ビジネスにおけるアフターサービスの重要性とは?
ビジネスで商品やサービスを提供する企業が、顧客満足度を高めるためにはアフターサービスへの注力が欠かせません。商品やサービスを提供した後に、アフターサービスで顧客のニーズを把握して的確にフォローできれば、顧客満足度の向上だけでなく商品やサービスの改善にもつなげられます。
この記事では、アフターサービスが重要な理由と、高品質なアフターサービスを提供するためのポイントを解説します。アフターサービスの成功事例や、おすすめのツール・システムも紹介しますので、アフターサービスの品質を高めたい企業はぜひ参考にしてください。
- アフターサービスとは
- アフターサービスがビジネスで重要な理由
- アフターサービスの成功事例
- 質の高いアフターサービスを実現するためのポイント
- アフターサービスにおすすめのツール・システム5選
- まとめ
アフターサービスとは
アフターサービスとは、商品やサービスを購入した顧客をサポートするサービスです。購入した商品を使い始めてから不具合が出た場合や、サービス導入後に利用方法に不明点が出た場合などに、商品やサービスを提供した企業が顧客をサポートします。
アフターサービスは、電話・メール・チャットなどで受け付けることが多く、商品やサービスによっては24時間体制のサポートを実施していることもあります。
主なアフターサービス
アフターサービスの内容は企業や業種によって大きく変わりますが、主に次のようなサービスがあります。
- 問い合わせ・クレーム対応
- 商品の返品・交換・修理に伴う対応/サービスの変更・解約に伴う対応
- 商品・サービスの使い方のサポート
- 消耗品や部品の補填・提供
- 定期点検
具体的なアフターサービスの例としては、一定期間は無料で修理ができる電子機器・家電の保証サービスや、プリンター・コピー機のインクカートリッジの交換サービス、エアコンの定期点検サービスなどが挙げられます。また、Webサービスでは、使い方や操作の不明点の解決といったサポートを提供している企業が多いです。
アフターサービスがビジネスで重要な理由
アフターサービスはビジネスにおいて非常に重要です。以下から、その理由を解説していきます。
顧客満足度の向上
アフターサービスを提供することは、顧客満足度の向上に非常に大きな影響を与えます。商品購入後に充実したアフターサービスが提供されれば、故障や不具合が起こった場合でもむしろ顧客満足度が高くなる可能性もあるでしょう。
購入前においても、購入後の利用に多少不安があったとしても「アフターサービスがあるから大丈夫」と購入を後押しする理由となります。近年ではアフターサービスを重要視する顧客が多く見られるため、選定時の基準に数えられることも少なくありません。アフターサービスの付帯を検討している場合は、競合他社がどのようなアフターサービスを提供しているのか調査することもおすすめです。
顧客との信頼関係構築
顧客との信頼関係を構築するために、アフターサービスは非常に重要な役目を果たします。「販売・契約して終了」という形の商取引を行う場合、顧客とのコミュニケーションは商品を売ったら終わりになってしまう場合が多いです。コミュニケーションを取りにくいため、信頼関係を構築しにくいといえます。
そこでアフターサービスを提供することにより、顧客とコミュニケーションを取りながら信頼関係を深めていくことが可能です。良質なアフターサービスを提供していれば、一般の顧客をリピーターや優良顧客へ変えられる可能性もあります。
他社との差別化
アフターサービスを付帯することにより、競合他社との差別化を図ることもできます。同程度の性能などを持つ商品の場合、顧客はアフターサービスがない商品よりもある商品を選ぶ傾向が強いです。
したがって、アフターサービスを充実させることで商品の付加価値を高めることができます。競合が多い商品や似通った商材でも、アフターサービスを提供することによって他社との差別化を図りやすくなるということです。商品自体を変えたり新しい機能を搭載したりするわけではないため、比較的容易に差別化を図ることができる点が特徴といえます。
自社商品・サービスの改善
アフターサービスを提供することで、自社商品・サービスの改善につなげられる点も、アフターサービスがビジネスにおいて重要な理由の1つです。
アフターサービスを提供する機会を、顧客との重要なコミュニケーションの場としてとらえます。アフターサービスを通じて顧客の要望やクレームなどをヒアリングできれば、自社商材の改善点・改良点の発見に役立てることが可能です。商品開発などに行き詰まったときや、顧客のリアルな声を知りたいという際には非常に有効な手段となるでしょう。
