プレディクティブコールとは?機能やメリット・デメリットを徹底解説
コールセンターシステム(CTIシステム)の機能の1つであるプレディクティブコール。特定の架電リストに一斉に自動発信でき、大幅な業務効率化を図れます。「リストを見て順番に電話しており、手間がかかっている」「電話がつながらない時は、待ち時間が発生し非効率」という企業には特におすすめです。
そこで本記事では、プレディクティブコールについて徹底解説します。プレディクティブコールの主な機能や、メリット・デメリット、導入する際の比較ポイントも紹介しますので、アウトバウンド業務の効率化を図りたい企業はぜひ参考にしてください。
- プレディクティブコールとは
- プレディクティブコールの主要な機能
- プレディクティブコールのメリット
- プレディクティブコールのデメリット
- プレディクティブコールの選び方・比較ポイント
- プレディクティブコールの導入事例
- まとめ:電話業務をシステム化し、作業効率を高めよう
- よくある質問
プレディクティブコールとは
プレディクティブコールとは、架電リストにある電話番号に一斉に電話をかけられる機能やシステムです。プレディクティブコールは、「プレディクティブダイヤラー」「プレディクティブ発信」と呼ばれることもあります。プレディクティブコールで一斉に電話をかけ、つながったコールのみオペレーターに接続する仕組みのため、従来のように発信してから相手が電話に出るまで待つ必要がありません。
プレディクティブコールは自動発信できるので、電話番号を一つ一つ選択して架電する手間が省けます。営業電話をかけるアウトバウンドや、督促電話をかけるコールセンターの業務効率化を実現できるシステムです。
プレディクティブコールを活用すると、オペレーターの稼働人数の2倍〜3倍程度の架電が可能に。「顧客が電話に出ないことが多く、架電の効率が悪い」という課題がある企業には特におすすめ。相手が電話に出なかった場合の履歴を残す必要もなく時間も節約でき、業務時間短縮にも大きく貢献します。
中小企業庁によると、IT投資額が増加傾向にある企業は、デジタル化の推進が業績に良い影響を与えている割合が70%を超えています。
出典:「デジタル化推進による業績への影響調査」(中小企業庁)https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/b2_2_2.html
上記の統計データから、プレディクティブコールのようなITシステムへの積極的な投資は、企業の成長に必要であることが分かります。今後、成長を図りたい企業はITシステムに投資しデジタル化していくことが重要です。
オートコールとの違い
オートコールとプレディクティブコールの違いは、一度にかける電話の数です。プレディクティブコールが特定の架電リストに一斉発信するのに対し、オートコールはリスト内の電話番号に1件ずつ自動発信します。オートコールの自動発信は1件ずつ行うため、対応可能なオペレーター数を超えて電話がつながってしまう心配がありません。
ただし、相手が電話に出るまでの待ち時間が発生します。顧客からの問い合わせ対応がメインのコールセンターや、一人一人の顧客との対話を重視するサービスには、オートコールがおすすめです。
プログレッシブコールとの違い
プレディクティブコールとプログレッシブコールの違いは、発信の上限数です。プログレッシブコールの一斉発信の上限数は、オペレーター数と同一です。待機中のオペレーター数以上の発信がされないため、対応しきれない数の電話が接続されることはありません。ただし、タイミングによってはオペレーターの待機が発生します。
プログレッシブコールは、プレディクティブコールやオートコールと同様に、電話番号への自動発信が可能です。手動で電話をかける必要がないため、アウトバウンド業務がメインの企業や、テレマーケティングを行うコールセンターにおすすめ。
一方、プレディクティブコールは、待機オペレーターの人数を超えて一斉発信できるのが特徴。多くの顧客に効率的にアプローチしたい大規模なコールセンターや、オペレーターの待機時間を最小限に抑えたい企業にはプレディクティブコールがおすすめです。大量の電話番号に一斉発信できるので、業務効率向上を図れます。
プレディクティブコールの主要な機能
プレディクティブコールは「一斉発信」の機能のほかにも、架電業務を効率化する機能を多数搭載しています。ここからは、プレディクティブコールの主要な機能を解説します。
- 通話分配機能
- 絞り込み機能
- 発信禁止機能
- 自動録音機能
- コールスケジュール管理機能
通話分配機能
