【2025年最新】CRM戦略でリード獲得数50倍アップの成功事例も!メリットと進め方を解説
経営戦略のなかでもマーケティング面で大きな役割を担うのがCRM戦略です。CRM戦略とはどういったもので、どのようなメリットがあり、立案・実施、進め方でどのような点に気を配る必要があるのか、成功事例を交えつつ詳しく解説します。
企業が事業を推進し、収益を得ていく上でベースとなるのが経営戦略です。どんなに技術力が高くても、ライバル他社と比べて優位性のある商材を取り扱っていても、それを活かすための道筋としての明確な戦略がなければ具体的な成果は得られません。
また、経営戦略が定まっていないと仕事の成果は個人のスキルや知識に依存することとなり、優秀な社員の退職によって組織全体のパフォーマンスが大きく低下してしまったりすることも起こり得るでしょう。
CRM戦略とは
まずは、CRM戦略とはどんなものなのか、簡単に整理しておきましょう。CRM(Customer Relationship Management)を日本語に直訳すると「顧客関係管理」。自社にどんな顧客がいるのか、顧客は何を求めているのか整理し、データベース化した上で、顧客満足度や売り上げをアップさせるためにどんな施策を打つべきなのか、顧客1人とどんな関係を築いていくべきなのかを定めたものがCRM戦略です。
CRM戦略は業種や規模を問わず、あらゆる企業にとって欠かせない行動指針、経営戦略の1つであり、CRM戦略を策定したことで大きな成果をあげた企業も少なくありません。
たとえば都内にオフィスを置くあるWebマーケティング会社では、以前から訪問型・売り込み型の営業によって自社サービスの利用促進を図っていたものの、顧客から思うような反応が得られず、効果は頭打ちに。
そこでCRM戦略を180度転換させ、メルマガやダウンロードコンテンツの配信といったインバウンド型の営業アプローチに切り替えた結果、リード(見込み顧客)が50倍以上に増加、顧客単価は2倍以上に伸びました。加えて顧客から感謝の言葉を得られるようになったことで、営業スタッフのモチベーションアップにもつながっています。
CRM戦略のメリット
次はCRM戦略のメリットについて。CRM戦略を策定し、実践していくことには具体的にどういった利点があるのか見ていきましょう。
消費者心理を深く理解できるようになる
1つめの利点は、消費者や顧客の心理をより深く理解できるようになること。営業活動や商品・サービスの購買を通じて、顧客データ(年齢、性別、職業など)を手に入れられたとしても、ただ漠然と持っているだけでは、めぼしい成果にはつながりません。
一方で明確なCRM戦略を策定し、それに沿ってデータを整理・分析すれば、顧客・消費者一人ひとりの潜在的な心理・ニーズまで把握できます。その結果として新しいサービスや新しい商品が生まれることも少なくありません。
顧客満足度の向上につながる
2つめは顧客満足度の向上です。明確なCRM戦略に沿って顧客のニーズを見定め、それにマッチする施策を重ねていけば、顧客側には「自分をしっかり見てくれている」、「必要なタイミングで必要な情報を提供してくれている」といった気持ちが生まれます。
それによって商品やサービスの継続利用が見込めるようになるのはもちろんのこと、ソーシャルメディアやブログを通じて評判が拡散されれば、見込み顧客の獲得にもつながるでしょう。
LTV(顧客生涯価値)が高まる
上記1、2の結果として生まれる利点が、LTV(Life Time Value)の向上です。LTVとは1人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす価値のこと。平均購入単価×平均購入回数×平均購買継続年数であらわされます。
たとえば、平均購買単価が5,000円のオンラインショップにおいて、1人の顧客が年5回、合計4年にわたって購入を続けた場合、LTVは10万円(5,000円×年5回×4年)となります。顧客・消費者の心理を潜在化し、それに沿った施策を重ねることで顧客満足度を向上させ、LTVを高められるのが、CRM戦略を立案・実践する上での何より大きなメリットと言えるでしょう。
データを活用したマーケティング戦略につながる
CRMによって、顧客や営業活動のさまざまなデータを蓄積することで、今後のマーケティング戦略につなげやすくなるというメリットがあります。データをもとにマーケティング戦略をたてられるため、属人化したマーケティングから脱却しやすく、顧客にあわせた戦略をたてられるでしょう。そのため、変化の早い業界でも柔軟に対応しやすくなることもメリットです。
CRM戦略の立案・実施方法
