労務管理システムとは?メリット・費用相場・選び方を解説
労務管理システムとは、社会保険申請・年末調整・入退社手続きなどの法定業務をクラウドで自動化するソフトウェアです。紙・Excelで行っていた手続きをシステムに集約し、電子申請や法改正への自動対応を実現します。本記事では労務管理システムのメリットや費用相場、選び方、勤怠管理との違いなどを解説します。
労務管理システムのQ&A
Q. 労務管理システムを導入するメリットは?
A. 書類ミスの削減から従業員データの一元管理、法改正への自動対応まで、担当者の負担を軽減できるメリットがあります。
Q. 労務管理システムの費用はいくらか?
A. 初期費用5万〜20万円、月額300〜500円/人が相場の中心です。
Q. 労務管理システムを比較するポイントは?
A. 利用できる機能・スマホでの操作性・外部システムとの連携性を軸にして、候補を絞り込みましょう。
おすすめの労務管理システムをチェックしたい方は、以下の記事をご覧ください。
- 労務管理システムとは?勤怠管理・人事管理システムとの違い
- 労務管理システムの導入が必要な理由
- 労務管理システムの機能・できること
- 労務管理システムのメリット
- 労務管理システムの初期費用・月額料金
- 労務管理システムの選び方
- 労務管理システムの導入成功事例
- まとめ
労務管理システムとは?勤怠管理・人事管理システムとの違い
労務管理システムとは、入退社手続きや社会保険・雇用保険の手続き、年末調整、安全衛生管理など、労務に関する幅広い業務を効率化するクラウドツールです。労務管理業務は法律への対応が必要なため、手作業で行うと時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーが起きるリスクもあります。特に従業員数が多い企業や、入退社がたびたび発生する企業では、担当者への負担が大きくなりがちです。
労務管理システムを導入することで、作業時間の短縮やミスの削減につながり、担当者の負担を軽減できます。システムの活用により勤怠管理や給与計算の効率化も図れるため、企業のコスト削減にも寄与します。こうしたメリットから、労務管理システムの市場規模やシェア率は右肩上がりが続いています。
勤怠管理システム・人事管理システムとの違い
労務管理システムと勤怠管理・人事管理システムは、それぞれ担当する業務の範囲が異なります。
| 項目 | 労務管理システム | 勤怠管理システム | 人事管理システム |
|---|---|---|---|
| 主な業務範囲 | 入退社手続き・社会保険申請・年末調整 | 打刻・残業管理・シフト管理 | 採用管理・人材評価・スキル管理 |
| 法定業務への対応 | ○ | △ | △ |
| 勤怠データ管理 | △(一部搭載) | ○ | × |
| タレントマネジメント | △(一部搭載) | × | ○ |
労務管理システムは社会保険・雇用保険の申請など「行政向け手続き」を担います。それに対して勤怠管理システムは日々の労働時間の記録・管理に特化しており、労務管理システムとAPI連携して使うのが一般的です。人事管理システムは採用・評価・スキル管理といった「人材活用」を主軸とする点が異なります。
労務管理システムには多機能型のサービスもあり、そちらは勤怠管理や人事管理の機能もを兼ね備えています。
おすすめの勤怠管理システム・人事管理システムをチェックしたいかたは、以下の記事もご覧ください。
労務管理システムの導入が必要な理由
2026年現在、労務管理に関する法令の整備が加速しています。2024年4月には時間外労働の上限規制が建設・運送・医療分野にも拡大適用され、違反には罰則が課されます。また資本金1億円超の法人には社会保険・雇用保険の電子申請も義務化されており、紙管理では法令違反のリスクが生じます。
労務管理システムを使えば法改正への対応が自動で適用され、担当者の手間なく常に最新の法令に準拠した運用を維持できます。
労務管理システムの機能・できること
労務管理システムの標準機能は、入退社手続き・年末調整・マイナンバー管理・電子申請の4つです。勤怠管理・給与計算は基本的に別システムの領域ですが、多機能型の労務管理システムでは標準搭載しているサービスも多くあります。
