市場シェアの高い給与計算ソフトは?おすすめ5選を比較
給与計算業務の効率化や計算ミス防止を目的に、給与計算ソフトを導入する企業が増加しています。市場調査レポートによると、給与計算ソフトの市場規模は世界・国内ともに拡大しており、これに伴い給与計算ソフトのサービスも増えています。自社に最適な製品を選ぶには「シェアの高いサービス」を参考に比較することが有効です。
本記事では、独自アンケート調査データをもとに、国内で導入シェアが高い給与計算ソフトを比較して紹介します。導入メリットや比較ポイントも紹介しますので、給与計算ソフトの導入を検討している企業は、ぜひ参考にしてください。
- 給与計算ソフトの市場規模
- シェアが高い人気の給与計算ソフトは?【アンケート調査結果】
- 【比較表】シェアが高い給与計算ソフト
- シェアが高い給与計算ソフトおすすめ5選
- 給与計算ソフトの選び方・比較ポイント
- 給与計算ソフトの導入メリット
- まとめ:市場シェアが大きいサービスから、自社に合う製品を選ぼう
給与計算ソフトの市場規模
給与計算ソフト(給与計算システム)とは、従業員の勤怠データをもとに給与や手当を自動的に計算するツールです。一人ひとりの雇用形態に合った給与計算を行える上、社会保険料や税金、控除などの計算も自動で行える機能があり、一連の給与計算業務を効率化。給与明細や源泉徴収票の作成・送信にも対応しています。以下では、給与計算ソフトの市場規模について解説します。
世界における給与計算サービスの市場規模
株式会社グローバルインフォメーションが2024年に実施した調査「世界の給与計算サービス:市場シェア分析、産業動向、統計、成長動向予測(2024年~2029年)」によると、給与計算に関するサービスの世界市場規模は2024年に266億米ドルと推計され、2029年には332億5,000万米ドルに達する見込みとのことです。また、2024年~2029年の年平均成長率は4.56%と予測しています。
給与計算サービス市場は世界的に拡大しており、今後も安定した成長が続くことがうかがえます。
国内における人事・給与・就業管理の市場規模
株式会社アイ・ティ・アールは「ITR Market View:人事・給与・就業管理市場2023」において、労務管理市場の2021年度売上金額が84億円、前年度比61.5%増と大幅な成長を報告しました。また、2022年度の売上金額も前年度比35.7%増と、成長が続くと予測。2021~2026年度の年平均成長率は26.3%、2026年度には270億円規模に到達するとも予測しています。
上記結果から、国内の人事・給与・就業管理市場も拡大が続いていることが分かります。バックオフィス領域のDX需要が高まるなか、企業は給与計算ソフトの導入を進めることで、業務効率化や人材不足への対策強化や競争力向上につながりやすくなると考えられます。
シェアが高い人気の給与計算ソフトは?【アンケート調査結果】
PRONIアイミツSaaS(当社)は2025年11月、給与計算ソフトの導入・利用に関わった従業員を対象に独自アンケート調査を実施しました。この調査では、利用が最も多い給与計算ソフトは、マネーフォワードクラウド給与で20.4%でした。次いで、給与奉行クラウドが12.8%、freee人事労務(給与計算) が10.4%、弥生給与Next が9.2%という結果でした。
給与計算ソフトの利用状況は複数のツールに分散しているものの、導入コストや月額費用が抑えられるクラウド型ツールの人気が高いことが見て取れます。クラウド型は、オンライン環境下であれば場所を問わずに利用できるため、リモートワークを推進できることも人気の理由と言えるでしょう。
【比較表】シェアが高い給与計算ソフト
ここからは、PRONIアイミツSaaS(当社)の独自アンケート調査で高いシェア率を獲得している、代表的な給与計算ソフトを比較します。以下、サービスごとの導入実績数の一覧表をご覧ください。
| サービス名 | 導入実績 |
|---|---|
| マネーフォワード クラウド給与 | シリーズの導入法人事業者数10万社以上※1 |
| 給与奉行クラウド | 奉行シリーズの導入実績82万※2 |
| freee人事労務 | スモールビジネスの人事管理市場において2020年度の売上金額シェアNo.1※3 |
| 弥生給与 Next | 弥生シリーズの登録ユーザー数350万以上※4 |
| ジョブカン 給与計算 | 同社のシリーズは累計導入実績25万社※5 |
上記比較表で紹介したサービスは、クラウド型が主流です。クラウド型はコストを抑えながら業務効率化を図れるため、幅広い規模・業種の企業に人気があります。
