採用管理システム(ATS)の選び方を紹介!目的別のおすすめシステムも
売り手市場が続く昨今、採用管理システム(ATS)を利用する企業が増えています。採用管理システムとは、導入すればさまざまな採用業務を一元管理できるもの。効率アップやパフォーマンスの向上が見込めるでしょう。
しかし、採用業務を効率化させたいと考えていても、採用管理システムの選び方が分からず、結局導入を踏みとどまっているという人も少なくないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、採用管理システムの機能やどのような種類があるのか、さらには選び方や課題別におすすめの採用管理システムなどを紹介していきます。採用管理システムの導入を検討している方、選び方を知りたいという方は、ぜひ参考になさってください。
- 採用管理システム(ATS)の役割
- 採用管理システムの主な機能
- 採用管理システムの種類
- 採用管理システムの選び方
- 中途採用に強い採用管理システム
- 新卒採用に強い採用管理システム
- アルバイト・派遣スタッフ採用に強い採用管理システム
- 採用管理システムの選び方のポイント
- まとめ
採用管理システム(ATS)の役割
はじめに、採用管理システムにはどのような役割があるのかを確認していきましょう。
採用管理システムは、基本的に以下の効果が期待できます。
・採用業務の効率化
・採用業務の効率化によるコストダウン
・採用業務の効率化によるパフォーマンス向上
まず、さまざまな採用管理業務を1つのシステムにまとめて管理できることによって、大幅に作業効率が上がります。たとえば、いくつかの求人媒体を活用して採用活動を行っている場合、求人媒体Aと求人媒体Bを行き来する必要があり、それぞれの媒体で応募者情報も管理しなければならないなど、非常に手間がかかるでしょう。
しかし採用管理システムを導入すれば複数の求人媒体の情報をまとめて管理できるだけでなく、応募者情報やその後の選考情報の管理にいたるまですべて1つでカバー可能。採用業務全体を効率化することにより人件費の削減にもつながり、採用活動のパフォーマンス向上にもつなげられます。
採用管理システムの主な機能
ここからは、採用管理システムにどのような機能が備わっているのかを確認していきましょう。
応募者情報の管理
採用管理システムには、応募者情報を管理できる機能が備わっています。自社求人に応募してくれた応募者情報を、採用媒体に関係なく一元管理でき、応募者データベースを簡単に構築することが可能です。
応募者情報を1つのシステムに集約することによって、社内における情報共有スピードや、応募者へのメッセージ送信などの対応スピードも向上。売り手市場が続くなかで対応スピードの速さは非常に重要なポイントなので、応募者情報をまとめて管理できるのはとても助かるでしょう。
求人案件の管理
採用管理システムを導入すれば、求人案件を管理することも可能です。
採用においては、複数の採用媒体を活用し同時進行で採用を進めていくことが多いもの。しかしその場合、応募者とやりとりする際に複数媒体を行き来しなければなりません。採用媒体も採用担当も複数体制で進んでいる場合、管理が煩雑となってしまうことから、メッセージの送信漏れなども起こってしまいます。
しかし採用管理システムであれば、複数の採用媒体をまとめて管理することが可能。メッセージの自動送信も行えるシステムであれば、応募者への対応漏れも防げるでしょう。
内定者の管理
採用管理システムには、内定者の管理・フォロー機能も搭載されています。採用業務において非常に重要なのが、内定者に対してのフォロー。一緒に働きたいと思えた人材をしっかりと確保するためにも、選考のみならず内定通知後のフォローまで配慮しなければなりません。
採用管理システムを導入しておけば、内定通知をはじめ内定後の定期的な連絡やフォローまでカバー可能。なかには内定者が不安なく入社できるよう心理面のサポートに注力したサービスもあるようです。
選考状況の管理
採用管理システムでは、選考状況の進捗管理も行えます。先に複数の採用媒体を管理できると述べましたが、もちろんそれぞれの応募者の選考状況もまとめて管理可能。どのフローまで進んでいるのか、筆記試験の成績、面接の評価はどのようなものだったかなどを簡単に登録・共有できます。