概要とメリットを整理したところで、ここからはCRM戦略を立案・実践するための5つのステップをご紹介します。
1.目標とKPIを決める
最初のステップは目標&KPIの設定。いずれも数値であらわすのが大切なポイントです。たとえばCRM戦略の目標を前述のLTV向上とする場合、まずは何%アップさせるのか、いつまでに何円上げられれば目標達成とみなすのか、具体的な期間・金額を決めます。その上で進捗を確かめるための顧客満足度、リピート率、平均購入単価などのKPIを洗い出し、それぞれに数字を割り当てましょう。
目標・KPIそれぞれを数値化しておけば、社員が一体感・共通言語をもって担当業務にあたれるようになるほか、狙いどおりの成果が出ない場合も速やかに問題点を見い出し、軌道修正できるようになるでしょう。
2.ターゲットを決める
目標とKPIが決まったら、次はターゲットの設定です。年齢、性別、職業、問い合わせ履歴といった顧客データをもとに具体的なペルソナ(人物像)を定め、想定されるライフスタイルや興味・関心といった情報をPowerPointなどにまとめておくのがいいでしょう。
あわせて無料素材サイトなどで入手できるモデル画像を組み合わせておけば、ターゲットのイメージがブレにくく、誰に対してどんな施策を打つのか、より明確になるはずです。
その際1点注意したいのは、既存顧客の情報だけにとらわれ過ぎないようにすること。ソーシャルメディアやWebサイトで大量の情報が飛び交う今、機能を売りとしてリリースした商品のデザイン性が話題を集めたり、それが広く拡散されて爆発的なヒットにつながったりするケースもゼロではありません。
そうしたなかで既存顧客のイメージだけに縛られてターゲット像を固めてしまうと、機会損失にもつながりかねません。どんな商材であっても潜在的な魅力、潜在的なニーズがあることを念頭に置いて、多角的にターゲットを設定するのが大切です。
3.顧客行動を可視化する(カスタマージャーニーマップの作成)
次にターゲットがどのように自社の商品・サービスを知るのか、どういったタイミングで興味・関心を抱くのか、購入・利用ににいたるまでの行動を明確にします。ここで役立つのがカスタマージャーニーマップです。カスタマージャーニーマップとは名前のとおり、ターゲットが購買に至るまでの道筋(=消費者の旅)をマップ化したフレームワークのこと。
マップの横軸を「認知」→「興味・関心」→「意思決定」というフェーズに分け、縦軸に各フェーズにおけるターゲットの志向や、自社との接点を紐づけることで、目標達成に向けてどんな施策、プロセスが必要になるのか可視化できます。営業、マーケティングといった部署ごとに果たすべき役割も明確になるので、ターゲットを設定したあとは必ずカスタマージャーニーマップを作成しておきましょう。
具体的な作成方法としては、ビジネス系サイトからダウンロードできるテンプレートや、CRM(顧客管理システム)のマップ作成機能を利用するのも1つ。また、ややアナログなやり方にはなりますが、机の上にA3など大型サイズの紙を広げ、付箋や手書きのもメモを貼り付けながら作成することも可能です。
4.施策を実施する
ここまでくれば、目標達成に向けて何が必要なのか、いつ、どんな施策を打つべきなのか、CRM戦略としての大まかな方向性は明らかになっているはずです。必要なメンバー・チームをアサインし、速やかに施策を実施しましょう。
あくまで1つの例ではあるものの、BtoC商材を取り扱う企業では、インターネット広告やソーシャルメディアの投稿を通じて商品・サービスの存在を知らしめ、自社サイトや実店舗へと誘導して購買へとつなげていくのが一般的。
一方で比較的単価が高く、購入までの検討期間が長いBtoB商材については、メルマガやオンラインセミナーといった施策も組み合わせ、商材に対するターゲットの期待感や理解度を十分高めた上で、LTVの向上を図る企業が多いようです。
5.効果を測定する
一通りの施策が済んだら、目標を達成できたかどうかチェックします。未達成の場合は各KPIの達成率をもとに、何が足りなかったのか、どの施策が弱かったのか洗い出し、次の打ち手へとつなげていきましょう。CRM戦略における効果測定の一般的な手法としては、Googleアナリティクスによる解析、顧客アンケートの配布・集計など。
また顧客の期待に応えられたか、価値を提供できたかという点では、自社のカスタマーサポートに寄せられる顧客の意見、入電数・オペレーターの対応時間なども参考・指標の1つになると思います。
CRM戦略の立案・実施にはCRMツールの導入がおすすめ
ここまでCRM戦略がもたらすメリットや立案・実施方法について見てきましたが、より効率的にCRM戦略を立ち上げ、スムーズに実践していきたいのなら、専用のCRM(顧客管理システム)を導入するのがおすすめです。
