経費精算システムの選び方をステップ方式で徹底ガイド
毎月の経費精算業務が負担になっている…というお悩みをお持ちの方は経費精算システムの導入を検討する時期にきています。 経費精算システムを導入すれば、経費精算に関わる業務をほぼ自動化できます。また、経費申請・承認作業を場所を問わずに行えるため、導入すれば業務効率は格段に向上するでしょう。 今回は、これから経費精算システムの導入をお考えの方に向けて、経費精算システムの選び方を解説。また、人気の経費精算システムもご紹介します。
経費精算システムの選び方とは
最初に経費精算システムの選び方について解説をします。
現在、数多くの経費精算システムがリリースされており、サービスを選定する際は比較するべきシステムを絞り込むことから始めます。
最適のサービスを選ぶためには、まず順序立てて自社が求める要件を決めていくのが早道です。自社の求める要件がクリアなれば、ニーズを満たす製品がどれかも明確になります。要件を満たす製品が複数ある場合は全てピックアップをして、料金や機能などを丁寧に比較検討してください。機能は多すぎても少なすぎてもNGで、自社の問題解決に必要な機能をコンパクトに搭載している製品を選ぶと失敗を避けられます。
また、製品選びをする際は将来的に業務拡大をしても対応できるものを選ぶと後々便利です。利用者数、申請数など将来的な変動を見込んだうえで、最適のサービスを選ぶことをおすすめします。
以降、ステップに沿ってシステム選定までの流れを解説していきます。
経費精算システムの選定ステップとポイント解説
経費精算システムは製品ごとに提供している機能もサービスもさまざまです。評判の高い製品が必ず自社に合うとは限らないため、最適の製品を選ぶには正しい選び方を押さえておく必要があります。
ここからは経費精算システムの選び方を解説するとともに、選定の際に押さえておきたいポイントも紹介します。
1.課題の洗い出し
経費精算システム選定の第一ステップは課題の洗い出しです。課題が明確になれば必要な機能も自ずと見えてきます。
また、課題がいくつかある場合は優先順位もつけておくと、システム比較時に余分な機能を省けます。
課題の洗い出しの際は、社員がどんな作業に不便さを感じているのかなど気軽に話し合うことも大切です。
以下、よくある課題に対しておすすめの機能を紹介します。自社に当てはまる課題があれば参考にしてください。
経費精算のストレスを減らしたい
経費精算はバックオフィス業務の中でも負担の大きい作業です。申請者・承認者・経理担当者のいずれもが大なり小なり経費精算業務に対してストレスを抱えていることでしょう。
もし、経費精算の手間について従業員から苦情があがっていたり、経費申請のミスが多く経理部門の手間がかかっている場合は、交通系やモバイルIC連携機能、スマホアプリ対応、OCR機能などを搭載したシステムを選びましょう。
交通系ICカードやモバイルIC連携ができれば、交通費精算は自動化が可能です。またOCR機能がついていれば領収書やレシートを写真に撮るだけでデータを送信できます。外出先からも作業ができるので、申請者・承認者・経理担当者のいずれにとっても便利です。
これらの機能はリモートワーク時の経費精算にも役立ちます。
また、定着率と言う観点からは使いやすさを強みにしたシンプルなシステムもおすすめです。
経費精算のコストを削減したい
経費精算システムの導入は経理コスト削減にも役立ちます。
経費精算業務はお金を扱うためミスが許されない業務です。正確さを期すための確認作業も必要で、作業には相当の人的リソースが必要です。申請のチェック、仕訳対応、給与計算が経理担当の大きな負担となり、作業にかかるコストが経営を圧迫している場合は経費精算システムの導入で課題解決ができます。
コスト削減を目指す場合は、特に自社契約のクレジットカード連携や会計システムとの連携などの機能が役立ちます。また、仕訳入力や振り込みデータの自動作成ができればなお便利です。
経費精算システムの導入には費用はかかりますが、費用対効果を考えるとコスト削減につながるケースは多いでしょう。
経費の申請・承認を明瞭にしたい
経費精算システムは経費の申請・承認の不明瞭さに課題を感じている方にも適しています。
例えば、経費に関わる虚偽申告の見落としや不正防止をしたい、改ざん防止機能や規定違反チェック機能、旅費の設定機能などを搭載した経費精算システムを選ぶと良いでしょう。
また、経費の申請者・承認者を簡単に把握したい場合や、稟議承認までを効率化したいという場合には、ワークフロー機能や管理者権限の分割などの機能があると便利です。また、スマホ対応でリアルタイムに確認できる機能があれば、承認の進捗状況をチェックできます。
申請・承認忘れなどが課題の場合はアラート機能を選びましょう。作業が必要なときは都度通知がくるため、忘れたまま放置されることはなくなります。
2.経費精算の現状を把握する
経費精算システム選定の第二ステップは経費精算の現状を把握することです。
自社の経費精算に関する環境や規程、承認ルートなどを確認しておくことで、細かな機能の要件を詰める時に役立ちます。
