SFAとグループウェアの違いとは?役割・使い分け方を解説
「スケジュールはグループウェア、商談進捗はSFA…毎回、二度手間になっている」「SFAに入力しているのに、他部署から案件の進捗を毎回聞かれる」SFAとグループウェア、どう使い分ければいいのか迷っていませんか?
営業情報はSFA、社内連携はグループウェア…頭では分かっていても、現場では「これ、どっちに書くんだっけ?」と手間に感じる場面が多いものです。
本記事では、SFAとグループウェアの違いや役割、スムーズに併用するための使い分け方を解説します。「もう迷わない!」そんな状態を目指して、一緒に整理していきましょう。
- 「SFA」「グループウェア」とは?
- SFAとグループウェアの違い
- SFAの効果的な活用方法
- グループウェアの効果的な活用法
- SFAとグループウェアを併用するメリット
- SFAとグループウェアを併用する際の課題と解決策
- まとめ:SFAとグループウェアを使い分けて、営業をもっと効率的に!
「SFA」「グループウェア」とは?
近年、企業の業務効率化や情報共有を支援するシステムとして、「SFA」や「グループウェア」が注目されています。営業活動の管理や社内コミュニケーションの円滑化を図るこれらのツールは、働き方改革やテレワーク推進の流れもあり、導入する企業が増えています。本記事では、「SFA」と「グループウェア」それぞれの役割や特徴について解説します。
SFAとは、営業活動を支援するツール

SFA(営業支援システム)とは、商談開始から成約まで、営業活動全体を管理するためのツールです。営業活動をデータとして記録し、案件ごとの進捗をリアルタイムで可視化できるため、チーム内で情報を素早く共有できます。
さらに、日報作成や予実管理、レポート集計など、営業事務に関わる業務も自動化。手間のかかる作業を効率化できるので、営業社員は商談や顧客対応といったコア業務に集中しやすくなるのがメリット。コスト削減や成果向上を目的に、SFAを導入する企業も近年増えています。
グループウェアとは、社内業務を効率化するツール
グループウェアとは、社内の情報共有を効率化するためのシステムで、スケジュール管理やチャット、タスク管理機能などが備わっています。社員のスケジュールや業務の進捗など、さまざまな情報を社内で共有できる点がグループウェアのメリット。グループウェアを活用すれば、仕事の進捗を確認するたびに担当者へ連絡する手間が減り、業務効率の向上につながります。
さらに、チャット機能を備えたグループウェアなら、個別連絡はもちろん、グループを作成して関係者全員に一度で必要事項を伝えられます。情報共有がスムーズになり、社内コミュニケーションの効率も向上します。
SFAとグループウェアの違い
SFA(営業支援システム)とグループウェアは、どちらも業務効率化に役立つツールですが、目的や機能、活用場面、主に使う部署などが大きく異なります。
項目 | SFA(営業支援システム) | グループウェア |
---|---|---|
目的 | 営業活動の効率化・案件管理・売上向上 | 社内の情報共有・業務効率化 |
主な機能 | 顧客管理 / 商談・案件管理 / 営業進捗管理 / 売上予測 / 日報作成 | スケジュール管理 / チャット・掲示板 / タスク管理 / 文書共有 |
活用場面 | 顧客訪問後の商談記録 / 案件ごとの進捗管理 / 売上予測の作成 | 社内会議の日程調整 / 業務連絡 / タスク・ToDo管理 |
利用する主な部署 | 営業部門 | 全社(営業・総務・経理・人事など) |
SFAは、営業活動を支援する業務ツールです。顧客情報や商談進捗、案件ごとの売上見込みといった、営業現場で必要となる情報を一元管理できます。訪問後に商談内容を記録したり、案件の進捗を整理したり、売上見通しを立てる場面で活用されます。SFAは営業担当者にとって、日々の業務を前に進めるための実務的なツールといえるでしょう。
一方グループウェアは、社内の情報共有やコミュニケーションを効率化するためのシステム。スケジュール管理やチャット、タスク管理、掲示板、文書共有など、多様な機能が備わっています。営業部門に限らず、総務、経理、人事といった全社で利用されるケースが一般的です。例えば、会議の日程調整や業務連絡、チーム内のタスク進捗確認など、日常業務をスムーズにする場面で力を発揮します。
営業活動の管理に特化したSFAと、全社での情報共有や業務効率化を強みとするグループウェア。それぞれの特性を理解し、併用することで、営業効率と社内連携の両面から業務を前進させることができます。
SFAの効果的な活用方法
SFAが、営業活動の効率化に有効なツールであることは理解しているものの、具体的にどのように活用できるのか気になる方も多いのではないでしょうか。SFAの活用方法について詳しく解説します。
- 営業プロセスをデータで可視化する
- 商談情報を一元管理し、機会損失を防ぐ
- 営業チーム内でナレッジを共有し、成約率を向上
営業プロセスをデータで可視化する