明確な答えが決まっている筆記試験とは異なり、面接ではどのような点を評価したか、してないかにばらつきが出やすいもの。スムーズに情報共有を行うことで、評価基準のすり合わせにもつながっていくでしょう。
分析レポート
採用管理システムを導入することによって、採用データの分析も行えます。
採用管理システムのもっとも大きなメリットは情報を一元管理できることにありますが、それによって業務が効率化されるだけでなく、採用データが随時蓄積されていくのも非常に重要なポイント。蓄積したデータの分析によって、新たな施策に取り掛かりパフォーマンスを向上させることができます。
システムによっては分析レポート機能がついており、自動でデータ分析を行ってもらえるため大変便利でしょう。
採用webページの作成
採用管理システムによっては、採用webページの作成機能が搭載されているものもあります。
採用を進めるにあたって、必要となってくるのがリクルートサイトです。リクルートサイト内で自社のアピールをどれだけ効果的に行えるのかによって、その後の応募数は大きく変わると言っていいでしょう。
しかし、わざわざ採用ページの依頼を外注するとなると、費用面が気になる場合も少なくありません。その点採用管理システムを導入しておけば、採用webページの作成機能が搭載されているものもあるため、手間も費用も抑えながら制作が可能です。
採用管理システムの種類
採用管理システムと一口に言っても、その種類はさまざまです。ここからは、それぞれの種類別に採用管理システムについて紹介していきます。
クラウド型のシステム
現在、採用管理システムの主流となっているのがクラウド型です。クラウド型のシステムの場合、その名前からも分かる通りインターネット上で利用できるため、サーバーの設置は必要ありません。導入スピードが格段に早いだけでなく、導入費用も大きく抑えられるのが大きなメリットです。
マルチデバイス対応でインターネット環境であればいつでもどこでも使えるため、「移動時間にちょっと採用情報を確認したい」という場合にも役立つでしょう。
オンプレミス型のシステム
会社のセキュリティポリシーに則ってより安全なシステムを導入したい場合や、自社システムと柔軟にカスタマイズさせたいという場合におすすめなのがオンプレミス型の採用管理システムです。
システムを自社サーバー上に一から構築していくため、機能面や連携面で柔軟性が高いのが特徴の1つ。何より自社サーバー上で稼働するため、外部からの攻撃を受けづらい=情報漏洩などのトラブルが起こりづらいのが心強いでしょう。
しかし、クラウド型よりも初期費用が高く導入までに時間もかかるのがデメリット。予算面とスケジュール面に余裕がある場合でないと厳しいかもしれません。
採用業務全般に対応できるシステム
先ほどのクラウド型・オンプレミス型は導入形態の違いですが、搭載されている機能や得意分野も採用管理システムによって異なります。数ある特徴のうちの1つが、採用管理業務全般に対応できるものです。
採用業務全般に対応できるものであれば、新卒や中途、アルバイトなど問わず活用でき、求人管理や応募者管理、選考管理などをワンストップで行えます。
新卒採用に特化したシステム
採用管理システムのなかには、新卒採用に特化したものもあります。新卒採用の場合、より多くの学生と接触を持つためには、応募者管理に長けているシステムを導入するといいでしょう。応募者数の多さや選考数の多さを考慮して選考管理をサポートする機能が多いようです。
アルバイト採用に特化したシステム
アルバイト採用に注力したい、という場合にはアルバイト採用に特化した採用管理システムがおすすめ。アルバイト採用を行う際には、数あるアルバイト・パート求人のなかから見つけてもらうことが非常に重要なので、集客に強みを持っているシステムが多いようです。
中途採用に特化したシステム
新卒やアルバイトのみならず、経験・スキルのある人材を中途採用したいという会社も少なくないでしょう。その場合、中途採用に特化したシステムを導入するべきです。中途採用の場合には、掲載する求人媒体や利用する人材紹介会社も多くなることから、求人管理に関する機能が充実しています。
LINE連携のできるシステム
最近の新たな流れとして、LINEと連携できる採用管理システムも増えています。LINEを通じてコミュニケーションが取れることから、メールや電話よりも開封率・応答率が高く、採用がスムーズに進むと多くの企業から好評を得ています。
採用管理システムの選び方
