料金が安い給与計算ソフトおすすめ8選【2024年最新】
給与計算には残業代や社会保険、税金などの複数の要素が絡み、処理が煩雑になりがちです。「給与計算ソフトを導入したいけれど、あまり費用をかけたくない」という企業は多いのではないでしょうか。
実は、給与計算ソフトは選び方によっては安い料金で利用できます。一部のサービスでは無料プランや1ヶ月の無料トライアルも用意されているため、「給与計算の効果を試してみたい」という方にはおすすめです。
本記事では、給与計算ソフトの料金を安く抑えたい企業に向け、ソフトの選び方や導入するメリットについて解説します。2024年最新で料金が安い給与計算ソフトも紹介しているので、すぐにでも給与計算の効率化を進めたい経理担当者はぜひ参考にしてください。
- 給与計算ソフトを安い費用で導入するには
- 給与計算ソフトの料金比較表
- 【クラウド型】料金が安い給与計算ソフトおすすめ5選
- 【インストール型】料金が安い給与計算ソフトおすすめ3選
- 給与計算ソフトとは
- 給与計算ソフトのメリット
- 給与計算ソフトの選び方
- まとめ:費用を安く抑えて給与計算システムを導入しよう
給与計算ソフトを安い費用で導入するには
給与計算ソフトとは、勤怠情報を用いて給与計算の自動化・効率化ができるソフトウェアです。手間のかかる残業計算や所得税、社会保険料、雇用保険料などを自動計算でき、これまでの手作業・手計算は必要ありません。多くの給与計算ソフトでは人事関連の機能も搭載しており、マイナンバーの管理や入退社の手続きなども可能です。
給与計算ソフトを安い費用で導入する方法は、下記の2つです。
- 必要機能を絞ってシステムを導入する
- 給与計算ソフトの無料プランを利用する
必要機能を絞ってシステムを導入する
給与計算ソフトの料金を安く抑えるには、まず導入目的を明確にして必要機能を洗い出し、システムを導入することが重要です。目的があいまいなままだと、過剰な機能を搭載したソフトを選び、かえって割高になるケースがあります。
たとえば、給与計算の自動化を第一に考えるのか、年末調整にも対応したいのか、労務関係の書類も一元管理したいのか、といった整理が必要です。どこに課題があるのかが把握できれば、おのずと必要な機能が見えてきます。その上で候補を比較すれば、最も安い給与計算ソフトの選択が可能です。
給与計算ソフトの無料プランを利用する
「給与計算に予算を割けない」という企業には給与計算ソフトの無料プランもおすすめです。しかし有料版と比較するといくつかの機能に制限があります。無料と有料の給与計算ソフトの違いを比較した表をご覧ください。
機能 | 有料プラン | 無料プラン |
---|---|---|
自動計算機能 (データを入力すると自動で給与が計算される) |
◯ | ◯ |
給料明細の発行機能 (Web上で給与明細が発行される) |
◯ | ◯ |
他システムとの連携機能 (主に勤怠管理システムなどとの連携) |
◯ | × |
年末調整機能 | ◯ | × |
カスタマーサポート窓口の有無 | ◯ | △ (制限あり) |
※上記の表は一例であり、製品によって異なる場合があります。
給与計算ソフトの無料プランでは、自動計算機能・給与明細の発行機能を利用できます。一方で、より高度な機能である他システムとの連携機能・年末調整機能などは無料プランにはない場合が多く、有料プランを契約する必要があります。また、無料の場合、カスタマーサポートが制限されている点も、有料プランと比較した違いです。
無料プランのある給与計算ソフトを比較検討したい方は、別記事「無料の給与計算ソフト!機能と特徴を解説」をご覧ください。
給与計算ソフトの料金比較表
ここでは、給与計算ソフトの初期費用と月額料金を比較しています。以下の比較表をご覧ください。
サービス名 | 初期費用 | 月額料金 | 導入形態 |
---|---|---|---|
freee人事労務 | 無料 | 2,000円~ (年額24,000円の月額換算) |
クラウド |
ジョブカン 給与計算 | 無料 | 400円/1ユーザー | クラウド |
マネーフォワード クラウド給与 | 無料 | 300円~/1ユーザー | クラウド |
ジンジャー給与 | 要問合せ | 500円/1ユーザー | クラウド |
フリーウェイ給与計算 | 無料 | 1,980円~ (年間23,760円の月額換算) |
クラウド |
かるがるできる給料 | 4,180円(税込) | 無料 | インストール |
給料王 | 4万4,000円 | 無料 | インストール |
弥生給与 24+クラウド | 3万2,000円~8万8,000円 | 無料 | インストール |
※料金は税抜き