給与計算ソフトの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った給与計算ソフト(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
シェアが高い給与計算ソフトおすすめ5選
2025年最新比較で、市場シェアの高い給与計算ソフトおすすめ5選を紹介します。システムごとに料金や特徴が異なりますので、シェア率が高く信頼性の高い給与計算ソフトの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
シェアの高い給与計算ソフト一覧
マネーフォワード クラウド給与
マネーフォワード クラウド給与は、株式会社マネーフォワードが提供する給与計算ソフトです。同社はバックオフィス系のクラウドシステムを多数開発し、「マネーフォワード クラウド」シリーズの導入法人事業者数は10万社を突破※しました。中小企業から上場企業まで幅広い導入実績を誇ります。所得税・各種保険料の計算など、給与計算に関わるさまざまな処理を自動化し、業務効率の大幅な改善を実現。
他社と比較したおすすめポイントは、連携できる外部システム・外部サービスが豊富なこと。勤怠管理システム(KING OF TIME、ジョブカン勤怠管理など)や、労務管理システム(SmartHR、オフィスステーション 労務など)を始め多数の外部システムとスムーズなデータ連携が可能。銀行口座との振込連携にも幅広く対応し、ワンクリックで従業員の口座に給与振込が行えます。
※2022年10月時点
主な機能
給与奉行クラウド
給与奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する給与計算ソフトです。奉行シリーズは導入実績82万※を誇る、信頼に厚いサービス。他社と比較した強みは堅牢なセキュリティ対策。24時間365日の監視体制のもとで安心して利用できます。
専門家ライセンスを無料で発行でき、社労士や税理士など提携先と簡単に情報共有できる点もメリット。 給与奉行クラウドの導入で「給与計算業務が7割削減した」という事例もあります。カスタマイズ性が高いため、自社の給与計算ルールにあわせて独自の計算方法を設定可能です。
※2025年8月末時点
主な機能
freee人事労務は、会計ソフトで有名なfreee株式会社が提供する給与計算ソフトです。スモールビジネスの人事管理市場において2020年度の売上金額シェアNo.1※を獲得しているサービスです。
他社と比較したおすすめポイントは、わかりやすいUI(ユーザーインターフェース)。給与計算ソフトを初めて利用する人でも操作しやすいと評判です。freee人事労務では給与計算・明細作成・給与振込まで自動化でき、給与計算業務の負担を大幅に軽減。さらに、人事労務管理にも対応しており、バックオフィス業務全体の効率化が実現します。業務属人化を解消したい企業におすすめの給与計算ソフトです。
※ITRが調査発行した「ITR MARKET VIEW:人事・給与・就業管理市場2022」による
利用者のレビュー(口コミ、評価)
主な機能
弥生給与 Next
弥生給与 Nextは、弥生株式会社が提供するクラウド型給与計算ソフト。弥生シリーズは導入シェア率が高い人気のソフトで、登録ユーザー数350万※を誇ります。給与計算から年末調整(源泉徴収票の発行・配付)までを自社で行いたい企業におすすめ。
他社と比較したおすすめのポイントは、機能がシンプルで分かりやすく、簡単に給与計算できること。給与計算ソフトを初めて利用するという方でもスムーズに導入できるでしょう。給与計算業務を効率化する機能が揃っており、従業員給与のFBデータ出力にも対応しているため振り込み作業がラクに行えます。定額減税にも対応し、定額減税額を反映した年調年税額を算出可能。3ヶ月無料で利用できることもおすすめの理由です。
※2025年01月末時点
ジョブカン 給与計算
ジョブカン給与計算は、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の給与計算ソフトです。同社のシリーズは累計導入実績25万社と信頼に厚く、小規模企業から大手有名企業まで多く導入実績があります。社労士・給与計算担当者の声を元に開発された給与計算ソフトで、給与計算業務を効率化する便利な機能が充実。
ジョブカンは給与計算ソフト以外にも、勤怠管理システムや経費精算システムなどを提供し、他システムと連携することでバックオフィス全体の業務効率化が実現する点が強み。月額料金は1ユーザーあたり400円(税抜)と低価格で導入しやすく、また従業員5人までなら無料で利用可能。「低予算で、かつ機能を妥協したくない」「ジョブカンの勤怠管理システム、経費精算システムと連携して活用したい」という人事労務担当者に、ジョブカン給与計算はおすすめの給与計算ソフトです。
