リファラル採用の報酬相場は?制度のメリットや注意点も解説
リファラル採用はアメリカではすでに一般的な採用方法で、日本でも2015年頃からベンチャー企業を中心に取り入れられています。リファラル採用を導入することで、採用コストを大幅に抑えることができ、かつ質の高い人材を獲得しやすくなります。
この記事では、リファラル採用の報酬(インセンティブ)の相場、制度のメリット、リファラル採用を運用する際に注意すべきポイントを解説します。採用活動に役立つおすすめツールも紹介しますのでぜひご覧ください。
- リファラル採用とは
- リファラル採用の報酬(インセンティブ)
- 日本の報酬相場は10万~30万円
- 報酬は法律に違反しないか
- リファラル採用を運用する際のポイント
- リファラル採用のメリット
- 【比較表】リファラル採用に特化したツール
- リファラル採用に特化したツールおすすめ3選
- まとめ:採用管理システム選びならPRONIアイミツへ
リファラル採用とは
リファラル採用とは、自社に在籍する社員やすでに退職したOB・OGなどから友人や知人を紹介してもらい、採用につなげる採用制度です。リファラル(referral)という言葉は「紹介・推薦」という意味があります。
社員が人材紹介の役割を担うため、採用コストを安く済ませることができるメリットや、優秀な人材を確保できるメリットがあります。アメリカでは大手IT企業などを中心にリファラル採用の導入が進んでいます。日本においても、ベンチャー企業を中心にリファラル採用が利用されています。
縁故採用との違い
リファラル採用に似た手法として「縁故採用」があります。縁故採用は、経営幹部や取引先などからの紹介で、通常の選考プロセスを経ずに採用される傾向があります。一方で、リファラル採用は、あくまでも1人の応募者として通常のプロセスで選考を行います。紹介者の推薦は書類選考・一次面接など初期の選考過程に該当するものと考えられ、その後は実際の採用フローに従って判断されるため、公平性と透明性が高いといえます。
リファラル採用の報酬(インセンティブ)
リファラル採用の報酬(インセンティブ)とは、企業が社員(紹介者)に対して、知人や友人を紹介してもらい、その方が採用に至った場合に支払う報奨金や特典のことです。これは、社員が自社の採用活動に協力してくれたことに対する感謝の意と、今後も積極的に優秀な人材を紹介してもらうための動機付けとして機能します。
報酬が社員の紹介意欲を高めるものであることが重要です。報酬額だけでなく、紹介者と応募者の双方にとってメリットがあるような設計が望ましいでしょう。お金以外の報酬例としては、次のようなものが挙げられます。
- 社内表彰
- 特別休暇
- 高級グルメ、食事券
- 部門予算の付与(紹介人数に応じた特別予算を付与する)
日本の報酬相場は10万~30万円
日本企業のリファラル採用における報酬(インセンティブ)相場は、10万~30万円程度です。職種や役職、経験・スキルによって報酬額を変えているケースも多く見られます。
たとえば、看護師、薬剤師、建築士などの専門的な職種では、50万円程の報酬を設定しているケースがあります。それでも、求人媒体や人材紹介会社と比較して、コストが安くなるためです。
なお、日本では報酬(インセンティブ)目当てで、友人や知人に声をかける社員は少なく、報酬金額の高さがモチベーションにはつながらない可能性もあります。それよりも、会社や友人に感謝されることによって、紹介した社員が満足感を得られ、リファラル採用に協力する気持ちを持てる、というケースも。紹介した社員が人事評価でプラスに評価されるような仕組みなどがあると、良い結果が出やすいでしょう。
報酬は法律に違反しないか
職業安定法の第40条では、「労働者の募集にあたり報酬を与えることは原則禁止。しかし、賃金・給与その他これらに準ずるものあれば、報酬を支払ってもよい」という内容が記されています。
(報酬の供与の禁止)
第四十条 労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。
本来、人材紹介をするためには資格が必要であり、その資格を持っていない人が紹介をして報酬を受け取ると違法となってしまいます。「紹介そのものに対する報酬」は違法ですが、会社の業務として募集活動をしている場合には、その対価として賃金・給与を支払うのは合法という判断です。つまり、リファラル採用の報酬(インセンティブ)が違法と判断されるリスクは小さいといえます。
違反にならないためのポイント
リファラル採用の報酬(インセンティブ)が「違反」とならないために、次の2点に注意しましょう。
就業規則や賃金規程への明記
「人材を紹介する」ことだけに報酬(インセンティブ)を支払うと、職業安定法や労働者派遣法に抵触してしまうリスクがあります。そうならないために、業務の一部として人材紹介業務を組み込み、人材紹介業務だけに報酬を与えているのではないことを就業規則や賃金規程に明記しておくことがポイントです。
社員が人材を紹介してもよいことを制度として社内規程化し、併せて報酬(インセンティブ)も明記しておけば、経理上の問題になることもないでしょう。
報酬(インセンティブ)を高額にしない
報酬(インセンティブ)を高額に設定すると、職業安定法に抵触し、無許可で人材紹介業を行ったとみなされるリスクが生じます。報酬の目安として、人材紹介会社の報酬(採用された人材の年収の30%~40%程)よりも低い金額に抑えることがポイントです。
リファラル採用は、採用コストを低く抑えることが導入理由の1つでもあるため、通常は社員に対する報酬(インセンティブ)は高額にはならないでしょう。
以上、リファラル採用の報酬相場や注意点について解説しました。社内制度設計時にぜひ参考にしてください。なお、自社の採用力を強化したい企業には採用管理システムもおすすめ。リファラル採用を含めた自社の採用データを一元管理し、業務効率化に役立ちます。
リファラル採用を運用する際のポイント
これからリファラル採用を始めようとお考えの企業へ、運用時に注意すべきポイントを解説します。
報酬のタイミング
1つ目のポイントは、報酬のタイミングです。そもそもの応募数が少ないことが課題であればできるだけ早い段階で報酬を支給するのがよいでしょう。紹介が成功したことをすぐに実感でき、次回の紹介への意欲が高まります。
一方で、入社辞退・早期離職が課題であれば、入社から一定期間が経過した後に報酬を支給するという制度設計が有効。入社後のフォローやサポートを促し、紹介された人材が会社に定着する可能性が高まります。
