クラウドPBXは電話番号そのまま引き継げる?乗り換え時の注意点も
固定電話サービスの乗り換えを検討中の企業には、クラウドPBXがおすすめ。クラウドPBXは回線工事・費用不要で導入できるビジネスフォンです。しかし、「現在使用している電話番号をそのまま使えるのか」「乗り換えが面倒でないか」気になる方は多いでしょう。
そこで本記事では、クラウドPBXとはどんなシステムなのか、導入するメリット、電話番号をそのままでクラウドPBXを使用する方法を解説します。また、電話番号を引き継いで使用できるクラウドPBXおすすめ5選も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- クラウドPBXとは
- 電話番号そのままでクラウドPBXを導入する方法
- サービス乗り換え時に、電話番号を引き継げないケースに注意
- クラウドPBXの電話番号の種類
- 【比較表】電話番号を引き継げるクラウドPBX
- 【2024年最新】電話番号をそのまま使えるクラウドPBXおすすめ5選
- 失敗しないクラウドPBX選びのポイント
- まとめ:オフィス移転も、電話番号そのままで対応できるクラウドPBXがおすすめ
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは、クラウド上でインターネット回線を用いて電話機能を提供するサービスです。従来の固定電話は、ハードウェアとして主装置をオフィスに設置し、電話機を有線接続させるしかありませんでした。しかし、クラウドPBXなら電話機器の設置不要で、オフィス内に電話環境を構築できます。
クラウドPBXのメリットは何と言っても「導入の気軽さ」で、インターネット環境さえ整っていれば設置工事を行うことなく電話を利用できます。一方、電話回線の有線接続ではないことから、どうしても通話品質はインターネット環境に左右されてしまいます。従来のPBXと比較して通話品質が下がる可能性もゼロではありませんが、利用環境が整ってさえいれば、従来のPBXと同様のクオリティで通話可能です。
固定電話と比較したクラウドPBXのメリット
固定電話の設置とクラウドPBXの導入を比べた際、クラウドPBXの導入にはさまざまなメリットがあります。例えば、以下の3つの点は企業にとって大きなメリットです。
- 回線工事が不要なため初期費用を抑えることが可能
- 私用のスマートフォンも内線化できるため、新たに電話機を購入する必要がない
- 有線接続ではないため、オフィスのフリーアドレス化が可能
クラウドPBXを導入すれば、さまざまな面においてコストカットを叶えることができます。オフィスのフリーアドレス化を進めたい企業にもおすすめです。フリーアドレス化に伴う電話業務の課題と解決策については別記事で解説していますので、合わせてご覧下さい。
電話番号そのままでクラウドPBXを導入する方法
クラウドPBXを導入したいものの、現在利用している電話番号をそのまま引き継げるのか、あるいは変える必要があるのか気になる方も多いでしょう。結論から言えば、クラウドPBXであっても現在の電話番号をそのまま使用可能です。
しかし、すべての場合において継続可能ではない点に注意が必要です。クラウドPBXで電話番号をそのまま使用したい場合、下記のいずれかの対応が必要です。
対応方法 | 詳細 |
---|---|
番号ポータビリティ(LNP)を利用する | NTT東日本・NTT西日本の電話サービスをお使いの方が利用できる電話番号引継ぎサービス。 |
ゲートウェイを設置する | アナログ回線とインターネット回線とを繋ぐ装置。 |
クラウドPBX導入時にも現在の電話番号を使用したい場合、上記いずれかの方法で電話番号を引き継ぐ必要があります。ゲートウェイを設置するのにはコストがかかるため、番号ポータビリティを利用して電話番号を引き継ぐ企業が多いでしょう。
サービス乗り換え時に、電話番号を引き継げないケースに注意
オフィス移転などに伴って電話サービスを乗り換える際、番号ポータビリティを選ぶ企業は多いでしょう。その際、以下の条件に該当している必要があります。
- NTT東日本・NTT西日本の電話サービスを利用している
- 市外局番のエリア内で移転する
- 電話番号がISDN電話で取得されている
つまり、市外局番が異なるエリアへとオフィス移転する場合、番号ポータビリティで番号を引き継ぐことはできません(050番号を使用している場合、番号ポータビリティを利用せずに番号を引き継げるケースが多いです)。電話番号が変更となる可能性があることも念頭に置いておきましょう。
