個人事業主は福利厚生費を計上できる?具体的な事例を交えて解説
福利厚生費を計上できるのは法人だけではありません。個人事業主であっても、条件を満たせば各種経費を福利厚生費として計上し、節税につなげることが可能です。
そこで本記事では、個人事業主が福利厚生費を計上するための条件や、福利厚生のサービス例、個人事業主が福利厚生を導入する方法を解説します。個人事業主におすすめの福利厚生代行サービスも紹介するので、従業員のために福利厚生を充実させたい方は参考にしてください。
- 個人事業主が福利厚生費を計上できる条件
- 福利厚生サービスの例
- 個人事業主が福利厚生を導入する方法
- 個人事業主におすすめの福利厚生代行サービス5選
- まとめ:福利厚生代行サービス選びに迷ったらPRONIアイミツへ!
- よくある質問
個人事業主が福利厚生費を計上できる条件
個人事業主は一定の条件を満たせば福利厚生費を計上することができます。具体的な条件や注意点を解説します。
家族以外の従業員を雇用していることが条件
個人事業主が福利厚生費を計上できる条件は、家族以外の従業員を雇用していることです。例えば、飲食店を個人事業主として経営しており、家族以外のホールスタッフやキッチンスタッフを雇用している場合には、福利厚生費を計上できます。
また、この条件は個人事業主でなく法人であっても変わりません。法人・企業であれば福利厚生費を計上できるわけではなく、従業員を雇用していなければ、たとえ法人であっても福利厚生費の計上は不可能です。
単独経営・家族経営の場合は、福利厚生費を計上できないため注意
個人事業主が単独経営を行っている、あるいは家族経営で事業を営んでいるという場合には、福利厚生費を計上できません。福利厚生はあくまで従業員に対して提供されるものです。そのため、個人事業主自身のために支払ったものについては福利厚生費として経費にするのは不可能です。
家族しか雇っていないという場合も、「家族以外の従業員を雇用している」という条件に反するため、福利厚生費を計上できません。ただし福利厚生費として計上できなくても、福利厚生サービスの利用自体は可能です。
福利厚生サービスの例
福利厚生サービスとしてよくみられる例を5つ紹介します。従業員のために福利厚生を充実させたいものの、何から導入すればいいかお悩みの方は参考にしてください。
- 食事代の補助
- 社員旅行
- 健康診断の費用
- スポーツクラブ
- 家賃補助
食事代の補助
福利厚生サービスの例としてはじめに挙げられるのが、食事代の補助です。例えば、事務所にケータリングを依頼した際の料金、昼食代金の半額などを個人事業主が支払うことで、その金額を福利厚生費として計上できます。
社員旅行
社員旅行の実施も、福利厚生サービスの代表例としてあげられます。個人事業主と従業員とで社員旅行を行う場合、以下の条件を満たすと福利厚生費として認められます。
- 旅行期間は4泊5日以内
- 旅行参加者が全体の半数以上
- 社会通念上一般的と思われる宿泊費・交通費
ここで注意したいのが、社会通念上一般的と思われる宿泊費・交通費です。明確な決まりはありませんが、1人あたり10万円までにおさめておきましょう。また、個人事業主と専従者のみの旅行(他の従業員は参加してない)の場合、家事費扱いとなり福利厚生費として計上できません。
健康診断の費用
健康診断や人間ドックの費用も、福利厚生サービスとしてよく導入されます。従業員を雇用している場合には、労働安全衛生法に基づき、毎年1回は健康診断を受診させなければなりません。その際、健康診断にかかる費用は個人事業主側が支払い、福利厚生費として計上可能です。しかし、あくまでも家族以外の従業員が対象となるため、個人事業主や専従者の分は計上できないと覚えておきましょう。
スポーツクラブ
福利厚生サービスを導入する場合、健康増進を目的にスポーツクラブと契約することもあります。この場合も、スポーツクラブに通うのが従業員であれば、会費を福利厚生費として計上可能です。しかし、個人事業主自身や専従者しか利用しない場合、経費扱いにはなりません。例えば、自分自身や家族の健康のためにパーソナルジムと契約しても、福利厚生費にならないので注意しましょう。
