国内市場シェア・導入数が多いMAツール10選を紹介
近年、導入企業数が大幅に増加しているMAツール(マーケティングオートメーション)。「市場シェアが高くて導入事例の多いMAツールを選びたい」「同業他社が使っているMAツールなら安心できる」という担当者も多いでしょう。導入するMAツールに迷う場合は、市場シェアの高い人気のMAツールから選ぶことをおすすめします。
本記事では、MAツールの国内市場シェアや将来展望について統計データをもとに解説します。また、特にシェアの高いMAツール10選を紹介しているので、人気のMAツールを知りたい担当者は、ぜひ参考にしてください。
- MAツールのシェア・将来展望
- MAツールの導入率
- 【比較表】市場シェア率が高いMAツール
- 【2024年最新】シェア率が高い人気のMAツール10選
- まとめ:マーケティングオートメーションの市場規模は、今後も拡大傾向にある
MAツールのシェア・将来展望
統計データをもとに、MAツールの市場シェアや将来展望について解説します。
MAツールとは
MAツール(マーケティングオートメーション)とは、企業のデジタルマーケティング活動を部分的に自動化するツールです。MAツールによる顧客情報の管理やWebサイト訪問者の行動分析、適切なタイミングでのコンテンツ配信などを通じて、製品やサービスの購入に繋げることが可能となります。また、従来担当者により手作業で行われていた煩雑なマーケティング作業を自動化することで、業務の効率化を図れます。MAツールの導入により、企業は戦略的なマーケティング活動に注力することができます。
MAツールの市場シェア概況
株式会社矢野経済研究所によって実施された2023年の調査『国内のデジタルマーケティング市場に関する調査(2023年)』において、2022年のデジタルマーケティングの国内市場規模は事業者売上高ベースで推計2,828億円と発表されました。そして2023年には3167億5,000万円を見込み、2024年には3494億5,000万円に成長すると予測しています。※
※出典:株式会社矢野経済研究所「デジタルマーケティング市場に関する調査(2023年)」(2023年9月8日発表)
同社は近年、MAツールの市場が拡大した背景について「新型コロナウィルスの影響によるユーザーのデジタルシフト」と分析しています。コロナ禍で対面営業が難しくなったことから、オンラインセミナー参加者や自社Webサイト訪問者から新規見込み顧客を獲得したり、MAツールを活用した顧客管理が重要な業務となりました。そのため、従来デジタルマーケティング業務に積極的に投資していた大企業に加えて、中小企業によるMAツールの活用が進んでいるとみています。
MAツール市場シェアの将来展望
将来的には新型コロナウィルス感染拡大の影響による不安定な経済状況が安定して、対面での営業が再開されると、多くのチャネルから顧客データの収集が可能となります。獲得した見込み顧客データを十分に活用するためには、MAツールの利用が不可欠になると同社はみています。
また近年、MAツールに「生成AI」を組み込むベンダーが増加しています。例えば2024年3月にはListFinderはメルマガ用文面やセミナー集客メール、記事コンテンツを自動生成するAIサポート機能の提供を開始しました。またCustmersRingsでも顧客プロファイリングやメール件名自動作成ができる、生成AIによる新機能を提供しています。今後生成AIのさらなる活用により、MAツールの利便性・顧客体験の向上が期待されます。
参考記事:2024年3月、MAツール「CustmersRings」に生成AIを活用した新機能を搭載
参照記事:2024年3月、MAツール「Listfinder」に生成AIサービスChatGPTを利用したAIサポート機能の提供を開始
MAツールの導入率
MAツールの国内導入率についても見てみましょう。
出典:「2023年5月国内63万社のMAツール実装調査を報告 ~コロナ前と比較して導入企業数は2倍~」
株式会社Nexalによって実施された調査『2023年5月国内63万社のMAツール実装調査』によると、国内企業626,003社のうちMAツールを導入したと回答した企業は9,444社で、国内MAツール導入率は1.5%です。また、上場企業に限定した場合の導入率は14.6%(3,850社中、562社が導入済み)。多くの顧客を抱える大企業ではとくに、MAツールを活用したマーケティングの効率化が進んでいます。
同社がMAツールの導入企業数調査をはじめた2018年7月以降、半年ごとに10%以上の伸張率でMAツール導入企業が増加し、さらに新型コロナウィルス感染拡大をきっかけに急速に導入が進みました。3年前と比較して企業数は2倍に増えています。
【比較表】市場シェア率が高いMAツール
国内市場シェアが大きく、導入実績数が多いMAツールをお探しの方も多いでしょう。「DataSignのWebサービス調査レポート」で公表されているMAツールの国内シェアTOP10社の情報をもとに、市場シェア率の高いMAツールを紹介します。以下の表では、市場シェア率の高いMAツールの導入実績、初期費用、月額料金を比較しているので、MAツール導入を検討中の担当者はぜひご覧ください。
