グループウェアのメリット・デメリットまとめ
今や企業活動に不可欠なITツールであるグループウェア。導入をすれば情報共有がスムーズになり、業務効率も飛躍的に向上します。しかし、導入に際してはいくつか気を付けるべき点もあります。今回はこれからグループウェアの導入をお考えの方に向けて、グループウェアのメリット・デメリットを解説していきます。
- グループウェアのメリット
- グループウェアのデメリット
- オンプレミス型とクラウド型の違い
- グループウェア導入の成功事例
- グループウェアの導入前に確認すべきポイント
- グループウェアで業務効率化を目指そう
グループウェアのメリット
企業内で複数のメンバーと仕事をする際、情報共有は非常に重要なポイントです。気心の知れた仲間内でも意思疎通を怠るとプロジェクトは失敗に終わります。仕事を円滑に進めるためにも効率の良い情報共有手段は不可欠であり、その課題を解決できるのがグループウェアです。
グループウェアを導入するとスケジュール、設備予約、掲示板、チャット、ワークフロー、文書管理、TO DOリストなどを一元管理できます。そのほか電子会議室でメンバー同士自由な意見交換も可能です。グループウェアの機能は実に多彩で、さまざまな角度から意思疎通と協同をサポートします。
グループウェアの導入により解決できる課題、メリットについて以降で詳しく紹介します。
スムーズな情報共有
グループウェアを導入すると情報共有はスムーズになります。グループウェアの機能は製品ごとに異なりますが、多くの製品には掲示板やチャット機能・メッセージ機能が搭載されています。情報共有のシステムは充実しているため、システム導入により全社的な情報共有インフラを簡単に作れます。
紙媒体やメール等を使った従来型の情報共有方法だと全社に伝わるまでに時間がかかりますが、グループウェアの導入によりロスタイムを解消できます。また、必要な情報をナレッジとしてグループウェア上に保存しておけるため、確実に情報を届けられるでしょう。
ペーパーレス化が進む
グループウェアの導入によりペーパレス化が実現します。グループウェアにはさまざまな便利機能があり、情報伝達・閲覧の全てをオンライン上で完結可能です。オフィス業務は何かと紙文書が多く、依然ペーパレス化には高い壁があります。紙文書でのやりとりは時間も手間もかかりますが、グループウェアを導入すれば問題は一挙解決します。また、オンライン化をすることで情報共有が一層手軽になるでしょう。
マルチデバイス対応
グループウェアはマルチデバイス対応のため、外出先からの情報閲覧、作業が可能です。情報を全て社内管理していると外出先での情報へのアクセスは不可能です。社員は情報を確認したり、必要な作業をするためだけに出社をしなければならず、業務効率を下げる一因となります。
しかし、グループウェアを導入すれば、外出中や出張中のメンバーと情報の確認と共有が簡単に行えます。オンライン下であれば外出先から作業もできるので、隙間時間の活用も可能です。余剰時間は他の業務に当たれるので確実に業務効率は向上します。
スピーディな承認フローを構築
グループウェアは承認作業の迅速化にも役立ちます。企業では経費や休暇など各種申請・承認業務がありますが、申請がペーパーだと社内での決裁が不可欠です。その点、ワークフロー機能を持つグループウェアを導入すれば承認作業は全てオンライン化、承認者が社外でも申請・承認作業は完了します。
また申請があれば承認者に通知がいくので未承認のまま滞ることもありません。各種申請の承認フローをスピーディにしたい方には最適でしょう。複雑な承認フローも簡略化できるため、やりとりが往復するトラブルなど無駄が減るのも大きなメリットです。
コミュニケーション不足の解消
グループウェアはコミュニケーション不足の解消にも役立ちます。グループウェアにはチャット機能があり、社員間で気軽にやり取りができる仕様になっています。絵文字など親しみやすさを演出できる機能も付帯しており、メンバー間のコミュニケーション不足の解消を目指すには最適です。また、web会議機能もある製品を選べば、場所を選ばずに会議ができます。ファイル共有機能などもあれば、効率的なコミュニケーションが取れるでしょう。
コスト削減になる
グループウェアの導入により経営コストの削減も可能です。グループウェアはメンバー間の情報共有機能が複数搭載されており、社外にいてもいつでも、どこでもコミュニケーションをとれます。伝達事項も効率よく共有可能です。情報共有のためだけに出社する必要はないのでそれだけ本来業務に時間を割けます。グループウェアの導入には一定のコストはかかりますが、費用対効果の高いグループウェアを導入できると全社的にコストを削減できるでしょう。