アフターサービスの成功事例
ここからは、アフターサービスの成功事例を紹介します。高品質なアフターサービスを提供することで、顧客満足度向上を実現した事例をぜひ参考にしてください。
サントリーウエルネス株式会社
健康食品や美容商品の通信販売事業を展開しているサントリーウエルネスは、コールセンター事業を展開する「ベルシステム24」にコンタクトセンターを委託しました。化粧品販売の美容部員経験がある人材をアフターサービス担当として配置し、顧客一人ひとりの悩み・不満・不明点をカウンセリング。ただ商品販売後のフォローをするだけではなく、顧客に寄り添う「伴走型のパートナー」となるためのアフターサービスを展開しました。
伴走型のアフターサービスは、それまではスキンケアに熱心ではなかった顧客がスキンケアに興味を示し、実際に試したり「教えてもらった方法が良かった、ありがとう」という感謝の言葉を伝えてくれたりといった嬉しい結果を生み出しています。数値としても結果が出ており、顧客満足度調査の結果が以前と比較して向上したそうです。
参考URL:https://www.bell24.co.jp/ja/casestudy/swe/
株式会社クボタ
トラクターや田植え機などの産業機械・鉄管やバルブなどの水環境整備材料などを製造・販売するクボタは、アフターサービスを提供するためのWebサイトやアプリを展開しています。
Webサイトでは各種消耗部品の詳細情報、交換時期の目安のほか、定期点検の詳細情報を掲載。日常的なセルフメンテナンスの方法や、消耗部品の早見表検索も行えます。消費者が近隣店舗を検索することもできるので、メンテナンスを依頼したい場合も便利です。
このようにサービスサイトのUI/UX向上に努めているほか、機械の状態・メンテナンス時期などをスマホで確認できるアプリ「MY農機」を提供するなど、時代に即したアフターサービスの提供に力を入れることで、顧客満足度の向上を図っています。
参考URL:https://agriculture.kubota.co.jp/afterservice/service-maintenance/maintenance.html
株式会社ホンダクリオ共立
自動車は多くの場合、数年~十数年以上使用することになる乗り物です。このため、販売後のフォローを特に重要視しているメーカーやディーラーは多く見られます。自動車メーカー「ホンダ」の正規ディーラーであるホンダクリオ共立も、アフターフォローに力を入れている会社の1つです。
電話をかけてきた顧客の情報検索に時間がかかってしまうなどの課題がありました。電話応対の課題を解決するためにCTIツールの「カイクラ」を導入することで着信の時点で顧客の情報が確認できるようになり、情報検索にかかる時間は大幅に削減されました。顧客の求める情報提供もスムーズに行うことができるようになるなど、ツール導入で顧客満足度の向上を実現しています。
参考URL:https://kaiwa.cloud/case/017/?utm_source=media_article
質の高いアフターサービスを実現するためのポイント
ここからは、質の高いアフターサービスを実現するために押さえておきたいポイントについて解説していきます。
自社の商品・サービスを深く知る
高品質なアフターサービスを提供するためには、まず自社の商品・サービスを深く知っておくことが大切です。
先ほどさまざまなメリットをお伝えしましたが、アフターサービスの第一の目的は「顧客が商品・サービスに対して抱いている疑問や悩みを解決すること」だといえます。そのためには、アフターサービスを提供する側である自社が商品やサービスに対する詳しい知識を備えておく必要があるのです。中には商品やサービスの開発に関わったスタッフをアフターサービス担当に置いている会社もあります。
スムーズに対応するための連携体制を整える
アフターサービスの品質向上のためには、スムーズに対応するための連携体制を整えることも重要なポイントです。多くの場合アフターサービス対応の一次窓口は、問い合わせ窓口やサポートセンターのスタッフが担当します。
しかし、顧客からサポートセンタースタッフだけではわからない質問が投げかけられる場合もあるでしょう。そのような場合に備えて、アフターサービスに関するマニュアルの拡充や技術者や保守担当者などが対応できる体制、スムーズに情報共有ができる環境などを整えておくことが大切です。