順位 | ツール名 | 導入実績数 | 初期費用 | 月額料金 | 無料プラン |
---|---|---|---|---|---|
1 | Bownow | 13,000社以上 | 無料 | 15,000円 | ⚪️ |
2 | Marketing Cloud Account Engagement | 1,600社以上 | 要問合わせ | 150,000円〜 | - |
3 | HubSpot Marketing Hub | 205,000社以上 | 無料 |
1,800円〜 | ⚪️ |
4 | Adobe Marketo Engage | 5,000社以上 | 要問合わせ | 要問合わせ | - |
5 | SATORI | 1,500社以上 | 300,000円 | 148,000円〜 | - |
6 | List Finder | 1,800アカウント | 無料〜100,000円 | 39,800円〜 | ⚪️ |
7 | Kairos 3 Marketing | 要問合せ | 100,000円 | 16,000円〜 | - |
8 | KASIKA | 900社 | 70,000円 | 60,000円 | - |
9 | b→dash | 約500社 | 要問合わせ | 要問合わせ | - |
10 | SHANON MARKETING PLATFORM | 900以上 | 要問合わせ | 120,000円〜 | - |
出典:DataSign社「Webサービス調査150,516サイトで検出されたマーケティングオートメーション TOP 44」
導入実績数は、あくまでサービス提供元がそれぞれの方法で調査・発表している数値です。海外の導入社数も含まれていたり、時期や調査方法が異なったりするため、一概には比較できません。
ただ国内ツールである「Bownow」「SATORI」「ListFinder」導入実績数が多く、国内産のMAツールのなかでは大手のサービスといえます。また、「Marketing Cloud Account Engagement」「HubSpot Marketing Hub」「Adobe Marketo Engage」といった海外産MAツールも、日本国内でシェアが高く人気です。
導入実績が多いツールほど、改良が重ねられて機能が洗練されていたり、サポートも充実している傾向があり、多くの企業が「使いやすい」と評価しています。そのため、MAツール導入を失敗したくない企業におすすめです。
【2024年最新】シェア率が高い人気のMAツール10選
ここでは市場シェアの高いおすすめのMAツールを10選を紹介します。ぜひツールを選ぶ際の参考にしてください。
- BowNow
- Marketing Cloud Account Engagement
- HubSpot Marketing Hub
- Adobe Marketo Engage
- SATORI
- List Finder
- Kairos 3 Marketing
- KASIKA
- b→dash
- SHANON MARKETING PLATFORM
BowNow(バウナウ)は、クラウドサーカス株式会社が提供するMAツールで、中小企業をはじめ13,000社以上の導入実績があります。「低コスト」「使いやすい」のコンセプト通り、初心者でも使いやすい手軽なツールです。
「MAツールをまず使ってみたい」「低コストで始めたい」という顧客ニーズに応えて、完全無料のフリープラン(期限なし)があります。有料プランでも月額料金15,000円から開始可能。機能追加ごとに課金する料金システムのため、不必要な機能に費用を支払わず最低限のコストで利用できます。
また、アカウント発行から3ステップですぐ開始できる手軽さも強み。クレジットカードなどの決済情報を登録する必要もありません。今すぐ費用を抑えてマーケティング業務を開始したい企業におすすめです。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
- IP制限
- 英語
- 見込み客(リード)情報管理機能
- リードトラッキング機能
- 名刺管理機能
- 企業情報の自動付与機能
Marketing Cloud Account Engagement
Marketing Cloud Account Engagementは、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供しているCRMと一体化したBtoB向けのMAツールです。セールスフォース関連ツールとのシームレスな連携ができることが特徴です。これにより社内共有がしやすく、一貫性のある顧客対応が可能です。
