社内ヘルプデスクを自動化するチャットボットとは?導入成功のコツを解説
「社内ヘルプデスク対応に時間を取られ、本来の業務に集中できない」そんな課題を抱える企業は少なくありません。「何度も同じ説明をしている」「必要な情報が見つからない」といった声が増えると、担当者の負担はさらに大きくなります。そこで注目されているのが、社内向けチャットボットの導入です。よくある質問への自動対応やマニュアル案内により、業務効率化が期待できます。
本記事では、ヘルプデスクの課題と解決策、導入メリットや成功事例、ツールの選び方を解説します。社内対応の負担を減らしたい方はぜひご覧ください。
- 社内ヘルプデスクでよくある失敗・悩み
- 社内ヘルプデスクにチャットボットを活用するメリット
- 主な社内ヘルプデスク型のチャットボットツール3選
- ヘルプデスク型チャットボットの導入を成功させるポイント
- 社内ヘルプデスクへのチャットボット導入例
- まとめ:社内ヘルプデスク向けチャットボットでお悩みならアイミツへ
社内ヘルプデスクでよくある失敗・悩み
社内のヘルプデスク業務を行う際にどんな失敗や悩みがあるのかについて、改めて整理しましょう。課題としてよく挙げられるのは連絡ルートや対応状況の把握、必要となる知識の幅です。
- 従業員によって連絡ルートがバラバラ
- 問い合わせに対応する範囲が広すぎる
- 対応進捗状況がわからない
従業員によって連絡ルートがバラバラ
ヘルプデスクでは、社内全体から来るさまざまな問い合わせに対応する必要があります。しかし、連絡手段が複数あることによって、社員によって連絡ルートが異なる点に課題を抱える企業も少なくないようです。
電話連絡の場合もあれば、メールによる質問もあり、さらに、直接ヘルプデスクまで足を運んで問い合わせをする人もいるでしょう。このように、各社員によって連絡方法が異なると、情報をまとめにくく、管理も難しくなります。
また、ヘルプデスクを複数の社員で対応している場合は、情報管理がうまくいかず対応漏れが起こる可能性もあるでしょう。
問い合わせに対応する範囲が広すぎる
社内全体からの問い合わせに対応するには、幅広い知識が必要となります。社内システムの使い方のほかにも、ネットワークやサーバーに対する知識などがなければ、問い合わせに対応できないこともあるでしょう。
しかし、個人個人が持つ知識や経験だけですべての問い合わせに対応するのは不可能なため、ヘルプデスクでは対応に必要な知識をシステムなどに蓄積していくことが大切です。
とはいえ、システムにデータを溜め込むだけでは役に立ちません。膨大な量の情報をしっかりと整理した上で、スムーズに参照できるように管理する必要があります。
対応進捗状況がわからない
ヘルプデスク業務を複数の社員で担当している場合、スムーズな情報共有が必要です。そのためには、あらかじめ情報を一元管理できる体制を作らなければなりません。
トラブル対応など、緊急性が高くスピーディーな対応が求められる場合に、メンバーの対応状況が把握できないのは問題です。問い合わせ内容によっては、特定のメンバーにしか対応できないようなものもあるでしょう。
情報が事前に共有されていないと、誰にフォローを頼めばいいのかもわからなくなり、確認をしている間に対応が遅れ、業務効率まで低下してしまうリスクがあります。
社内ヘルプデスクにチャットボットを活用するメリット
前述した失敗や悩みは、チャットボットを導入することでどのように解決できるのでしょうか?ここからは、チャットボットの導入で得られる効果について解説します。
- 自動回答でスムーズに質問に対応できる
- 全体の業務効率化を促進できる
自動回答でスムーズに質問に対応できる
チャットボットでは、よくある問い合わせの内容と、それに対する回答を組み込んで自動対応させることが可能です。そのため、簡単な質問であれば、直接ヘルプデスクを担当する社員に問い合わせを行わずともスムーズに解決できます。
さらに、チャットボットは24時間対応が可能なため、業務時間を気にせず気軽にいつでも質問できる上、回答が得られるまでの待機時間もありません。また、社内マニュアルやFAQページと比べて検索を行いやすいため、必要な情報もすぐに見つけられるでしょう。
全体の業務効率化を促進できる
チャットボットの自動回答を利用することで、簡単な質問への対応時間を削減できるため、ヘルプデスクの業務効率を向上できます。
