フリーアドレスの課題「電話の取り次ぎ」をどうするか?解決策を紹介
社内コミュニケーションの活性化やスペースの有効活用につながるフリーアドレス。オフィス新設・移転にともなって、フリーアドレスを導入しようとお考えの企業も多いでしょう。ただし、電話については課題も。社員の席が固定されないため、固定電話機は使いにくくなります。また、電話取り次ぎの際に座席表を見て内線番号を確認することが難しくなります。
そこで本記事では、フリーアドレス化の際に電話はどうするべきか、課題と解決策を解説します。フリーアドレス化を準備中の企業担当者・情報システム部の担当者はぜひご覧ください。
- フリーアドレス導入にあたっての電話業務の課題
- フリーアドレスの電話はどうすべき?解決策4つ
- クラウドPBXとは
- 【2025年最新】フリーアドレスの企業におすすめのクラウドPBX5選
- まとめ:フリーアドレスには、スマホやPCを内線化するクラウドPBXがおすすめ
フリーアドレス導入にあたっての電話業務の課題
新型コロナウイルスの感染拡大で働き方が大きく変化し、在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせたハイブリッドワークを採用する企業が増加。このような変化にあわせて、オフィスでも固定席を持たずに好きな席で働くフリーアドレスが採用されるようになってきました。
そもそもフリーアドレスとは、オフィスの中で固定の座席を設けないワークスタイルのこと。自席が決まっていないため、その日ごとに違う席で仕事をすることが可能です。フリーアドレスを導入すると、他事業部の人とのコミュニケーションが活性化し、斬新で面白いアイデアが生まれやすくなります。また、在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせたハイブリッドワークなら出社率が100%以下となるため、座席数を削減し、空いたスペースにミーティングルームを設置するなどでスペースを有効活用することが可能です。
固定席がなくなるため、電話取り次ぎが課題に
さまざまなメリットがあるフリーアドレスですが、電話業務については課題も。まず、社員の席が固定されないため、固定電話機の設置は難しくなります。また、日によって座席が変わるので電話取り次ぎが困難に。「座席表を見て内線番号を確認する」という運用ができなくなります。
株式会社ジェイドコーポレーションの調査によると、フリーアドレス化によって、約34%の企業が「折り返し対応がおおくなった」、約22%の企業が「どこに着席しているのか探すのに手間がかかる」という課題を感じています。
※出典:PR TIMES『【フリーアドレス化で電話対応に課題】半数以上が業務効率化に向けフリーアドレスを導入。しかし電話対応業務の負担が増えた企業も?』
フリーアドレスの導入を成功させるためには、このような電話業務の課題を解決することがポイントです。
フリーアドレスの電話はどうすべき?解決策4つ
フリーアドレスを導入する際、電話はどうすべきなのでしょうか。具体的な解決策を4つ解説します。
- 解決策①:社用携帯を配布する
- 解決策②:クラウドPBXを導入する
- 解決策③:デジタルコードレス電話機を導入する
- 解決策④:電話代行サービスを利用する
解決策①社用携帯を配布する
1つ目の解決策は、社用携帯を配布することです。社員1人ひとりが専用の社用携帯を持つことができれば、オフィス内外でいつでも受発信が可能となります。会社の代表電話番号ではなく、個人の電話番号宛てに電話を掛けられるので電話取り次ぎ業務が不要。フリーアドレスでも問題なく電話業務を行えます。
ただし、社用携帯を人数分購入しなければならないため費用が高くなる点はデメリット。また社用携帯は持ち歩くことが前提となるため、紛失・盗難による社内情報流出リスクがあり、万全のセキュリティ対策が必要となります。
解決策②:クラウドPBXを導入する
2つ目の解決策は、クラウドPBX(クラウド電話)を導入することです。クラウドPBXとはクラウド上に電話交換機能(=PBX)を構築し、インターネット回線を通じて電話の受発信を行う次世代のビジネスフォンです。スマートフォンやPCでも電話の受発信ができる点が大きな特徴。すでに従業員が持っているスマホ・PCに専用アプリをインストールするだけなので、新たに社用携帯や電話機を購入する必要はありません。
クラウドPBXを導入すると、社内・社外問わず、インターネット回線に接続できる場所ならどこでも電話が可能となります。また、社員同士の電話は内線で行えるため、通話料金のコストカットが実現。別拠点にある本社や支社との通話も内線化できます。
