労務管理システムとは?メリットや選び方を解説
労務管理システムは人事や労務担当者の業務負担を軽減できるため、多くの企業で導入されています。「自社でもシステムを導入したいけど、使いこなせなかったらどうしよう」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、労務管理システムのメリットや選び方について解説するほか、導入事例を紹介します。これらを知ることで、自社に労務管理システムを導入するイメージがつきやすくなります。労務管理システムの導入を検討中の方は、ぜひご覧ください。
- 労務管理システムとは
- 労務管理システムのメリット
- 労務管理システムの選び方
- 労務管理システムのデメリット・注意点
- オンプレミス型とクラウド型の違い
- 労務管理システムの導入事例
- まとめ:労務管理システムの導入で業務効率化を目指そう
労務管理システムとは
労務管理システムとは、従業員の労働時間の管理、社会保険・福利厚生の管理、安全衛生管理を効率化するためのシステム。多岐にわたるうえに、法律への対応が必要な労務管理業務は、手作業で行うと時間がかかるだけでなく、ヒューマンエラーが起きる可能性もあります。特に従業員数が多い企業や、入退社がたびたび発生する企業では、担当者への負担が大きくなりがちです。
労務管理システムを導入することで、作業時間の短縮やミスの削減につながり担当者の負担も軽減されます。また、システムの活用により勤怠管理や給与計算の効率化が図られるため、企業のコスト削減にも寄与します。このようなメリットがあるため、労務管理システムの市場規模やシェア率は右肩上がりです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
労務管理システムのメリット
労務管理システムを導入すると業務効率化に貢献しますが、メリットはそれだけではありません。ここからは、労務管理システムを導入した際のメリットを5つ紹介します。
- 書類作成を効率化
- 従業員の情報を一元管理できる
- 外部システムとの連携による業務効率化
- 法改正にリアルタイムで対応できる
- 電子申請で手間を削減
書類作成を効率化
社会保険の加入や扶養手続きで必要になる書類を作成するには、数多くの情報を入力しなければなりません。担当者が従業員一人ひとりの情報を入力する場合、従業員から情報を回収して転記するため、書類作成に多くの時間がかかります。また、転記ミスや情報の過不足による確認作業が発生すれば、さらに時間がかかってしまいます。
労務管理システムを導入すれば、書類作成に必要な情報を従業員本人が入力できるため転記ミスや情報の過不足を削減することが可能です。また、入力された情報をもとに自動で書類を作成するので、書類作成を効率化でき、担当者の負担を軽減します。
さらに、パソコンだけでなくスマホやタブレットでも労務管理システムを利用可能です。時間・場所を選ばずに情報の入力や提出ができるので、忙しかったり外出が多かったりする従業員でも効率的に作業できます。
従業員の情報を一元管理できる
労務管理システムは従業員情報を一元管理できます。情報は検索機能で探せるため、必要な情報に素早くアクセス可能です。また、登録されている従業員情報(家族構成や住所変更など)の変更も簡単に行えます。もし労働基準法の改正があった場合も、情報を見直して適切な対応が可能となります。
外部システムとの連携による業務効率化
労務管理システムは、給与計算ソフトや人事管理システムなどと連携することで、さらに業務効率化に貢献します。例えば、勤務時間・残業時間・有給休暇日数を自動集計できる労務管理システムであれば、給与計算ソフトと連携することで効率的な給与計算が叶います。また、昇給や賞与といった給与情報に変更があった場合でも、システム同士を連携していれば情報を自動で共有するので、情報更新の二度手間が発生しません。
さらに、人事管理システムに搭載されている従業員情報の更新・管理・検索機能を使うことで、労務管理システムの利便性が向上。システムを連携させて担当者による手作業が減れば、ヒューマンエラーの防止にもつながります。
法改正にリアルタイムで対応できる
労働基準法が改正された場合、改正内容によっては労務管理の業務を見直さなければなりません。クラウド型の労務管理システムは、多くの場合、法改正が実施された際にサービス提供会社がシステムをアップデートします。そのため、リアルタイムに法改正に則した対応をすることが可能です。