現在主流となっているクラウド型を中心に、CRMの多くはスマートフォン・タブレットに対応しており、場所を問わずに顧客データを取り込み、問い合わせ履歴や商談ログとあわせて一元的に管理できます。また、目標・KPIを設定した上でシステム上からそのままメルマガやメッセージを配信したり、効果測定までワンストップまで行ったりすることも可能です。
関連記事:2025年最新おすすめCRMを解説
CRMの成功事例
最後にご紹介するのは、CRMの成功事例5選。事業モデルや商材にあわせて戦略を策定し、CRMシステムを導入した企業が具体的にどんな成果をあげているのか見ていきましょう。
日産自動車株式会社
まずは大手自動車メーカーの日産自動車株式会社が、多様化するドライバーのニーズに応え、顧客との関係を深めるためにインタラクティブなCRM戦略を推進した成功事例です。
全国各地の販売店には、クラウドツール上で動作するCRMが置かれており、顧客は自分の年齢や購入目的、デザインの好みなどを入力することで、システムからの提案を受けることが可能になっています。さらに顧客が入力した情報はマーケティング資産として集約・分析され、新車の開発にも活用することも可能。今後は、各地の生産拠点やサプライチェーンの業務改善にも、CRMに蓄積されたデータを活用するなど、幅広い戦略に利用されています。
※出典:日産自動車株式会社 マイクロソフトと日産、次世代ディーラーマネジメントシステムに関する覚書を締結
https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-0933788509aeedc06ae1478bc17b52ff-111212-01-j
出光興産株式会社
石油販売大手の出光興産が、それまでFAXで受け付けていた船舶向けの給油サービスの改善に向けて株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するCRM「Salesforce」を導入した事例です。
導入後はCRMのカスタマーポータル機能を使って、顧客自らが注文内容を入力できるしくみを構築しています。CRM導入により、FAX注文で起こりがちだった対応遅延や注文内容の確認漏れといったミスがなくなるなど、顧客からの信頼が大幅にアップしました。また顧客との接点をシステム上に集約したことにより、ペーパーレス化が進み、コスト面でも大きな改善効果をあげています。
※出典:株式会社セールスフォース・ドットコム 出光興産、物流のデジタル化に向けてSalesforceを活用した輸送管理プラットフォームを構築 https://www.salesforce.com/jp/company/news-press/press-releases/2021/03/210319/
株式会社ナノ・ユニバース
続いて、1999年のブランド発足以来、ヨーロピアントラディショナルを基本コンセプトとし、全国へセレクトショップを展開しているナノ・ユニバースが、株式会社フュートレックが提供するCRM「Visionary」を導入した事例です。
それまで実店舗とオンラインショップでそれぞれ個別に顧客情報を管理していたため、オムニチャネルの推進にあたってデータの統合が急務となっていたことが導入理由です。
CRMの導入後は、会員ランクによって得られるポイント情報が統合されたことで、顧客満足度と売り上げが大幅に改善しています。また、店舗とオンラインショップでの買い回りといった顧客のアクションを一元的に把握できるようになり、より高い効果が見込めるクーポンやポイントなどの新たな戦略を打ち出せるようになりました。
※出典:株式会社フュートレック EC・POSと連携した顧客・ポイント統合CRMシステムを導入
オムニチャネル戦略を実現
https://www.is-visionary.com/case/case_2.html
まとめ:CRM戦略を立案・実施して利益向上を目指そう
今回はCRM戦略をテーマとし、CRM戦略がもたらすメリットや策定・実施方法、CRM戦略を推進している企業の事例についてご紹介しました。「顧客満足度の向上に向けてCRMを導入したい」とお考えなら、CRMツールの導入を検討しましょう。
とはいえ、数あるCRMを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったCRMが分かる診断(無料)ができます。
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