ビジネスフォンにおける代理応答とは?ボタンがない場合はどうする?
ビジネスフォンの機能である「代理応答」は、内線を頻繁に利用する企業では重宝する機能です。一方で、同一拠点内でしか利用できないことや、そもそも代理応答ボタンがないことも。
今回はそんな「代理応答」をテーマに、基礎知識から代理応答の課題を解消する方法までわかりやすく解説します。
- 代理応答(コールピックアップ)とは
- 代理応答機能は同一拠点内でしか使用できない
- デメリットを解消!クラウドPBX
- クラウドPBXのメリット
- クラウドPBXのデメリット
- おすすめのクラウドPBX6選
- まとめ:クラウドPBXを活用して代理応答の手間を削減しよう
代理応答(コールピックアップ)とは
代理応答(コールピックアップ)とは、ほかの席の電話機宛てにかかってきた内線着信を、別の電話機で代わりに応答できる機能です。該当社員が離席しているなどの理由によって電話に出られない際に、ほかの従業員がわざわざ鳴っている電話機まで移動して電話を取りに行くのは手間ですし、素早い応答も難しくなるでしょう。
その点、代理応答を使えば、あらかじめ設定しておいた電話機のボタンを押すだけでほかの電話機からも対応できます。内線が鳴っている電話から離れた場所にいても、離席することなくスピーディーに応答できるのが最大のメリットです。
代理応答機能は同一拠点内でしか使用できない
代理応答はビジネスフォンの便利な機能ですが、同一拠点内でしか使用できない点には注意が必要です。
そもそもビジネスフォンは、基本的に「主装置」と呼ばれるメインシステムを拠点内に設置して運用する仕組みであるため、システム自体が同一拠点でしか使えない仕様となっています。
代理応答機能はビジネスフォンの機能のひとつですから、同様にシステムが通っている同一拠点内でしか使用できないことになるのです。
そもそも代理応答ボタンがない場合も
ビジネスフォンで代理応答を使用するには、電話機に代理応答ボタンを設定する必要がありますが、電話機のボタン数には限りがあります。そのため、代理応答ボタンを設定できないケースも考えられるでしょう。
別売りの機器によってボタンを増設するなど、代理応答を可能にする方法もありますが、手間やコストがかかます。いずれにせよ代理応答では、本人以外の第三者が応答しなければならない点に変わりはありません。
デメリットを解消!クラウドPBX
クラウドPBXとは、ビジネスフォンのメインシステムであるPBX(電話交換機)をインターネット経由で利用出来るサービスです。
従来、オフィスでの電話環境構築には、PBXと呼ばれる設備を施設内に設置する必要がありました。外線からの着信振り分けや内線同士の相互接続など、ビジネスフォンの役割を担っているのがこのPBXだというわけです。
現在では、専用設備を自社で設置・運用するのではなく、インターネット経由でPBXを利用することができるようになりました。設備の購入や保守費用がかからないだけでなく、インターネット環境さえ整っていれば導入できます。少ない手間で手軽にビジネス向けの電話環境を構築できるのが、クラウドPBXの特徴です。
クラウドPBXの選び方については、別記事「2025年最新比較でおすすめのクラウドPBX(クラウド電話)」をご覧ください。
クラウドPBXのメリット
クラウドサービスの発展に伴い、クラウドPBXのニーズは高まり続けています。ここではクラウドPBXの代表的なメリットを3つご紹介しましょう。従来の設置型PBXとの違いを知るための参考にしてみてください。
スマートフォンで本人が内線に対応できる
従来、内線や代理応答といったビジネス向けの電話機能を使うには、ビジネスフォンをはじめとした電話機器の導入が必要でした。
その点、インターネット経由でビジネス向けの電話機能を利用できるクラウドPBXの場合は、スマホやPCなどの端末をそのまま活用できます。
また、スマホへの転送が可能なため、従業員が離席してしている場合でも、スマホから本人が内線を受けることが可能。これまでのビジネスフォンに付いている代理応答では、第三者が電話対応しなければいけない点がネックでしたが、スマホでクラウドPBXを活用すれば、応答者の場所を選ばないのはもちろん、第三者の手を煩わせることなく内線対応を実現できます。
初期費用(イニシャルコスト)を抑えられる
ビジネスフォンを導入する際には、PBXの機器代に加え、複数台の電話機代がかかるなど、高額な導入費用がネックでした。さらに機器代だけでなく、設置工事やメンテナンスなども含めるとトータルコストはかなりの額になります。
しかし、クラウドPBXなら電話環境を自社で構築する必要がなく、インターネット経由で電話環境を利用できるため、設備投資および設置工事は不要です。
また、ビジネスフォン以外にPCやスマホからも利用できるため、電話機の購入費用や設置工事にかかる費用を丸ごと削減できます。さらに、ほとんどのクラウドPBXは初期費用が数千円から数万円程度。初期費用を大幅に抑えられる点も大きなメリットです。
拠点が複数ある場合も一括で管理できる
