迷惑電話の対処法マニュアル!具体的な対策や対応時のポイント、法的措置について解説
業務効率化や顧客満足度向上が求められる現代において、企業活動におけるロスタイムは可能な限り削減したいものです。しかしながら、近年増加傾向にある迷惑電話は、貴重な業務時間を奪い、生産性を低下させる要因となりえます。また、悪質なケースでは、金銭トラブルや情報漏えいなど、企業に深刻な損害をもたらすリスクも。
本記事では、企業の皆様が安心して事業に集中できるよう、迷惑電話の予防策から撃退方法、法的措置の進め方まで、具体的な対処法を解説します。ぜひ本記事を迷惑電話対策のマニュアルとしてお役立てください。
- 迷惑電話に企業が対処すべき理由
- 企業に迷惑電話をかけてくる主な目的とは
- 迷惑電話を事前に防ぐ6つの対処法
- 迷惑電話の撃退方法や対応時のポイント
- 悪質な迷惑電話に法的措置を講じる方法
- 迷惑電話対策としてクラウドPBXをおすすめする理由
- まとめ
迷惑電話に企業が対処すべき理由
迷惑電話に悩まされている企業は多いでしょう。迷惑電話に適切に対処していくためには、そもそも迷惑電話がどのような影響を企業にもたらすのかを知ることが大切です。そこでまずは、迷惑電話に企業が対処すべき3つの理由を解説しましょう。
生産性の低下を招く
電話というコミュニケーションツールの特徴は、実際に出てみない限りは用件が分からない点であるため、迷惑電話も応対してようやく認識するケースがほとんどでしょう。当然迷惑電話に応対する従業員はその都度業務の中断を余儀なくされるため、1回あたりの所要時間は短くても積み重なれば大きなロスとなり、生産性の低下を招いてしまいます。
情報流出のリスクがある
迷惑電話だと分かっていても企業として最低限のマナーやモラルを遵守しながら応対するために、電話を一方的に切るような行為は避けているところも多いでしょう。しかしながら、最低限の対応をする中で「部長の○○は外出中です」「自社では○○を使っているため不要です」など、社内情報をうっかり漏らしてしまうケースは珍しくありません。こうした情報流出のリスクは迷惑電話を放置すればするほど高まってしまいます。
従業員のストレスになる
迷惑電話は従業員の精神的な負担やストレスを引き起こす大きな要因ともなります。応対中に暴言を吐かれたりすることによる精神的な負担に加え、「また迷惑電話か」「迷惑電話で集中力が途切れた」など、さまざまな部分でストレスが加わりモチベーション低下などを招く点は企業としても認識しておく必要があるでしょう。
企業に迷惑電話をかけてくる主な目的とは
迷惑電話に対して適切に対処するためには、「相手がどんな目的で迷惑電話をかけてくるのか」を知ることが大切です。
営業電話
電話営業を主なアプローチ方法としている企業の中には、断られても度々電話で営業をかけるスタイルを取っているところも珍しくありません。もちろん相手としては純粋に「営業」として電話をかけているわけですが、受け手によっては迷惑電話だと感じることもあるでしょう。特に昨今では、自社サイトを持つ企業が増えており、ネット上で簡単に連絡先などの情報が入手できるため、受け手にとっては「また営業電話か」と感じやすくなっている状況にあります。
いたずら目的
いたずら目的の迷惑電話の場合、明確なメッセージを持たないケースが多いため、無言電話や支離滅裂な言動などが特徴的です。「ストレス発散」「欲求を満たす」など利己的な欲求がいたずら電話の主な理由ですが、中には自社の顧客がクレームとして電話してきているなど見分けるのが難しいこともあります。あまりにも無下に対応すると相手がエスカレートしてしまったり、執拗に電話をかけてくるようになったりするリスクもあるため、丁寧に対応するのが無難です。
私怨や企業への悪意
企業や企業内の従業員個人に対して何らかの個人的な恨みを持っているパターンです。
- 契約を解除された
- 営業を断られた
- 業員と個人的なトラブルがあった
- 以前の対応が納得いかない
などなど、理由はさまざまですが、過去に何らかの関係性を持っていることから、企業宛てではなく個人の携帯電話にかけてくるケースもあります。私怨が深いほど執着する傾向が強くなるため、被害が長引きやすいパターンでもあります。
迷惑電話を事前に防ぐ6つの対処法
ここでは、迷惑電話を事前に防ぐために効果的な6つの対処法を紹介します。複数の対処法を組み合わせるのが効果的であるため、自社における迷惑電話の傾向や設備環境に合わせたベストな運用方法を見出す際の参考にしてください。
着信拒否する