さらに、社内からよくある問い合わせをチャットボットに任せることで、情報システム部門や経理、総務などバックオフィスの業務負担を解消することも可能。会社全体の業務効率化に期待できるでしょう。
また、従来では質問に対する回答を待つ時間が必要でしたが、チャットボットでは即座に自動回答で対応できます。待機にストレスを感じることがなくなるため、従業員もより快適に業務を進められるようになるでしょう。
主な社内ヘルプデスク型のチャットボットツール3選
実際にチャットボットを導入しようと言っても、種類が多く、社内ヘルプデスクとして導入する場合どれを選べばいいのかわからない方もいるかもしれません。ここでは、社内ヘルプデスクにおすすめのチャットボットを紹介します。
- OfficeBot
- PEP
- HiTTO
OfficeBot
OfficeBotは、ネオス株式会社が開発した、社内に蓄積された情報資産を活用できる法人向け生成AIソリューションです。AzureのAI技術と連携し、高精度な検索性と文脈に配慮した自然な対話体験を実現。業務効率の改善や生産性向上を後押しします。
専門的なスキルがなくても扱える設計で、社内用語や業界固有の知識も柔軟に反映可能。使いやすいインターフェースと優れたユーザー体験により、スムーズな立ち上げ・運用が可能です。さらに、セキュリティ面にも力を入れており、企業の重要な情報を安全に取り扱える体制が整っています。
PEP
PEPは、多機能ながら操作がシンプルなチャットボットで、独自開発の機械学習アルゴリズムにより、表現のゆらぎを的確に補正。ユーザーのあいまいな問いかけにもスムーズに応答できます。Q&Aや単語登録は専用画面またはCSV形式で編集でき、継続的な学習も可能です。
AIで対応できないケースには、有人対応専用機能を用意。対応時間帯の自動切り替えやオペレーターの振り分け設定など、日常業務の負担軽減に役立ちます。
さらに、会話ログを活用した組織分析や、Slack・LINE WORKS・Microsoft Teamsなどとの外部ツール連携もサポート。ユーザーの利用傾向はダッシュボード上で一元的に把握でき、業務効率の改善にも寄与します。
主な機能
HiTTO
HiTTOは、利用者数30万人を突破した人気の社内向けAIチャットボットです。豊富な実績を持ち、継続利用率も99.5%という実力があります。膨大な質問パターンを学習させた人事・労務AIを搭載している点が最大の特徴。従業員からの質問意図を解析した上、キャラクターが自動で回答します。FAQデータやシナリオの作成など、面倒な準備も必要ありません。
また、回答精度は自動で調整されるため、メンテナンス時間も大幅に短縮できます。サポート体制も充実しており、専任担当者が活用を支援。システムの導入時だけでなく、チャットボットを社内で定着させるためのサポートなど、顧客の成功のためにあらゆる面から支援を行っています。
主な機能
ヘルプデスク型チャットボットの導入を成功させるポイント
ヘルプデスクは社員全員に関係するため、導入するチャットボットの選び方や導入方法を間違えると、うまく社内に定着しないケースも多々あります。ここでは、チャットボット導入で失敗しないためのコツを解説します。
- 精度を整えてから社内公開する
- 利用を促す社内プロモーションを実施する
- 日々の更新作業を負担なく行えるツールを選ぶ
- 誰でも使いやすいチャットボットを選ぶ
精度を整えてから社内公開する
AIチャットボットを導入する際は、まず従業員がどのような印象を抱くのかが重要です。従業員がはじめてチャットボットを利用する場合、一定以上の回答精度が感じられれば、そのまま継続利用してもらえるでしょう。しかし「このチャットボットはきちんと回答してくれない」と思われると、利用を定着させるのは難しくなります。
そのため、一定の精度が担保できる状態にするのはもちろん、テスト公開などの工程を挟み、最終的なチューニングを行ってからリリースすることが重要です。プロジェクト開始から公開までは十分な期間を確保するようにしましょう。
利用を促す社内プロモーションを実施する
チャットボットを定着させるには、従業員が積極的に利用したいと思うようにモチベーションを高めなければいけません。
そのため、回答するAIにキャラクターや口調を設定するなど、従業員が少しでも楽しみながら利用できるような工夫を行うことも大切です。「新しいシステムを導入した」ではなく、「新しい仲間が入社した」と思ってもらえるような積極的な社内プロモーションを行うとよいでしょう。