クラウドPBXを導入すれば、複数拠点でも手軽に電話環境を構築できるだけでなく、一括管理まで実現可能です。
従来のPBXは専用の設備を各拠点に設置し、配線工事を行なった上で運用するのが基本。そのため、複数拠点で電話環境を構築するには、それぞれの拠点で設備の導入・配線工事などが必要となり、手間やコストが大きなネックとなっていました。
クラウドPBXなら、インターネット環境さえあれば利用可能なため、異なる拠点で同時に利用したい場合も、コストを大幅に抑えながら電話環境を構築できます。
また、各種設定や履歴の確認なども一元化されたシステムで行うことができ、複数拠点での一括管理を実現することが可能です。
クラウドPBXのデメリット
従来のPBXにはないさまざまなメリットを備えているクラウドPBXですが、いくつかのデメリットも存在しています。
まず、自社設備での運用ではなく、インターネット経由で電話環境を構築するため、「毎月の利用料がかかる」「環境によっては通話品質が安定しない場合がある」といった点には留意が必要でしょう。
また、サービスの性質上、提供会社のシステムを利用するため、自社設備のような自由な運用は難しく、「カスタマイズ性の低さ」もデメリットだと言えます。
ただし、最近のクラウドPBXは機能性やオプションを追加できるサービスも多いため、工夫次第でカスタマイズ性の低さはある程度カバーできるでしょう。
おすすめのクラウドPBX6選
急速にニーズが高まっているクラウドPBXは、現在さまざまな特色を持つサービスがリリースされています。ここからは、数ある中からおすすめのクラウドPBXを6つ厳選してご紹介していきましょう。
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料金
月800円/ユーザー -
初期費用
なし
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最低利用期間
1ヵ月
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最低利用人数
1人
Dialpadは、場所や端末に縛られることなく、ビジネスシーンで電話を柔軟に使えるクラウドPBXです。料金は「ライセンス料金(1,000円(税抜)/ID~)」+「基本料(500円(税抜)/番号~)」+「通話料(従量課金)」の月額制となっており、提供ビジネス・利用目的別に豊富なプランが用意されています。
また、導入検討から実際の導入にいたるまで、通信業界の分野で国内トップクラスの実績を誇るソフトバンクがサポートしてくれるため、はじめてクラウドPBXを導入する方でも安心です。PCやスマホをはじめとしたマルチデバイスに対応しており、スマホでの内線対応や外出先での外線受付などを手軽に実現できます。
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料金
月35,000円/サーバライセンス -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
MediaOfficeは、メディアリンクが提供する万能型PBXで、シリーズ製品導入実績1万3,000席超え、継続利用率98%と、顧客満足率の高さが大きな強みです。「フルクラウド型」「ハーフクラウド型」「オンプレミス型」の3種類を用意しており、フルクラウド型の場合は月額で「基本使用料3万5,000円(税抜)+1ユーザ利用料1,000円(税抜)」から提供。
導入が低コストでありながらも、充実の通話機能に加え、保留・転送機能、通話履歴管理・通話録音機能など、ビジネス向けの豊富な機能をすべて標準搭載しています。また、複数拠点での内線化や直感的な操作画面による電話システムの一本化が可能なため、コストを抑えながら複数の拠点で電話環境を構築したい方にはぴったりです。
- 冗長化
- 外線接続機能
- 内線基本機能
- 転送機能
- 保留機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- クラウド(SaaS)
- 代表番号での発信
Arcstar Smart PBX
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料金
月5,500円/契約 -
初期費用
11,000円
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
Arcstar Smart PBXは、国内大手通信事業者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズが提供するクラウドPBXです。スマホの内線化が可能なだけでなく、人事異動やオフィスのレイアウト変更に伴う設定変更も、工事なしでいつでもWeb上から手軽に行えます。
ランニングコストは、「1契約あたり5,000円(税抜)+IDごとに500円(税抜)」というわかりやすい仕組みです。端末のレンタルや外線サービスといったオプションも充実しています。