また、AIによる効率的・効果的なマーケティング活動を後押しするのがAccount Engagementの強み。AI機能で見込み顧客のターゲティングを効率的にしたり、過去のデータをもとに見込み顧客・取引先の商談化見込み度合いをスコアリングしたりなどが可能となります。
プランは4つあり、最低月額料金150,000円〜開始可能です。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- 二要素認証・二段階認証
- 見込み客(リード)情報管理機能
- リードトラッキング機能
- ランディングページ作成機能
- ABテスト機能
- フォーム作成機能
- コンテンツパーソナライズ機能
HubSpot Marketing Hubは、アメリカのHubSpot社が提供するMAツールです。世界135を超える国や地域、205,000社以上の導入実績があります。
マーケティングオートメーション機能(Marketing Hub)以外にも、営業支援(Sales Hub)、カスタマーサービス(Service Hub)など5つのソフトウェアと自由に組み合わせることができます。
HubSpot Marketing Hubの強みはシンプルな操作性で、誰にでも使いやすいこと。例えばHTML/CSSの知識がなくても、簡単に洗練されたメールやランディングページを作ることが可能です。ワークフローはドラッグアンドドロップで簡単に配置できるといった機能もあります。
また個人や小規模な会社の場合は、月額料金を無料から試せることもメリットの一つ。有料プランでも月額料金1,800円から開始できるため、MAツール導入をスモールスタートしたい担当者におすすめです。
Adobe Marketo Engage(アドビ マルケト エンゲージ)はアドビ株式会社が提供する、BtoB企業向けのMAツール。世界39か国5,000社以上に導入実績のあるマーケティングオートメーションプラットフォームです。
Adobe Marketo Engageの強みはクロスチャネルマーケティングを管理して、あらゆるカスタマージャーニーにいる顧客に対して最も適切なコンテンツを提供できること。データとAI(人工知能)を活用し、予測コンテンツをwebやメールマーケティングに組み込むことで、あらゆる顧客に対して常に最も適切なコンテンツ提供が可能となります。
また、CRMやSFAなどの外部ツールとの統合ができるように構築されており、シームレスに連携できる点もメリットの一つ。4つのパッケージが用意されており、自社のニーズに沿ったプランで実施できるので、中小企業におすすめです。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- シングルサインオン
- 見込み客(リード)情報管理機能
- リードトラッキング機能
- 名刺管理機能
SATORI(サトリ)は、SATORI株式会社が提供する1,500社以上の導入実績のある国産MAツールです。新規顧客獲得を強みとしており、名前のわかる見込み顧客だけでなく匿名見込み顧客にも接点の創出が可能です。
またデータベースの設計や導入作業は必要なく、計測タグの埋め込みのみですぐに運用がスタートできる気軽さも、選ばれる理由の一つです。
初期費用は300,000円、導入後の月額費用は148,000円で割高に感じる方もいるかもしれませんが、国産MAツールのためサポート対応も充実しています。導入後の運用をしやすいことが、SATORIのメリットです。
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
- 二要素認証・二段階認証
- 見込み客(リード)情報管理機能
- リードトラッキング機能
- ランディングページ作成機能
- フォーム作成機能
- ポップアップバナー作成機能
- 広告媒体連携
List Finder
List Finder(リストファインダー)は、株式会社Innovation X Solutionsが提供するMAツール。1,800アカウント以上の導入実績があり、利用継続率は99%です。「BtoB企業に”ちょうどいい”機能を全網羅 !」というコンセプト通り、BtoB企業の営業・マーケティング活動に必要な機能を搭載しています。
導入時から無料で徹底的にサポートしてくれるため、MAツール導入が初めての企業でも安心して運用できます。また、人員不足の企業向けに運用代行サービスも用意されています。
初期費用・月額料金ともに無料のフリープランがあります。有料プランでも月額料金30,000円台から開始できるため、まずはスモールスタートしたいと思うBtoBの企業におすすめです。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- Pマーク
- IP制限
- 見込み客(リード)情報管理機能
- リードトラッキング機能
- 名刺管理機能
- 企業情報の自動付与機能
- ランディングページ作成機能
Kairos3 Marketing