社員の内線番号を一覧化しておけば、フリーアドレスの企業でもスムーズに電話取り次ぎ・内線通話が可能。フリーアドレス導入をお考えの企業に、クラウドPBXはおすすめの解決策です。
解決策③:デジタルコードレス電話機を導入する
3つ目の解決策は、デジタルコードレス電話機を導入することです。デジタルコードレス電話機とは、固定電話の子機のような形をしており、持ち歩いて通話ができる電話機。社員1人ひとりに端末を配布し、内線番号を付与することで、フリーアドレスの企業においてもスムーズに電話取り次ぎができるようになります。
社員1人に対して1端末を配布する点においては社用携帯と同じ。デジタルコードレス電話機は電話機能のみ搭載しているので社用携帯と比較すると端末費用は安いですが、新たに端末の購入が必要なので社員数が多いと費用負担は重くなります。
解決策④:電話代行サービスを利用する
4つ目の解決策は、電話代行サービスを利用することです。電話の一次受付を外部の業者が代行してくれるため、そもそも電話対応が不要となり本業に集中できるというメリットがあります。迷惑電話や営業電話への対応が不要となる点も大きなメリットです。
ただし、一次受付をした業者から社内に電話取り次ぎをする際、それぞれの社員の内線番号を把握している必要があります。フリーアドレスの企業なら、社用携帯を配布する・クラウドPBXを導入するなどの方法で、社員に内線番号を付与する必要が出てくる点に注意が必要です。(結局のところ、電話代行サービスの利用はフリーアドレス化への対策としては不十分です)
クラウドPBXとは
フリーアドレスと相性が良い電話サービスとして、おすすめなのがクラウドPBXです。クラウドPBXとはクラウド上に電話交換機能(=PBX)を構築し、インターネット回線を通じて電話の受発信を行うビジネスフォンです。従来の電話サービスのようにオフィスに電話交換機能(=PBX)を設置する必要がないため、機器導入コストや保守コストがかかりません。
また、クラウドPBXは電話機不要で、スマホ・PCがあればどこでも受発信できる点が特徴。外回り中の営業職やテレワーク中の社員も電話業務を行うことができ、もちろんフリーアドレスの電話取り次ぎもスムーズに行えます。
固定電話からクラウドPBXに乗り換える場合、「代表電話番号をそのまま引き継げるのか」という点が気になりますが、多くのクラウドPBXでは電話番号の引き継ぎに対応しています。ただし、対応できる電話番号はクラウドPBXによって違うため、問い合わせ時に確認しましょう。
【2025年最新】フリーアドレスの企業におすすめのクラウドPBX5選
2025年現在、フリーアドレス導入企業におすすめのクラウドPBX5選を紹介します。サービスごとの特徴や、他社と比較したおすすめポイントも解説していますので、オフィス新設・移転に伴って電話業務を見直したい担当者はぜひ参考にしてください。
- VoiceX(ボイスクロス)
- トビラフォン Cloud
- BIZTEL ビジネスフォン
- MiiTel(ミーテル)
- INNOVERA PBX(イノベラ)
VoiceX(ボイスクロス)
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料金
月890円/席 -
初期費用
30,000円
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最低利用期間
1ヶ月
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最低利用人数
なし
VoiceX(ボイスクロス)は、株式会社コムスクエアが提供するクラウドPBXです。通信キャリア会社が提供するクラウドPBXならではの優れた通話品質が魅力で、通話品質基準ではクラスA(※)を獲得。固定電話と同等の安定感で通話できます。
※総務省はIP電話の音声品質基準を定めており、クラスAは最高水準の評価。
また、通信キャリアのため独自番号を保有しており、これまで300万以上の電話番号を発行してきた実績があります。全国主要都市の電話番号に対応しており、現在ご利用中の電話番号も継続利用が可能です。
社員のPCやスマホに専用アプリケーションを導入するだけで、外線・内線通話が可能なため、フリーアドレスやテレワークを導入する企業にもおすすめの電話サービスです。
トビラフォンCloud
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料金
月3,300円 -
初期費用
33,000円
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最低利用期間
1ヶ月