情報の共有範囲を指定できる
グループウェアはさまざまなセグメントに対する情報共有の機能を備えており、必要な情報を適切なメンバーに対して的確なタイミングで情報を伝えられます。情報の共有範囲を予め指定できるため、特定の人だけと情報共有しなければならないときには重宝します。システム導入により情報を各メンバーに最適な形で素早く伝達・共有が可能となるでしょう。
セキュリティ面の強化
グループウェアは情報共有に際してセキュリティに課題を感じている企業にもおすすめです。グループウェアの各ベンダーはセキュリティ対策にも力を入れており、管理者権限の振り分けやアクセス制限などの機能を搭載。内部のセキュリティを強化したい方、機密情報の管理で情報漏洩リスクが気になる方には最適です。なお、セキュリティに特に力を入れたい場合は導入形態をクラウドではなくオンプレミスにするなど、工夫の余地はさまざまあります。
グループウェアのデメリット
グループウェアには多くのメリットがあることがお分かり頂けたと思いますが、反面、グループウェアにはデメリットも存在するため、導入に際しては相性の良い製品を導入する必要があります。
社内SNSと区別が必要
既に社内SNSを使っている場合は、グループウェアの導入に際して何らかの区別が必要です。グループウェアではチャットや掲示板などを設定する際、管理者の許可を得なければなりません。グループウェアの主な役割は情報伝達・共有であるのに対し、社内SNSはコミュニケーション活性化にあります。高いコミュニケーション性を求めるのであれば社内SNSツールの方が適しています。同時並行して利用をする場合は境界線が曖昧だと非効率になる恐れがあるので注意が必要です。
コスト面の懸念
グループウェアに限らず、新しい業務ツールの導入にはコストがかかります。これまで必要なかった費用が発生するという点ではデメリットと言えるでしょう。しかし、グループウェアの導入により業務効率化すれば全体としてのコストは下がるため、額面だけで判断せず費用対効果を考えて導入する必要があります。グループウェアの料金体系はベンダーによってさまざまです。実際にコストが気になる方は、以下の記事で相場をご覧ください。
社内に定着しない可能性
新しいシステムを導入する際は、如何にスムーズに定着をさせるかが勝負です。相性の悪いグループウェアを導入すると、定着しない可能性もあるため、導入に際しては内容を慎重に検討する必要があります。
検討の際は社員のリテラシーと機能のバランスは取れているかをチェックします。システムに不慣れな社員が多い会社に多機能かつ複雑なツールを入れると定着は困難です。また、業務を行う上でシステム連携に障害はないかも要確認です。操作性、連携に問題がないと判断できれば導入の候補に入れてください。
ここまで、グループウェアのメリットとデメリットについて見てきました。
グループウェア導入のメリットを得るには、自社に合う製品を選ぶ必要があり、内容の見極めが大切です。ミスマッチの製品を選ぶとせっかく導入をしても定着しない可能性があるため、製品選びは重要なポイントとなります。
次はグループウェアの導入形態について解説をします。
オンプレミス型とクラウド型の違い
グループウェアの導入形態はオンプレミスとクラウドがあります。現在ベンダーからリリースされている製品はクラウド型が多数を占めますが、自社に合う導入形態のものを選ぶことが肝心です。
ここではオンプレミスとクラウドのそれぞれの特徴、メリット・デメリットを紹介します。
オンプレミスのメリット・デメリット
オンプレミス型のグループウェアのメリット・デメリットは次の通りです。
<メリット>
オンプレミス型は自社内でシステムを構築するため、オリジナルのカスタマイズが可能です。自社仕様で利用をしたいという場合にはオンプレミスが便利です。また、自社管理でセキュリティ対策ができるので、クラウド型では不安という方にも適しています。オンプレミス型はシステムを自社構築するため、初期費用こそかかりますが、長く使用すればクラウドよりコストが安くなる場合もあります。そのため、システム導入に際して初期費用を投じれる体力がある場合は、長期的なランニングコストを視野にオンプレミス型も選択肢に入れることをおすすめします。
<デメリット>
オンプレミス型は自社でシステム構築をするため、初期費用は高額となります。また、クラウド型の様に月額利用料はかかりませんが、サーバの運用工数やコストが発生するため、保守・メンテナンスに一定の費用は必要です。そのほか、アップデートも全て自社対応となるため、管理に手間がかかる点もデメリットと言えるでしょう。