料金の安い給与計算ソフトの月額料金を比較すると「ジョブカン 給与計算」は1ユーザーあたり400円、「ジンジャー給与」は1ユーザーあたり500円と安い月額料金で運用可能です。また、「freee人事労務」や「マネーフォワード クラウド給与」では、月額プランのほかに年額プランが選択できます。年額プランは、年額料金を一括で支払うことで、月額プランよりも月あたりの料金を安く抑えられます。
費用が安い導入形態は「クラウド型」と「インストール型」
給与計算ソフトの導入形態は、クラウド型・インストール型(パッケージ型)・オンプレミス型の3種類に分けられます。この中で費用が安い導入形態は「クラウド型」「インストール型」です。
比較項目 | クラウド型 | インストール型 |
---|---|---|
導入方法 | インターネット上でログイン | PCにソフトをインストール |
初期費用 | 無料~数万円 | 数万円 |
月額料金 | 数百円 | 無料 ※買い切り型のため |
クラウド型の給与計算ソフトは、インターネット上にデータを保存して利用するタイプ。クラウド型給与計算ソフトの多くは初期費用無料で、月額料金は数百円ほどと安く導入できます。一方、インストール型の給与計算ソフトはパソコンにソフトをインストールして利用するタイプ。初期費用は発生するものの、買い切り型のため月額料金は無料です。ランニングコストが発生しないため、会社によってはインストール型を選択した方がトータルコストを抑えられるでしょう。
料金が安い給与計算ソフトは複数あり、機能や使い勝手も比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った給与計算ソフトが分かる診断(無料)ができます。
関連記事:給与計算ソフトの費用相場
【クラウド型】料金が安い給与計算ソフトおすすめ5選
ここでは料金が安いおすすめのクラウド型給与計算ソフトを5つ紹介します。各サービスの特徴やおすすめポイントもまとめているので、ぜひシステム選定時の参考にしてください。
- freee人事労務
- ジョブカン給与計算
- マネーフォワードクラウド給与
- ジンジャー給与
- フリーウェイ給与計算
-
料金
月800円/ユーザー -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
5人
freee人事労務は、freee株式会社が提供するクラウド型の給与計算ソフトです。スモールビジネスの人事管理市場において、2020年度の売上金額シェアNo.1※を獲得。直感的に使えるUIと充実したサポートによって、事業規模を問わず多くの企業で利用されています。
他社と比較したおすすめのポイントは、給与計算・勤怠管理・労務管理が1つのソフトで完結できること。入社手続き時に登録した従業員情報をマスタとして、すべての業務に活用できます。給与計算では残業代や税金、社会保険料などが瞬時に計算され、経理担当者の負担軽減が可能です。
また、freee人事労務では、1ヶ月無料で試せる「お試しプラン」もあります。お試し期間が終了した後は、年払いで月額換算2,000円(税抜)から始められます。
※ITRが調査発行した「ITR MARKET VIEW:人事・給与・就業管理市場2022」による
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 住民税年度更新機能
- 各種手当や控除の計算設定
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
-
以前に利用していたking of timeより使いやすいのと給与明細や源泉徴収票、給与振込先の登録など一括して全てを賄えるので。
-
様々な勤務状態における入力方法が簡易で楽であるために、勤怠管理がやりやすい。また入力画面が見やすい。
-
料金
月400円/ユーザー -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
ジョブカン給与計算は、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の給与計算ソフト。同社はシリーズ累計導入実績25万社と信頼に厚いサービスです。実際の給与計算担当者や社労士の声のもと開発されており、かゆい所に手が届く機能が満載なことが特徴。
他社と比較したおすすめのポイントは、高度な自動計算によって正しく給与計算ができること。支給・控除項目には四則演算や括弧を用いて自由に計算式が設定できるほか、定額残業代などの複雑なルールにも対応できます。
また、ジョブカン給与計算は、無料プランと無料トライアルに対応。無料プランは従業員数・機能の一部に制限があり、無料トライアルではすべての機能を30日間試せます。有料版に移行した場合でも、月額料金は従業員1名あたり400円(税抜)と低価格で利用可能です。
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 住民税年度更新機能