経費精算の現状を把握する際、経費に関するルールが細かく複雑な箇所はないか、会計ソフトは何を使っているか、電車やタクシーの利用者が多い、出張が多いか、といった点に着目をして、問題点がないかをチェックします。経費精算のフローを確認する中で中で社員が不便に感じていること、手間に感じている点を解決できる機能を搭載したツールを選ぶとミスマッチを防げます。
3.規模にあった経費精算システムに絞る
経費精算システム選定の第三ステップは規模にあった経費精算システムの絞り込みです。
経費精算システムは自社の規模感に合ったものがベストです。まずは、候補となる経費精算システムの対象規模を1つひとつ確認し、自社とあっているか確認します。
以下、対象規模別の特徴と注意点を解説します。
中小企業向け経費精算システム
中小企業向け経費精算システムの特徴は以下の2点です。
・シンプルかつ安価
必要最低限のコストで運用したいというニーズに応えるため、中小規模向けの経費精算システムは機能もシンプルで、リーズナブルなものが多いです。
・5名程度から利用できる
中小企業でも使い勝手が良いよう、少人数・5名程度から利用できる設定になっています。
確認すべきポイントは機能面で、中小規模向けの製品は機能面もシンプルであるがゆえに、必要な機能がオプションであったり、不足している場合があります。しかし、経費精算システムを導入しても自社に必要な機能がなければ本末転倒ですので、優先順位をつけて選ぶ必要があるでしょう。
大企業向け経費精算システム
大企業向け経費精算システムの特徴は以下の2点です。
・機能が豊富
大企業向けの経費精算システムは、大規模な運用を想定して設計をされているため、複雑な規定などにも柔軟に対応できます。
・セキュリティ面でも安心
大企業では機密情報も多く扱うことから、大企業向けの製品は堅牢なセキュリティ体制を構築しています。情報漏洩対策に特に力を入れたい場合は大企業向けのものが安心です。
確認すべきポイントは費用対効果と操作性です。大企業向けの経費管理システムは利用料が高額になるため、価格に見合うメリットがあるかを確認します。また、複雑な規定・運用に対応できる仕様のため、機能も複雑になりがちです。操作性という点で社員が使いづらくないか事前にチェックする必要があります。
4.経費精算システムの比較
経費精算システム選定の第四ステップは製品の比較です。
規模にあったシステムを絞り込んだら、候補となる製品を本格的に調査・比較していきます。比較・選定の際には以下の4つの点に注意をしてください。
優先度の高い機能をおさえているか
経費精算システムの比較検討の際は、洗い出した課題を解決するための最低限の機能をおさえているかを確認しましょう。
欲しい機能が複数ある場合は機能の優先順位を決めるようにしてください。製品選びの際は優先度の高い機能を搭載しているものを中心に比較検討をします。
機能面のスペックが同じ場合は、価格やサポート体制などそのほかの要素も加味して比較をすると良いでしょう。
様々な要素を同時に比較すると焦点が定まらなくなりますが、優先順位をつけて比較をすると大きな失敗は避けられます。
自社の環境や規定にマッチするか
経費精算システムを比較する際は、自社の環境や規定にマッチするかも確認します。
特に注意が必要なのは導入形態です。経費精算システムにはクラウド型とオンプレミス型があります。クラウド型は導入は手軽ですが月額料金がかかります。オンプレミス型は導入時のシステム構築が大掛かりで初期費用も必要です。ただし、一度構築すればランニングコストを抑えられるため、どちらが適しているか慎重に判断する必要があります。
そのほか、複雑な承認ルート設定や出張管理機能など、痒い所に手が届く機能があるか、また、外部監査の要請に対し、柔軟に対応できるか、カスタマイズ性・システム連携は問題ないか なども確認します。自社特有の環境にマッチするものであれば業務効率向上に資するものとなるでしょう。
自社に近い企業への導入実績はあるか
経費精算システムの選び方として、自社に近い企業への導入実績の確認も役立ちます。
自社に近い企業は業態も似ているため、必要としている機能も近い可能性が高いです。その点で同業他社で多く利用をされている経費精算システムは安心です。また、信頼性は高いか、使いやすいシステムであるかなど、実際の利用者の口コミを見るのも有効です。導入後の変化が自社の理想とする状態であれば試してみる価値大です。
セキュリティは問題ないか
経費精算システムの選び方としてセキュリティ体制のチェックは重要です。
セキュリティ体制が甘いと情報漏洩のリスクがあり、万が一の際は企業に深刻なリスクをもたらします。
特に会計システムと連携している場合の財務情報、従業員の個人情報、クレジット番号などを守るためセキュリティ面を確認しておくと安心です。
また、権限設定などの機能はもちろん、ベンダーは第三者機関による認証を取得してるかなども確認しておきましょう。
自社のセキュリティ基準に則ったシステムを導入すると不要なリスクを回避できるでしょう。
5.料金を比較する
経費精算システム選定の第五のステップは料金の比較です。
クラウド型の場合は毎月の月額料金が発生するため、ぱっと見は少額の差でも長期利用では大きな差となります。また、基本料金が安くてもオプションを含めた場合に高額になることもあるので、トータル料金で比較検討する必要があります。