家賃補助
家賃補助もよくある福利厚生サービスの1つです。従業員に寮や住居を提供しており、家賃の一部あるいは全額を補助している場合、その経費は福利厚生費として計上できます。
使用人に対して社宅や寮などを貸与する場合には、使用人から1か月当たり一定額の家賃(賃貸料相当額の50パーセント以上)を受け取っていれば給与として課税されません。
賃貸料相当額とは、次の(1)から(3)の合計額をいいます。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント
(2)12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント
個人事業主が福利厚生を導入する方法
個人事業主が福利厚生を導入する方法は、次の3つのパターンがあります。
- 自社で必要資金を確保し、従業員に福利厚生を提供する
- 国の制度を活用して退職金制度を整える
- 福利厚生代行サービスを利用する
①自社で必要資金を確保し、従業員に福利厚生を提供する
個人事業主が福利厚生を導入する方法の1つが、個人事業主自身で必要資金を確保し、福利厚生を提供するというやり方です。この方法では、個人事業主自身が健康診断や社員旅行、家賃補助などの福利厚生を導入・運用し、従業員に提供します。多くのコストがかかり、運用の手間もかかる点には注意が必要です。
②国の制度を活用して退職金制度を整える
個人事業主が福利厚生を充実させる方法としては、国の制度を活用し退職金制度を整えるのもおすすめです。おすすめは、中小機構によって運営されている小規模企業共済制度。個人事業主であっても利用可能で、掛金を積み立てることで退職金を設けられます。掛金は所得控除となるため、節税にも効果的です。
③福利厚生代行サービスを利用する
個人事業主が福利厚生を充実させるためには、福利厚生代行サービスを利用するのもおすすめです。福利厚生代行サービスとは、福利厚生の導入や運用を代行してくれるサービスのこと。さまざまなサービスメニューから導入したいメニューを選択でき、従業員の細かなニーズにも応えられます。サービスの利用料金はかかりますが、面倒な福利厚生の管理・運用を委託できるのがおすすめポイントです。
数ある福利厚生代行サービスを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った福利厚生代行サービスが分かる診断(無料)ができます。
個人事業主におすすめの福利厚生代行サービス5選
手軽に福利厚生を充実させたい個人事業主におすすめの「福利厚生代行サービス」。ここからは実際に、個人事業主におすすめの福利厚生代行サービス5選を紹介します。
- ライフサポート倶楽部
- Perk
- フクリー
- 福利アプリ
- 福利厚生倶楽部
ライフサポート倶楽部は、リソルライフサポート株式会社が提供する個人事業主におすすめの福利厚生代行サービスです。2,000種類以上ものメニュー、5,000件以上もの宿泊施設を利用でき、旅行やレジャー、冠婚葬祭、育児、介護など幅広いニーズに対応。独自の福利厚生についても相談可能です。
従業員100名未満向けに用意されている「スマートプラン ライフサポート倶楽部」は、5年間契約で55万円から利用できます。少人数であっても入会可能なので、従業員を雇用している個人事業主にもおすすめです。
Perk
Perkは、ウォンテッドリー株式会社が提供する個人事業主におすすめの福利厚生代行サービスです。ヘルスケアやレジャー、旅行、教育のほか、ビジネスにおけるスキルアップまで1,000以上のメニューを提供。映画館やコンビニ、ドラッグストアなどで気軽に使えるクーポンから、健康増進につながるフィットネスジム利用券、休息を叶える旅行券など、幅広いニーズに応えています。
導入方法・使い方が非常に簡単で、従業員を招待するだけですぐに豊富なメニューを利用できるのもおすすめできるポイントです。
フクリー