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最低利用人数
なし
トビラフォン Cloudは、トビラシステムズ株式会社が提供するクラウドBPX。同社は迷惑電話ブロックの技術に強みを持っており、クラウドPBXサービスにも高性能な迷惑電話フィルタが実装されている点がおすすめです。
トビラフォン Cloudでは、3万件以上のデータをもとに、押し売りや迷惑電話につながる可能性ある着信を事前に通知。不要な電話対応に時間を取られることなく、本来の業務に集中できます。
ネットFAX機能はない点には注意が必要ですが、基本的なクラウドフォン機能・録音機能・IVR機能はあるため、スマホを内線化してフリーアドレスに対応したい企業におすすめのサービスです。
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料金
月21,000円 -
初期費用
50,000円
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
BIZTEL(ビズテル)は株式会社リンクが提供するクラウドPBX。これまで2,000社以上の企業に導入実績があり、国内シェアNo.1※を獲得しているクラウドPBXのパイオニアです(※デロイト トーマツ ミック経済研究所による)。
法人向けプラン「BIZTEL ビジネスフォン」では、インターネットFAX機能をオプションで付けることが可能。受信したFAXが電子メールに転送されるので、オフィスからはもちろん、外出先や自宅からでもFAXの内容を確認できます。
機能としては、代表電話番号での受発信・転送・パーク保留など基本的な電話機能を利用できるほか、IVR(自動音声ガイダンス機能)や音声録音機能、音声テキスト化機能も利用可能。フリーアドレス化に対応したい企業におすすめのクラウドPBXです。
MiiTel
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料金
月5,980円/ID -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
MiiTel(ミーテル)は、クラウドフォン機能と録音・文字起こし・AI音声解析が1つになったツール。電話営業や顧客対応を可視化し、電話応対品質を改善させるといった使い方ができるおすすめのクラウドPBXです。
導入実績をみると、スタートアップから大企業まで2,000社以上に導入されており、社員教育や電話応対品質の向上に積極的に活用されています。電話営業に力を入れている企業や、コールセンター業務を行っている企業には特におすすめのクラウドPBXです。
また、発番できる電話番号の種類が豊富な点もMiiTelのメリットで、03(東京)・06(大阪)以外にも主要都市の市外局番を取得できます。「オフィス移転後もそのまま電話番号を引き継ぎたい」という企業は、ぜひMiiTel(ミーテル)を検討ください。
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料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
INNOVERA PBX(イノベラ)は、株式会社プロディライトが提供するクラウドPBXで、これまで1,300社以上に導入実績があります。他社と比較したおすすめ理由は、東京(03)や大阪(06)以外にも約40種類の市外局番を発番できること。電話番号の引き継ぎにも対応しており、オフィス移転に伴ってフリーアドレス化を進めたい企業におすすめです。
INNOVERA PBXは、録音した電話音声のテキスト化・音声解析などの機能を持ち、カスタマーサポート業務の効率化にも貢献します。なお、料金については公式サイトに明示されておらず問い合わせが必要です。
まとめ:フリーアドレスには、スマホやPCを内線化するクラウドPBXがおすすめ
フリーアドレスの採用は、コミュニケーションの活性化やスペースの効率的な活用などのメリットがある一方で、電話の取次ぎが難しくなってしまうといったデメリットが潜んでいます。しかし、クラウドPBXを導入すれば、簡単にスマホを内線化でき、フリーアドレス導入後の電話業務をスムーズに行えます。
クラウドPBXの導入をお考えなら、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったクラウドPBX(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
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