コストを抑えるコツとしては、できるだけ不要な機能のあるシステムを排除することです。一般的に搭載機能が多いほど費用は高額になるため、無駄なコストを抑えるには必要な機能をコンパクトの搭載しているシステムを選ぶに限ります。特に予算に限りがある場合は、費用対効果をよく考えて比較検討すると失敗を避けられるでしょう。
経費管理システムの料金相場を知りたい方を以下のページを参考にしてください。
https://imitsu.jp/cost/expences/article
6.トライアルとサポート体制の確認
経費管理システム選定の最終ステップはトライアルとサポート体制の確認です。
実際に導入するシステムが決まったら、いきなり本格導入するのではなく、必ずトライアルで運用してから最終決定をしてください。
トライアルでは従業員がストレスなく使えるか、申請者と経理担当の両目線で確認するのがベストです。業務ツールは実際に使ってみないと操作性や使用感が分からないため、トライアルは非常に重要です。
また、ベンダーのサポート体制も同時に確認してください。チェックポイントは導入支援体制やトラブルがあった際のサポート体制、導入後の運用アドバイスの有無などです。サポート体制が薄いと万が一のトラブルの際に業務が停止してしまう恐れがあるので、トライアルの際に実際に問い合わせをするなど対応を確認しておきましょう。
ここまで、経費管理システムの選び方についてステップ形式でお伝えしました。
経費計算システムの選び方のポイントは課題の洗い出し、経費精算の現状把握をしたうえで必要な機能を確認し、対象規模や料金、トライアルやサポート体制の比較をすることが肝心です。
選び方のコツとしては、自社の環境にマッチするものを選び、課題解決につながる機能を搭載しているかどうか、また、必要な要件について優先順位をつけて比較検討をしていくと間違いがありません。
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代表的な経費精算システムを紹介
ここからは代表的な経費精算システムを紹介します。
現在、多くの経費精算システムが市場にリリースされており、数ある中から最適のシステムを選ぶことになります。
ここでは、実際に代表的な経費精算システムを3つ紹介します。いずれも高機能で利用者の評判も上々です。人気の高い経費精算システムはどのような機能を実装しているのでしょうか?
クラウド経費精算 freee
クラウド経費精算 freeeは東京都品川区に本社を構えるfreeeが提供する経費精算システムです。無料から使えるクラウド型の会計システムで、経費精算機能も搭載しています。
レシート・領収書はスマホで撮るだけでOK、承認者はどこでも承認ができるため外回りの多い会社には最適です。経理担当者は転記と振り込みファイル作成を同時にできるため経理作業は効率UP、会計ソフトfreeeへは1クリックでデータを登録可能です。経費計算は自動集計されるので、部門別の経費データの抽出も簡単です。
契約者数20名以下の料金プランは3種類。「ミニマム」が月額1,980円、「ベーシック」は月額3,980円、「プロフェッショナル」は月額39,800で契約可。最初の30日間は無料トライアルを実施しています。
楽楽精算
楽楽精算は東京都渋谷区に本社を構えるラクスが提供する経費精算システムです。国内累計導入者数No1 の経費精査システムで、これまでに全国7,000社が導入済です。国内で最も選ばれている経費精算システムです。
搭載している機能は経費精算、旅費精算、交通費精算、汎用ワークフロー、支払依頼、会計ソフト連携など。そのほか、規定違反チェック、クレカ・プリペイドカード連携、通知・督促アラート、その他かゆいところに手が届く機能も満載です。多機能の経費精算システムをご希望の方には最適の製品でしょう。
料金プランは月額3万円から契約可。従業員数が増えるほどお得になるため、大企業におすすめの製品です。
jinjer 経費
jinjer 経費は東京都新宿区に本社を構えるネオキャリアが提供するSaaS型経費精算システムです。低コストと使いやすさに拘って開発されたシステムで、経費精算に関わる一連の作業を自動化。導入により経費精算にかかる時間を90%削減します。
特徴的なのは経費申請、交通費申請以外に交際費申請機能も搭載している点です。外回りで接待の多い営業社員が多い会社では重宝するでしょう。スマホアプリにも対応しているため外出先からも申請・承認作業は可能です。また他のjinjer製品と連携ができる点も強みです。導入により業務効率化、労働生産性ともに大幅に向上するでしょう。
料金は月額500円から利用可。希望者は無料トライアルをお試しいただけます。
経費精算システムを比較してみよう
いかがでしたか。今回の経費精算システムの選び方に関する特集は以上です。
経費精算システムは数多くの製品がありますが、自社に最適のシステムを導入するには選び方が肝心です。経費精算システムの導入に成功すれば経理業務の負担は大幅に削減できます。実際に導入をする際は、ぜひ本特集の選定ステップを参考にしてください。
また、どんな経費精算システムがあるかもっと知りたい、候補を絞りたいという場合はこちらの記事を参考にしてください。



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