グループウェアとは?概要や機能、メリット&デメリットを徹底解説!
業種・規模を問わず、多くの企業に利用されているグループウェア。このページではグループウェアの導入を検討している方に向けて、グループウェアの概要や主要な機能、メリット・デメリットについてまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
- 1. グループウェアとは?
- 2. グループウェアの主な機能
- 3. グループウェア導入のメリット
- 4. グループウェア導入の注意点
- 5. グループウェアと併せて知っておきたい業務用システム
- 6. まとめ
1. グループウェアとは?
グループウェアとは、チームで取り組む仕事を手助けするツールです。詳しくは2章で解説しますが、カレンダーや社内SNS、ワークフロー、アプリ作成といった機能がパッケージ化されています。社員同士がスケジュールを共有したり、リアルタイムにコミュニケーションをとったり。あるいは、予算や休暇を申請したり、自社オリジナルの業務ツールを開発したり、さまざまな使い方ができます。
現在ではサーバーを必要としない、クラウド型が主流。約1,050億円と言われるグループウェア全体の市場規模のうち、約85%をクラウド型が占めています。あわせてデバイスの進化が進むなか、多くのグループウェアがスマートフォンとタブレットに標準対応しています。
グループウェアの導入による成功事例も非常に多く、ある染物メーカーではサイボウズのグループウェア「kintone」を導入。顧客台帳や受注管理のフローをアプリ化したところ、情報共有の効率が飛躍的にアップ。チーム同士の連携が高まって残業時間が大幅に削減された一方、過去最高の売り上げを記録しました。
2. グループウェアの主な機能
ここからはグループウェアに搭載されている一般的な機能について、個別に紹介していきます。
2-1. カレンダー
社員それぞれのスケジュールを曜日・時間帯ごとにカレンダ―形式で表示。1つの画面でまとめて確認することができます。
次のスケジュールを知らせるアラート機能のほか、グループウェアの種類によっては、ドラッグ&ドロップの操作だけで予定をスライドすることが可能。スケジュールに対して、関係者からのコメントを付けられるものもあります。基本的にブラウザ上で利用できるので、従来の「Outlook」のように都度スケジューラーを開く必要はありません。
2-2. チャット
業務連絡やタスクに対する評価・フィードバックなど、社員同士でリアルタイムに情報交換できます。LINEやFacebookメッセンジャーのビジネス版、と考えるとわかりやすいかもしれません。外出の多い営業スタッフや店舗の接客スタッフとの連絡手段として、活用している企業も多いようです。
2-3. ワークフロー
予算や有給休暇の取得、備品購入などに伴う申請・承認プロセスをwebブラウザ上でまとめて管理できる機能です。チームリーダー→マネージャー→事業部長といったように、あらかじめて承認フローを設定しておきましょう。実際の承認が完了すると、申請者のもとに通知が届きます。
2-4. 共有ストレージ
こちらもほとんどのグループウェアに標準搭載されている主要機能の1つ。web上のストレージに画像ファイルや営業資料などをアップロードし、他の社員と共有することができます。
容量については、各社さまざまです。たとえばストレージの使いやすさに定評があるMicrosoft「Office 365」の場合、社員1人あたり1TBをアサイン。デジカメで撮影した高精細な画像も、数万枚保存することが可能です。
2-5. エンタープライズブックマーク
特定のwebページをブックマークとして保存し、他の社員に共有することができます。通常のブックマークと違うのは、保存する形態・形式を任意に選べること。
たとえばビジネス系サイトの記事の場合、広告やバナーといった不要な部分を取り除いた簡易版としてアップ。また全体をスクリーンショットとして、保存することができます。スクリーンショットとして保存した場合は、コメントや図形を追加することも可能です。
2-6. 掲示板
全社的な業務連絡や社内イベントの案内など、さまざまな使い方ができます。キーワード検索ができるのもの多く、総務や人事への問い合わせに対するFAQ集として活用している企業も多いようです。
2-7. 名刺管理
顧客の名刺をスキャニングし、クラウド上で保存・共有できる機能です。営業の機会損失の軽減に、役立ちます。
2-8. 勤怠管理
専用のアプリに出退勤時間を打刻し、CSVファイルなどでエクスポート・集計することが可能。グループウェアによっては、休暇申請のワークフローや日報など他の機能と連携するものもあります。
2-9. 電子会議
ビデオ通話機能を使って、遠隔地の拠点とリアルタイムにやりとりができます。多店舗を展開している企業や海外進出している企業にとっては、非常に便利な機能です。
2-10. 顧客管理
一部のグループウェアには、後述するCRMに近い顧客管理機能を備えたものもあります。たとえばサイボウズ「kintone」の場合、会社名、担当者名、メールアドレスといった顧客情報をあらかじめ登録。キーワードや地域などの条件に合わせて抽出し、CSV形式の営業リストをスピーディに作成できます。