クラウドのメリット・デメリット
クラウド型のデメリット・デメリットは次の通りです。
<メリット>
クラウド型はベンダーがシステムを提供するため、自社でシステム構築をする必要がありません。そのため、導入に際しての初期費用は安く、短期間での導入が可能です。また、クラウドシステムのため、インターネット環境があればどこでも利用は可能です。PCやスマホ・タブレットなど複数のデバイスで使用できるので、外出先からアクセスする場合は重宝します。また、アップデートはベンダー側が行うので、常に最新の機能が使用できます。利用を継続していけば機能追加の期待もできます。
<デメリット>
クラウド型はベンダーがシステムを提供するためカスタマイズは不可あるいは限定的な設計しかできません。また、セキュリティ体制の構築はベンダーに依存するため、機密情報を扱う場合にはセキュリティレベルの確認が必要です。多くの場合は月額料金かつ従量課金制のため、従業員が多い企業ではオンプレミス型よりトータルコストが高くなる場合もあります。
どちらを導入すべきか
オンプレミス型、クラウド型どちらも一長一短ありますが、最近はクラウド型の導入が一般的です。
クラウド型がおすすめなのは以下に当てはまる企業です。
・初期費用を抑えたい
・従業員数は小規模
・社外からでも使えるグループウェアを探している
・複雑なカスタマイズは不要
・メンテナンスを外部に任せたい
上記に当てはまらない場合にはにはオンプレミスがおすすめです。導入形態で迷ったときはぜひ参考にしてください。
グループウェア導入の成功事例
ここからは、実際にグループウェアを導入した企業の導入事例について紹介をします。各社グループウェアを導入後にどのような変化があったのでしょうか?
A社
グループウェアの導入によりデータを統合管理できるようになったグランドデュークス株式会社の事例をご紹介します。
グループウェア導入以前は社内に複数のシステムが混在し、データがバラバラになっていました。この情報はAシステムにログインをして確認し、別の情報はBシステムにログインをしてチェックをするといった状況で業務を進めており、社内運用に合っていないシステムを使うことは非効率であると感じていました。
そんな中、既存のシステムが老朽化したこともあり、新しいシステムの導入が検討されました。新しいシステムはバラバラになっていたデータ統合ができるグループウェアを導入することに決定。新たに選んだ製品の「WaWaOffice」はリアルタイムで情報更新できるため、それも導入の決め手となりました。
ワークフローシステム導入後はバラバラだったデータの統合が可能になり、まとまったデータから各種分析もできるようになりました。集約した情報がそのまま顧客のデータベースとなり、事業発展にも大いに役立っています。
B社
グループウェアの導入により情報を探す時間の短縮に成功したHENNGE株式会社の例をご紹介します。
かねてより、業務を効率的に進めていくには情報を適切に管理することが大切であると考えていました。従来、社内コミュニケーションツールとしてチャットを活用しており、コミュニケーションスピードと言う点では非常に役立っていました。しかし、チャットツールは時間が経つと情報が流れて行ってしまうため、重要情報を確認するのに時間がかかるという問題点を抱えていました。
そうした状況を改善すべく、グループウェアを導入することになりました。選んだ製品の「Qast」は情報を溜められるため、必要な情報をすぐに探し出せることが選定の決め手となりました。すぐに始められてスモールスタートが可能である点にも魅力を感じました。また、サポート体制も充実しており、長期利用に適していると感じたことも導入を後押ししました。導入後は重要情報へのリーチがスピーディーかつ容易になりました。情報検索に時間がかからなくなった分、業務効率化につながっています。
C社
グループウェアの導入により社員間の情報共有活性化を実現した株式会社ガッツ・ジャパンの事例をを紹介します。
グループウェア導入以前は情報共有基盤が統一されておらず、メールサービス、旧式のグループウェア、クラウドストレージなど複数のシステムで情報を管理していました。各システムを利用する際にはそれぞれアプリケーションを起動させる必要があり情報アクセス・共有は不便さを感じていたのです。そんな中、できればバラバラのシステムを一つのサービスに集約し、ID・パスワードの管理も1つで済むようにしたいという要望があり、新システムの導入が検討されました。