- 各種手当や控除の計算設定
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
マネーフォワード クラウド給与
-
料金
月2,980円 -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
マネーフォワードクラウド給与は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型の給与計算ソフト。中小企業から上場企業まで幅広い導入実績を誇ります。給与明細の項目や給与の計算式などを細かくカスタマイズできて、WEB明細や源泉徴収票の発行にも対応できます。
他社と比較したおすすめのポイントは、連携可能な外部サービスが多いこと。同じマネーフォワードシリーズだけでなく、他社が提供する勤怠管理や労務管理、人事管理システムとの連携にも対応できます。すべての業務がクラウド上で行えるため、給与計算業務の工数削減が可能です。
また、月額料金は個人事業主が980円(税抜)、法人では2,980円+1名あたり300円(税抜)から利用できます。もちろん1ヶ月の無料トライアルもあり、実際の操作感が試せます。
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 通信の暗号化
ジンジャー給与
-
料金
月500円/ユーザー -
初期費用
なし
-
最低利用期間
12ヶ月
-
最低利用人数
10人
ジンジャー給与は、jinjer株式会社が提供するクラウド型の給与計算ソフトです。誰でも使いやすい画面設計がなされており、流れに沿って操作するだけで給与計算が可能。ジンジャー給与は豊富な導入実績を持ち、チャットサポート満足度は95%と高い評価を得ていることもおすすめのポイント。
他社と比較したおすすめのポイントは、ジンジャーシリーズとの連携によってバックオフィス全体が効率化できること。従業員情報と勤務データを用いることで、毎月の給与計算を自動化できます。人事情報が変更された場合もリアルタイムで反映され、ミスのない社会保険料・税金の計算が可能です。
また、月額料金は1名あたり500円(税抜)とリーズナブルな設定。もちろん1ヶ月の無料トライアルにも対応しています。
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 住民税年度更新機能
- 各種手当や控除の計算設定
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
-
料金
月1,980円 -
初期費用
0円
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
フリーウェイ給与計算は、株式会社フリーウェイジャパンが提供するクラウド型の給与計算ソフトです。ユーザー数は11万人以上(2024年9月30日時点)と多くの企業に愛用されているサービス。賞与や年末調整にも対応しており、WEB給与明細やFBデータの出力も可能です。
他社と比較したおすすめのポイントは、従業員5名までなら無料で使えること。初期費用・月額料金が無料でありながら、利用期間の制限が設けられていません。社会保険料や税率の改定が行われた際も、無料でバージョンアップが可能。費用を抑えて給与計算の効率化を図りたい中小企業にはおすすめの給与計算ソフトです。
また、WindowsとMacの両方で使えることもおすすめのポイント。費用は、従業員が6名以上の場合でも月額料金は1,980円(税抜)とリーズナブル。登録データ数や従業員数は無制限で、電話・画面共有サポートも利用できます。
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 住民税年度更新機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- 銀行連携による振込機能
- 給与振込用データ(FBデータ)の出力機能
以上、クラウド型のおすすめ給与計算ソフトを厳選紹介しました。別記事「給与計算システムを徹底比較」では2024年現在おすすめのサービスを紹介していますので、合わせてご覧ください。
【インストール型】料金が安い給与計算ソフトおすすめ3選
続いて、ここでは料金が安いおすすめのインストール型給与計算ソフトを3つ紹介します。サービスの特徴やおすすめポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
- かるがるできる給料
- 給料王
- 弥生給与 24+クラウド
-
料金
4,180円 -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