SFAを活用することで、商談ごとの進捗状況や、案件ごとの成約確度、受注見込みなどをデータとして蓄積し、ひと目で判断できるようになります。例えば、「この案件は今、提案の段階で止まっている」「あの商談は、クロージングまで進んだ」という情報が一覧で表示されるため、注力すべき案件や次に取るべき行動を具体的に判断しやすくなるのです。
また、「商談から受注まで平均1ヶ月かかる」「提案後に失注するケースが多い」という流れが分かれば、課題を発見し、具体的な対策を練ることもできます。
営業の工程を可視化するSFAは、勘や経験に頼った属人化を解消し、チーム全体で戦略的に営業活動を進められるようになります。
商談情報を一元管理し、機会損失を防ぐ
SFAを導入する最大のメリットの一つに、商談の内容や顧客対応履歴を一元管理できることがあります。例えば「過去の提案」「顧客が抱えていた課題」が蓄積されることで、従業員誰でも顧客の情報が把握できます。
営業担当者が休んだ時や、異動・退職したあとでも、SFAを見ればすぐに商談の内容を把握できるため、引き継ぎの抜け漏れや顧客対応が遅れることによる機会損失を防げます。
さらに、SFAに搭載されたリマインダー機能や、フォロー漏れを知らせるアラート機能があると、連絡漏れのうっかりミスも防止可能です。
SFAで商談情報をチーム全体で共有・管理することで、「個人依存」をなくし、営業組織全体で安定して成果を出せる体制を整えられます。
営業チーム内でナレッジを共有し、成約率を向上
SFAは案件管理だけでなく、蓄積された「成功・失敗事例」をもとに、営業ノウハウとしても活用できる点もメリット。例えば「A社に提案した際、商品説明より導入事例を重視して成約につながったという事例を記録しておくことで、似た案件が発生した際に、別のメンバーがその手法を参考にできます。
他にも、「提案資料はこの流れで説明したら顧客の理解が早かった」「このような質問に、こう返すとうまくいった」細かなトーク術や資料作成の工夫も、SFAに蓄積することでチーム全体で活かせます。
SFAによるナレッジ共有が進むことで、経験が浅いメンバーでも早い段階で成果を出しやすくなり、営業チーム全体の成約率向上につながります。
グループウェアの効果的な活用法
グループウェアには、スケジュール機能や回覧機能、タスク管理機能など、情報共有のための機能が備わっています。グループウェアの機能を利用すれば、効率的な情報共有が可能に。グループウェアの活用方法について解説しましょう。
- 営業チームのスケジュール調整をスムーズにする
- 社内の連絡ミスを防ぎ、情報共有を効率化する
- タスク管理機能を活用し、営業のToDoを整理する
営業チームのスケジュール調整をスムーズにする
営業チーム内で商談や訪問予定を調整する際、メンバーや上司のスケジュール確認に手間取った経験のある方も多いでしょう。グループウェアの「共有カレンダー」を使えば、各自の予定がひと目で確認でき、空いている時間に即座に商談や会議を設定できます。
顧客から「今週中に打ち合わせを」と急な依頼があっても、複数メンバーの空き時間を一度に把握できるため、わざわざ確認の電話やメールを何度もやり取りする必要がなくなります。
社内の連絡ミスを防ぎ、情報共有を効率化する
営業方針や重要事項を伝えたつもりでも、共有漏れや「聞いていない」といった行き違いが発生しがち。グループウェアの「掲示板」機能に最新情報や注意事項を投稿すれば、チーム全員がいつでも確認できます。例えば「今月から契約フローが変更になる」といった情報を掲示しておけば、個別に伝える手間が省ける上、後から情報を探す無駄もなくなります。
また、「チャット機能」を使えば、外出中のメンバーにも即時に連絡が届き、電話がつながらない時でも素早く対応できます。
タスク管理機能を活用し、営業のToDoを整理
「提案資料を作成し忘れていた」「訪問後の報告が滞っていた」など、忙しい営業現場ではタスク漏れが発生しがち。グループウェアの「タスク管理機能」を活用し、「○日までに資料送付」「訪問後に進捗入力」など、タスクを期日付きで登録しておくと、漏れを防げます。さらに、タスクの進捗状況をチーム内で共有しておけば、フォローもしやすくなり、チーム全体で仕事を支え合える体制が整います。
SFAとグループウェアを併用するメリット
SFAとグループウェアの違いがわかったところで、実際に併用して得られるメリットを解説します。どちらか片方のツールのみに絞り込むと起きがちな「情報が埋もれてしまう」課題についても、併用でより効果を発揮できます。
- 営業チームが抱える情報を、他部署にもスムーズに共有できる
- 営業活動の可視化と業務の効率化を両立
- ツールの役割を分けることで、より効果的に活用できる
営業チームが抱える情報を、他部署にもスムーズに共有できる
SFAで営業案件や商談履歴を管理していると、営業以外の部署がその情報にアクセスしづらいケースがあります。例えば、受注後に商品を手配する部署や、請求処理を担う経理部門などです。
