テレワークの課題を解決するワークフローシステムとは?
近年、働き方改革に取り組む企業が増加しています。改革の一環として、テレワークを導入している企業も少なくありません。しかし、テレワークを導入する際に、業務フローの見直しが必要になるケースや、申請・承認業務が課題になる可能性もあります。
そこでおすすめなのが、ワークフローシステムの活用です。ワークフローシステムを導入すれば、テレワークでも円滑に申請・承認業務を進められるでしょう。本記事では、ワークフローシステムの導入を検討している方のために、システムを利用するメリットや製品の選び方を解説していきます。ぜひご覧ください。
- 働き方改革に必要とされるテレワーク
- テレワーク導入のメリット
- テレワークの課題
- テレワークの課題を解決するワークフローシステムとは?
- テレワークでワークフローシステムを導入するメリット
- ワークフローシステムを選ぶ際のポイント
- テレワークにもおすすめなワークフローシステム5選
- まとめ:テレワークに活用できるワークフローシステムを見つけよう
働き方改革に必要とされるテレワーク
近年の日本政府では、労働者がそれぞれの事情に合わせて、柔軟に働けるように働き方改革を推進しています。少子高齢化が進む日本において、今後も労働力・生産力を確保するためには、労働人口や出生率の増加、生産性の向上は避けられない大きな課題です。
そこで、労働人口を増やすために、年齢や性別、居住地にとらわれない柔軟な働き方が求められています。テレワークは働き方改革を推進する上では、もはや不可欠な働き方だと考えられるでしょう。
総務省の調査(https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000662173.pdf 参照)によると、2012年時点でのテレワークの普及率は11.5%でしたが、2019年には20.2%に増加。働き方改革の推進にあわせて、今後もテレワークの普及率は増加すると予測されています。
テレワーク導入のメリット
テレワークを導入するメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 優秀な人材の確保
- 離職率の低減
- 業務効率化
- 非常時への対応
まず、テレワークには、居住地にとらわれずに働けるメリットがあります。企業の所在地によっては、そもそも人口が少なく、人材確保に苦戦するケースもあるでしょう。
その点、テレワークを導入すれば、優秀な人材を確保できる可能性も高まります。働き方の選択肢も増えるため、社員の離職率低減にも期待できるでしょう。
また、Web会議ツールを活用すれば移動時間を削減できる上、外回り営業などの業務効率も向上します。加えて、災害などで社屋が被害を受けた場合も、オンラインで遂行できる業務であれば、仕事を続けられるのもメリットです。
テレワークの課題
メリットの多いテレワークですが、もちろん課題もあります。
申請や稟議の承認を紙ベースで実施している企業では、ハンコをもらうために出社しなければならないケースもあるでしょう。書類に不備があれば、再度出社しなければなりません。出勤が前提の勤務体系では支障がない仕組みでも、テレワークとなると業務効率が低下する可能性があります。テレワークを導入する際には、会社のルールや業務の流れを見直さなければなりません。
また、テレワークではコミュニケーションが課題になることも多いようです。出社して同じ場所で働く場合は、社員同士で頻繁にコミュニケーションを取れますが、テレワークでは顔を合わせる機会が少なくなってしまうのが難点。コミュニケーションの頻度が下がるため、しっかりと情報共有できる仕組みを構築しなければなりません。
テレワークの課題を解決するワークフローシステムとは?