以下に、労務管理システムに搭載されている機能とできることをまとめました。
| 機能 | できること |
|---|---|
| 入退社手続き | 社会保険の資格取得届を自動作成・電子申請 |
| 年末調整 | 控除申告書・源泉徴収票を自動作成し電子申請 |
| マイナンバー管理 | 収集・保管・廃棄を法令準拠で一元管理 |
| 電子申請(e-Gov) | 行政への申請をシステム上のボタン操作で完結 |
| 勤怠管理 | 打刻・残業時間の自動集計・シフト管理(一部搭載) |
| 給与計算 | 月次給与の自動計算・給与明細の電子発行(一部搭載) |
労務管理システムのメリット
労務管理システムの導入は、担当者の工数削減から法令対応まで、幅広い業務改善効果をもたらします。ここからは、労務管理システムを導入するメリットを詳しく解説します。
労務管理システムを導入する7つのメリット
書類作成・手続きの負担やミスを減らせる
社会保険の加入手続きや扶養変更などの書類は、担当者が従業員ごとに情報を収集・転記すると時間がかかり、入力ミスや情報の過不足による差し戻しも発生しやすいです。
労務管理システムを使えば、従業員本人がスマホから直接必要事項を入力できるため、担当者の転記作業が不要になります。入力内容をもとに書類が自動作成されるうえ、不備があれば即時アラートが表示されるため、確認・再提出の手間を大幅に削減でき、担当者の業務負担はもちろん、従業員の負担も軽減します。
電子申請で役所への提出が社内で完結する
役所への書類提出は、以前は窓口への持参か郵送が必要で、往復の移動時間や郵送コストが担当者の大きな負担になっていました。手続きの種類によっては、窓口の受付時間に合わせたスケジュール調整も必要です。
労務管理システムのe-Gov連携機能を使えば、社会保険や雇用保険の申請をオフィスから直接送信でき、移動・郵送コストをゼロにできます。書類に不備があっても画面上で修正・再提出が可能なため、申請に関する一連の手間を減らせます。
従業員データを一元管理してすぐ参照できる
複数のシステムやExcelで従業員情報を管理していると、必要なデータがどこにあるか分からず確認に時間がかかるうえ、更新漏れや情報の不整合も起きやすいです。
労務管理システムでは、氏名・住所・扶養情報・雇用形態など全従業員のデータを1ヶ所に集約し、検索機能でいつでも参照できます。多機能型では労務情報に加え、評価・スキル・エンゲージメントスコアなどのタレントマネジメント系データも同一プラットフォームで管理でき、入社から退社までのライフサイクルを1サービスで完結させられます。
法改正にもシステムが自動で対応する
雇用保険料率の改定や社会保険の算定基礎の変更など、労務管理に関する法令は毎年のように更新されます。法改正のたびに計算式や書類様式を手作業で更新する運用の場合、対応漏れや設定ミスのリスクが生じるだけでなく、情報収集の負担が常にのしかかります。
労務管理システムでは、法改正に合わせたアップデートがサービス提供会社によって自動で行われます。担当者が法改正の内容を都度調べて設定変更する手間がなくなり、常に最新の法令に準拠した運用を維持できます。
労務管理業務の属人化を解消できる
従来の紙・Excel管理では、申請書の作成方法や確認手順が担当者によって異なりがちです。また、担当者が一人しかいない場合、病欠や退職時に労務業務が滞るリスクもあります。
労務管理システムを導入すれば、入力ガイドに従うだけで誰でも一定品質の業務を進められます。権限設定でバックアップ担当者を設けることも簡単なため、急な不在時でも業務が止まりません。担当者の異動・退職時も権限を引き継ぐだけで業務を継続できます。
ペーパーレス化で印刷・保管コストを削減できる
紙の書類は印刷費や郵送費だけでなく、保管場所の確保や廃棄時のシュレッダー費用といったコストも発生します。
労務管理システムを使えば、申請書類の印刷・郵送・ファイリングにかかるコストを削減できます。クラウド上での管理に移行することで、こうした費用が不要になるだけでなく、書類の紛失リスクや物理的な情報漏えいの可能性も減らせます。
勤怠・給与の連携でデータの二重入力をなくせる
