経費精算システムのメリット・デメリット|導入事例も紹介
経費精算システムを導入したけど、どんなメリットがあるのか詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、営業・バックオフィス・情報システムなど、さまざまな分野の法人向けSaaSサービスを比較検討できる「アイミツSaaS」が、iPhone・Android対応のおすすめ経費精算アプリを厳選してご紹介!経費精算システムを導入するメリットや経費精算システムの導入事例も詳しく解説していきます。
経費精算システムのメリット
経費精算は社員が会社の経費を立て替えたときに会社が支払いをすることで、経費精算システムは経費精算業務を効率化するためのツールです。
これまで経費精算と言えば、社員は経費精算所を作成して領収書を提出し、会社は書類をチェックして払い戻しをしていたと思います。しかし、経費精算システムを導入すればこれらの作業を完全自動化、ペーパーレス化できるのです。
今回は、経費精算システム導入によって、申請・承認者、経理担当者、会社のそれぞれにとってどんなメリット・デメリットがあるのかを詳しく紹介します。
1.経費の申請・承認業務を効率化
経費精算システムは経費を立て替える社員、承認する経理にとっても便利なツールで、経費の申請・承認業務が効率化します。具体的に導入後はどのようなメリットがあるのでしょうか?
1-1.申請・承認をwebで完結できる
経費精算システムを導入すると経費精算に関わる申請・承認を全てwebで完結できます。
インターネットが使える環境であればどこでも作業が可能で、大半のシステムはスマホ対応すので社業場所を選びません。経費の立て替えをするのは大抵社外です。経費精算システムを導入すれば外出中の立替経費はその場で申請が可能。会社に戻って書類を提出する必要はありません。承認者も外出先でチェックができます。申請・承認作業の効率化に大きく貢献するでしょう。
1-2.対応すべき経費精算の通知がくる
経費精算システムを使うと対応すべき経費精算の通知がくるため、申請・承認漏れの心配がない点もメリットです。
経費精算の申請を紙ベースで行う場合、申請をしても承認忘れがあると歩留まりになってしまいます。申請数が多い場合、対応漏れが発生しがちです。
しかし、経費精算システムを導入すれば都度通知がくるためその場で処理ができます。また対応済、未対応、差戻などステータスも確認できるため、承認者の管理負担は大幅に軽減されるでしょう。
1-3.領収書の写真撮影で効率化
経費精算システムを使えば領収書の写真撮影でデータの取り込みができるため、申請業務は効率化します。
紙ベースで経費申請するには経費清算書に領収書を添付して提出しますが、領収書のデータについては手入力しなければなりません。
しかし、経費精算システムを導入すればRPAの自動仕訳機能により、日付、支払先、金額などが自動的に入力されます。領収書・レシートの写真を撮るだけで自動反映されるため、手作業による入力業務を大幅に削減できるでしょう。
1-4.交通費精算の手間を軽減
経費精算システムを導入すると交通費精算の手間を軽減できます。
経費精算システムには定期圏内の交通費自動控除機能やICカードの読み取り機能があるため、申請時に計算をする必要はありません。
また申請時に起こりやすい計算ミスや入力ミスなども防げるため承認者も安心です。
その他の電子マネーと連携できるシステムもありますが、申請者は内訳の入力の必要がなく、承認者は何に使ったかなど調べる必要もないため申請者・精算担当者どちらの作業も軽減されます。
2.経理担当の負担を軽減
経費精算システムは申請者、承認者だけでなく経理担当者の業務負担も軽減します。導入後には経理担当者にどのようなメリットがあるのでしょうか?
