給与計算ソフトor社労士どっちを選ぶ?|おすすめの製品も紹介
給与計算は事業を円滑に進めていく上で絶対に欠かせない業務です。ただ、従業員1人ひとりの給与や手当をミスなく集計し、保険料の支払いまで滞りなく済ませるのはなかなか大変なこと。
「Excelの集計作業に時間がかかってしまう」、「人手が足りず月末はいつもバタバタ」と頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか?
そうした際の解決策として主な選択肢となるのは2つ。1つは給与計算ソフトの導入、もう1つは社労士へのアウトソーシングです。今回は、給与計算ソフトと社労士それぞれどんなメリット・デメリットがあるのかを解説していきます。
給与計算ソフトを導入する場合
まずは給与計算ソフトを導入し、社内で給与計算業務を行う場合のメリット・デメリットからご紹介します。
メリット
給与計算を社内で行うと、自社の勤務体系に合わせたデータ集計、帳票作成作業の効率化など、社内に業務ノウハウを蓄積できます。委託先で起きたトラブルの対応に頭を悩ませる必要がないほか、就業ルールや給与体系が変わった際も外部に説明することなく、社内のメンバーだけでスムーズな対応も可能です。
生産性アップとあわせて業務体制を整えていきたい企業、経理や人事労務のスキルアップを図りたい企業は、給与計算ソフトの導入が第一の選択肢になるのではないでしょうか。
クラウド型の給与計算ソフトの場合は、税率や法制が変わった際のアップデートを開発元が行ってくれるため、対応に手間をとられることがありません。データがクラウドに保存されることで、紛失・漏洩を未然に防げるのもメリットの1つです。
デメリット
一方のデメリットとして考えられるのは、コストの面。近年主流となっているクラウド型給与計算ソフトの多くは、利用人数に応じた従量課金型の料金体系を敷いています。
導入の際の初期費用が安価でも、利用人数が増えてくると年間数十万円を超えるランニングコストが発生するケースも少なくありません。そうした際は社労士にアウトソーシングに委託した方が割安になるということもあるでしょう。
給与計算ソフトを導入しても、最低限のリソースは確保しておく必要があります。近年は自動集計機能の付いた製品が増えているものの、操作するのはあくまで人。給与規定や勤務体系の登録、出力した帳票の最終的なチェックなど、人手を要する業務は残るからです。
加えて稀なケースですが、クラウド型の場合はサーバーが他社との共用になるため、他社のアクセスが集中して負荷がかかると動作が遅くなったりすることもあるようです。
社労士に給与計算を委託する場合
一方、社労士に給与計算業務を委託する場合は、どういったメリット・デメリットが考えられるのでしょうか。
メリット
何より大きなメリットは、正確性が担保されること。社労士は文字どおり、人事労務のエキスパートです。残業時間や休日出勤のカウント、保険料の控除のタイミング、深夜残業の割増計算など、ミスが起こりがちな業務に対してもれなく正確に対応できます。おのずと給与計算や支払いにまつわるトラブルは減り、従業員の会社への信頼も得られやすくなるでしょう。
社労士の多くは就業規則の作成や各種助成金の申請、社会保険の手続きにもノウハウを持っており、人事労務全般にわたるサポートを受けられます。実際に、こうした業務の委託を含めた労務管理のトータルパートナーとして、社労士と顧問契約を結ぶ企業も少なくありません。
デメリット
社労士に給与計算を依頼するとミスが抑えられ、幅広い局面でサポートを受けられるようになる反面、社内に業務ノウハウが蓄積されにくくなります。
加えて、日本全国で登録している社労士の数は4万人以上。開業件数も微増傾向にあり、その数は市販されている給与計算ソフトの比ではありません。そのなかから自社に合う委託先を見つけようとすると時間と手間がかかってしまうのも、デメリットの1つと言えるかもしれません。
なお、社労士の料金(給与計算の代行料)ついては、基本料金が3万円前後+従業員1人500円から600円前後が平均的な相場です。社労士事務所によっては、給与計算ソフトへ勤怠データの入力を依頼者側に任せることで、料金をディスカウントしてくれるところもあるので、費用を抑えたい場合はそうした事務所を選びましょう。
おすすめの給与計算ソフト3選
続いてアイミツが厳選した3種類の給与計算ソフトをご紹介します。いずれも使いやすさやコストパフォーマンスに定評があり、業種問わず多くの企業に利用されているので参考にしてみてください。
より詳しく機能や料金を比較した結果を確認したい人は、別記事「2024年最新比較!おすすめ給与計算ソフトを紹介」をご覧ください。
-
料金
ー -
初期費用
71,500円