3. グループウェア導入のメリット
続いて、グループウェアを導入する具体的なメリットとデメリットについてご紹介します。まずはメリットから。3つにまとめてみました。
3-1. 社員同士のコミュニケーションが活発になる
メールの場合、受信ボックスの中で埋もれてしまったり、返信をし忘れてしまったりすることがあります。グループウェアに付いているチャットや社内SNSを利用すれば、リアルタイムにコミュニケーションが可能です。
3-2. 情報共有しやすくなる
多くのグループウェアに標準搭載されているクラウドストレージを使えば、PowerPointの資料や画像のやりとりも自由自在。
なかには、ストレージの容量が限られるグループウェアもあります。それでもメール添付や紙の受け渡しに比べると情報共有のスピードは飛躍的にアップ。前述の染物メーカーのように売り上げ・収益の拡大につながることも、少なくありません。
3-3. 申請・承認のフローを標準化できる
予算や備品の申請・承認方法は、事業部や拠点によって異なります。人事異動のたびに混乱が生じてしまう企業は、決して少なくないようです。グループウェアのワークフロー機能を利用すれば全社共通の申請・承認プロセスが固められ、ストレスが生じることもありません。
4. グループウェア導入の注意点
続いて、グループウェア導入の注意点について。2つに分けてご紹介します。
4-1. 年間コストがかかる
一般的なグループウェアの料金相場は1ユーザーあたり月額600円~800円ほど。近年主流のクラウド型ならサーバー代などの初期費用はかかりません。これだけ見ると、安価にも思えるでしょう。仮に従業員1,000名の企業の場合、年額に換算すれば700万以上のコストがかかります。
グループウェア1つで、さまざまな業務ニーズに対応できます。ただ法人向けのチャットアプリや名刺管理ソフトを単体で導入する場合と比べると、出費がかさむのは避けられません。
4-2. 一時的に生産性が低下することも……
グループウェアを導入するということは、社員同士の連絡手段や情報共有の仕組みを横断的に変えるということです。クラウドサービスに不慣れな年配の社員が多い企業などの場合、使いこなすまでに時間がかかり、一時的に生産性がダウンしてしまうこともあるようです。
5. グループウェアと併せて知っておきたい業務用システム
自社に合うグループウェアを導入するためには、他の業務用システムとの違いをしっかり理解しておくのも大切なポイントです。最後にグループウェアとSFA(営業支援システム)、CRM(顧客管理システム)の違いについて簡単に解説します。
5-1. SFAとは?ーグループウェアとの違い
SFA(Sales Force Automation=営業支援システム)とは、名前の通り、売り上げや収益を最大化するためのツールです。
グループウェアと同様のスケジュール管理機能や、情報共有のためのストレージが付いているSFAは多いものの、それらはあくまで営業アプローチを支援するための補助的な機能。システムとしての主眼は、売り上げ目標の進捗管理、クロージングまでのフェーズ管理、営業スタッフのスキルアップ支援といったところに置かれています。
仮に社員同士のコミュニケーション向上を目的に「Salesforce」をはじめとするSFAを導入しても、そうした一連の機能を使う機会がないことがあります。つまり、無駄なコストだけが上積みされてしますのです。グループウェアを社内での業務改善のための「内向き」のツールとすれば、SFAは完全に「外向き」のツールと言えるでしょう。
5-2. CRMとは?ーグループウェアとの違い
CRM(Customer Relationship Management=顧客管理システム)も、グループウェアと混同されがちな業務用システムの1つです。
実際のところ、CRMの領域をカバーする機能を持ったグループウェアも多く、明確な線引きが難しい部分もあります。社内SNSや社員専用のオンラインストレージは、グループウェアがドメスティックな業務改善に主眼を置いて開発されています。それに対し、CRMは顧客管理に特化して作られています。
たとえば多くのCRMには、会社名や対応履歴といった顧客情報の管理機能に加えて、見込み顧客へのメール配信、セミナーやイベントの告知、アンケートの配信・自動集計といった機能を搭載。それらを組み合わせることで、セールスの下地を作ることが可能です。
そういった点でグループウェアに比べると、やはり「外向き」のツールです。業務フローの改善や社内環境の整備を目的とするなら、グループウェアの方に分があるでしょう。
6. まとめ
いかがだったでしょうか。
カレンダーやチャット、ワークフローなど豊富な機能がパッケージ化。さまざまな業務課題を解決できるグループウェアです。
その一方で、年間コストは決して安くはなく、社員のリテラシー次第では一時的に生産性がダウンしてしまうこともあります。導入する際には、中長期的な視点で慎重に検討するようにしましょう。5章で紹介したSFAやCRMとの違いについても、留意しておきたいところです。
また、こちらの記事ではアイミツが特におすすめするグループウェア5選も紹介。あわせて参考にしてみてください。
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