チャットボット導入のメリットは?デメリットと合わせて詳しく解説
近年、チャットボットを導入する企業が増えています。自社でもチャットボットを活用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、チャットボットの導入を検討している方のために、その概要やメリットを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
- チャットボットとは
- チャットボットを導入する6つのメリット
- チャットボットを導入するデメリット
- チャットボットを導入する際に押さえるべき3つのポイント
- チャットボットの用途事例
- まとめ:チャットボットを導入してユーザーの声を聞こう
チャットボットとは
チャットボットとは、チャットを活用してユーザーからの問い合わせに自動的に対応するプログラムです。チャットボットを導入すれば、自社のWebサイト上で問い合わせに対応できるようになります。ツールによっては、有人対応への切り替えも可能です。
タイプは大きく分けると、「シナリオ型」と「AI型」の2種類。シナリオ型のチャットボットは、ユーザーの質問に対する答えをあらかじめ用意しておくことで、シナリオに沿ってユーザーの疑問に応答することが可能です。
一方のAI型は、会話履歴などのデータをもとに自動的に学習するため、シナリオ型よりも複雑な質問に答えられます。学習データが増えれば増えるほど、応対精度も向上のが特徴です。
チャットボットを導入する6つのメリット
チャットボットの導入によって、自社のスタッフが問い合わせに直接対応する頻度を減らせます。さらに、会話内容などがデータとして残るため、顧客ニーズの把握やマーケティングへの活用も可能。以下では、チャットボットの主なメリットを6つご紹介します。
メリット①業務効率化につながる
まずはじめに挙げられるメリットは、業務の効率改善につながることです。簡単な問い合わせであれば、対人ではなくチャットボットのみでユーザーの疑問を解消できるケースも少なくありません。
さらにAI型のチャットボットなら、学習を積み重ねることによって、幅広い問い合わせへの対応が可能です。導入後は、チャットボットでは対応できないイレギュラーな問い合わせにのみ対応すればよいため、社員の業務負担や人員コストを大幅に軽減できます。
メリット②いつでも顧客対応できるようになる
チャットボットはプログラムであるため、24時間365日いつでもユーザーからの問い合わせに対応することが可能です。
問い合わせへの対応スピードは非常に重要で、対応が遅れることによって自社の商品に関心があるユーザーを逃してしまう場合も。その点、チャットボットであれば、人員を配置するのが難しい時間帯でもユーザーからの問い合わせにすぐに対応できます。
夜間や休日にスタッフを配置する場合は、通常よりもコストがかかるため、チャットボットの導入によって、サポート部門における対応コストを大幅に削減することが可能です。
メリット③顧客満足度の向上につながる
チャットボットには、顧客満足度を高められるというメリットもあります。
従来では、商品の紹介サイトなどにFAQページを用意することで、ユーザーの疑問に対応するケースが一般的でした。しかし、項目が増えることによって、ユーザーが答えにたどり着けずに、離脱してしまうケースも少なくありません。
その点、チャットボットを活用すれば、ユーザーが大量のページのなかから答えを探す手間も不要に。短時間でユーザーが自身で問題を解決できるため、顧客満足度の向上にも期待できます。
また、顧客対応の品質を一定のレベルに保つことは容易ではありません。スタッフの経験によって、対応品質にばらつきが出てしまうこともあるでしょう。チャットボットであれば、対応品質がばらつく心配もありません。
メリット④ユーザーが問い合わせをしやすくなる
チャットボットの導入には、問い合わせに対するユーザーの精神的なハードルを下げられるというメリットも。ユーザーのなかには、メールや電話による問い合わせに抵抗を感じる人も一定数存在します。
また、電話で問い合わせる場合は、サポートセンターの営業時間内に連絡しなければなりません。メールによる問い合わせでは、すぐに返事をもらえない場合もあります。
チャットボットなら、利用者は時間を気にせず気軽に質問することが可能。加えて、問い合わせページを探すことや、電話を掛ける必要もありません。ユーザーが感じている不便さや精神的なハードルが解消されれば、ターゲットとの接点も増やせるでしょう。
メリット⑤顧客の声を集めやすくなる
チャットボットは問い合わせのハードルを下げられると前述しましたが、問い合わせがしやすいということは、従来よりも多くのユーザーの声を集められるということです。
チャットボットでは、ユーザーとのチャット上でのやり取りや行動をデータとして保存しています。ユーザーがどのような疑問を抱えているのか、自社の製品に対する意見、サイト内での行動など、見込み客のデータをスムーズに集めることが可能です。
これらのデータを分析することでユーザーの傾向やニーズを把握できれば、自社の製品やサービスの改善にも活かせるでしょう。チャットボットを導入することによって、顧客対応だけではなく、マーケティングの効率化も実現できるのです。