かるがるできる給料は、株式会社ビーエスエルシステム研究所が提供するインストール型の給与計算ソフト。同社は給料計算のソフトウェアを多く展開しており、「かるがるできる給料」は社労士監修で開発されたサービスです。
20名までの会社であれば、費用は4,180円(税込)と安く導入できます。買い切り型のため、導入ハードルが低い点がおすすめの理由。社会保険や雇用保険の自動計算機能も搭載し、労務管理までシステム化したい企業におすすめの給与計算ソフトです。
操作画面がシンプルでわかりやすいため、初めて給与計算ソフトを使う担当者でも直感的に操作可能です。
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 各種手当や控除の計算設定
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- 給与(賞与)の振込一覧表出力機能
- 賞与支払届の出力機能
-
料金
40,000円 -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
給料王は、ソリマチ株式会社が提供するインストール型の給与計算ソフト。ユーザーの声に合わせて改修を続けているロングセラー製品で、お客様満足度No.1※を獲得しています。
他の給与計算システムと比較して、機能性や操作性が優れていることがおすすめのポイント。また、給料王はマイナンバー対応ソフトウェア認証製品で、法令に準拠した書式を利用できるメリットもあります。年末調整を法令に沿ってスムーズに行えます。
給料王は、3ヶ月間の電話サポートや会員専用のサポートセンターなどの支援が万全なことも強み。購入価格は4万円(税抜)の買い切り型で、30日間のトライアルも利用可能です。
(※2023年8月株式会社プラグ調べ「業務ソフトに関する調査」による)
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 住民税年度更新機能
- 各種手当や控除の計算設定
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
-
料金
80,000円/ソフト -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
100名迄
弥生給与 24 +クラウドは、株式会社弥生が提供するインストール型の給与計算ソフト。弥生シリーズは、連続25年売上実績No.1※の信頼性の厚いブランドで、きめ細かな手厚いサポート体制も強みです。
弥生給与 24 +クラウドは、初心者でも給与・賞与計算、社会保険、年末調整までミスなく確実にできることが特徴。昇給や賞与をスピーディーに計算できるほか、部門別の管理にも対応しているため、人事評価制度に力を入れている企業にもおすすめです。
従業員100名程度までの中小規模事業者向けの費用は「あんしん保守サポート」付きで88,000円(税抜)。20名までの企業は、「やよいの給与計算 24 +クラウド」というサービスを32,000円(税抜)で利用可能です。
(※全国主要家電量販店・パソコン専門店・ネットショップ2,396 店のPOS実売統計。株式会社BCN調べ)
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 各種手当や控除の計算設定
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- ISMS
- Pマーク
以上、料金が安いおすすめの給与計算ソフトを詳しく解説しました。PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、給与計算ソフト選びの相談を承っています。いくつかの質問に答えるだけで自社におすすめのツールがわかる診断(無料)も用意していますのでぜひご活用ください。
給与計算ソフトとは
給与計算ソフトとは、従業員の勤怠情報をもとに給与計算を自動化できるソフトウェアです。正社員やアルバイト、パートなどの給与体系に合わせた設定ができるほか、一人一人の年齢や扶養家族などの情報を反映して社会保険・税金・手当を自動で処理できます。給与明細や源泉徴収票の作成・送信もできるため、一連の給与計算業務の効率化が可能です。
また、給与計算ソフトは書類管理の負担軽減にも役立ちます。たとえば、労働保険の年度更新に必要な情報が出力できて、年金事務所に提出する算定基礎届や月額変更届、賞与支払届なども簡単に作成できます。製品によっては作成した帳票をそのまま電子申請できる機能もあり、書類管理の工数削減が可能です。
さらに、多くの給与計算ソフトではマイナンバー管理にも対応できます。従業員のマイナンバーの取り扱いについては厳格な安全管理措置対策が求められますが、給与計算ソフトなら暗号化によりセキュリティが担保されます。ユーザーアカウントの制御やログ・利用実績の取得もできるため、エクセルなどを用いた管理よりも情報漏洩・紛失のリスクを低減できます。