なお、新規導入するクラウドPBX側で、引き継ぎたい電話番号に対応していなければ、そのまま電話番号を使い続けることができません。そのためサービス選びも慎重に行う必要があります。自社に合ったクラウドPBXの選定をしたい方は、ぜひPRONIアイミツ(当社)を活用ください。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったクラウドPBXが分かる診断(無料)もあります。
クラウドPBXの電話番号の種類
クラウドPBXで使用できる電話番号の種類は、主に下記の3つです。
- フリーダイヤル
- 市外局番
- IP電話
フリーダイヤル
クラウドPBXでは、フリーダイヤルやフリーコールと呼ばれる着信課金番号を使用することができます。フリーダイヤルとはNTTコミュニケーションズが提供している電話サービスで、フリーコールとはKDDIが提供している電話サービスです。発信者は無料で通話できるのが大きな特徴で、0120、0800から始まる電話番号がこれに該当します。
市外局番
市外局番から始まる10桁の電話番号も、クラウドPBXで使用することができます。一般的に固定電話で使用されている電話番号です。例えば、東京の場合には03から始まる電話番号、大阪の場合は06から始まる電話番号が、市外局番から始まる電話番号に該当します。
先にも述べた通り、市外局番から始まる電話番号をそのまま引き継ぎたい場合には、番号ポータビリティの利用かゲートウェイの設置が必要となる点に注意してください。
IP電話
050から始まるIP電話番号もクラウドPBXで利用できます。IP電話とは、VoIP(Voice over Internet Protocol)を利用して提供されている電話サービスのこと。電話回線を通じ交換局経由で通話可能な一般電話とは異なり、インターネット回線を通じて通話できる点が大きな特徴です。
市外局番から始まる番号のようにエリアには紐づいていないため、オフィス移転の際にも電話番号をそのまま引き継げますが、通信業者が変更すると電話番号を引き継げないこともあるため注意が必要です。
【比較表】電話番号を引き継げるクラウドPBX
ここからは実際に、電話番号をそのまま引き継げるクラウドPBXを紹介します。以下、サービスごとの対応電話番号についてまとめた表もぜひ参照ください。
サービス名 | 対応する電話番号 |
---|---|
INNOVERA PBX | 約40種類の市外局番、050・0120などに対応 |
MiiTel | 050・03・06・0120・0800・その他主要都市の市外局番に対応 |
BIZTEL | 03・06・050・0120・0800・0570番号などに対応 |
トビラフォンCloud | 050・03・06・0120番号などに対応 |
ひかりクラウドPBX | 03・06番号などに対応 |
INNOVERA PBX(イノベラ)は東京や大阪など以外、約40種類の市外局番に対応したクラウドPBXで、地方に拠点を持つ企業におすすめです。なお、多くのクラウドPBXでは050から始まるIP電話番号や、0120から始まるフリーダイヤルに対応しています。
【2024年最新】電話番号をそのまま使えるクラウドPBXおすすめ5選
2024年現在、電話番号をそのまま使えるクラウドPBXの中で、おすすめのサービス5選を紹介します。「使用中の電話番号を変えずにクラウドPBXに乗り換えたい」という企業・個人事業主は、ぜひ参考にしてください。
- INNOVERA PBX(イノベラ)
- MiiTel(ミーテル)
- BIZTEL ビジネスフォン
- トビラフォンCloud
- ひかりクラウドPBX
-
料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
INNOVERA PBX(イノベラ)は、株式会社プロディライトが提供するクラウドPBXです。スマートフォンやPCでの通話が可能となるほか、音声ガイダンスやIVR、全通話録音など、あると便利な機能が豊富に搭載されているのが特徴。API連携で外部サービスとも柔軟に連携できるため、CRMなどと連携させて業務を効率化させたい企業にもおすすめです。導入企業数は1,500社以上、アカウント数は3万を超えていることからも、安心して導入できるクラウドPBXです。
