目標管理シートの作り方は?上手く活用するポイント、活用例も紹介
「目標管理シートを作成したものの、うまく運用できず形骸化している」「人事評価に活用したいが、具体的な作成方法がわからない」といったお悩みはありませんか?目標管理シートは、個人の目標達成だけでなく、組織全体の生産性向上にも不可欠なツールです。
本記事では、初心者でも迷わず作成できる目標管理シートの作り方を解説します。上手く活用していくためのポイントや、他社の活用例も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目標管理シートとは
目標管理シートとは、文字通り従業員1人ひとりの業務目標を定め、達成に向けた進捗を管理していくためのツールです。Excel形式のほか、最近では人事評価システムに搭載された目標設定機能や、目標管理に特化したアプリを使って作成されることもあります。
評価・フィードバックのためのツールとしての役割も併せ持ち、目標、進捗、達成度のほか、上長からのコメント、アドバイス・改善策といった項目が設けられるのが一般的です。
ビジネス以外の分野で用いられることも多く、最近ではメジャーリーグで活躍する田中将大選手や大谷翔平選手が、高校時代から目標管理シートを使って練習に取り組んでいたことが話題になりました。
目標管理シートはなぜ必要か?
目標管理シートの何より大きな目的は、目標達成までのプロセスを明確にし、進捗や達成度を管理・評価しやすくすることです。
仮に、従業員が1人ひとりが目標を持っていたとしても、自分の心のなかで漠然と抱えているだけでは具体的な方法論に落とし込みにくく、達成する意欲も高まりません。シートを使って目標を明文化することで、おのずとやりべきことが明確になり、実績まで客観的に評価できるようになります。
目標管理シートの作り方と手順
ここからは目標管理シートの具体的な作成方法について紹介していきます。
現状を把握して課題を洗い出す
最初のステップは現状を整理し、課題を明確にすることです。会社全体にとって自分の部署はどういった役割を果たしているのか、そのなかで自分はどういった立ち位置であるべきか、どんなミッションがあるのか洗い出し、箇条書きにしていきましょう。
目標を立てる
現状の課題を洗い出したら、それぞれの課題を解決するための具体的な指標として目標を定めます。営業やマーケティングなら売り上げやリード獲得数、エンジニアならシステムの稼働率や開発工数の削減、経理や総務といったバックオフィス業務ならコスト削減率といったように、それぞれのミッションを前提に置いたうえで定量的な目標を定めましょう。
目標達成までの過程を決める
設定した目標にあわせて達成に向けたプロセスを組み立てます。たとえば前述の営業の場合は、「事務作業の工数を1日○時間以内にする」→「コール件数を1日○○件まで伸ばす」、エンジニアなら、「システムへの負荷を分散させる仕組みを構築する」→「エラーを検知するプログラムを実装する」といった具合です。
また、詳しくは後述しますが、この段階でそれぞれのプロセスを完結させる期限を決めておくのも大切なポイントになります。
定期的にシートを確認しながら行動する
目標を達成できたか、達成できなかった場合は何が足りなかったか振り返り、具体的な数値で評価します。目標管理制度(MBO)を導入している企業では、自己評価→上長との面談・フィードバックというプロセスのもと、パーセンテージや5段階・10段階で達成度を測っているところが多いようです。
最終的な評価・査定を行う
目標を達成できたか、達成できなかった場合は何が足りなかったか振り返り、具体的な数値で評価します。目標管理制度(MBO)を導入している企業では、自己評価→上長との面談・フィードバックというプロセスのもと、パーセンテージや5段階・10段階で達成度を測っているところが多いようです。
目標管理シート活用のポイント
目標管理シートを上手く活用するためにはどんなポイントに気を配るべきなのでしょうか。5つに分けてポイントを紹介します。
目標は具体的な数字に