勤務時間・残業時間・有給休暇日数の集計結果を給与計算ソフトへ手動で転記すると、入力ミスが発生しやすく、確認作業にも多くの工数がかかります。また、昇給や社会保険料の改定があるたびに複数のシステムを個別に更新する手間も生じます。
労務管理システムと給与計算・勤怠管理をAPI連携すれば、どちらかで更新したデータが自動的に同期されます。手動転記の工程がなくなるため、ヒューマンエラーを防ぎながら業務時間を短縮できます。
労務管理システムの初期費用・月額料金
PRONIアイミツSaaS(当社)のアンケート調査によると、労務管理システムの費用相場は初期費用5万〜20万円、月額料金は300〜500円/人が中心です。
以下に、料金タイプ別の費用相場をまとめました。
| 料金タイプ | 費用相場 |
|---|---|
| 初期費用 | 5万円〜20万円 |
| 定額制(年額) | 年額50万円〜100万円 |
| 月額ユーザー課金制 | 300円〜500円/人 |
| 基本料+オプション | 月額3万円〜5万円 |
自社の規模や必要な機能によって、適切な料金タイプは異なります。月額ユーザー課金制は従業員数が少ない中小企業に特におすすめで、人数が増えるほどコストも比例して上がります。
一方で、年額定額制は従業員が多い企業ほどコスパが良く、大企業に適したプランです。基本料+オプション制は必要な機能だけを選んで導入できるため、段階的に機能を拡充したい企業に向いています。
費用相場の詳細は以下の記事にて解説しています。
労務管理システムの選び方
自社に合った労務管理システムを選ぶには、以下の6点を確認しましょう。
- [ ✓ ] 業務をカバーする機能があるか:電子申請の種類、電子契約機能の有無を確認する
- [ ✓ ] 操作性が高いか:無料トライアルでスマホ画面の使いやすさや、申請の進めやすさを実際に試す
- [ ✓ ] 既存システムと連携できるか:勤怠管理・給与計算とのAPI連携ができるかを確認する
- [ ✓ ] サポート体制が整っているか:チャット・電話対応の可否とオンボーディング支援の有無を確認する
- [ ✓ ] スマホ対応しているか:生体認証対応の有無や、手続きの案内がプッシュ通知で来るかを確認する
- [ ✓ ] セキュリティ基準を満たすか:暗号化、二段階認証、IPアドレス制限の有無を確認する
詳細な選び方は以下の記事で解説しています。
▶労務管理システムの選び方
労務管理システムの導入成功事例
実際に労務管理システムを導入した企業の成功事例を2つ紹介します。いずれも、システムの活用によって業務効率の改善と働き方の変化を実現しています。
労務管理システムの2つの導入成功事例
拠点ごとにバラバラな申請フローを統一し、年間108時間の工数削減に成功
静岡県の合成樹脂製品メーカーでは、3拠点でバラバラな申請書様式を運用しており、約40種類の書類への重複入力や紙の転記・保管が大きな負担でした。
SmartHRを導入し、汎用申請機能で全社共通の申請・承認フローを整備したことで、転記作業を全廃。年間108時間分の管理工数と6,500枚の紙を削減したほか、印刷・保管コストの削減にも成功しました。さらにスマホから申請できるようになったため、書類取りに行く手間もなくなりました。
入社手続きの工数70%削減、年末調整も3分の1に圧縮
東京・神奈川・埼玉に40店舗の鍼灸整骨院を展開する企業では、労務手続きの本社で一本化しています。月20件ほどの入社手続きと年末調整を紙ベースで処理しており、工数の大きさが課題でした。
そこでオフィスステーション労務・年末調整を導入したところ、書類の収集・転記・郵送が不要になり、入社手続きの工数を70%削減、年末調整業務も3分の1に圧縮。また、給与明細・勤怠もシステムで一元管理できるようにしたことで、従業員との情報共有精度も向上しました。
まとめ
労務管理システムは、入退社手続き・年末調整・電子申請など、法定業務をクラウドで一括管理するツールです。属人化の解消やペーパーレス化、法改正への自動対応など、導入によって得られるメリットは多岐にわたります。自社に合うシステムを選ぶ際は、必要な機能・操作性・既存システムとの連携を軸に候補を絞り込みましょう。
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