テレワークを導入する場合、紙ベースの仕組みでは限界があります。当然、ワークフローが紙ベースのままでは、申請者・承認者が出社しなければなりません。さらに、複数の承認が必要な場合は、少なくとも1度は承認にかかわる全員が出社する必要があります。
テレワークでスムーズに業務を遂行するためには、オンラインで申請や承認を実施できるツールを導入することが不可欠です。そこで、おすすめなのがワークフローシステムの導入。ワークフローシステムを利用すれば、申請から承認までをオンライン上で完結できます。
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムとは、紙ベースで実施している申請や承認、処理など一連の業務を電子化するシステムです。稟議書や休暇届けなど、用途ごとにあらかじめ用意したフォームに入力するだけで、電子化された申請書を作成できます。
フォームごとに承認経路を設定でき、システム上で承認や差し戻しを行うことも可能です。承認の進捗もリアルタイムで確認できます。もちろん、申請された書類などはデータとしてシステムに保管されるため、管理も容易です。
テレワークでワークフローシステムを導入するメリット
ワークフローシステムを導入すれば、ハンコやサインをもらうために出社する必要がなくなります。紙ベースの管理とは異なり、オンラインで申請・承認できるため、テレワークでも効率的に業務を進められる点が特徴。テレワークを推進する上でも多くのメリットがあります。以下では、ワークフローシステムをテレワークで活用する8つのメリットについて解説しましょう。
業務内容の明確化・システム化が可能
ワークフローシステムを導入すれば、業務フローや承認ルールを明確にできます。各社員の役割や承認の流れなど、承認ルールが定まっていれば、社員が申請する際に混乱することもないでしょう。
また、業務を標準化できるため、社員によって作業の進め方が変わってしまうという心配もありません。テレワーク推進の大きな課題であるハンコ業務から開放されるだけでなく、業務フローをシステム化することで、業務内容の見直しや効率化も実現できます。
申請業務を効率化できる
申請業務を効率化できる点も、ワークフローシステムを導入するメリットです。ワークフローシステムを利用すれば、申請書類をいちから作成する手間や時間を削減できます。
加えて、ワークフローシステムでは申請ルートの確認も簡単です。申請内容ごとに承認フローを設定できるため、誰の承認が必要なのかをいちいち確認する手間も省けます。紙による申請が不要なため、ペーパーレス化を促進できる点も見逃せません。
承認業務を効率化できる
ワークフローシステムを利用すれば、場所や時間にとらわれずに承認作業を実施できます。紙ベースの場合は、承認の進捗を確認するために承認者や担当部署に問い合わせなければなりません。どこで承認が止まっているのか、問い合わせるまでわからないのです。
その点、ワークフローシステムでは承認状況も管理画面から確認できます。承認が滞っている場合は、通知を該当者に送れるなど、便利な機能が搭載されているシステムも少なくありません。
意思決定のスピードUPに効果的
ワークフローシステムを活用すれば、意思決定のスピードも改善できます。いつでもどこでも申請に対応できるため、会社にいなくても承認作業を実施できる点は前述しました。
加えて、承認フローが明確になるため、申請から承認までの一連の業務をスムーズに遂行できる点もメリットです。結果として意思決定のスピードが速くなるため、申請から承認までの期間も短縮されます。見積書などの作成スピードが速くなれば、顧客満足度の向上や機会損失を防止する効果にも期待できるでしょう。
情報の検索が可能
紙の申請書を使用している場合、過去の申請内容を確認するには手作業で書類を探さなければなりません。一方でワークフローシステムでは申請内容をデータとして保存するため、情報も簡単に検索できます。
必要な情報にすぐにアクセスできることによって、幅広い業務の効率化にも効果的。さらに、ワークフローシステムによっては、ほかのシステムとの連携に対応しているケースも多く、蓄積したデータを別の業務に活用できる点もメリットです。
内部統制を強化できる
ワークフローシステムには、内部統制を強化できるというメリットもあります。曖昧だった業務フローを可視化できるため、申請内容が改ざんされるリスクを低減できるのです。申請や承認の履歴も残るため、自社のコンプライアンス強化にも役立つでしょう。
また、ワークフローシステムを導入するとルール違反が難しくなるのもポイント。不正を防止できる体制を整えられるため、取引先や顧客からの信頼向上にも期待できます。
ペーパーレス化を実現できる
ワークフローシステムを導入することによって、紙ベースで実施していた申請・承認業務が電子化されるため、ペーパーレス化を実現できます。紙の書類が不要になれば、保管スペースを用意する必要もありません。
テレワークを導入する場合、申請書類の提出やチェックをどのように実施するのかが課題となるケースが多いですが、ワークフローシステムを利用すれば解決できます。
