社内回覧とは?ルールや電子化の方法、成功事例を解説
「社内回覧が何かとスムーズに進まず、どうすればいいのか悩んでいる」、「テレワークも取り入れるようになったため、電子サービスの導入など社内回覧のあり方を変えたい」とお困りの企業は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、社内回覧をスムーズに回す方法や社内回覧の電子化などについて解説していきます。
- 社内回覧とは
- 社内回覧を回す際のルール
- 社内回覧の書き方
- 社内回覧をスムーズかつ正確に回す方法
- 社内回覧を効率化したい!社内回覧は「電子化」できる?
- 社内回覧を電子化するメリット
- ワークフローシステム導入による成功事例4選
- まとめ
社内回覧とは
「社内回覧」とは、社内において各種書類を順番に回覧させていく行為のことを言います。重要な業務や決済については、誤った情報の伝達や伝達漏れなどを未然に防いでおきたいもの。しかし、口頭で伝達してしまうと途中で誤りや漏れが生じてしまうかもしれません。
そのような事態を防止するために、対象となる文書を順々に回覧してもらい、周知を徹底するのです。最近では、在宅ワークやワーケーションなどの柔軟な働き方が増えたことにより、社内回覧が電子化したワークフローシステムを導入している企業も少なくありません。
ちなみに、社内回覧で順々に回覧してもらうための文書のことは「回覧文書」と呼び、ワークフローシステムではこの回覧文書を電子化することによって効率化を叶えています。
社内回覧の目的
先にも述べている通り、社内回覧は誤った情報の伝達や情報の伝達漏れなどを防ぐことを大きな目的として行われるものです。具体的な目的・利用シーンとしてはさまざまな状況があげられますが、以下のようなパターンが多いでしょう。
- 上層部に意見を伝え、内容について検討してほしい場合上層部に意見を伝え、内容について検討してほしい場合
- ーティングや打ち合わせにおいてどのような内容が取り上げられたか、結論はどうなったか伝えたい場合
- 関係している従業員や上層部、あるいは会社の総意や決裁を得る必要がある場合
- 社内で開催されるイベントやレクリエーションなどについて周知したい場合
- 決定された事項について関係者や社内全体に周知したい場合
- ある業務に関して対応を依頼したい場合
社内閲覧の多くは複数の部署にまたがり閲覧されることが多い為、閲覧対象者の確認が済むまで時間が掛かってしまう場合もあります。
社内回覧の種類
社内回覧の目的や利用シーンは上記で説明した通りですが、具体的にはどのような種類の文書が回覧されるでしょうか。
今回は、どのような文書が回覧されるのかを表にまとめて紹介します。
さまざまな種類がありますが、どの文書も組織を動かしていく上で欠かせないものであり、それぞれで役割が異なるため注意しましょう。
回覧文書(社内文書) | 目的・利用シーン |
---|---|
上申書 | 上層部に意見・希望を述べて検討や決裁を求める |
稟議書 | 社内の決裁・承認を得る |
通達 | 組織に対する指令や指示を行う |
通知文 | 決定事項に関して社内に周知させる |
議事録 | ミーティングなどの経過や結果を周知させる |
指示書 | 業務に関連する指示を行う |
案内文 | 社内イベントに関して通知する |
依頼文 | 書類の提出など業務に関連する依頼を行う |
社内回覧を回す際のルール
それでは、社内回覧を回す際にはどのようなポイントに注意するべきなのでしょうか。社内回覧を回す際にはいくつかのルールが設けられているので、きちんとおさえておきましょう。社内回覧を回す際のルールには、以下があげられます。
- 回覧文書はわかりやすく作成する
- メール回覧の場合には返信を義務化する
- 速やかに閲覧し、閲覧したらすぐに回す
- 不在者は飛ばしてもOK
ルールの制定や改定後には閲覧ルールの周知や社内回覧に記載しておくと効率良く回すことができるでしょう。
社内回覧の書き方
社内回覧にはさまざまなルールがあることがわかりましたが、社内回覧を回さなければならなくなった場合、文書はどのように作成するべきなのでしょうか。社内回覧の回し方と同様に、社内回覧で回す文書の書き方においてもいくつか注意点があります。
- タイトルと内容のどちらもわかりやすく簡潔に
- 前置きや結びの言葉は不要
- 回覧文書の作成日付と回覧期限を忘れず記載
- 回覧主や担当者の氏名や部署も忘れず記載
上記に沿って回覧を作成すると確認がしやすいくなり、スムーズに社内回覧を回すことができるでしょう。
社内回覧をスムーズかつ正確に回す方法
社内回覧はスムーズに回していくことが重要であるとわかりましたが、社内回覧をスムーズかつ正確に閲覧してもらうにはどうするべきなのでしょうか。以下では、社内回覧をスムーズにするための方法について紹介していきます。
要点をまとめ、誰もが理解しやすい内容にする