電子申請で手間を削減
役所などに書類を提出する場合、これまでは直接出向くか郵送する必要がありましたが、電子申請できる労務管理システムなら会社から提出することが可能です。書類に不備があってもシステム上で修正対応して提出でき、申請に関する手間を大幅に削減できます。
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労務管理システムの選び方
自社に適した労務管理システムを選ぶには、確認しておきたいポイントが6つあります。以下で紹介する選び方のポイントを、ぜひシステム選定にお役立てください。
- 誰でも使いやすい操作性か
- 予算に合う料金か
- 自社に必要な機能が搭載されているか
- セキュリティ対策が万全か
- サポート体制が自社に適しているか
- 既存の外部システムと連携できるか
誰でも使いやすい操作性か
業務を効率化できる労務管理システムですが、自社のオペレーションに操作性が合わなければ、期待したような効果は得られません。加えて、労務管理システムは人事労務担当者だけでなく従業員も使用するため、全員が扱えるサービスを選ぶことが大切です。
ITツールに慣れていない従業員が多い企業は、操作がシンプルなサービスを選びましょう。可能なら無料トライアルを利用して、使い勝手を確認しておくことがおすすめです。
予算に合う料金か
労務管理システムの料金体系は、サービス提供会社によってさまざまです。多機能で高額な料金設定のシステムのほか、最低限の機能に絞った安価なシステムや、必要な機能だけをチョイスして利用するシステムもあります。初期費用・月額料金だけを確認するのではなく、「自社にとって必要な機能を搭載したシステム」が予算内に収まる料金設定かを確認しましょう。
労務管理システムの中には無料で始められるものもあります。労務管理システムをまず試したいとお考えなら、使ってみてもよいでしょう。
自社に必要な機能が搭載されているか
労務管理システムによって対応可能な業務範囲や帳票の種類は異なります。システム選びの前に、どのような業務を効率化したいのかを社内で話し合って明確にしておきましょう。そうすることで、自社に必要な機能が分かり、最適なサービスを選べるようになります。
セキュリティ対策が万全か
労務管理システムでは機密性の高い情報を扱います。セキュリティ対策がしっかりしたサービスを選ばなければ、個人情報が漏えいするリスクも。そのため、暗号化やアクセス制限など、どれくらいセキュリティ関連の機能が搭載されているかを必ずチェックしましょう。
また、クラウド型であればサービス提供会社のセキュリティ対策も重要です。ISMSなどの認証を受けている会社であれば、一定のセキュリティ対策を講じていると判断できます。
サービス提供会社のサポート体制が自社に適しているか
サポートの内容はサービス提供会社によって異なります。万が一の際にサポートを受けられないことになれば、業務を中断しなければならない可能性も。サポートを受けられる時間帯、用意されている窓口の種類(電話やチャットなど)、マニュアルやサポート用の特設サイトの有無を確認しておきましょう。
既存の外部システムと連携できるか
すでに使用している給与計算ソフトや人事管理システムなどがある企業は、既存システムと連携できる労務管理システムを選ぶことがおすすめです。将来的に導入を検討しているシステムがある企業も、対応状況を確認しておきましょう。
労務管理システムのデメリット・注意点
多くのメリットがある労務管理システムですが、デメリットや注意点も存在します。システムを導入する場合はデメリットも念頭に置いておきましょう。
- 初期費用・月額料金などのコストが発生する
- 従業員への周知が必要になる
初期費用・月額料金などのコストが発生する
当然ではありますが、労務管理システムを導入するにあたってコストが発生します。オンプレミス型の場合、クラウド型と比較すると初期費用が高額になるケースが多いです。一方、クラウド型の場合は初期費用を抑えられますが、利用し続ける限り月額料金が発生します。
ただし、コストが発生しても労務管理システムを導入することによるメリットは大きいです。サービス提供会社に相談して、自社の予算に合うシステムを選定しましょう。
従業員への周知が必要になる
労務管理システムを導入に際しては、従業員へシステム利用に関するルールや操作方法の周知が欠かせません。もし周知をしないと、労務管理システムを使われなかったり、間違った使われ方をしたりして、業務効率化からかけ離れてしまいます。また、新しいシステムを導入すると、浸透するまでにはある程度の時間が必要です。