採用管理システムにはさまざまな種類があると分かりましたが、数ある採用管理システムからどのように選定するべきなのでしょうか。ここからは、採用管理システムの選び方を確認していきましょう。
雇用形態で決める
採用管理システムの選び方としては、新卒や中途などといった正社員の雇用なのか、それともアルバイトや派遣、契約社員の採用なのかなど、雇用形態が非常に重要です。
先にも述べている通り、雇用形態や採用対象が異なることによって、注力するべき採用フローも異なります。新卒採用であればどれだけ多くの応募情報を管理しコミュニケーションを取れるのか、中途採用であれば複数媒体の管理がどれほどスムーズか、アルバイト採用であれば集客力が強いのかが重要となるでしょう。
採用管理システムによっては、新卒採用向け機能・中途採用向け機能をプラン別で導入できるものも。新卒・中途どちらも力を入れて採用活動を進めていきたいという場合には、プラン別でそれぞれの採用対象や雇用形態を選べるものか、雇用形態も問わず利用できる総合力の高いものを導入しておくと安心です。
必要な機能で決める
採用管理システムは、サービスによって得意としている領域や搭載されている機能が異なります。そのため、採用管理システムの選び方としては、現場がどのような機能を求めているのかもきちんと考慮しておかなければ、システムにできることと現場が求めていることのミスマッチが起こってしまいます。
複数の求人媒体の管理に悩んでいるのか、あるいは応募者とのコミュニケーションや情報の管理に悩んでいるのか、選考を進める上での社内における情報共有に悩んでいるのか……企業ごとに課題のあるフローは異なるため、それぞれの課題や要望に応えられる機能が搭載されていなければなりません。
20以上もの求人媒体の情報を集約できるものや、AIを活用することによって面接のスケジューリングを任せられるものなど、それぞれのシステムによって特徴はバラバラ。必ず搭載されていてほしい機能、できれば搭載されていてほしい機能などと優先順位をつけてから選定するとスムーズでしょう。
サポート内容で決める
採用管理システムを導入する際、特に問題なく導入・運用ができる体制が整っているという場合には問題ないかもしれませんが、導入時の各種設定をサポートして欲しい、運用中の操作に関しても随時相談したい、といったサポートに関する要望がある場合、導入コンサルティングが用意されているシステムや、電話やメール、チャットによるサポートセンターが用意されているシステムを選ばなければなりません。
採用管理システムのサポートと言っても、導入時の初期設定を丁寧にサポートしてくれるものもあれば、万が一の場合に相談できるサポートデスクが提供されているもの、活用方法をコンサルティングしてくれるもの、採用データの分析や施策の提案まで行ってくれるものなどさまざま。
一口に導入・運用サポートと言っても内容はそれぞれのシステムで大きく異なるため、どのようなサポートを求めるのかきちんと整理しておきましょう。
中途採用に強い採用管理システム
ここからは、中途採用に強い採用管理システムのなかから、とくにおすすめの2つを紹介していきます。
中途採用に強い採用管理システムについてもっと知りたいという方は、ぜひ「中途採用におすすめの採用管理システム9選」の記事も参考になさってください。
SONAR ATS
SONAR ATSは、東京都中央区にあるThinkingsが提供している中途採用に強い採用管理システムです。「どんな採用も見える化・自動化」できる採用管理システムとして多くの人気を集めており、これまでの導入実績は800社以上。ソフトバンクや日産、パナソニックなどの有名企業をはじめ、中小企業から大企業まで、業界も問わず利用されています。
採用状況を一目で把握できるフロー管理機能をはじめ、募集要項の作成や公開などをまとめて行える求人管理、資料探しをスムーズにする応募者管理のほか、採用に関するイベントや選考スケジュールの自動処理機能まで搭載。
「面接のスケジューリングに思いの外コストがかかっている」、「採用フローの進捗具合がきちんと共有できていない」などといった課題がある場合にはおすすめでしょう。
ジョブカン採用管理
ジョブカン 採用管理は、DONUTSが提供しているジョブカンシリーズの1つ。ブックオフやSBI証券、ピクシブやランサーズなど業界を問わずさまざまな企業に導入されており、過去には「経済産業省 後援 第2回 HRテクノロジー大賞 奨励賞 」を受賞したことも。これまでの導入実績数は6,000社以上というデータから、どれほど多くの信頼を寄せられているかがうかがえるでしょう。