主な機能
以上、導入実績が豊富でシェアが高い給与計算ソフトを紹介しました。給与計算ソフトのサービスは多数あるため、どれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。PRONIアイミツは、ITツール受発注のプロとして、希望要件に合った給与計算ソフトの案内が可能です。料金無料・最大6社をご紹介しますのでぜひ一度お試しください。
給与計算ソフトの選び方・比較ポイント
ここでは、自社に最適な給与計算ソフトを見極めるための比較ポイントをまとめました。選び方・比較ポイントを押さえておくと、導入後の手戻りや追加コストを防ぎやすくなるためぜひ参考にしてください
必要な機能を搭載しているか
給与計算ソフトによって、対応可能な雇用形態・給与体系は違います。そのため、「自社の従業員の働き方に合った給与計算方法が可能か」の確認が必要です。なお、給与計算ソフトには下記のような機能があります。
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 給与・賞与の自動計算 | 勤怠データと給与テーブル(時給・各種手当など)から給与や賞与を自動で算出。 |
| 社会保険・労働保険への対応 | 社会保険料や労働保険料を自動計算する。保険料に対する月額変更届に対応したソフトもある。 |
| 年末調整の機能 | 年末調整で提出する源泉徴収票や給与支払報告書を出力。電子申請に対応しているソフトもある。 |
| FBデータ出力機能 | 給与振込用のFBデータを出力。銀行口座と連携して、給与の自動振込まで行えるソフトもある。 |
| 各種書類の作成 | 支給項目や控除項目一覧など、必要書類を出力。 |
また、給与計算のみを自動化できるソフトもあれば、人事・労務管理まで対応できるソフトもあります。人事労務業務全般に対応したソフトなら、業務効率化に大きく貢献するでしょう。自社に必要な機能を搭載しているかという観点での比較がおすすめです。
ニーズが多い機能は「社会保険料の自動計算」「源泉徴収票の作成」
PRONIアイミツSaaS(当社)が2025年5月~9月に実施した独自調査では、社会保険料の自動計算機能が必要と考える企業は92%と最も多い結果になりました。続いて、源泉徴収票の作成機能が82%、給与振込用データ(FPデータ)の出力機能が77%でした。
この調査結果から、多くの企業が法令に基づく複雑な計算や書類作成を自動化し、正確かつ効率的に処理したいと考えていることがうかがえます。ミスの防止や担当者の負担軽減を目的に、自動化機能の重要性が高まっていると言えるでしょう。必要な機能を絞り込む際には、上記データもぜひ参考にしてください。
自社に合う導入形態か
給与計算ソフトの導入形態には、大きく分けて「クラウド型」「インストール型」「オンプレミス型」の3つに分かれます。それぞれ特徴をまとめると、以下の通りです。
| 導入形態 | 特徴 |
|---|---|
| クラウド型 | ・インターネット環境下で利用 ・法改正や税率変更の際は、自動バージョンアップデートで対応 |
| インストール型 | ・社内PCにインストールして利用 ・ オフラインで利用でき、情報漏えいリスクを回避 |
| オンプレミス型 | ・社内サーバーにシステムを構築 ・自由にカスタマイズできる |
クラウド型は、オンライン環境とPCがあれば場所を問わずに利用でき、リモートワークを推進する企業にもおすすめ。料金体系は、1ユーザーあたりの従量課金制、または月額制(年額制)で、初期費用無料のサービスも多いです。
インストール型は、買い切り型のためランニングコストが不要。法改正や税率変更の際は手動によるバージョンアップが必要となる点に注意しましょう。
オンプレミス型はカスタマイズ性が高く、セキュリティ面にも強い一方で、導入費用が高額になる傾向があります。導入前に、自社のセキュリティ要件や業務の場所・頻度を踏まえて選択することが重要です。
操作しやすい給与計算ソフトか
給与計算ソフトを比較すると操作性にも違いがあります。専門知識がない人には誰でも簡単に操作できる給与計算ソフトがおすすめで、知識が豊富な担当者にはカスタマイズ性が高いソフトがおすすめ。
また、スマホアプリ対応の給与計算ソフトなら、外出先からもスムーズに操作可能。→詳細は別記事「おすすめ給与計算アプリ(企業・個人別)」で解説。多くの給与計算ソフトには無料トライアル期間があるため、操作性・使いやすさを比較検討してから、正式導入することをおすすめします。
自社の勤怠管理システムと連携可能か