導入に際しての条件は既存のシステムとの連携ができることで、その観点からシステム選定を始めました。新たに導入したグループウェアの「 rakumo for G Suite」は外部機能との連携が秀逸で、システム導入後は情報共有基盤がシンプルな形で構築できました。可能であれば他のシステムとの統合も今後検討したいと考えています。
グループウェアの導入前に確認すべきポイント
グループウェアを導入すると業務効率は向上します。実際の導入企業の様子を見ると、高い効果をあげていることが分かります。最後に、実際にグループウェアを導入する際、事前に確認すべきポイントについてお伝えします。
コストと機能のバランスはとれているか
グループウェアの導入に際しては一定の費用がかかります。そのため、コストと機能のバランスについては検討が必要です。
・クラウド型が安いと決めつけない
現在、グループウェアはクラウド型が主流で利用料も手ごろですが、月額課金&従量課金制のため長期利用をした場合はランニングコストが高くなる恐れがあります。また、利用者が多い場合はコストがかさむ恐れがあります。そのため、クラウド型が安いと決めつけず、長期的な視点でコストを長期的な目線でコストを概算することをおすすめします。
・複雑な機能を求めすぎない
グループウェアは搭載している機能が多いほどコストはかかります。機能は多ければ良いと言う訳ではなく、自社に必要な機能が揃っていれば良いので、本当に必要な機能が何かを見極める必要があります。機能数が絞られればそれだけコストダウンにつながるでしょう。
自社の求める要件を満たしているか
グループウェアの選定に際しては自社の求める要件を満たしているかも要チェックです。
・社員のリテラシー水準に合うものを選ぶ
グループウェアは社員のリテラシー水準に合わないものを導入すると抵抗感を持たれてしまい、スムーズな導入が妨げられます。定着率を高めるにはマニュアルを見なくてもぱっと見で操作できるものを選ぶのがベストです。
・セキュリティ面の要件
グループウェアはキュリティ面の要件も要確認です。特に機密情報のやり取りに使う場合は堅牢なセキュリティ体制を構築している製品を選ぶようにしてください。
・カスタマイズ性の要件
グループウェアを自社仕様で使いたい、既存のシステムとの連携をしたいという場合はカスタマイズ性も重要です。柔軟なシステム構築がマストの場合はオンプレミス型がおすすめです。
サポートは充実しているか
グループウェアはサポート体制も重要な要素です。特にクラウド型の製品を導入する場合はベンダーの体制を確認する必要があります。その際、以下の3つの点をチェックしておきましょう。
・トライアルの有無
グループウェアは実際に使ってみないと自社に合うかどうかの最終判断はできません。そのため、トライアルの有無は必ず確認するようにしてください。実際に使ってみて操作性に問題がない、社内のリテラシーの水準に見合っているものであれば本格導入の候補になります。
・導入・運用のサポート
グループウェアのサポート体制を確認するには実際に使ってみて、本番さながらに問い合わせをして対応を確認するのがベストです。トラブルの際の窓口対応、スピード感、丁寧さなどは重要な要素です。トライアルの機会にぜひまとめてチェックをしておいてください。
定着に向けて準備しているか
グループウェアはせっかく導入をしても使われなければ意味がありません。そのため、導入に際しては定着に向けての準備も大切です。
・運用ルールやマニュアルの作成
グループウエアの定着には運用ルールやマニュアルの作成が必要です。運用ルールはできるだけシンプルにするのがベストです。また、マニュアルの作成の際は誰が見ても分かる内容にする必要があります。
・社員の教育など
グループウェアの導入の成否は社員教育にかかっています。社員教育が上手くいけばスムーズな導入が実現できるでしょう。また、研修を何度も重ねないと利用できないような複雑なシステムは定着しにくいため、できるだけ直感的に利用できるような製品を選ぶことも大切です。
グループウェアで業務効率化を目指そう
いかがでしたか。グループウェアのメリット・デメリットに関する特集は以上です。
グループウェアの導入にはさまざまなメリットがあります。情報共有に課題を抱えている方、ペーパレス化に課題を抱えている方はぜひグループウェアの導入を検討してみてください。どんなに評判の良い製品でも自社に合うかどうかは実際に使ってみないと分からなないため、トライアルの機会はできるだけ利用することをおすすめします。
また、相性の良いグループウェアを見つけるためには比較が大切です。「実際にどんなグループウェアがあるか知りたい!」と言う方は以下の記事を参考にしてください。
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