コスト削減
コストを削減できるのも、ワークフローシステムを導入するメリットです。ペーパーレス化によって、申請書類の印刷費や紙代、保管費用などのコストを削減できます。
さらに、承認業務の工数を削減できるため、担当者の作業時間を削減することも可能。作業時間を短縮できれば、その分、生産性が向上し、残業なども減らせるでしょう。ワークフローシステムを利用することで、人件費を削減できる可能性もあります。
ワークフローシステムを選ぶ際のポイント
ワークフローシステムを選ぶ際は、セキュリティや外部システムとの連携の可否など、事前に確認すべきポイントがあります。ここからは、ワークフローシステムを選ぶ際の5つのポイントについて確認していきましょう。
導入形態はオンプレミス型かクラウド型か
ワークフローシステムには、オンプレミス型とクラウド型の2種類の導入形態があります。オンプレミス型は、自社で管理するサーバー・ネットワークで運用する利用形態です。クラウド型は、ベンダーが用意したサーバーにアクセスすることでワークフローシステムを利用します。オンプレミス型は、データを社内で管理できるのがメリット。一方で、サーバーの管理やバージョンアップの手間を省けるのがクラウド型のメリットです。
自社の業務フローにあっているか確認する
ワークフローシステムを比較する際は、自社の業務フローに合っているかどうかも重要なポイント。自社の業務フローに合わないシステムを導入してしまうと、業務効率を低下させてしまう恐れがあります。
また、ワークフローシステムはカスタマイズに対応できる製品が多いですが、カスタマイズできる範囲はワークフローシステムによって異なるため、導入前にかならず確認しておきましょう。
実際の使い勝手をきちんと確認する
使いやすさもワークフローシステムを選ぶ際の重要なポイントです。ワークフローシステムは使用頻度が高いため、使い勝手の悪い製品を選んでしまうと生産性に影響を及ぼします。そのため、UIがわかりやすく、軽快に動作する使い勝手のよいシステムを選ばなければなりません。
また、テレワークにあわせてワークフローシステムを導入するのであれば、マルチデバイスに対応しているかどうかもチェックしましょう。
ほかのシステムと連携できるか確認する
ワークフローシステムが外部のシステムとも連携できるかどうかを確認しましょう。顧客管理システムや会計システムなど、ほかのシステムとの連携が可能なワークフローシステムであれば、申請以外の業務も効率化できます。
システム同士が連携できれば、手作業をより削減させることが可能です。ワークフローシステムを選ぶ際は、自社で使用している既存のシステムとの連携に対応しているかを確認しておくとよいでしょう。
セキュリティ面に問題がないか確認する
ワークフローシステムを導入する場合、セキュリティにも気をつけなければいけません。システムでは機密性の高い情報を扱う機会も多いため、セキュリティがしっかりしたシステムを選ぶ必要があります。
情報漏えいを防ぐには、社員の作業権限を管理し、アクセスできる情報を制限することが必要。IDごとの権限管理機能や操作ログの検索機能など、セキュリティ関連の機能が備わっているかどうかも確認しておきましょう。
テレワークにもおすすめなワークフローシステム5選
ひと口にワークフローシステムと言っても、さまざまな製品が開発されており、それぞれ操作性や機能に違いがあります。ここでは、テレワークの導入を検討している方におすすめのワークフローシステム5選を紹介します。
ジョブカンワークフローは、DONUTSが提供しているワークフローシステムです。使いやすさを重視しており、ITツールの操作に慣れていない方でも直感的に操作できるUIを採用しています。
パソコンだけでなく、スマホからの申請・承認にも対応しているため、外出中やテレワークでも申請や承認が可能です。ジョブカン勤怠管理やジョブカン採用管理など、ジョブカンシリーズとの連携もスムーズなため、すでに利用している方にはとくにおすすめだと言えます。
- 申請フォーマットの作成機能
- 申請の規定違反のチェック機能
- 申請へのコメント機能
- 申請内容の確認と承認機能
- 一括承認機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- ISMS
- 承認システムのアラーム機能と申請内容の保存、コピー機能にて過去の申請内容を参照して申請が出来る。また、申請が何処で止まっているかわかる為、承認内容の合否確認がクラウド上以外でも出来る。
- 会社で皆が使用しているので特に不満点はありません。新人に教えるときも2週間〜3週間程度でほぼ使いこなせるようになるので問題はないかと思います。
楽々WorkflowII Cloud
楽々WorkflowII Cloudは、住友電工情報システムが提供しているワークフローシステムです。名前のとおりクラウド型のシステムで、Webブラウザから操作できます。ネットに接続できる環境があれば、24時間場所を選ばず利用できるため、テレワークにも対応可能です。