また、次に詳しく説明しますが、チャットボットには定期的なメンテナンスが必要なため、これらの更新情報についても積極的に発信することが大事です。
日々の更新作業を負担なく行えるツールを選ぶ
チャットボットは導入後も継続的なメンテナンスが必要です。ユーザーから寄せられる質問は日々変化するため、新たな質問に対応する回答の追加や、情報の更新を定期的に行うことが求められます。
また、長く運用していると、チャットボット内で案内しているリンク先が古くなったり、表示情報が最新ではなくなったりするケースも発生します。こうしたトラブルを防ぐためにも、運用後の管理がしやすいツールを選ぶことが大切です。
比較・検討する際は、「質問と回答の編集がしやすいか」「ログやデータの確認が簡単か」「通知設定や更新履歴の管理ができるか」といった点をチェックしましょう。メンテナンスの負担を減らすことは、長期的な活用や運用の安定にもつながります。
誰でも使いやすいチャットボットを選ぶ
チャットボットを社内に定着させるには、誰でも直感的に使えるツールを選ぶことが重要です。操作が複雑だったり、慣れるまでに時間がかかると、それだけで利用が進まず、せっかく導入しても活用されない可能性があります。特に、ヘルプデスク業務など日常的に利用頻度の高い部署では、担当者がストレスなく操作できるかどうかが鍵となります。ITに詳しくない社員でも問題なく使えるようなUI・UX設計のツールを選びましょう。
また、導入前には無料トライアルなどを活用し、実際の利用シーンに近い環境で現場の従業員に試してもらうことも効果的。使用感やわかりにくさを事前に確認することで、導入後の定着率を高められます。
社内ヘルプデスクへのチャットボット導入例
最後に、実際にチャットボットを導入した成功例として、西武鉄道と三井物産のケースをご紹介します。ぜひ、自社で検討する際の参考にしてください。
事例①電話問い合わせの数を30%削減!
RICOH Chatbot Serviceの導入事例ページによると、西武鉄道はチャットボットを導入したことによって、電話問い合わせ数を30%削減、メンテナンス時間を8分の1までに短縮できたそうです。
西武鉄道では、従来まで別のチャットボットを運用していましたが、インターフェースが独特でメンテナンスに手間がかかる上、使い方を習得しなければなりませんでした。そのため、別のチャットボットへの乗り換えを実施したとのこと。
RICOH Chatbot Serviceの導入後は、ぴったりの回答がない場合でも、近い回答候補を挙げてくれるため、利便性が向上し利用者も順調に増加。全体の問い合わせ数700件のうち、約30%に相当する200件をチャットボットに吸収できました。
また、メンテナンスをExcelファイルで行うことによって作業時間を8分の1に短縮。引継ぎも約2時間でできるため、部内外への展開も素早くできるようになりました。
※参照:株式会社リコー『導入事例』
事例②:わずか2ヶ月で受付体制を3/1に縮小・業務品質も向上
サポートチャットボットの導入事例ページによると、三井物産はチャットボットの導入後、わずか2ヵ月で受付体制を3分の1に縮小し、業務品質も向上させました。
三井物産では機械・インフラ事業部から同じような問い合わせが何度もあったこと、また担当者の引継ぎに手間と時間がかかり、業務ルールに対する理解度にもばらつきがあったことからチャットボットの導入を決定。
導入後、シナリオ構成は2ヵ月程度でほとんど改善の必要がない水準にまで達しました。回答精度も高かったことから、質問の受付体制を導入前の3分の1にまで縮小できたと言います。
また、マニュアルを集約したことで引継ぎ作業が大幅に軽減され、全体の業務効率も向上。システムに対する専門知識がなくても操作できることから、業務に対する属人性も排除できました。
※参照:株式会社ユーザーローカル『AIチャットボット 導入企業の活用事例 セッションレポート』
まとめ:社内ヘルプデスク向けチャットボットでお悩みならアイミツへ
本記事では、社内ヘルプデスク向けにチャットボットの導入効果や主なツール、実際の導入成功事例を解説しました。チャットボットを利用することによって応対を自動化し、情報を一元化するなど、業務の大幅な効率化に期待できます。
また、以下の記事では社内問い合わせ向けのチャットボットのおすすめツールを比較・紹介しています。社内ヘルプデスクの業務を効率化したい方はぜひ参考にしてください。
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