また、別途外部サービスとして、利用環境に合わせて顧客が自由にチャネル数と番号数を設定できる「Arcstar IP Voice」も用意されています。
- Pマーク
- IP制限
- 外線接続機能
- 内線基本機能
- 転送機能
- 保留機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
MOT/TEL
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料金
月4,980円 -
初期費用
29,800円~
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
MOT/TELは、バルテックが提供するクラウドPBXです。PBXの開発研究に15年以上携わってきたノウハウを活かし、延べ2万社以上の幅広い業種・規模の企業に導入されてきた実績を持っています。
他社サービスとの大きな違いは、20端末まで月額3,980円(税抜)の定額から利用できる点。1ユーザー(ID)ごとの課金ではないため、利用者数が多い環境でも圧倒的な低コストで運用できます。
もちろん、コスト面だけでなく品質にもこだわっており、業界トップクラスの音質、日本人に合わせた操作性重視の画面設計、スマホ内線化・通話録音・顧客情報自動表示といった豊富な機能性など、使いやすさにもこだわっている点が魅力的です。
- 通信の暗号化
- 外線接続機能
- 内線基本機能
- 転送機能
- 保留機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
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料金
月11,000円/専用BOX1台 -
初期費用
4,950円
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
ひかりクラウドPBXは、東日本電信電話(NTT東日本)が提供するクラウドPBXです。大きな特徴は、専用アプリを用いることにより、1台のスマホで「内線番号・代表番号・携帯番号」の3つを使い分けられる点。専用の電話機を導入せずに、スマホだけで内線応答できるほか、外出先から会社番号での受発信も可能です。拠点に制限されない自由な働き方を実現できます。
料金は「初期費用+月額利用料」を組み合わせた形となっていますが、新規で電話システムを構築する場合はもちろん、既存のビジネスフォン・PBXとの併用にも対応。オプションとしてチャネル追加や機器のレンタルまで用意されており、幅広いニーズを柔軟にカバーできる体制が整えられています。
- アカウント権限
- 外線接続機能
- 内線基本機能
- 転送機能
- 保留機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
-
料金
月1,200円/ユーザー -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
TramOneCloudは、トラムシステムが提供するクラウドPBXで、延べ60万システムを出荷した「Avaya Office」をもとに設計されています。日本のコンタクト/コールセンター市場において42%超のシェアを誇るなど、中小企業向け電話システムの領域での実績は圧倒的です。
導入にあたって必要なのはインターネット回線だけ。初期費用0円・1ユーザー月額1,200円からという明瞭な料金プランでありながら、必要な利用量に合わせて契約を割り当てられるため、企業規模を問わず無駄なコストを抑えた運用が可能です。
また、簡単に操作できる設定画面、豊富な発信・着信・保留・転送機能、050・0120番号の利用など、ビジネスシーンで求められる機能性も網羅しています。
- ISMS
- 外線接続機能
- 内線基本機能
- 転送機能
- 保留機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
まとめ:クラウドPBXを活用して代理応答の手間を削減しよう
今回は、「ビジネスフォンにおける代理応答」をテーマに、代理応答に関する解説やデメリット解消に役立つクラウドPBX関連の情報をご紹介してきました。クラウドPBXは、サービスごとに機能性・料金・特徴が異なるため、自社のニーズを踏まえた上でそれぞれのサービスを比較・検討することが大切です。
しかし、クラウドPBXは多数あり、どれを導入すべきか迷ってしまうでしょう。PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、クラウドPBX選びについての相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったツールが分かる診断(無料)もありますので、ぜひ一度お試しください。
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