のスキルアップのためになかなか時間を割けていないという場合、有効活用するべきでしょう。
6‐4.従業員満足度調査ツール・モチベーション管理システム
従業員満足度調査ツール・モチベーション管理システムは、人手不足を解消するために従業員の満足度やモチベーションを向上させたいと思っている企業におすすめです。
これらのツールを導入して活用することで、従業員のモチベーションや現場における職場環境の課題などを把握することができるため、まずは課題を見つめ直し改善へとつなげていきたい場合にはおすすめでしょう。今後の人事戦略に活用することも可能です。
7.【まとめ】人手不足の解決策で迷ったらアイミツへ
今回は、人手不足の原因や企業が取り組むべき対策などについて解説してきました。
アイミツでは、人手不足に悩む中小企業におすすめなクラウドサービスを数多く紹介しています。
先ほど説明した採用管理システムやWeb面接ツール、勤怠管理システムなどだけでなく、幅広いSaaSを紹介しているため、もしも気になるサービスがあればいつでもお気軽にお問い合わせください。
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