月額8,500円(税抜)〜という業界トップクラスのリーズナブルな料金でありながらも、10種類以上の求人媒体と連携可能。使いやすさにこだわって設計されたシンプルな操作画面は、誰もが迷うことなく直感的に使えるのが心強いポイントです。これからは必須とも考えられるLINE連携にも対応しています。
メールや電話、チャットを通したサポート体制が万全なのも人気の理由でしょう。
新卒採用に強い採用管理システム
ここからは、新卒採用に関する課題を解決したいという場合におすすめな、新卒採用向けの採用管理システムを紹介していきます。
より多くの新卒採用向け採用管理システムを知りたいという場合には、ぜひ「新卒|アルバイト・パート|リファラル|おすすめの採用管理システム14選」もご確認ください。
i-web
i-webは、ヒューマネージが提供している新卒採用に強い採用管理システムです。新卒採用向けの採用管理システムとしてトップシェアを誇り、数多くの企業に導入されています。昨今の新卒採用には欠かせない新卒ダイレクトリクルーティングイングサービス「OfferBox」をはじめ、就活サイト「ONE CAREER」とも連携。「リクナビ」と「キャリタス就活」にまでシームレスに連携できるという点で他社サービスと差をつけています。
ヒューマネージが提供しているコンピテンシー適性検査「Another 8」やコーピング適性検査「G9」を活用できるだけでなく、もちろん「SPI3」による適性検査結果とも連動可能。さまざまな適性検査を通し、自社にマッチする応募者をスムーズに見つけ出せるでしょう。
アルバイト・派遣スタッフ採用に強い採用管理システム
ここからは、アルバイトや派遣スタッフの採用に注力したいという企業におすすめな採用管理システムを紹介していきます。
ジョブオプ採用管理
ジョブオプ採用管理は、リクルートが提供している求人・採用管理システムです。
自社の採用ページ作成機能をはじめ、応募者の管理や面接管理、求人媒体への掲載依頼、媒体ごとの分析レポート作成などさまざまな機能が搭載されており、オプションでIndeed広告の運用代行も依頼可能。アルバイトスタッフや派遣スタッフの採用に向け、集客力を高めていきたいという場合には非常に心強いでしょう。採用ページ制作においてもSEO対策まで任せることができるため、より効果が見込めるはずです。
さまざまなサービスが充実していながら、利用料金は定額制。システムのユーザー数が増える度に料金が膨らんでいく心配がないので、費用面の管理がシンプルなのもうれしいポイントです。
リクオプ
リクオプは、HRソリューションズが提供しているアルバイト・パートの採用管理に特化したシステムです。
自社オリジナルのリクルートサイト制作はSEO対策まで行えるだけでなく、求人案件の管理や応募者情報の管理・対応、面接スケジュールの管理などまで幅広く対応可能。オプションサービスも充実しており、応募者への自動対応を叶えるチャットボットのほか、LINE連携、コールセンターを利用した応募受付、応募情報の分析レポートの作成、さらには面接官のトリーニングなどまでカバーしています。
人気インテリアショップFrancfrancやピザーラ、モスバーガーなどさまざまな有名チェーンを運営している企業に数多く導入されていることからも、どれだけ効果的なシステムかがうかがえるでしょう。
採用管理システムの選び方のポイント
採用管理システムの選び方のポイントとしてはじめにあげられるのが、使いやすさです。
せっかくシステムを導入しても操作しづらかった場合、わざわざコストを割いてまでシステムを導入した意味がありません。一回使いづらいというイメージがついてしまうと、社内での定着スピードも遅くなってしまいます。使いやすいかどうかは、もっとも重要なポイントと言っても過言ではないでしょう。
加えて、採用管理システムのセキュリティー面に問題がないかどうかも非常に重要。採用情報の管理は多くの個人情報を取り扱うということなので、セキュリティー面の機能が充実しているかどうか注意しましょう。
まとめ
今回は、採用管理システムの選び方について紹介してきました。もしもシステムの選定にお悩みの場合には、ぜひPRONIアイミツをご利用ください。
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