さらに、英語と中国語に対応しており、中国語の申請を日本語で承認するといった使い方にも対応できます。外国人社員もワークフローシステムを利用する企業にはぴったりでしょう。
- 申請フォーマットの作成機能
- 申請の規定違反のチェック機能
- 申請へのコメント機能
- 申請内容の確認と承認機能
- 一括承認機能
- メールサポートあり
- 冗長化
- 通信の暗号化
- シングルサインオン
- オンプレミス(パッケージ)
- 進捗状況が適宜更新されて、差し戻されていても対応内容がわかりやすく記載してもらえるので大変使いやすいと感じます。
- 入力にストレスがなく時短にもなるため良いと感じています。年齢が上の方にはキーパンチが苦手な方もいますが、過去の入力プルダウンがあるので不便はないようです。
rakumo ワークフロー
rakumoワークフローは、rakumoが開発・販売しているワークフローシステムです。電子契約サービス「クラウドサイン」との連携をサポートしているため、外部との契約でも出社する必要はありません。
加えて、自身が承認した申請に関する通知を受け取れるフォロー機能も備わっています。承認後も、イベントが発生するたびにメールやSlackで通知。テレワークでも進捗をリアルタイムで把握することが可能です。
- 申請フォーマットの作成機能
- 申請へのコメント機能
- 申請内容の確認と承認機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- ISMS
- 冗長化
- 通信の暗号化
- シングルサインオン
- UIUXがシンプルかつ分かりやすく、操作性が非常に高い。アップデートやメンテナンスの回数も多くはなく、使用時の影響が少ない。また、メモリ使用容量も少ないため、サクサクと動くため、他のシステムへの負荷もまったくかからず利用できている。
- さまざまな機能があり、使いやすい。
Streamlineは、ミトリが提供するワークフローシステム。電子稟議に強い点に特徴があり、既存のフォーマットをそのままワークフローシステムで利用できます。システム導入後も既存の書式を利用できるため、社員への教育も不要です。ワークフローシステムを導入する際の社員の負担を軽減できます。
また、複雑な承認フローを設定できるため、テレワークでの承認にも柔軟に対応可能。データや通信はすべて暗号化されるので、セキュリティ面も安心です。
- 申請フォーマットの作成機能
- 申請内容の確認と承認機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- ISMS
- 通信の暗号化
- IP制限
- シングルサインオン
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
Create!Webフローは、インフォテックが提供しているワークフローシステムです。目的のフォーマットを選択し、フォームに必要事項を入力するだけで申請が完了します。直感的に操作できる点が最大の特徴です。
業務システムやグループウェアとの連携にも対応しているため、テレワークでも効率的に業務を進められるでしょう。経費申請や勤怠届けはもちろん、人事考課表の提出や承認にも対応できます。
- 申請フォーマットの作成機能
- 申請へのコメント機能
- 申請内容の確認と承認機能
- 一括承認機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- ISMS
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- 取り扱い説明書の全てのページを見なくとも、おおよそ操作できるわかりやすいシステムと効率良く作業を進められる点が良いと感じる。
- 説明書がなくても、使いやすい点。若い人でも高齢のスタッフでも数回使っただけでわかると感じる。初心者でもおすすめ
まとめ:テレワークに活用できるワークフローシステムを見つけよう
テレワークを推進する場合は、ペーパーレス化もセットで取り組む必要があります。ワークフローシステムを活用しながら書類の電子化を進めなければ、テレワークの利点を損なってしまう恐れもあるでしょう。そのため、ワークフローシステムを選ぶ際は、自社の業務フローに対応できる製品を選ぶ必要があります。
とはいえ、ワークフローシステムをはじめて導入する場合、「どのように選べばよいのかわからない」という方も多いでしょう。PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、ワークフローシステム選びについての相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったツールが分かる診断(無料)もありますので、ぜひ一度お試しください。
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