2-1.稟議承認までを効率化
経費精算システムを導入すると稟議承認までのプロセスが効率化されます。
経費計算システムには清算機能以外にも様々な便利機能が搭載されている場合が多いです。特にワークフロー機能を搭載しているものは経費精算と稟議の情報を紐づけできるため、承認状況はリアルタイムで可視化されます。
また、ワークフローに沿って上長に通知がいくため、複数名の決裁が必要な場合も効率的に承認作業が進むでしょう。
2-2.定期券の自動計算ができる
経費精算システムには交通費精算機能もあるため、定期券の自動計算が可能です。
紙ベースでの交通費申請は申請者が自分で計算をしなければならないため、計算ミスが発生する恐れがあります。そのため、経理担当者は間違いがないか申請一つひとつに対して確認をしなければなりません。
その点、経費精算システムを導入すれば、予め区間を登録することで交通費計算の入力を省けるため、確認作業の手間を減らせます。
2-3.経費を自動仕訳できる
経費精算システムは仕分け作業を自動化できます。紙文書で経費申請をしている場合、書類一枚ずつ内容を確認しながら仕分けをしなければなりません。経理担当者にとって仕分け作業は神経を使う作業であり、膨大なエネルギーを要します。
その点、経費計算システムを導入すれば、予め設定した内訳を申請者が申請時に選択できるので、承認時には自動仕分けされます。また、会計ソフトとの連携で勘定科目などの各種入力も効率化されるため、会計ソフトへのデータ取り込みもスムーズに行えるでしょう。
2-4.振込データを自動作成できる
経費精算システムを導入すると、大半の場合振込データを自動作成できます。経費精算を終えたタイミングで振込業務を行うことが可能です。
通常、銀行振り込みをする際はFBデータが必要で、経理担当者はFBデータの作成をしなければなりません。しかし、経費精算システムがあれば銀行への振り込みに必要なFBデータを自動作成できるので、経理担当者はFBデータ作成業務から解放されます。
また、FBデータはインターネットバンキングで利用できるため、振込業務も劇的に効率化するでしょう。
2-5.申請の不備にも対応しやすい
経費精算は申請に不備があると差戻をする必要があり、二度手間になります。その点、経費精算システムを導入すれば申請催促や差し戻し、訂正もスムーズです。経費精算システムには通知機能があり必要に応じて申請者に作業を促せるため、差戻をしてもスムーズに対応してもらえるでしょう。
また、経費精算システムを導入すれば申請時の工数削減もできるため、申請業務にも余裕が生まれ、打ち間違いなどの人的ミスも減ることが期待できます。
2-6.不正の防止
経費精算システムは不正の防止にも役立ちます。経費申請を手作業で行う場合、不正な申請があったとしても膨大な量の申請があった場合気づかずに精算してしまうこともあるでしょう。また、不正とまでいかなくとも申請に不備が出やすくなるため、正確な処理には多大な労力を必要とします。
その点、経費精算システムを導入すれば申請をリアルタイムで把握できるので、不明瞭なものは即座に当人へ確認が取ることが可能です。導入するシステムによっては、より正確な承認作業をサポートしてくれることも。経理業務の効率化に加え、コンプライアンスを強化したい企業にもおすすめです。
3.生産性の向上で会社の利益につながる
経費精算システムは申請者・管理者、経理担当者だけでなく、会社の利益にもつながります。経費精算システムの導入で会社にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
3-1.コスト削減できる
経費精算業務は申請者・承認者、経理担当者のいずれにも負担のかかる作業です。
申請業務を紙ベースで行う場合は外出先での作業はできないため、作業のためだけに出社しなければなりません。お金を扱うため確認を何度も行うなど時間も労力も必要になるでしょう。しかし、経費精算業務自体は会社の本業に直接関わる業務ではないため、時間がかかるほど本来の業務にリソースを割くことができなくなってしまいます。
適切な経費精算システムを導入できれば、経費精算の負担は大幅に削減できるため、それだけ本業に力を入れられる=生産性の向上が見込めるでしょう。また、大幅な業務効率化によるコスト削減も叶います。
3-2.複数拠点のデータも統合できる
複数拠点を持つ会社の場合、経費精算を紙ベースで行うと経費清算書や領収書を郵送しなければならず、管理に膨大な手間がかかります。
経費精算システムを導入すれば複数拠点を持つ会社でも、データはリアルタイムで共有されるため、情報を本社で一元管理することが可能になるでしょう。領収書の郵送は不要、入力業務なども全て自動化されるので、全社的に経費精算業務が効率化されます。
経費精算システム導入時のデメリット
経費精算システムを導入すると、申請者・承認者、経理担当者、そして会社にとっても多くのメリットがあることがお分かり頂けたと思います。
しかし、経費精算システムの導入は良いことばかりではなくいくつかの注意点もあります。実際に導入する際は、デメリットを把握した上で、社内の環境や風潮を考え導入することが大切です。