SFAとグループウェアとを併用することで、営業チームがSFAに登録した最新の案件状況を、他部署もリアルタイムで確認可能に。例えば、「この案件は今月受注予定なので、在庫を確保しておこう」といった先回り対応が取れます。チャットや掲示板を活用し、部署間で追加確認や依頼事項をスムーズにやり取りできるのも、SFAとグループウェアを併用するメリットです。
営業活動の可視化と業務の効率化を両立できる
SFAは「案件進捗の見える化」に優れている一方で、社内調整や日々の事務作業はカバーしきれないことも。SFAとグループウェアを組み合わせることで、例えば商談スケジュールをカレンダーで管理しつつ、商談後すぐにSFAへ活動内容を記録したり、日報機能で「今日の商談で価格面がネックになった」など現場の肌感覚も共有できます。また、上司も案件データと日報を並べて進捗が確認でき、個別フォローがしやすくなります。
ツールの役割を分けることで、より効果的に活用できる
使用ツールをSFAのみに絞り、案件管理から日々の業務連絡まで一括管理しようとすると、入力作業が煩雑になったり、「必要なデータがどこにあるかわからない」といった混乱を招きがちです。一方で、グループウェアに営業情報を詰め込みすぎると、肝心な案件データが埋もれてしまうことも。
SFAは「案件・売上管理」、グループウェアは「日常業務・社内コミュニケーション」と役割を分けることで、入力負担を減らしつつ、必要な情報にすぐアクセスできる環境が整います。「SFAは週1回まとめて入力」「急ぎの調整や情報共有はグループウェアで」といった使い分けで、両方を無理なく活用できるのも併用のメリットです。
SFAとグループウェアを併用する際の課題と解決策
SFAとグループウェアを併用する際は、二度手間や情報混乱が課題です。社内ルールを整え、両者を連携させて情報を自動同期すれば、入力負担やミスを防ぎ、スムーズな運用が可能になります。
- データの分散と重複
- 入力・更新の手間が増える
- 情報共有のズレが発生しやすい
- ツールの使い分けが曖昧になり、非効率になる
データの分散と重複
SFAとグループウェアを併用すると、営業案件や顧客対応履歴といった情報が双方にまたがり、「どこに何を記録したのか分からなくなった」という混乱が生じやすくなります。同じ内容を両方に二重で入力してしまい、手間が増えることも少なくありません。
データ分散や重複入力を防ぐには、SFAは営業案件や顧客情報の管理、グループウェアは社内調整や進捗確認、といった具合に役割を明確に分けることが重要。それぞれのツールに入力する情報を定め、「どちらにも同じデータを入力する」状況をなくしましょう。
さらに、SFAとグループウェアを連携させ、SFAで管理している案件情報をグループウェアからも参照できるようにすると、一元的に情報を確認できる体制が整います。システム側で補完し合う仕組みがあると、現場の混乱も自然と減っていくでしょう。
入力・更新の手間が増える
SFAとグループウェア、それぞれに情報を入力する必要があると、営業担当者の負担が増えたと感じるケースも多くあります。
例えば、SFAに商談記録を登録し、グループウェアには社内向けに進捗メモを残す、といった形で二度手間が発生しがちです。負担を軽くするため、入力内容を必要最小限に絞り込むことが求められます。
SFAでは案件進捗や商談結果といったコア情報、グループウェアでは簡単な所感やメンバーとの相談事項など、情報の粒度を変えて整理する方法が効果的。また、SFAへの入力情報をもとに、日報が自動作成される仕組みを整えるなど、ツール同士が連携し合う機能を活用すれば、入力業務そのものを減らせます。
情報共有のズレが発生しやすい
SFAとグループウェアで別々に情報が更新されていると、「SFAでは受注見込みありとなっているが、グループウェアでは厳しいと書かれている」など、同じ案件に対する認識が食い違うことも。こうした情報のズレを放置すると、営業チーム内で齟齬が生じるだけでなく、後工程を担う他部署にも影響が広がるおそれがあります。
情報のズレを防ぐために、「案件進捗などの公式情報はSFAに一本化する」とルールを設けることが重要です。グループウェア上でやりとりされた情報のうち、案件に関わる重要事項については、逐一SFAへ反映する運用を徹底すると、情報の精度が高まります。
まとめ:SFAとグループウェアを使い分けて、営業をもっと効率的に!
SFAで顧客対応を管理し、グループウェアで日程調整や情報共有を進めることで、営業活動がよりスムーズになります。一方で入力の手間や情報の分散といった課題もありますが、両システムを連携させて自動同期すれば解消可能です。情報を一元化し、より効率的な営業体制を目指しましょう。
SFAとグループウェアをより便利に活用するために、連携を検討している方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
→グループウェア連携できるSFA(営業支援システム)おすすめ6選
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