フクリーは、株式会社カンリーが提供する個人事業主におすすめの福利厚生代行サービスです。数多くのクーポンが用意されており、コンビニや美容院、レストラン、カラオケや映画館など、日常の幅広いシーンで利用可能。従業員数が1名〜20名の場合は月額料金1万円(換算すると1人あたり500円)で導入できるので、費用を抑えつつ福利厚生制度を整えられます。
クーポンの対象店舗は、フクリーのスマホアプリからマップで確認できるため、気軽に利用できるのもおすすめできるポイントです。
福利アプリ
福利アプリは、株式会社Leafeaが提供する個人事業主におすすめの福利厚生代行サービスです。初期費用は無料、従業員1人あたり月額300円から利用でき、費用を抑えながらも福利厚生を充実させたい場合にとくにおすすめ。リーズナブルでありながらも、エンタメからリラクゼーション、旅行、スキルアップのほか、育児支援や介護支援など多彩なメニューが揃っています。
コンビニやカフェで使えるクーポンなど、日常で気軽に利用できるメニューも豊富。掲載店舗から仲介料をもらっていないので、各クーポンの割引率がより高くなっているのもおすすめできるポイントです。
福利厚生倶楽部
福利厚生倶楽部は、株式会社リロクラブが提供する個人事業主におすすめの福利厚生代行サービスです。10万以上ものメニューから選んで導入でき、旅行やレジャー、フィットネス、自己啓発や育児・介護などさまざまなニーズに対応。
従業員数100名未満の場合、入会金は3万円、月額料金は従業員1名あたり1,000円です。メニューの豊富さをふまえるとコストパフォーマンスが優れています。導入・運用コンサルティングなどのサポートも万全です。
導入企業の7割以上が中小企業で、本来は中小企業向けの福利厚生サービスではありますが、サービスの充実度で選びたいなら個人事業主にもおすすめです。
まとめ:福利厚生代行サービス選びに迷ったらPRONIアイミツへ!
本記事では、個人事業主が福利厚生費を計上するための条件を解説するとともに、個人事業主が福利厚生を導入する方法、個人事業主におすすめの福利厚生代行サービスを紹介しました。
従業員を雇っている場合は、法人・個人問わず、福利厚生の充実度が重要です。福利厚生制度を整え、従業員の満足度向上、離職率低下、採用力強化につなげましょう。
福利厚生代行サービスの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った福利厚生代行サービス(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
よくある質問
福利厚生について、よくある質問に答えます。
福利厚生費はいくらまで経費計上できる?
福利厚生費をいくらまで経費計上できるかは、「金額が常識的な範囲内であるか」という観点で判断します。いくつかの例を挙げて金額の目安をお伝えします。
福利厚生費 | 金額範囲 |
---|---|
交通費 | 従業員1名につき1ヶ月で15万円まで |
食事補助 | 従業員1名につき3,500円まで |
社員旅行 | 従業員1名につき旅費10万円以内 |
常識的な範囲であることが求められるため、1泊2日の旅行で1人10万円以上、食事補助費用が1名につき1万円以上など、あまり一般的ではない金額の場合は福利厚生費にできません。
福利厚生費を計上するにあたって注意点はある?
福利厚生費として経費を計上する場合、次の5点に注意しましょう。
- 経費額が常識的な範囲内
- 対象は全従業員
- 現金支給しない
- 社内で定められた福利厚生のルールに則っている
- 賃金ではない
先にも説明している通り、計上したい金額が常識的な範囲内に収まっていなければ、福利厚生費の計上はできません。また、対象となる従業員を選ぶことも、現金として支給するのもNGで、賃金とは異なる性質でなければなりません。
どこまでが常識的な範囲内か、何が福利厚生費になるか不安な場合には、福利厚生代行サービスを利用し、提供会社とともに福利厚生制度を構築していきましょう。
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