すでに「この番号は迷惑電話だ」と認識できている場合は、電話機やCTIシステムに搭載されている着信拒否設定を行うことにより、着信自体を遮断する方法があります。電話自体がならないため迷惑電話を完全に遮断できますが、設定していない番号や非通知設定からの電話は防げないため完璧な方法とはいえません。
迷惑電話ブロックサービスを利用する
電話回線や通信事業者が提供する「特定の電話をブロックするサービス」を利用する方法です。例えばNTTが提供する「迷惑電話おことわりサービス」では、迷惑電話など特定の番号を設定することで「この電話はお受けできません。ご了承ください、」と自動応答で迷惑電話を処理してくれます。また、NTTだけでなく各通信事業者により類似したブロック系サービスが提供されており、迷惑電話対策として一定の効果に期待できます。
非通知の電話を拒否する
多くの固定電話やCTIシステムでは、非通知でかかってきた電話を拒否する機能が搭載されています。ただし、非通知でない迷惑電話は防げませんし、非通知でかかってきた電話についてはすべて遮断されるため、迷惑電話以外の着信も受けることができず、重要な電話を逃してしまう懸念があります。
電話が鳴る時間を限定する
電話に手動で応対する時間を限定し、時間外にかかってきた着信は自動応答で対応する方法です。設定自体は、電話機やCTIシステムに搭載されている機能を利用するため、電話自体が鳴ることもありません。応対時間を限定することで残業中の迷惑電話応対をなくすなど、一定の迷惑電話対策としては効果的です。
自動音声応答(IVR)を設定する
自動音声応答(IVR)とは、電話がつながった後に自動音声が「○○の方は1を、○○の方は2を」などという形で音声ガイダンスを流して電話を振り分ける機能です。人間との通話に至るまでにワンクッションの時間と手間が加わるため、迷惑電話をかけてきた者が「面倒だと」感じて電話を切るなど迷惑電話撃退に一定の効果が期待できます。また、着信拒否のように着信を遮断するタイプの方法ではないため、重要な電話を取りこぼすリスクもカバーできます。
着信時に顧客情報をポップアップさせる
クラウドPBXやCTIシステムを導入している場合、CRMなどで管理・蓄積している自社のデータベースと連携させることで、着信時に顧客情報を自動でポップアップ表示してくれます。この方法は「実際に出てみない限りは相手や用件が分からない」という電話の弱点をカバーできるものであるため、迷惑電話には出ずにそれ以外の電話には応答する、というバランスの取れた迷惑電話対処法を実現できるため非常におすすめです。また、迷惑電話対処法としてだけでなく、顧客情報を確認した上で応対に入れるため、電話品質向上や業務効率アップなどのメリットももたらしてくれます。
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迷惑電話の撃退方法や対応時のポイント
迷惑電話対処法にはさまざまな方法が存在しますが、複数の対策を施していても「かかってくる迷惑電話を完全に0にする」のはやはり難しいのが現実です。そこでここからは、迷惑電話に出た際の撃退方法や対応時のポイントを解説します。
迷惑電話対応時のマニュアルを用意しておく
迷惑電話への応対方法を企業全体で統一し、現場で実践するには、そのための環境作りが欠かせません。
- 応対時のトークスクリプトを用意する
- 対応フローをマニュアル化する
- 迷惑電話対象者を社内で共有する環境を構築する
こうした環境作りにより、誰が対応していてもベストな対応を取れるように準備しておくことが大切です。
情報を漏らさないように注意する
営業電話などでよくあるパターンですが、こちらが断る姿勢を見せたとしても、どうにかして何らかの有益な情報を聞き出そうとする場合があります。情報をうっかり漏らしてしまうと「まだまだアプローチする余地がある」「他の商材を売り込めそう」など、相手に新たな機会を与えることになりかねません。そもそも社内情報を外部にもらうこと自体にリスクがありますので、迷惑電話応対時には情報を漏らさないよう従業員教育を徹底しましょう。
対応はあくまでも冷静な受け答えを意識する
迷惑電話であることを認識すると、どうしても腹立たしさやストレスを感じるものですが、感情に任せて対応するのは危険です。高圧的な対応や挑発的な対応を取ってしまうと、かえって相手を逆なでしたり行動をエスカレートさせたりするリスクが高まりますので、冷静かつ慎重な受け答えを意識しましょう。もちろん相手の話に長時間付き合う必要はありませんので、マナーは心がけながら「取り込み中です」「外出中です」など理由を付けて早めに切ってしまうのがおすすめです。
悪質な迷惑電話に法的措置を講じる方法