社内回覧をスムーズに回していくためには、要点をまとめ、誰もが理解しやすい内容しましょう。冗長的な文章は内容が掴みにくく、読みにくいため、閲覧スピードを低下する要因になります。また、読み手側も業務の合間に読むことが多いため、なるべく、時間をかけずに把握したいのが本音でしょう。
社内閲覧の文章は、なるべく要点だけをおさえた無駄のない文書を回すことによって、スムーズな回覧が叶うでしょう。
簡易的な名簿を作成し添付する
社内回覧をスムーズに回していくためには、簡易的な名簿を作成し添付することも忘れないでください。
紙媒体で社内回覧を進めている場合、回覧させる社員のリストを作成しておき、誰がすでに回覧済みなのかを分かるように捺印欄やチェック欄などを設けましょう。
リストを作成しておかなければ、後から「回覧文書は閲覧済みですか?」と確認しなければならず、効率が悪くなってしまいます。
回覧のルールを記載する
社内回覧をスムーズに回していくために、回覧する際のルールについてもきちんと明記しておきましょう。
読んだら回覧者リストに捺印する、部署ごとで回覧し完了したら次の部署へと渡す、メール回覧の場合には必ず返信してもらうなど、社内回覧についてのルールを自分たちで設けて、回覧文書に記載、あるいは添付するようにしておくと、戸惑うことなくスムーズに回すことができます。
メールやチャットの場合、返信や記録を義務化する
先ほどにも説明しましたが、メールやチャットなどで社内回覧を回す場合には、返信を義務化するように徹底しましょう。
あるいは、エクセル やスプレッドシートなどで別途確認用のシートを作成し、閲覧が済んだら自分の名前の欄にチェックを入れるなどといった運用が求められます。
こういった仕組みづくりをしなければ、どこまで回覧が進んだのか、誰が文書を確認したのかが曖昧になってしまうため、あらかじめきちんとルールを定めておきましょう。
社内回覧を効率化したい!社内回覧は「電子化」できる?
ここまで社内回覧を回す際のルールやスムーズに回す方法について解説してきましたが、上記のような方法で社内閲覧をなるべく円滑化しようと試みても、なぜかスムーズに進まないとお悩みの会社も多いのではないでしょうか。その場合、紙の書類で社内回覧を行うのではなく、電子化を進めた方がいいかもしれません。
冒頭の「社内回覧とは?」で説明している通り、最近ではワークフローシステムを用いて社内回覧を電子化している企業は増加しています。ワークフローシステムとは、経費精算書や稟議書、設備利用願いなどといった申請書を電子化して申請フォームとし、オンライン上で回覧・決裁が可能となるツール。もちろん申請書のみならず、上申書や議事録などさまざまな文書を回覧できます。
これまでは文書を紙で作成して回覧させていたという企業も、ワークフローシステムを導入して社内回覧を電子化することで、より効率化できます。別記事「ワークフローシステムを徹底比較」では、詳しい選び方やおすすめのワークフローシステムを解説していますので、合わせてご覧ください。
社内回覧を電子化するメリット
社内回覧を電子化できることはわかりましたが、わざわざ電子化させることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下では、社内回覧を電子化させることによるメリットを3つ紹介していきます。
回覧スピードが上がる
社内回覧を紙の文書で行っている場合、外出や出張が多い社員がなかなか確認できない、他の部署まで手渡ししなければならないのが面倒など、さまざまな理由で回覧スピードが下がってしまいます。
しかしワークフローシステムで社内回覧を電子化すれば、PCだけでなくスマートフォンなどのモバイルデバイスからも文書をチェックし回すことが可能なので、不在者がおりなかなか回覧が進まないなどといった悩みはなくなるでしょう。
回覧状況が分かりやすい
社内回覧を紙の文書で行う場合、文書とは別に回覧リストを作成して添付しなければなりません。回覧リストは文書とともに順々に渡されてしまっているので、担当者は回覧状況を確認しづらいのも問題です。
しかしワークフローシステムであれば、社内回覧で回した文書がどの人まで回っているのかをすぐに確認でき、状況をリアルタイムに把握することができます。
もしも誰かのターンで遅延している場合には、速やかに確認するよう通知を送ることもできるのがうれしいポイントでしょう。
過去の文書も検索しやすい
社内文書を紙媒体で管理している場合、過去の重要な文書をどこで管理しているのかわからなくなる、書類が多すぎて管理が面倒になるなどといった問題が生じます。
しかし、ワークフローシステムを導入して社内回覧を電子化すれば、過去の文書も電子データで保管されていくため、検索をすればすぐに書類を探し出すことが可能です。紙媒体での保管ではなくなるので、保管場所や保管方法について悩むこともなくなるでしょう。