給与計算ソフトは、勤怠管理システムや人事労務管理システムと連携することがポイント。たとえば、勤怠管理システムと連携することで勤怠データの自動反映が可能となり、給与計算業務をさらに効率化できます。また、人事管理システムとの連携で個人情報を従業員ごとに一括管理できるようになります。
そのため、「自社に導入済みのシステムと連携可能か」という観点で給与計算ソフトを比較検討することが重要です。まだ他のシステムを導入していない場合、勤怠管理と給与計算の両方をシステム化できるサービスを検討しましょう。→詳しくは別記事「給与計算まで対応した勤怠管理システム」で解説。
サポート体制は万全か
給与計算は法改正や制度変更の影響を受けやすいため、サポート体制の手厚さは運用の安定性を左右します。電話・メール・チャットなど相談窓口の種類や、回答のスピード、問い合わせできる時間帯は、給与計算ソフトの提供会社によって異なるため事前の確認が欠かせません。
初期設定や移行支援が用意されているソフトであれば、導入時の不安も軽減できます。人事労務は専門性が高く、担当者が一人に負荷を抱えがちな領域だからこそ、丁寧なサポートがあるサービスを選ぶと長期的な運用がスムーズになります。
給与計算ソフトの導入メリット
ここでは、給与計算ソフトを導入するメリットを解説します。
メリット
給与計算業務にかかる手間と時間を削減できる
給与計算ソフトを導入すると、勤怠データの集計・入力・計算・給与明細の作成など、毎月の給与計算業務の自動化が可能。手間と時間を大幅に削減できる点がメリットです。勤務形態・給与規定が異なる従業員の給与も正確に計算可能で、時間外・休日出勤による割増賃金の計算も自動化できます。
給与の銀行振込まで行える給与計算ソフトなら、給与計算業務をすべて自動化できます。人事労務担当者は給与計算業務にかけていた時間を節約可能です。
勤怠データをもとに自動計算でき、作業ミスの軽減が可能
手入力による給与計算は、集計ミスや入力ミスが発生しやすい業務です。給与計算ソフトでは勤怠データから給与・社会保険料・控除などを自動計算でき、人為的なミスを防げます。
また、従業員の雇用形態に応じた賞与や年末調整などの複雑な計算も自動化。フレックス制や裁量労働制を採用し、給与計算が複雑な企業も、給与計算ソフト導入により正確な金額を出力可能です。
クラウド型は法改正や税率変更に自動で対応
給与計算は法改正や税率変更の影響を受けやすく、担当者が都度設定を変更すると負担が大きくなりがちです。古い計算方法によって間違った金額を振り込んでしまうと、従業員からの信頼を失ってしまうおそれも。とくに少人数の企業・中小企業にとって、従業員からの信頼を失い退職者が出ることは経営上のリスクです。
クラウド型の給与計算ソフトは自動アップデートで最新の法令に対応するため、自社での更新作業は不要です。常に正確な計算ができ、ミスによる信頼低下のリスクを避けられます。「ミスなく安定した労務管理を行いたい」という中小企業に給与計算ソフトはおすすめです。
人件費・管理コストを削減できる
給与計算ソフトを利用すると、給与明細の印刷・封入・郵送といった紙コストが不要になります。勤怠管理システムと連携すればタイムカードもデジタル化でき、紙の管理コストが削減可能です。作業時間の短縮により担当者の工数も減るため、人件費の最適化も期待できます。手間とコストの双方を抑えられる点は、給与計算ソフト導入の大きなメリットです。
属人化を解消し、業務効率化を図れる
給与計算ソフトを導入すれば、労務の専門知識を持たない従業員も給与振り込みまでの業務に対応可能。属人化を解消でき業務効率化につながります。また、給与計算ソフトは、分かりやすい操作性・ユーザーインターフェース(UI)にデザインされているものが多い点もメリット。
誰もが使いやすいため、引き継ぎも容易です。1人の担当者に業務負担が集中することがなく、急な休職や退職で主担当者が不在となった際にも業務が滞ることがなくなります。
まとめ:市場シェアが大きいサービスから、自社に合う製品を選ぼう
給与計算ソフトは、業務の自動化や入力ミス削減、法改正対応の効率化など、多くのメリットをもたらす重要なツールです。導入実績が多いサービスは機能面やサポートが充実しており、安心して運用を始めやすい点が強み。ただし、自社に最適な製品は企業規模や勤怠管理の方法、既存システムとの連携状況によって異なるため、比較ポイントを踏まえた選定が欠かせません。主要サービスの特徴を把握し、自社の業務フローに最も適した給与計算ソフトを導入することが、バックオフィス全体の効率化につながります。
数ある給与計算ソフトを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った給与計算ソフトが分かる診断(無料)ができます。
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