また、IP-Lineと呼ばれるINNOVERA独自の通信回線を使用しているのが大きな特徴で、東京、大阪の市外局番だけでなく、北海道や宮城、神奈川、京都、福岡など40種類の市外局番に対応。電話番号をそのまま利用したい企業におすすめのクラウドPBXです。
MiiTel
-
料金
月5,980円/ID -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
MiiTel(ミーテル)は、株式会社RevCommが提供しているクラウドPBXです。IP電話の機能をはじめ、IVRや全通話録音、文字起こし、キューイングなどの便利な機能を多く搭載しているほか、音声分析機能も充実しています。
「オペレーターの話す速度や相手とのラリー回数は適切か」「被せ率が高くないか」などをAIが分析・評価し、対応品質のブラッシュアップに役立てることができます。電話営業・インサイドセールスのみならず、コールセンターやカスタマーサポートにも活用できるでしょう。
利用できる電話番号は、03や06をはじめとする各主要都市の市外局番、050から始まるIP電話番号、0120や0800などのフリーダイヤル・フリーコール。主要エリアの番号には対応しているため、番号を引き継ぎたい企業にもおすすめのクラウドPBXです。
-
料金
月21,000円 -
初期費用
50,000円
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
BIZTEL(ビズテル)は株式会社リンクが提供するクラウドPBXです。スマートフォンやPCを使って場所を選ばず内線通話が可能となり、テレワークやオフィスのフリーアドレス制導入をサポート。インターネット回線さえ整っていればすぐに導入でき、最短5日で導入可能です。幅広い業種で利用され、これまでの導入実績は2,000社以上を誇ります。
電話番号をそのまま引き継ぎたい場合には、番号ポータビリティを利用して番号を引き継ぐことも可能。東京や大阪、札幌、千葉、名古屋や福岡など、政令都市の市外局番から始まる番号であればそのまま利用可能です。その他にも、0120や0800、0570の電話番号を使用を継続することもできます。
-
料金
月3,000円 -
初期費用
33,000円
-
最低利用期間
1ヶ月
-
最低利用人数
なし
トビラフォン Cloudは、トビラシステムズ株式会社が提供するクラウドBPXです。スマートフォンやPCなどマルチデバイスによる受電・架電のほか、回線の一括管理や通話自動録音、IVR、迷惑電話のブロックなど豊富な機能が搭載されており、その使いやすさからブランドユーザー数は1,500万人を突破。
03などの市外局番から始まる電話番号のほか、0120から始まるフリーダイヤル・フリーコールの電話番号の引き継ぎ・新規取得にも対応しているため、現在使用中の番号をそのまま使用したい企業におすすめ。
また、通話内容はすべて暗号化されるだけでなく、IPアドレスを使ったアクセス制限、スマホ紛失時の番号ロックアウトなど、セキュリティ面の機能も充実しています。電話番号はそのままに、安心して利用できるクラウドPBXです。
-
料金
月11,000円/専用BOX1台 -
初期費用
4,950円
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
「ひかりクラウドPBX」はNTT東日本(東日本電信電話株式会社)が提供するクラウドPBXです。私用スマートフォンを内線化してビジネスフォンとして使うことができ、内線番号・代表番号・携帯電話番号の3つをスマホ1つで使い分け可能。テレワークやフリーアドレス制の導入をスムーズにします。
また、「ひかりクラウドPBX」はこれまでに使用してきたPBX、ビジネスフォンと併用しながら導入できるので、会社の電話回線を急速にクラウド化するのが難しい場合にも安心です。段階的にクラウド化させていくことで、現場を混乱させることなくシステム導入を図れるでしょう。
- アカウント権限
- 外線接続機能
- 内線基本機能
- 転送機能
- 保留機能
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- スマホアプリ(iOS)対応
- スマホアプリ(Android)対応
以上、電話番号を引き継ぎできるクラウドPBXを紹介しました。とはいえ、おすすめのサービスは多数あるため、どれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。PRONIアイミツは、ITツール受発注のプロとして、希望要件に合ったクラウドPBXの案内が可能です。料金無料・最大6社をご紹介しますのでぜひ一度お試しください。