メリット⑥Webサイト・ホームページの集客力が向上する
チャットボットには、Webサイトやホームページの集客力を高める効果も。Webサイトに記載されている情報でユーザーの疑問を解決できなければ、当然サイトからは離脱してしまいます。
そこで、チャットボットが役に立つというわけです。自社のホームページにチャットボットを設置し、ユーザーの疑問にすぐに対応できる体制を整えることができれば、ユーザーの離脱を抑えることが可能です。
また、チャットボットはユーザーからの質問に答えるだけではなく、商品やサービスを提案することもできます。ECサイトに設置し、客層に合わせた商品を提案すれば、売り上げの増加にも期待できるでしょう。BtoB向けのサイトであれば、資料請求などの契約につながる具体的な行動を促せます。
チャットボットを導入するデメリット
メリットの多いチャットボットですが、もちろんデメリットもあります。たとえば、チャットボットはあくまでもプログラムであるため、前例のない問い合わせや質問には対応できません。うまく活用するには、メリットとデメリットの両方を知っておく必要があります。以下でデメリットについても確認しておきましょう。
費用がかさむ場合がある
チャットボットの導入に必要な費用は、大きく4つに分けられます。
- 初期費用
- シナリオ作成・学習費用
- 月額費用
- コンサルティング料
ベンダーとの打ち合わせが不要なチャットボットの場合、初期費用は数万円に設定されているケースが多いようです。一方で、独自のカスタマイズが必要なケースでは、初期費用が高額になることも。
月額費用は、チャットボットのタイプによって異なります。シナリオ型と比較して、AI型のチャットボットは月額費用が高い傾向です。
このように、チャットボットの機能や導入するタイプによっては、高額な費用がかかる場合もあるため、費用対効果を考慮して導入する必要があります。
導入までに時間や手間がかかる場合がある
チャットボットを使用するには、システムを導入するだけでなく、シナリオの作成や学習も必要です。
シナリオ型のチャットボットでは、想定されるユーザーからの質問に対する答えを用意しておかなければなりません。また、AI型のチャットボットの場合は、蓄積されたデータをもと
に過去の問い合わせ内容と答えを学習させておく必要があります。
そのため、チャットボットは導入直後では、ユーザーの質問に的確な答えを返せないことも。実際に運用をはじめられるまでには、相応の手間と時間がかかると考えるべきでしょう。
シナリオ型・AI型にかかわらず、チャットボットは運用しながら応対精度を高める必要があります。導入してすぐに結果を出せるわけではありません。
対応できない質問もある
チャットボットは、あくまでも過去のデータをもとに回答するプログラムであるため、対応できない質問内容もあります。
もちろん、シナリオ型のチャットボットは、シナリオにない質問には回答できません。AI型の場合でも、データにないイレギュラーな質問には適切に回答できないことがあります。
加えて、チャットボットは長文の質問が苦手です。質問文が長いと混乱し、文脈を正確に理解できないため、適切に回答できません。文章の内容が難解な場合も同様です。
このような理由から、チャットボットを導入したあともフォローバック体制は欠かせません。
質問にはひとつずつしか対応できない
チャットボットは、複数の質問に回答できません。長文の質問と同様に、チャットボットは複数の質問を切り分けて認識することが苦手です。ユーザーが適切な回答を得るためには、ひとつずつ質問する必要があります。
そのため、ユーザーは質問ごとに操作を繰り返さなければなりません。質問の数が多くなるほど手間も増えるため、ユーザーが複数の疑問を抱えている場合は不満やストレスを感じる可能性もあります。
チャットボットは完全な代替ではなく、あくまでもWebサイトでユーザーの疑問を解決できない場合の補助的なツールだと考えましょう。問い合わせ自体を減らせるように、自社の商品やサービス紹介ページにはユーザーが求める情報を簡潔に記載することも大切です。
チャットボットを導入する際に押さえるべき3つのポイント
チャットボットの導入で失敗しないためには、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。
- 導入目的を明確にする
- チャットボットにできること、できないことを理解しておく
- 定期的な運用結果の分析、改善
目的に合わないツールや必要な機能が備わっていないツールを採用してしまうと、コストが無駄になる恐れも。これらの3つのポイントを意識しながら選定することが重要です。以下から詳しく解説します。
①導入の目的を明確にする
ひと口にチャットボットと言っても、それぞれの機能は異なります。目的に合わせたツールを選ばなければ、成果につなげられない可能性もあるでしょう。とはいえ、チャットボットは種類が多く、適切なツールを選ぶのが難しいのも事実。
そのため、導入前に「サポート部門の業務負担を軽減したい」「問い合わせ対応のコストを削減したい」など、目的を明確にしておく必要があります。