Kairos 3 Marketingは、カイロスマーケティング株式会社が提供するMAツール。直感的で操作しやすい画面設計のため、MAツールの導入が初めての企業でも安心して使いこなせます。また自社開発の国産ツールで無料の電話窓口や質問フォーム、セミナーといった運用サポートも充実しています。
初期導入費用は100,000円。月額基本料金は15,000円と、ユーザー数・データ利用料に応じた従量課金が発生します。必要な機能はオプション追加する形式のため、不要な機能には料金を支払わず、自社のニーズに合わせた運用が可能です。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- ISMS
- Pマーク
- 冗長化
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
KASIKA
出典:Cocolive株式会社 https://cocolive.co.jp/
KASIKA(カシカ)は、Cocolive株式会社が提供する住宅・不動産業界に特化したマーケティングオートメーションツールで、導入社数は1,000社を超えています。
KASIKAの強みは、不動産会社・工務店が抱える追客・営業の悩みを追客の自動化で解決できること。自動追客機能を活用することで、手間ゼロで抜け漏れのない営業活動を実現できます。
また圧倒的なサポート力もKASIKAの強みの一つ。住宅・不動産業界に関する専門性の高いチームの構築と、専任コンサルタントによる「カスタマーサクセス」、お問い合わせ窓口の「サポートデスク」などさまざまなサポート体制が整っています。
工務店・ハウスメーカーや不動産売買仲介企業の場合は、初期導入費用は70,000円、月額料金は60,000円から導入可能です。
b→dash(ビイダッシュ)は、株式会社データXが提供するMAツールです。導入社数は600社以上で、主に業界を牽引する大手企業や急成長ベンチャーなど、幅広い業種・業界で利用されています。
b→dashの強みは、データ連携から抽出まで、データ構築作業がコード不要なためマーケティング担当者のみで作業が完結できること。そのため、エンジニアの人員が確保しづらい企業でも簡単に運用できます。
また、MA機能だけでなく、BIやCMS、ワークフローなどの複数機能を網羅しているため、機能追加にかかるオプション費用を大幅削減できます。それらの複数機能は同じ操作感のため、少人数での運用が可能な点がメリットです。「人員確保」が課題である中小企業にとって、魅力的なMAツールといえます。
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
- Pマーク
- 見込み客(リード)情報管理機能
- リードトラッキング機能
- 企業情報の自動付与機能
- フォーム作成機能
- ポップアップバナー作成機能
- 広告媒体連携
SHANON MARKETING PLATFORMは、株式会社シャノンが提供する国産のMAツールです。見込み顧客の獲得と購買フェーズの引き上げを得意としています。国内における導入実績数900以上で、第三者サイトより顧客満足度を表彰されている点が特徴です。
見込み顧客を獲得するためのデータ管理機能をはじめ、セミナー運営業務のコスト削減や展示会の来場者フォローなど、幅広いマーケティング業務に沿った運用をできることがメリットの一つ。
マーケティングの月額料金は120,000円。電話、メール、画面共有、オンラインチャットの操作サポートは無料で利用できます。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- ISMS
- Pマーク
- 冗長化
- 通信の暗号化
- IP制限
- シングルサインオン
- 英語
まとめ:マーケティングオートメーションの市場規模は、今後も拡大傾向にある
MAツールの市場シェアは、デジタルマーケティングの需要拡大とともに、今後も成長を続けることが予測されています。MAツールを導入すれば、顧客の管理や適切なタイミングでのアプローチ、業務自動化による効率化などさまざまな効果をもたらしてくれます。
市場シェアの高いMAツールは、多くの企業からのフィードバックや要望に基づいて洗練された機能があり、国内産・海外産ともにサポートの質も高いです。多数の企業から現場での使いやすさを評価されており、安心して導入ができます。
PRONIアイミツでは、さまざまな条件でMAツールを比較できます。導入実績のある業界・企業規模・使いたい機能などで絞り込み、自社に合うツールを探してみてください。
しかし、市場シェアの高いMAツールは多くあるため、どのMAツールを導入すべきか迷う担当者も多いでしょう。PRONIアイミツ(当サイト)では、市場シェアの高いMAツール選びに関する相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで、希望要件に合ったMAツールがわかる無料診断もあります。ぜひ一度お試しください。
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