対応マニュアルやFAQを用意する
先述したとおり、対応マニュアルやFAQをあらかじめ用意しておく・充実させておくということも非常に大切なポイントです。アフターサービスの際に顧客から寄せられる疑問や悩みは実にさまざまなものがあります。そのため、「このような場合にはこう対応する」といったFAQやマニュアルを事前に用意しておくことが大切です。
顧客のさまざまなニーズを満たすことができるよう準備しておくことで、質の高いアフターサービスを提供していくことができるでしょう。ニーズを完全に満たせなかった場合も原因分析・情報蓄積を行い、カバー範囲を広げていくことが大切です。
アフターサービスにおすすめのツール・システム5選
質の高いアフターサービスを実現するためには、上記のようなさまざまな工夫や分析、対応が必要です。以下からは、より高品質なアフターサービスを提供するにあたって便利なツールやシステムを紹介します。
CRM
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客関係管理という意味を持つ言葉です。顧客関係管理を行うツールやシステムのことを指す場合も多くあります。
顧客一人ひとりの、性別・年齢といった属性や対応履歴、購買履歴などを記録しておくことができるため、導入・活用することでアフターサービスのパーソナライズが可能です。顧客と企業の関係を良好に保つためには欠かせないツールであるといえるでしょう。
CTIシステム
CTIシステムとは、電話やFAXをコンピューターと連携させるためのシステムで、コールセンターを構築する上で導入されるコールセンターシステムに含まれている場合が多いです。
CTIシステムには一般的に、着信履歴の確認や通話の自動録音、IVR(自動音声応答)といった機能が搭載されています。アフターサービスに電話を用いる場合は、導入することで応対品質の大幅な向上が見込めるでしょう。顧客へのスムーズな対応に大きく貢献するシステムです。
関連記事:【2025年最新】おすすめのCTIシステムを徹底比較
チャットボット
チャットボットとは、インターネット上でテキストをやり取りする「チャット」とさまざまな業務や処理を自動化できる「ロボット」を組み合わせた言葉です。つまりチャットボットは、チャット形式での顧客対応を自動で行ってくれるシステムのことを指します。
チャットボットを活用することで単純・簡単な質問への無人対応が可能となるため、問い合わせ工数の削減や、顧客へのスムーズな対応、手続きの簡略化を実現することが可能です。アフターサービスと相性が良いシステムだといえるでしょう。
関連記事:【2025年最新】チャットボットのおすすめランキング
ナレッジマネジメントシステム
ナレッジマネジメントシステムは、企業が事業を展開していく上うえで蓄積されていく知識や情報などを管理・共有するためのシステムです。
顧客対応の方法や接客のコツなど、アフターサービスに関わるナレッジを組織全体で共有することにより、従業員の知識・スキルレベルの向上が見込めます。また、FAQやマニュアルの作成にも役立つでしょう。ナレッジマネジメントシステムも、アフターサービスの品質向上に役立てることができるシステムです。このほか、蓄積されたデータは商品・サービスの改善にも活かせるでしょう。
関連記事:【2025年最新】ナレッジマネジメントシステムのおすすめランキング
ワークフローシステム
ワークフローシステムとは、経費精算や稟議申請など、形式的な業務の一連の流れを電子化できるシステムのことです。ワークフローシステムを導入することで、社内の業務や手続きを効率化できます。
属人性の高い業務もシステム化することで特定のスタッフに頼らず進めていくことが可能です。アフターサービスにおいては、ワークフローシステムを導入することでアフターサービスを提供する際の対応漏れ・ミスの防止、スムーズな顧客対応に大きく貢献するでしょう。
関連記事:【2025年最新】おすすめのワークフローシステムを徹底比較
まとめ
ここまで、ビジネスにおいてアフターサービスが重要な理由や、高品質なアフターサービスを実現するためのポイント、具体的な事例を紹介してきました。顧客に質の高いアフターサービスを提供するためには、自社の商品・サービスの詳細把握などのほか、サービスの内容にマッチしたツール・システムの導入が効果的です。
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