関連記事:中小企業におすすめの給与計算ソフト
給与計算ソフトは多くの企業で導入されており、戦略総務のための専門誌「月刊総務」が株式会社マネーフォワードと共同で実施した調査では、約8割の企業が「すでに給与計算ソフトを導入済み」ということがわかりました。
出典:月刊総務オンライン 【給与計算の実態調査】給与計算ソフトを導入している企業の半数で「属人化」「業務時間」が課題に
また同調査の中で「給与計算ソフトの選定で重視すること」について、1位が『操作性』。次いで、63.6%の企業が『価格』と回答。給与計算ソフトを比較選定する際には、半数以上の企業が『価格』も重要視していることがわかります。
出典:月刊総務オンライン 【給与計算の実態調査】給与計算ソフトを導入している企業の半数で「属人化」「業務時間」が課題に
給与計算ソフトのメリット
給与計算ソフトを導入すると、手書きやエクセルによる給与計算では実現できない数々のメリットがあります。以下、具体的なメリットを確認しましょう。
- 給与計算業務の負担を軽減できる
- 雇用形態の多様化にも対応できる
- 労働に関する法改正にも対応できる
給与計算業務の負担を軽減できる
給与計算ソフトを導入する最大のメリットは、給与計算業務の負担が軽減できること。従業員情報と勤怠データを用いることで、手間のかかる計算処理を自動化できます。
通常、エクセルなどを使った給与計算では、振込額を決定するまでに多くのステップを踏まなければいけません。基本給に時間外などの手当を加算して総支給額を計算し、住民税や社会保険料、所得税などの控除も必要です。従業員の役職や家族構成によって手当・控除額は異なるため、1名分の処理だけでも手間がかかります。
しかし、給与計算ソフトを使えば、従業員一人一人の条件に合わせて自動計算が可能です。基本給をベースに勤怠データから割増賃金が自動計算され、役職手当や通勤手当、家族手当、住居手当なども自動で加算されます。都道府県による社会保険料の違いや所得税率も加味されるため、給与計算業務の負担軽減につながります。
雇用形態の多様化にも対応できる
雇用形態の多様化する昨今では、給与体系もさまざまです。給与計算ソフトを導入すれば、一人一人の条件に沿った自動計算が行えます。たとえば、正社員やパート、アルバイト、役員はそれぞれ給与規定に違いがあります。締め日が異なる場合や一定以上の役職者は割増賃金が固定になるなどがあり、給与計算の管理自体が煩雑です。
しかし、給与計算ソフトを使えば、従業員をグループ化し、それぞれに合わせたルールを設定できます。締め日や支給日、月給・時給が設定できるほか、支給・控除項目に関わる計算方法の指定も可能です。さらに、従業員ごとに固定割増賃金や住居手当なども設定できるため、特定の役職者や役員の給与にも対応できます。
労働に関する法改正にも対応できる
給与計算でとくに注意しなければならないのが労働に関わる法改正。給与計算ソフトを導入すれば、複雑な法改正でもスムーズに対応できます。
たとえば、2022年10月に施行されたのが社会保険の適用拡大。短時間労働者が適用を受けるには、週の所定労働時間や月額賃金に条件があり、すべてのパート社員が適用というわけではありません。また、2023年4月には時間外労働割増賃金率が変わり、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率は50%とされています。
これらの法改正が施行されたことで、給与計算はさらに煩雑化しています。しかし、給与計算ソフトを利用すれば、給与計算ソフトが保有する人事情報から雇用契約が簡単に把握できて、割増賃金の計算も自動計算が可能です。
数多くの給与計算ソフトを比較して自社のニーズに合った1社を選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った給与計算ソフトが分かる診断(無料)ができます。
給与計算ソフトの選び方
給与計算ソフトには多くの種類があり、特徴や機能もさまざま。より最適なソフトを選ぶ方法として、以下の4つを紹介します。
- 自社に導入済みの勤怠管理システムと連携できるソフトを選ぶ
- 法改正に自動対応できるソフトを選ぶ
- システム導入前後のサポート体制で選ぶ
- 無料トライアルのある給与計算ソフトを選ぶ
- 企業規模に合った給与計算ソフトを選ぶ
自社に導入済みの勤怠管理システムと連携できるソフトを選ぶ
バックオフィス全体の効率化を図るなら、導入済みのサービスとの連携が重要です。
たとえば、自社に導入済みの勤怠管理システムと連携できれば、勤務時間や残業時間、遅刻、早退、休日出勤、休日取得などがすべて把握できます。残業時間はそのまま給与計算ソフトに反映され、会社の賃金規定に沿った控除・割増計算が可能です。とくに深夜帯や法定休日が含まれる残業は割増率が複雑になりますが、勤怠データを連携することで正確な残業計算が可能です。→給与計算まで一括でできる勤怠管理システムはこちら(別記事)