関連記事:稟議書を電子化する方法やメリット、システムの選び方を解説
ワークフローシステム導入による成功事例4選
最後に、ワークフローシステムを導入したことによって実際に効率化を叶えている成功事例を紹介していきます。
社内回覧の電子化しようかお悩みの場合は、ぜひ参考になさってください。
【楽々WorkflowII】月110時間の業務削減を実現した事例
半導体関連の機器開発・品質管理などを行っているSCREEN SPE テック社は、ワークフローに文書管理システムを採用していたものの、WordやExcelで作った申請書ファイルのシステムへの格納やダウンロード、申請書を作成したらメールで送信などといった作業に手間がかかるだけでなく、進捗状況が見えない点が課題に。新たに文書管理システムを導入し直すも文書を一覧で確認できず不便であったことから、ワークフローシステム「楽々WorkflowII」を導入し、承認申請業務にかかる時間や申請書への記入ミスなどを削減することに成功しました。
※出典 住友電工情報システム株式会社「奉行シリーズ」と連携し月110時間の業務を削減【SCREEN SPE テック様】https://www.sei-info.co.jp/workflow/cases/screen-tc.html
【Create!Webフロー】ハンコ文化の脱却・承認スピードの高速化に成功した事例
建設機械や資材の販売・レンタルを中心にさまざまな事業を展開している喜多機械産業社は、紙媒体によるワークフローを採用していたものの、アナログであるが故に最終的な決裁までに多くの時間がかかっていました。承認待ちの文書が多く、進捗状況もわかりづらかったと言います。
そこでワークフローシステム「Create!Webフロー」の導入を決断し、スマートフォンからであっても気軽に申請文書・社内文書を確認できる環境に。回覧・承認スピードは格段に上がり、進捗状況も一目で把握できるようになりました。
※出典 インフォテック株式会社 「ハンコ文化からの脱却により承認スピードが高速化 業務の流れが見えるワークフローを経営層も高く評価」https://www.createwebflow.jp/case/kitakikai/detail.html
【ジョブカンワークフロー】決裁の速さが1週間から1日に短縮した事例
アパレルや小物の販売を中心に事業を展開している坂善商事社は、ワークフローにおいて紙の書類による手続きや手書きの署名が必要なことが多く、最終的な決裁に至るまでに1週間ほどかかってしまうこともあったと言います。
そんな状況を解決するために、ワークフローのスピードを改善しようとワークフローシステム「ジョブカンワークフロー」を導入。決裁までの時間をこれまでよりも大幅に短縮でき、よりコア業務に集中できるようになったのもうれしい成果です。
※出典 株式会社 DONUTS ジョブカンワークフロー 「決裁スピードが1週間→1日に大幅短縮!老舗アパレルチェーンのDX改革」https://wf.jobcan.ne.jp/case/sakazen/
【X-point Cloud】業務効率化とペーパーレス化を実現した事例
自動券売機や貨幣処理ユニットなどさまざまな製品を提供しているネッツエスアイ東洋社は、申請・承認作業に関してアナログで行っていたものの、コンプライアンス強化を背景に必要とされる手続きが増加。処理を担当している総務担当者への負担が増えるばかりでした。
また、アナログであるが故に管理に手間がかかるだけでなく、印刷コストもかさんでいくばかりという状況に。そこでワークフローシステム「X-point」を導入し、事務処理の負担も大きく削減されました。
※出典 株式会社日立システムズ 「Webワークフロー「X-point」、交通総合案内WEB「ハイパーダイヤ」各種申請のシステム化により、業務効率アップとペーパーレス化を実現」https://www.hitachi-systems.com/ind/xpoint/case/case02/index.html
まとめ
社内回覧をスムーズかつ正確に進めるためには、紙の文書でのやりとりではなく、ワークフローシステムの活用がおすすめです。ペーパーレス化、進捗状況の見える化、いつでもどこでも閲覧可能などさまざまな導入メリットがあるため、社内回覧でお悩みの場合はシステムの活用を検討してみましょう。
しかし、ワークフローシステムは多数あり、どれを導入すべきか迷ってしまうでしょう。PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、ワークフローシステム選びについての相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったツールが分かる診断(無料)もありますので、ぜひ一度お試しください。
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