プレディクティブコールに搭載する機能として、通話分配機能が挙げられます。一斉架電を実施したあと接続されたコールを、待機時間が長いオペレーターに優先的に振り分ける機能です。システムによる判断でコールが振り分けられるため、対応コール数が均等になり、業務量が偏ることを防ぎます。
絞り込み機能
絞り込み機能は、顧客リスト(電話番号)の中でも成約率の高い順番に電話をかける機能です。このほか、「前回不通だったリスト」「見込み顧客リスト」などの絞り込みを行うことができるプレディクティブコールシステムもあります。
発信禁止機能
システムで一斉架電を行う場合、前回反応が悪かった電話番号や「もうかけてこないでほしい」と伝えられた電話番号にも発信してしまうケースがあるでしょう。そういった事態を防ぐための機能が、発信禁止機能です。あらかじめ発信禁止の設定をし、一斉架電の際に架電してしまうことを防ぎます。
自動録音機能
会話を自動的に録音できる機能です。通話を録音し聞き直すことは顧客対応の品質向上に役立つほか、クレーマーへの対策にもなります。また、実際の対応を録音することで新人研修にも活用可能です。
コールスケジュール管理機能
属人化を防ぎ、効率的な顧客対応に役立つのが、コールスケジュール管理機能です。自動発信のあとに、再度コールが必要となった場合にスケジュールで管理できる機能。稼働中のオペレーターやシフトに左右されずに情報共有ができ、架電漏れを防止します。
プレディクティブコール対応のCTIシステムの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったCTIシステム(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
プレディクティブコールのメリット
顧客リストへの一斉架電が可能なほか、さまざまな機能も搭載されているプレディクティブコール。ここでは、プレディクティブコールを導入することで得られるメリットを解説します。
- 一斉架電や絞り込み機能により架電業務を効率化できる
- 発信作業の簡略化により架電数と成約数を増やせる
- 記録の自動化によりオペレーターの負担を軽減できる
- 通話数の均一化により離職率を低下できる
- 顧客情報の蓄積・分析に役立つ
一斉架電や絞り込み機能により架電業務を効率化できる
プレディクティブコールシステムの導入により、手動で1件ずつ発信する時間と手間が不要になり、架電業務の大幅な効率化が可能です。さらに、絞り込み機能を活用により、見込みの高い顧客にだけ発信できるため、一斉架電をより効果的に行えます。一斉架電と絞り込み機能の活用による業務効率向上は、プレディクティブコールの大きなメリットです。
発信作業の簡略化により架電数と成約数を増やせる
プレディクティブコールの導入により、ダイヤル操作や発信関連の作業、履歴入力作業を簡略化できます。効率的な通話ができるのでオペレータの待機時間は短縮。それにより、従来方法と比べて架電数は向上し、成約する機会も増えます。
通常、アウトバウンドの成果は架電数と成約率によって決まります。成約率はオペレータのスキルや経験に依存し、短期間で大きく変化させることは難しいため、架電数を増やすことが成果を上げるポイントに。
オペレーターが手動による作業から解放されることで、顧客との会話に集中し、質の高いサポートが可能となります。有効コール数の増加、オペレータの待機時間の削減により、業績の更なる向上を図れるでしょう。
記録の自動化によりオペレーターの負担を軽減できる
オペレーターの負担軽減は、効率的なコールセンター運営において重要です。プレディクティブコール導入によりオペレーターの作業負担が軽減し、顧客との対話に集中できます。また、大量件数の架電を行うオペレーターにとって、コールごとの作業は手間がかかりますが、プレディクティブコールを導入することで業務工数を削減できます。
履歴を残す作業も自動化でき、手動で発生するミスも防止。プレディクティブコールにより、オペレーターの負担を軽減しつつ、コールセンターの効率化とサービス品質の向上を実現可能です。
通話数の均一化により離職率を低下できる
プレディクティブコールによって、通話数を均一化でき、離職率の低下が期待できます。通話分配機能と自動発信機能により、業務負担の分散が可能に。職場の公平性が向上し、オペレーター間の不平等感を軽減できます。通話数が特定のオペレーターに偏ることがなくなり、公平な職場環境を作れます。
また、新人オペレーターでもコール数に極端な差が出にくくなるため、研修期間中に離職してしまうリスクを減らせます。オペレーターの働きやすさを改善し、離職率を下げられるプレディクティブコールは企業にとって導入メリットが大きいです。