迷惑電話が悪質な場合、法的措置を講ずることを検討される方もいるでしょうが、迷惑電話は内容次第で以下のような罪に該当する可能性があります。
項目 | 内容 |
---|---|
脅迫罪 | 殺す、殴る、襲うなど恐怖を与える内容の言葉があった場合 |
偽計業務妨害罪 | 他人をだます、誘惑するなど「偽計」により、業務を妨害した、もしくはその危険性がある場合 |
傷害罪 | 迷惑電話により、相手へ精神的な障害を与えた場合 |
特定商取引法 | 電話勧誘などの中ではっきりと断りを入れたにも関わらず、再度勧誘した場合 |
これらを踏まえて、悪質な迷惑電話に法的措置を講じる際の2つの方法を以下で解説します。
警察に通報する
迷惑電話が悪質だと感じた場合、まずは警察への相談(通報)を検討してみると良いでしょう。ただし「迷惑電話があった」というシンプルな報告だけですと、警察も一件一件対応しきれませんので、具体的に内容を伝えるとともになるべく多くの証拠を用意して相談するのがおすすめです。特に法的措置を取る場合には、「悪質さ、どのような法に反している」を立証しなければならないため、迷惑電話の回数や内容など詳細な記録を残しておくようにしましょう。
法的措置について弁護士に相談する
前述のとおり、警察に相談したからといって必ず動いてくれるとは限りません。しかし、弁護士なら犯罪に該当する行為だけでなく、精神的苦痛や業務に支障をきたした部分の賠償請求までカバーできますので相談してみると良いでしょう。実際の法的措置に限らず、弁護士が間に入ることで迷惑電話を相手がやめる可能性も考えられますので、まずは法律やトラブルの専門家である弁護士のアドバイスを求めてみるのもひとつの手です。
迷惑電話対策としてクラウドPBXをおすすめする理由
迷惑電話にはさまざまな対処法が存在しますが、中でも特におすすめなのがクラウドPBXの活用です。ここから、なぜクラウドPBXが迷惑電話対策におすすめなのかを4つの要素に分けて解説します。
インターネット回線があれば利用できる

クラウドPBXとは、オフィスやコールセンターで用いられる電話機を管理・制御するための装置である「PBX」をネット上で利用できるサービスです。従来型のPBXは主装置を導入企業の社内に設置する必要があるため、導入コストや保守・運用の手間がかかるというデメリットがあります。一方クラウドPBXの場合はクラウド上にあるPBXを利用するため、インターネット回線さえあれば主装置を設置することもなくすぐにPBXの機能を利用できます。
着信ルールの柔軟な設定が可能
クラウドPBXは、迷惑電話対処法として効果的な以下のような着信ルールを柔軟に設定できます。
- 着信拒否設定
- 自動音声応答(IVR)
- 非通知拒否設定
設定はWebブラウザから簡単に実施可能。さらに、代表番号/部署ごとの番号/従業員個人の携帯電話番号など、各番号で異なる設定が可能となっており、番号の完全一致・先頭一致などの条件設定まで細かく行えるため自社のニーズに合わせた迷惑電話対策を実現できます。
導入が手軽
従来のPBXは、電話機を利用する建物内に専用の交換機を設けて接続する必要があったため、導入に工事が必要であり、初期費用や保守・運用コストがかかる点がネックでした。しかし、クラウドPBXの場合、ネット上のPBXを利用する代わりに毎月の利用料を支払う仕組みであるため、初期費用を大幅に削減できます。機能性も迷惑電話対策には十分ですから、低コストかつスピーディに導入可能なクラウドPBXを迷惑電話対策の一環として検討してみるのも良いでしょう。
外出時やテレワーク中でも使える
クラウドPBXは、PBXの機能をネットを通じて利用するため、社内の電話機以外でもサービスを活用できます。この特徴の大きなメリットは従業員の携帯電話やスマホを内線化できるところ。従来のビジネスフォンでは必須だったオプションの転送機能を使うことなく、社内のビジネスフォンの感覚で外出先でも社外からの電話を受けられるため、余分なコストをかけずに外出が多い職種やテレワーク導入中の企業でも迷惑電話対策を手軽に実現できます。
関連記事:クラウドPBX(クラウド電話)の比較方法・おすすめの選び方
まとめ
迷惑電話対処法にはさまざまな方法がありますが、中でもおすすめなのは複数の対処法を併用できるクラウドPBXの活用です。クラウドPBXなら顧客データベースと連携した着信先情報のポップアップが可能ですし、外出先でも柔軟に迷惑電話対策を実現できます。とはいえ、悪質な迷惑電話については法的措置も視野に入れながら被害をなるべく抑えられるよう心がけましょう。
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