失敗しないクラウドPBX選びのポイント
ここからは、クラウドPBXを導入する際に失敗しないためのポイントを、以下の5点にまとめて解説します。
- 通話の音質
- 利用可能な電話番号
- 必要な機能を搭載しているか
- セキュリティ対策
- 初期費用・月額料金
通話の音質
クラウドPBXの通話品質はサービスごとに違うため、「通話時の音質に問題がないか」を確認するのがポイント。総務省が定める判定基準によると、クラウドPBXなどのIP電話サービスの通話品質は以下のようにランク分けすることができます。
総務省判定基準 | 通信品質 |
---|---|
クラスA | 固定電話と同等 |
クラスB | 携帯電話と同等 |
クラスC | 一般的なIP電話と同等 |
※出典:総務省「IP電話の通話品質評価の標準化動向と課題について」
ビジネスにおいてクラウドPBXを利用する場合、できればクラスAに分類されるサービスを導入しておきたいところです。特に、コールセンターを運営している企業や、顧客からの問い合わせに電話で対応している企業は、通話品質が顧客満足度に直結するため重要です。通話品質が高いかどうかは、無料トライアルを利用して確認しましょう。
利用可能な電話番号
クラウドPBXを導入する際には、「利用可能な電話番号は何か」「自社が使いたい電話番号に対応しているか」を確認しておく必要があります。クラウドPBXでは、市外局番から始まる電話番号や、フリーダイヤル・フリーコールなどの着信課金番号、050から始まるIP電話の番号を利用できることが一般的です。
しかし、どの電話番号に対応しているのかはサービスごとに違います。市外局番から始まる番号に対応していると言っても、東京や大阪といった主要都市にしか対応していないケースもあるため注意しましょう。また、現在使用している電話番号をそのまま使いたい場合、番号ポータビリティによる電話番号の引き継ぎに対応しているか、も確認が必要です。
必要な機能を搭載しているか
どのクラウドPBXでも、スマートフォン・PCなどのマルチデバイスによる受発信や、パーク保留、転送などといった基本機能を利用できます。一方で、IVRやACD、通話録音、ウィスパリングや音声のテキスト化などの機能は、全てのクラウドPBXが持ち合わせている機能ではありません。自社に必要な機能を搭載しているかを比較することが重要です。
セキュリティ対策
多くの取引先や顧客との通話が行われるクラウドPBXにおいては、万全のセキュリティ対策が求められます。具体的には、以下のポイントについて注意しておくと安心です。
- ベンダーによって随時ソフトウェアがアップデートされているか
- 複数のデータセンターを利用し、リスクが分散されているか
- ログイン時はIPアドレスや端末などでアクセス制限ができるか
- 音声データは暗号化されているか
また、パスワードはこまめに変更する、デバイスのアップデートも忘れないなど、社内でできるセキュリティ対策も徹底しましょう。
初期費用・月額料金
クラウドPBXの利用料金は企業規模によって変動するため一概には言えませんが、相場としては、初期費用が10〜50万円程(無料のサービスもあり)、月額料金が1万円~5万円程です。自社がクラウドPBXの導入に充てられる予算を把握したうえで、自社にとってより有益なサービスを選定しましょう。
まとめ:オフィス移転も、電話番号そのままで対応できるクラウドPBXがおすすめ
今回は、オフィス移転の際にも便利なクラウドPBXについて解説しました。固定電話からクラウドPBXに移行する場合、現在使用している電話番号をそのまま引き継ぐことが可能です。「電話の費用を削減したい」「テレワークやフリーアドレスに対応したい」という企業は、ぜひクラウドPBXの導入を検討ください。
とはいえ、クラウドPBXは多数あり、どれを導入すべきか迷ってしまうでしょう。PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、クラウドPBX選びについての相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったツールが分かる診断(無料)もありますので、ぜひ一度お試しください。
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