まず大切なのは、目指すべき立ち位置やあるべき姿を具体的な数値目標に落とし込むことです。たとえば営業職として顧客から信頼される存在を目指すのなら、何をもって信頼されているとするか、頼られているとはどういった状態を指すのかを突きつめて考え、訪問数や成約数、担当顧客の契約継続率といった目標を設定しましょう。
誰が見ても一目瞭然の客観的に評価できる数値目標を設けることで、達成するために必要な要素も明確になり、進捗も管理しやすくなります。
目標の数を増やし過ぎない
目標の数を増やし過ぎてしまうと、達成のためのプロセスもより複雑になり、進捗管理にも手間がかかります。役職などにもよりますが、年度や四半期の目標は多くても5つ、できれば3つ程度まで絞りましょう。
立場上、たくさんの目標を立てざるを得ない場合は、次年度や次のクォーターまで見据えたうえで優先順位をつけていくのがおすすめです。
達成までの期限を決める
期限が決まっていない目標はないものと同じです。具体的な数値とともに、それをいつまでに成し遂げるのか目標管理シートに明記しましょう。期限を定めることで今やるべきことが明確になり、進捗に応じた軌道修正もしやすくなります。
2年、3年といった長いスパンを要する目標の場合は、達成までのロードマップを描いたうえで小目標に切り分け、同様に半期・四半期といった期限を設定するのも1つの方法です。
定期的に進捗を確認・共有する
「目標管理シートの作成手順」でも触れたとおり、目標を1人で抱え込んでしまうのはNGです。1on1での面談やチームミーティングの場で定期的に目標と進捗状況を共有することで、いまどの地点にいるのか、達成に向けてどう動くべきなのか見えやすくなります。
たとえば、営業職で四半期(12週)全体での売り上げ目標が1,500万円の場合、1,500÷12で1週間の目標は125万円になります。週末または翌週初めの時点でその目標を消化(=100%達成)できているのか振り返れば、現時点で四半期の大目標に対して勝っているのか負けているのかひと目で把握できます。
期限内に達成できた場合は上方修正を
あらかじめ設定した期限を残して目標を達成できた場合は、その場に甘んじることなく目標を上方修正しましょう。
さらに高い目標に置きなおすことでモチベーションも上がりますし、上積みした分の実績は当然評価・査定にもプラス効果をもたらします。
目標管理ツールで管理する
目標管理ツールで管理することも活用するためのポイントです。ツールでの管理によって、目標だけではなく進捗状況や達成状況を可視化・共有できます。日常的に共有される環境を作ることで、目標達成への意識を切らさずに進めることができるでしょう。また、管理する側も何度も確認する手間を削減できるため、業務効率化につなげることが可能です。
目標管理シートの活用例
最後に、実際に目標管理シートを運用している企業の事例を2つ紹介します。
A社の場合
紙・プラスチック製品の製造・加工を手がけているA社。責任感や積極性をもとにした情意考課を行っていたものの、結果として年功序列になってしまうことが多く、売り上げに貢献している営業メンバーから不満の声が挙がっていました。
そこで人事評価システムとあわせて目標管理制度・目標管理シートを導入したところ、社員のモチベーションは飛躍的にアップ。上司とコミュニケーションをとりながら自発的に業務に取り組むようになり、おのずと不満の声も解消されました。
B社の場合
業務用ソフトウェアの開発・販売を手がけているB社。本業が多忙を極めるなか従来の評価制度が形骸化し、実績やパフォーマンスが給与に反映されにくい状況に陥っていました。
そこで目標管理制度をイチから構築し、あわせて目標管理シートを導入したところ、社員からの良い意味でのアピールが増え、プロジェクトの進捗管理にも自発的に取り組むようになりました。
まとめ
今回は、目標管理シートの概要や作り方、活用のポイントを解説しました。目標管理シートを運用するうえで何より大切なのは、誰もが同じ基準で判断できる定量的な目標を定め、綿密に進捗管理をしていくことです。効率的な管理を目指すなら人事評価システムの導入もおすすめです。
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