顧客情報の蓄積・分析に役立つ
システムを導入することで、業務で実施する膨大な数の発信情報をデータとして蓄積できます。これらのデータは、業務の改善に活用できます。たとえば、電話が接続できた時間帯・つながらなかった時間帯などの情報をもとに、顧客の行動パターンを予測することが可能です。
アウトバウンド業務は、まず電話がつながらなければ始まりません。つながりやすい時間に架電することで、成約率の向上に期待できます。
「自社に合うシステムを導入し、プレディクティブコールのメリットを享受したい」という企業は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)を活用ください。PRONIアイミツでは、ITツール受発注支援のプロとして、システム選びの相談を承っています。いくつかの質問に答えるだけで自社におすすめのツールがわかる診断(無料)も用意していますのでぜひご活用ください。
プレディクティブコールのデメリット
便利な機能が多数搭載されており、メリットも複数あるプレディクティブコールですが、デメリットもあります。導入前に、プレディクティブコールのデメリットも確認しておきましょう。
- オペレーターに空きがない場合は自動切断される
- 自動割り振りがオペレーターの心理的負担になることも
オペレーターに空きがない場合は自動切断される
プレディクティブコールは、システムによる一斉発信が可能です。しかし、システム架電だからこそのデメリットがあります。多くのプレディクティブコールにおいて、オペレーターが対応できない場合は自動切断されてしまいます。
手作業で架電作業を行っていない以上、たとえ電話がつながったとしても対応できないタイミングが発生してしまうことはあるでしょう。そのような場合に、自動切断となってしまうのです。自動切断を避けたい企業には、オートコールシステムをおすすめします。オートコールの自動発信であれば、待機中のオペレーター数を超えて電話がつながってしまうことがなく、プレディクティブコールのような自動切断が発生しません。
自動割り振りがオペレーターの心理的負担になることも
プレディクティブコールは自動割り振り機能を搭載していますが、この機能がオペレーターの心理的負担になることもあります。電話がつながった場合、コールは自動分配されますが、オペレーターが対応できない場合は先ほどお伝えしたように自動切断になってしまいます。
このため、「対応できなかった」「機会損失を起こしてしまった」とオペレーターに心理的な負担をかけてしまうことがあるのです。また、オペレーターの状況に関わらずコールが分配されるため、電話対応以外の業務に対応している際に分配されることもあるでしょう。このように都合が悪いタイミングで電話対応しなければならないケースもあり、プレディクティブコールのデメリットと言えます。
自動割り振りによる業務効率化だけに注力せず、オペレーターの心理的負担を軽減できるようケアが必要です。シフトの組み方を工夫する、発信倍率の設定を調整するといった配慮をしましょう。
プレディクティブコールの選び方・比較ポイント
ここではプレディクティブコールを導入する際の選び方や比較ポイントを解説します。導入を検討している担当者はぜひ参考にしてください。
- 自社に必要な機能があるCTIシステムを選ぶ
- 電話回線数を比較
- 費用はトータルコストで比較
自社に必要な機能があるCTIシステムを選ぶ
プレディクティブコールは多くの場合、PCと電話・FAXを統合して活用できるコールセンター向けのシステム「CTIシステム」の機能の1つとして搭載されています。そのため、プレディクティブコールだけに注目せず、そのほかの機能についても確認した上で、自社の課題やニーズにマッチした機能があるCTIシステムを選びましょう。
中には、CRM(顧客関係管理ツール)と連携できるCTIシステムも存在します。CRMとの連携でさらなる業務効率・品質の向上が期待できるため、プレディクティブコールの有無を確認することはもちろん、必要に応じてCRMの導入・連携も検討しましょう。
電話回線数を比較
プレディクティブコールの導入にあたっては、サービスの電話回線数を比較しましょう。電話回線数は多めに用意しておくことが大切です。その理由は、プレディクティブコールは同時発信できるコール数が多いほど、作業効率や成約率のアップが期待できるためです。電話回線の数だけ発信が可能になるため、導入にあたっては電話回線には余裕を持ちましょう。
費用はトータルコストで比較