次は経費精算システムのデメリットについて解説をします。
社員が変化に対応できないケースも
経費精算システムは業務効率化に役立つツールですが、紙文書での申請に慣れている場合は導入時に混乱が生じる可能性はあります。
システムの利用に慣れない社員は存在するため、導入時の社内教育をしないまま曖昧に導入しようとすると、結果的に紙とシステム両方の経費精算が生まれ複雑化する可能性もあります。その場合、却って不効率になるため、システム導入時にはスムーズな定着のための施策を練る必要があるでしょう。
完全にはシステム化できない
経費精算システムを導入しても、全てが完全自動化とはいかず一部手作業による入力も必要になる可能性があります。そのためシステムの操作性は非常に重要です。「利用者のストレスが発生しない操作性」ということをポイントに選定するとよいでしょう。
操作性のチェックは導入前に実際に使ってみるのが一番確実です。経費精算システムの多くはトライアルサービスを実施しているので、気になる製品がある場合は積極的にトライアルを利用することをおすすめします。
コストが発生する
経費精算システムに限らず新しいシステムを導入にはコストがかかります。
経費精算システムの料金体系は、無料のものから高価なものまでさまざまです。一般的にリーズナブルなものは機能はシンプルで、利用料金に比例して利用者可能なID数、機能数も上がります。提供しているサービスは運営会社によって異なるため、必要な機能を見極めた上で費用対効果の高いシステムを導入するようにしましょう。
経費精算システムの費用相場を知りたい方は経費精算システムの平均費用と料金相場をご覧ください。
社内エンジニアとの仕様確認が発生
経費精算システムは社内システムとの連携も重要なポイントとなるため、導入の際に社内エンジニアとの仕様確認をする必要があります。
確認の結果、自社の会計システムと連携できないという結果になれば導入見送りとなってしまうことも。また、セキュリティ面での不安要素や機能不足などを防止するにはIT部門との綿密な確認が求められます。自社と相性が良さそうと思っても、連携でNGが出れば導入には至りません。一定の制約がでる点はデメリットと言えるでしょう。
経費精算システムの導入にはメリットとデメリットの両方があることをご説明しました。
メリットデメリットはそれぞれありますが、大切なのは自社と導入システムのマッチングです。
どんなに良い製品でも自社ニーズとミスマッチなら失敗に終わるので、導入前には十分なリサーチをする必要があります。また、実際の導入企業の事例も参考にしてください。
次は経費精算システムの導入をお考えの方に向けて実際の導入事例を紹介します。システムを導入をした会社ではどのような変化があったのでしょうか?
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経費精算システムの導入事例
経費精算システムの導入事例を3社ご紹介します。
A社
経費精算システムの導入で業務効率化に成功した事例です。
A社では従来、経費申請を全て紙文書で処理しており、毎月数百枚に及ぶ書類のデータを全て手入力していたそうです。多い時には2日がかりで2~3名で処理するなど、伝票処理の効率化が課題でした。
課題解決のために経費精算システムの導入を決定。経費申請に係る作業をほぼ自動化できること、紙文書を全て電子化できることが導入の決め手です。導入後は入力作業の負担がなくなったことに加え、申請の手間、伝票の紛失などもなくなりました。また交通系ICカードとの連携により交通費の精算も効率的に行えるようになったそうです。経理全体としてみても業務負担減、業務効率化を達成できたのは経営上も大きなメリットと言えるでしょう。
経費精算の自動化により入力にかかる作業時間が大幅削減できたことにより、本業に係る業務にリソースを割けるようになったのも経費精算システム導入の大きな成果です。
B社
経費精算システムの導入で旅費・交通費精算の負担が解消した事例を紹介します。
B社では当初自社開発をした経費精算ツールを利用していました。社員は経費を申請用紙に記入をして各自会計ソフトにデータを入力したのち、経理に清算書類と会計伝票を提出していたそうです。そのため、申請者は記入印刷、経理は確認作業と入力業務が必須で多くの手間が発生していました。
経費精算に関わる一連の負担を解消すべく、自社開発したシステムから新たな経費精算システムへの変更を検討。システム選定に当たっては出張業務が多い会社のため、旅費・出張費等の精算業務がスムーズに行えることが必須条件でした。B社では海外出張も多く、外貨清算を各自計算をしていたためミスが多発。大きな課題となっていました。
新たに導入した経費精算システムにはレート自動計算機能があり、各通貨のレート情報をマスタに登録しておけば自動計算が完了。各自計算をする必要がなくなりました。導入後は旅費精算も楽に行えるようになったそうです。
C社