| 課題 | 報酬のタイミング |
|---|---|
| リファラルでの応募を増やしたい | 紹介した時点、または採用時に報酬を支給する |
| 早期離職を防ぎたい | 入社から一定期間が経過したら報酬を支給する |
また、「スキルが高い優秀な人材を確保したい」とお考えなら、紹介した人だけでなく、紹介された人に対しても報酬を支給することが効果的。応募の動機付けになるだけでなく、紹介する側の心理的なハードルを下げる効果もあります。
社員にリファラル採用の制度を周知する
社員にリファラル採用の目的やメリットを理解してもらうことは、制度を運営していくうえでとても重要です。社内研修や社内報、イベントなどを通じて、制度の存在と重要性を繰り返し伝えましょう。
とくに次の点を明確に伝えることがポイントです。
- 募集ポジション
- 採用基準
- 採用フロー
- 報酬(インセンティブ)
社員が紹介しやすい環境をつくる
リファラル採用を成功させるには、社員が安心して友人や知人を紹介できる環境づくりが不可欠です。単に「こんな人が欲しい」と伝えるだけでは不十分。社員の立場に寄り添い、サポートすることがポイントです。
たとえば、会社案内や待遇に関する資料を用意し、社員が自信を持って会社を紹介できるようサポートすることができます。また、紹介が採用に結びつかなくても、紹介行動自体を人事評価に反映するなど、積極的に評価する仕組みを導入することも有効です。
従業員満足度を高める継続的な取り組み
リファラル採用の成功は、従業員が自社にどれだけ満足しているかにかかっています。社員が「この会社を紹介したい」と思えなければ、友人や知人への紹介は期待できません。
そのため、リファラル採用を進める上では、社員の会社への愛着や満足度を高める施策が不可欠です。社員自身が「良い会社だ」と心から思えれば、自信を持って知人に推薦できるでしょう。従業員満足度は一朝一夕で向上するものではないため、日頃から意識し、継続的に職場環境を改善していくことが重要です。
リファラル採用のメリット
エージェント経由の応募と比較した、リファラル採用のメリットをまとめます。
採用のミスマッチを防げる
紹介者は、候補者のスキルや性格をよく知っているため、自社に合うかどうかをある程度見極めて紹介します。また、候補者も会社の良い点だけでなく、大変な点や課題も聞くことで、入社後の期待値を現実的なものに調整できます。また、入社当初から顔見知りがいることで職場に馴染むのも早く、早期離職を防げるのも大きなメリットでしょう。
採用コストを削減できる
リファラル採用では、社員のつながりを活用するため、求人広告費や人材紹介会社の手数料がかかりません。また、説明会や面接にかかるリソースも少なくなるため、人事担当者の負担を軽減しながら人材獲得ができます。
転職活動をしていない潜在層にアプローチできる
「本格的に転職活動はしていないが、良い会社があれば仕事を変えたい」と考えている方は一定数存在します。こうした潜在層が、知人からの何気ないアプローチから転職を決めるケースは少なくありません。隠れた優秀な人材を他社と競い合わずに確保できるのは、リファラル採用の大きなメリットでしょう。
【比較表】リファラル採用に特化したツール
ここからは実際に、リファラル採用に特化したツールを比較し、おすすめサービスを紹介します。以下、料金や導入実績を比較した表をご覧ください。
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料金
要問合せ
初期費用 要問合せ |
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要問合せ
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リファラル採用機能
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リファラル採用機能
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導入実績社数 850社以上 |
導入実績社数 800社 |
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リファラル採用に特化したツールおすすめ3選
2025年現在、リファラル採用に特化したツールを提供するおすすめサービス3選を紹介します。特徴やおすすめポイントも紹介してますのでぜひ参考にしてください。
- Refcome
- MyRefer
- GLOVER Refer(サービス終了)
Refcome
Refcome(リフカム)は、リファラル採用を成功させるための採用支援サービスです。これまで大手からベンチャー企業まで850社以上の支援実績があります。
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主な機能
MyRefer
MyRefer(マイリファー)は、新卒採用・中途採用・アルバイト採用まで、全ての採用領域に活用できるリファラル採用サービスです。これまで中小企業から大企業まで800社以上の利用実績があります。
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主な機能
【終了】GLOVER Refer
※サービス提供終了しています
GLOVER Refer(グラバー リファー)は、リファラル採用の各ステップを一元管理することで、採用コストの削減や即戦力人材確保に効果を発揮するツール。株式会社リクルートキャリアが提供しており、新卒・中途・アルバイト採用などあらゆる領域、さまざまな職種での豊富な採用実績を持つ、リファラル採用の導入・促進ツールです。
まとめ:採用管理システム選びならPRONIアイミツへ
リファラル採用を成功させるには、報酬などの制度設計を行うだけでなく、社員がリファラル制度を使いやすいように運用を改善したり、そもそもの従業員満足度を高めて紹介したくなるような企業カルチャーをつくっていくことが大切です。
少ない人数でリファラル採用、および採用業務全般を進めるのは大変です。リファラル採用を含む採用活動を一元管理できるシステムも多数登場していますのでぜひチェックしてみてください。
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