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最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
Cells給与は、愛知県小牧市に本社を置くCellsが提供している給与計算ソフトです。2002年にリリースされて以来、2,700以上の社労士事務所や一般企業で使われています。人気の理由は抜群の使いやすさ。Excelをベースとして開発されているため、Excel形式のデータをワンタッチで取り込め、日ごろ使い慣れた関数もそのまま利用できます。各種帳票のプリントアウトについても、明細書以外はA4の普通用紙で出力可能。
ITやシステムの知識に自信がない方、「給与計算ソフトを導入するものの、今までの業務フローは大きく変えたくない」といった方にはぴったりの製品ではないでしょうか。
料金は導入初年度が年額7万1,500円(税込)、2年目以降が年額3万3,000円(税込)。利用する台数の端末に制限はなく、丁寧なアフターサポートにも定評があります。
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 各種手当や控除の計算設定
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- オンプレミス(パッケージ)
- ISMS
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料金
月400円/ユーザー -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
ジョブカン 給与計算は、東京都渋谷区に本社を置くDONUTSが提供しているクラウド型の給与計算ソフトです。パソナやGMOグループ、テレビ朝日などシリーズ累計10万社以上に利用されています。注目の製品としてマスメディアで取り上げられる機会も少なくないようです。
何より大きな特徴は、充実したオートメーション機能。あらかじめ給与規定や手当・控除のルールを設定しておくことで従業員全員の給与を自動で計算、さらに給与支払報告書や保険料控除申告書といった帳票を自動で出力します。
DONUTSでは、「ジョブカン」シリーズとして経費精算ソフトや勤怠管理ソフトも販売しているので、あわせて導入するのもおすすめです。ある老舗和菓子メーカーでは、「ジョブカン 給与計算」と「ジョブカン 勤怠管理」をセットで導入したところペーパーレス化が進み、それまで約4日間かかっていた勤怠管理・給与計算業務の時間を半分に短縮できました。
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 住民税年度更新機能
- 各種手当や控除の計算設定
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
-
料金
月5,000円/契約 -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
給与奉行クラウドは、東京都新宿区に本社を置く東証一部上場のオービックビジネスコンサルタントが提供しているクラウド型の給与計算ソフトです。中小企業から大手まで幅広い業種のクライアントに導入されており、ノークリサーチ社が2020年に行った給与・人事関連ソフトウェアの市場調査では、中堅・中小企業の導入シェアNo.1に選ばれています。
特徴はクライアントに寄り添うサポート&万全のセキュリティー。社員情報や給与データを移行するためのマニュアルを用意しており、最短1日での移行が可能です。稼働後の相談・問い合わせには、豊富な知識を持つ専任オペレーターが迅速・丁寧に対応します。
システムに蓄積されるデータはすべて暗号化されてクラウド上で管理されるため、情報漏洩などの心配はいりません。障害にも強く、月間の稼働率は平均99.9%をマークしています。長く安心して使える、おすすめの給与計算ソフトの1つです。
- 残業手当の自動計算機能
- 通勤手当の自動計算機能
- 社会保険料の自動計算機能
- 所得税の自動計算機能
- 住民税年度更新機能
- 各種手当や控除の計算設定
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- 冗長化
- 通信の暗号化
まとめ
今回は給与計算をテーマに、給与計算ソフトを使う場合、社労士にアウトソーシングする場合それぞれのメリットとデメリットをご紹介しました。
なお、PRONIアイミツでは、さまざまな給与計算ソフトを掲載しておりますので、あわせてご確認ください。
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