一日でも早く労務管理システムが浸透するように、マニュアルの用意や問い合わせ窓口の設置、システム導入に関する説明会の開催をしましょう。
オンプレミス型とクラウド型の違い
労務管理システムの導入形態は、オンプレミス型とクラウド型の2種類あります。オンプレミス型は、自社でサーバーを用意して利用する形態で、特長は柔軟なカスタマイズ性やセキュリティ性の高さです。一方で、クラウド型と比較すると初期費用が高くなります。
クラウド型は、システム提供会社のサーバーに接続して利用する形態です。法改正に合わせたアップデートも提供会社が行うため、手軽に導入・利用できます。ただし、オンプレミス型よりもカスタマイズ性が低く、セキュリティ面は提供会社に依存します。
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労務管理システムの導入事例
労務管理システムのメリット・デメリットを紹介しましたが、それだけでは具体的な効果をイメージしにくいのではないでしょうか。ここからは、実際に労務管理システムを導入した企業の事例をご紹介。導入事例を読んで、自社に労務管理システムを導入するイメージをつかんでください。
誰でも使いやすい操作画面で、業務効率化に成功
香川県で介護関連事業を展開している企業では、SmartHRの労務管理システム「SmartHR」を採用しています。システム導入前は、年間200名ほどの入退社手続きを1名のスタッフが担当。加えて、契約更新業務も同じスタッフが担当していたため、いかに負担を軽減できるかが課題になっていました。さらに、紙ベースで業務を行っていたため、時間と手間がかかる上にミスによる個人情報漏えいのリスクもあったそうです。
そこで、負担軽減と業務の効率化を目的に労務管理システムを導入することになりました。同社のスタッフの中には、デジタルツールに苦手意識を持つ人が多かったため、操作画面の使いやすさを重視してSmartHRに決定。業務の効率化に成功したほか、年間約8,000枚の紙を削減しました。また、ペーパーレス化によって保管コストや書類紛失リスクの解消にも成功しています。
※出典:株式会社SmartHR「年齢問わず「使いやすい」のが決め手。介護×多拠点での業務改革」
システム導入によって均一なサービス提供と残業減少が可能に
全国各地にオフィスがあるビジネスプロセスアウトソーシングなどの事業を手掛ける企業では、正社員が約2,000名、有期雇用者が約1,800名勤務しています。以前は、紙と印鑑による事務処理がメインでしたが、会社が成長するにつれて紙ベースの業務では対応が困難に。また、地方拠点に均一なサービスを提供するのも難しくなりつつありました。
そこで、操作性の高さと対応帳票数の多さを理由に、エフアンドエムの労務管理システム「オフィスステーション労務」の導入を決定。システム導入前は、各拠点に期限を指定して書類の提出を依頼しても、社内便の都合で間に合わないことも珍しくありませんでしが、システム導入によって申請手続きが電子化され、地方拠点にも迅速で均一なサービスの提供が可能に。
電子化によって、工数の削減や業務の精度が向上したため、管理部門の残業も減少しました。
※出典:株式会社エフアンドエム「導入企業の声」
まとめ:労務管理システムの導入で業務効率化を目指そう
労務管理システムは人事労務業務の効率化に貢献するシステムで、導入すれば人事労務担当者の手作業が減るので、ヒューマンエラーや工数の削減が可能です。そんな労務管理システムを選ぶときは、操作性・料金・機能・セキュリティ・サポート体制・外部システムとの連携可否を確認して、自社にピッタリなサービスを導入しましょう。
自社に相性の良い労務管理システムを見つけるには、複数のサービスを比較することが大切です。しかし、労務管理システムは種類が多いため、候補を絞るだけでもかなりの労力を要します。PRONIアイミツでは、ITツール受発注支援のプロとして、労務管理システム選びの相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った労務管理システムが分かる診断(無料)もありますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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