似た問い合わせが多いのであれば、シナリオ型を導入して質問に対する答えを用意しておくとよいでしょう。シナリオだけではカバーできないケースでは、より高度な対応が可能なAI型のツールがおすすめです。目的を明確にすることで、候補となるチャットボットを絞り込めるでしょう。
②チャットボットで対応できる限界を理解する
チャットボットだけで、ユーザーからの問い合わせにすべて対応できるというわけではありません。
いくらチャットボットを適切に運用し、回答の精度を高めたとしても、ツールでは対応できないケースが発生します。チャットボットを導入しても、カスタマーサポートを完全に無人化できるわけではないのです。オペレーターが対応する部分と、チャットボットで対応する部分を適切に切り分けることではじめて効果を発揮できると言えます。
そのため、チャットボットでは対応できないケースが発生した場合、どのようにオペレーターに引き継ぐのかをあらかじめ決めておくことが必要。オペレーターがチャット上で対応する、電話対応に切り替えるなど、自社の業務手順に対応できるツールを選びましょう。
③チャットボット運用結果の分析・改善を行う
チャットボットの活用を成果につなげるには、定期的にデータを分析して改善を加える必要があります。効果測定時にチェックする主な数値は、以下の通りです。
指標 | 詳細 |
---|---|
回答率 | ユーザーの質問に対して返答できた割合 |
解決率 | ユーザーの疑問を解決できた割合 |
コンバージョン率 | 資料請求や商品の購入など、Webサイトの最終的な目的を達成できた割合 |
チャットボットは、ユーザーの問い合わせに適切に対応できてはじめて効果を発揮します。定期的にツールのパフォーマンスをチェックするようにしましょう。
チャットボットの用途事例
チャットボットのメリットやデメリットはわかったものの、導入に不安があるという方もいるかもしれません。ここからは、導入企業でどのようにチャットボットが活用されているのかについてご紹介します。
ユーザーの疑問解決・カスタマーサポート
Chatdealerの事例ページ(株式会社アイスタイル https://www.chatdealer.jp/case/interview_istyle/ 参照)によると、国内最大のコスメ美容情報サイト「@cosme」を運営するアイスタイルでは、チャットボットを活用し、サポート業務の効率化に取り組んでいるそうです。
チャットボットを導入する前は、メールで顧客からの問い合わせに対応していました。メールの場合は、あいさつから締めくくりまでの文章を作成する必要がありますが、チャットであれば短文で済みます。導入後は案件の処理にかかる時間の削減に成功。また、業務効率の向上だけでなく、問題の解決率も上がったそうです。
社内ヘルプデスク
SupportChatbotの事例ページ(株式会社ラクス https://chatbot.userlocal.jp/document/casestudy/betsukawa/ 参照)によると、配電や分電、監視盤など電気関連のトータルソリューションシステムを提供している別川製作所では、チャットボットの導入によって、社員からの問い合わせを20%削減できたとされています。
導入前は、管理部門が専門業務と問い合わせへの対応を兼任していたため、担当者の負担が大きい状態でした。しかしチャットボットは勤務時間内だけではなく、夜間や休日にも対応できるため、導入後は時間外の問い合わせも減少したそうです。問い合わせ工数が少なくなっただけでなく、管理部の残業も削減できたと言います。
ユーザーの声の収集
スグレスの事例ページ(株式会社ALBERT https://www.albert2005.co.jp/sugures/cases/参照)によると、運輸システムやセキュリティ対策などを手掛ける近鉄情報システムでは、チャットボットの導入によってサービス品質を向上できたと言います。
近鉄グループでは、ポイントカードの「KIPSカード」や通信サービス「KCN」など、グループ企業をまたいだサービスを提供。よくある問い合わせのデータをベースにチャットボットを作成し、各サービスサイトに導入しました。対応履歴をもとにユーザーの声をデータベース化することで、サービスの改善にも活用しています。
まとめ:チャットボットを導入してユーザーの声を聞こう
チャットボットは簡単に応対履歴や顧客データなど、ユーザーの声を集められるというメリットがあります。そして、これらのデータを集めるほどに対応の精度が向上するツールです。顧客対応に課題を持つ企業にはとくにおすすめだと言えます。
一方で、はじめてチャットボットを導入する場合、ツールの選び方がわからないという方も多いのではないでしょうか。チャットボットの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったチャットボット(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
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