プレディクティブコールの費用は、初期費用・月額料金に加え、オプション、カスタマイズ料金も含めトータルコストで比較しましょう。また、サービスごとの機能面やサポート体制も含めて料金比較し、予算内に収まるサービスを選定することをおすすめします。
PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、システム選びの相談を承っています。いくつかの質問に答えるだけで自社におすすめのツールがわかる診断(無料)も用意していますのでぜひご活用ください。
プレディクティブコールの導入事例
ここからは、実際にプレディクティブコールを導入している事例を詳しく紹介します。課題解決にプレディクティブコールのシステムがどのように貢献したのか、確認しておきましょう。
事例①稼働率が向上し、業務効率が大幅アップ
太陽光システム・蓄電池システムといったエネルギー関連事業を全国展開する大手企業では、社内コールセンターの業務効率向上を目的にCTIシステム(コールセンターシステム)「AmeyoJ」を導入しました。
他社のCTIのプレディクティブコールは、一斉発信後に呼び出し音を待たなければならず、稼働率が悪くなってしまう点が気になっていましたが、「AmeyoJ」の導入で顧客の電話に接続されてからオペレーターに通話が受け渡されるようになり、稼働率が向上したとのことです。
オペレーターがすぐに顧客とコミュニケーションをとることができるため、コール数が3倍以上になったといいます。使い勝手の良いプレディクティブコールにより業務効率が大幅にアップした好例です。
出典:株式会社アイ・ピー・エス・プロ『AmeyoJ 導入事例』
事例②効率化に加え、業務負担の軽減も
人材派遣紹介事業を展開し20年以上の実績を持つ大手人材派遣企業は、「利用登録をしているが就業中ではない」という休眠会員へのヒアリングを行うために、CTIシステム「BizBase テレマーケティング」を導入。登録者数が増加している中でスムーズに業務を行うことが課題となっていましたが、プレディクティブコール機能を使用したことで業務効率が向上したとのことです。
1時間あたりのコール数・求職者へ繋がった数・1時間あたりの転送数を手発信とプレディクティブコール使用時で比較した際には、コール数は約270%、求職者へ繋がった数が約470%、転送数が330%と大幅な増加が見られました。実際に使用する現場からも「非常に楽だ」という声が多く、業務効率化・業務負担軽減にシステムが大きく貢献している事例です。
出典:株式会社フレンディット『BizBase テレマーケティング 導入事例』
まとめ:電話業務をシステム化し、作業効率を高めよう
プレディクティブコールは、CTIシステム(コールセンターシステム)の機能の1つとして搭載されていることがほとんどです。導入の際は現在使用しているシステムの見直しから始めなければならないという企業も多いでしょう。プレディクティブコールの活用で電話業務をシステム化し、作業効率を高めましょう。
CTIシステムの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったCTIシステム(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
よくある質問
プレディクティブコールやCTIシステムについて、よくある質問に答えます。
プレディクティブコールの外注・アウトソーシングがおすすめの企業は?
プレディクティブコールは発信作業を自動で行ってくれるものの、対応するオペレーター数や回線数を増やさなければならない場合もあります。業務効率の向上や業務負担の軽減を検討している企業、コールセンターの規模が小さい企業、費用対効果に懸念がある企業は、アウトバウンド業務やコールセンター業務自体を外注・アウトソーシングすることもおすすめです。
プレディクティブコール対応CTIシステムのおすすめは?
プレディクティブコール対応CTIシステムのおすすめは、「List Navigator.」「BizBaseテレマーケティング」「AmeyoJ」です。
- List Navigator.:オートコール機能、グループ架電機能も搭載
- BizBaseテレマーケティング:IVR機能、ACD機能、架電先管理機能も搭載
- AmeyoJ:IVR機能、ルーティング管理機能、モニタリング機能も搭載
下記ランキングページでは、さまざまな条件でCTIシステムを比較できます。導入実績のある業界・企業規模・使いたい機能などで絞り込み、あなたの会社に最適なサービスを探してみてください。
探すのに時間がかかる
相場がわからない
複数を比較しづらい
プロが代わりに探して紹介します!