また、人事システムとの連携では、従業員一人一人の個人情報を一括管理できます。給与計算では年齢や扶養家族などの情報が必要なため、連携がなければそれぞれのシステムに二重登録することになります。利便性を高めるためにも、連携機能に優れた給与計算ソフトがおすすめです。
法改正に自動対応できるソフトを選ぶ
給与計算でミスが発生すると、調整や追加支給などでより業務が煩雑化します。給与計算を正しく行うためにも、法改正に自動対応できる給与計算ソフトを選びましょう。
たとえば、所得税率は過去に何度も改正され、介護保険料・健康保険料も保険料率の変更が繰り返されています。昨今の社会情勢から見て今後もこの流れは変わらないため、手書きやエクセルによる給与計算では、改正があるたびに計算式を変更しなければなりません。
しかし、クラウド型の給与計算ソフトを導入すれば、改正のタイミングに合わせて自動アップデートが可能です。最新の税率・保険料率が適用され、常に正しく給与計算が行えます。法改正の情報収集に時間を割く必要もなくなるため、経理担当者の負担軽減が可能です。
システム導入前後のサポート体制で選ぶ
給与計算業務を円滑に進めるためにも、サポート体制の充実度を確認しましょう。
給与計算ソフトの導入にあたり、必ず行わなければならないのが運用設定。会社情報などの基本項目だけでなく、給与規定や従業員情報の登録、外部システムとの連携設定も行わなければいけません。なかには特別な知識が求められる場合もあり、はじめてソフトを使う人にとっては難しいことがあります。そのような場合でも、事前のレクチャーがあれば導入準備がスムーズに進みます。
また、導入後の問い合わせ方法も重要なポイント。時間が迫られた状況でのトラブルは、すぐに相談できる窓口が必要です。メールや電話に加え、リモートサポートにも対応できればスピーディな問題解決につながります。
無料トライアルのある給与計算ソフトを選ぶ
導入を成功させるには、無料プラン、もしくは無料トライアルのある給与計算ソフトがおすすめです。給与計算ソフトはそれぞれ特徴が異なるため、いくら便利な機能が具わっていても運用に合わないケースがあります。もし年間契約を申し込んだあとでミスマッチに気づいた場合、無駄なコストを招いてしまう可能性もあります。
しかし、無料プランや無料トライアルを利用すれば、お試し感覚でスモールスタートが可能です。操作性やインターフェースの使いやすさなどが体験できるほか、運用フローにあっているかどうかも確認できます。サポートセンターへの問い合わせなども活用すれば、実際のサポート状況も把握できます。
企業規模・従業員数に合った給与計算ソフトを選ぶ
企業の規模や従業員数によって、求められる給与計算ソフトの機能や拡張性が異なるため、自社の規模に合うソフトを選びましょう。小規模企業には、導入や運用が簡単で、低コストで利用できるシンプルなソフトがおすすめです。一方、大規模企業では、複数の部署や拠点に対応できる柔軟性や、法改正に即応した機能が求められるため、より高機能なソフトが必要です。
また、給与計算ソフトの中には、「20名ほどの小規模企業向け」「100~300名ほどの中小企業向け」「300名以上の大企業向け」のように、従業員規模ごとにプランを分けているサービスもあるため事前に確認しましょう。企業の成長段階に応じて適切なソフトを選ぶことで、コスト効率を高められるでしょう。
まとめ:費用を安く抑えて給与計算システムを導入しよう
給与計算ソフト(給与計算システム)を導入すれば、従業員の勤怠情報をもとに、残業代や社会保険、税金などの自動計算が可能です。単に給与計算業務の負担が軽減されるだけでなく、雇用形態の多様化や労働に関わる法改正への対応もスムーズになります。
しかし、いざ導入となった時に気になるのが費用面。とくに、これまで手書きやエクセルで給与計算を行っていた企業では「不安があるから、はじめは費用を抑えたい」と思うのは当然と言えます。PRONIアイミツでは、さまざまな条件で給与計算ソフトを比較できます。導入実績のある業界・企業規模・使いたい機能などで絞り込み、あなたの会社に最適なサービスを探してみてください。
→給与計算ソフトのランキングはこちら
給与計算ソフトの費用を抑えるには、まず必要な機能を整理すること。その上で候補を絞れば、サービスを比較しやすくなります。しかし、数ある給与計算ソフトを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った給与計算ソフトが分かる診断(無料)ができます。
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