経費精算システムの導入により複数拠点の精算業務を一元管理できるようになった事例です。
C社は全国各地に事業所を置く会社で、各支店に小口現金を置き、申請業務は社員各自がExcelの申請フォームに記載、領収書を貼った経費清算書を本社に郵送していました。本社では更にシートに記入をして内容をチェックする方式をとっていたため、非常に手間のかかる方法で処理をしていたのです。経費精算にかかる作業負担は大きく改善の必要性がありました。
そうした流れの中で経費精算システムの導入を検討。システム選定にあたっては複数拠点の経費精算を本社で一元管理できることが条件でした。実際に導入した製品は要件を満たすもので、導入後は全社的に経費精算のフローを大幅に改善できたそうです。
Excelによる申請は廃止。拠点別、項目別の費用集計を自動算出できるようになったことから現金出納も廃止しました。また、紙文書で申請をしていたときは承認フローがどこで止まっているか分かりませんでしたが、今は承認の進捗状況も見える化され対応漏れなやミスもなくなったそうです。システム導入により経費精算業務は大幅に効率化。申請者・承認者・経理担当者全てにとって大きなメリットがあったと感じているそうです。
経費精算システムの選び方
ここまで経費精算システムがどれほど業務の効率化に役立つのか解説してきましたが、経費精算システムを導入する際はどのように選ぶべきなのでしょうか。
必要な機能は揃っているか
経費精算システムを選ぶ際には、必要な機能が揃っているかどうかをきちんと確認しましょう。
経費精算システムと一口に言っても、さまざまな種類がリリースされています。利用できる機能も多様で、経費申請・承認機能はもちろんのこと、交通費のルート検索や証憑類の出力、経費データの分析など、システムによっていろいろな機能が用意されています。
どのような機能を求めているのか前もって整理し、必要な機能のそろったものを導入してください。
導入形態は自社に合っているか
経費精算システムを導入する際には、導入形態が自社にマッチしているのかどうかも非常に重要なポイントです。
経費精算システムには、インターネットに接続できればいつでも利用可能なクラウド型と、セキュリティ面やカスタマイズ性に優れたオンプレミス型の2つの導入形態があります。費用を抑えながらも利用したい場合にはクラウド型がおすすめですが、運用リソースを十分に割ける、コスト面も問題ないという場合にはオンプレミスもおすすめでしょう。
外部システムとも連携できるか
経費精算システムを選定する際には、外部システムとも柔軟に連携できるものを選んでおくことが重要です。
例えば、会計システムと連携できる場合、経理業務の大幅な効率化につながるでしょう。
経費精算システムの中には、API連携によって気軽にデータを連携させることのできるものも少なくありません。データ連携でさらなる業務効率化を叶えたい場合は、どのようなシステムと連携できるのかをチェックしておきましょう。
サポート体制は整っているか
経費精算システムを選ぶにあたっては、サポート体制が整っているのかどうかも重要なポイントです。
初めての導入で操作方法に慣れておらず、相談したいことがたくさんあるという状況において、カスタマーサポートへとすぐに連絡できないのは非常に不便です。また、何かしらのトラブルが発生してしまった場合にも、早急に対応してもらえなければ不安でしょう。
万が一の場合でも気軽に相談できるように、電話やチャット、メールなどさまざまなサポートが用意されたシステムを選ぶことをおすすめします。
これまでの導入実績は豊富か
経費精算システムに限った話ではありませんが、これまでの導入実績が豊富かどうかも非常に重要なポイントです。
多くの企業が導入しているということは、それほど信頼に値するということ。導入実績数のみならず、導入後の継続率までチェックしておけば、安心して使い続けられる経費精算システムなのかどうかがわかるでしょう。
また、どういった業界で導入実績が多いのか、どの規模感の企業で導入されているのかなどもあわせて確認しておくとなお安心です。
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経費精算システムを導入して効果を実感しよう
いかがでしたか。経費精算システムのメリット・デメリット、導入事例について紹介しました。
経費精算システムを導入すると経費申請から承認までのフローをほぼ自動化できます。申請者・承認者は外出先からでも作業可、自動計算によりミスは解消されるため、経理担当者の負担は大幅に軽減されるでしょう。実際に導入後は経費精算業務にかかる時間を9割削減できた企業もあるほどです。業務効率化を目指す会社にとってはなくてはならないシステムでしょう。
経費精算システムは非常に便利なツールですが、導入成功の秘訣はシステム選びにかかっています。
どのような経費精算システムがあるか知りたい!という方は、こちらの記事を参考にしてください。



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