MAツール(マーケティングオートメーション)の選び方を徹底解説
近年、導入企業が急速に増加しているMAツール(マーケティングオートメーション)。ただ、市場には多種多様なMAツールが存在しており費用や特徴などもざまざま。「自社に適切なMAツールを導入したい」と検討はしているものの、「製品が多く選びづらい」と感じる企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では最適なMAツールの選び方および導入時の注意点について詳しく解説します。MAツールを選ぶ際の参考にしてください。
MAツール(マーケティングオートメーション)の選び方
MAツール(マーケティングオートメーション)とは、見込み顧客データの管理・育成、マーケティング業務自動化ができるツールのことです。自社に合ったMAツールを選ぶことで、無駄なコストを削減した効率的なマーケティング活動を実施できます。
市場には数多くのMAツールが存在しているため、企業の担当者が各MAツールを比較検討するには、多くの時間と労力が必要です。また、自社のニーズに合わないMAツールを選んでしまうと、不必要なコストがかかる上、搭載機能を上手く活かせずマーケティング活動が無駄になるケースも。MAツール選びで失敗しないための選び方のポイントを解説します。
初期費用・月額料金の比較
料金項目 | 費用相場 |
---|---|
初期費用 | 100,000円~300,000円 |
月額料金 | 100,000円~150,000円 |
MAツールの導入は初期費用と月額料金が発生します。初期費用の相場は100,000円~300,000円程で、ライセンス契約費用やセットアップ費用が含まれます。なお、HubSpotなど一部のMAツールは初期費用が無料となっており、導入コストを抑えたい企業におすすめです。
MAツールの月額料金の相場は100,000円~150,000円程。企業規模に合わせて複数プランを用意しているMAツールが多く、利用ユーザー数が多いほど月額料金が上がる傾向があります。なお、サポート・コンサルティング料金はオプションとなっている場合があるため、オプション費用を含めた実際の費用については個別見積もりで確認しましょう。
利用目的(BtoB向け、BtoC向け)に合わせたツール
MAツールには、BtoB企業かBtoC企業のどちらかに適したツール、もしくは両方を兼ね備えたツールがあります。
BtoB企業は取引額が高額かつ意思決定者が複数いるため、商談成立まで時間がかかります。そのため「顧客を長くフォローできる機能を搭載したMAツール」がおすすめです。CRMやSFAなど他ツールと連携して一元管理した顧客情報を、属性や流入経路別にセグメント分け。また、Webサイトの訪問やメールの開封率から興味や行動履歴を分析し、成約確度を見極めて営業に引き渡すこともできます。商談や案件の進捗情報をダッシュボードにて可視化し、より社内共有をしやすくすることも可能です。BtoB企業向けのMAツールを導入することで、効率的な営業アプローチやフォローが可能な仕組み作りができます。
一方、BtoC企業はBtoB企業と比べて取引額が少なく成約までの期間も短いことが大半です。そして想定顧客数は多い傾向にあるため「データ管理数が多く、販売促進に強いMAツール」がおすすめです。例えば顧客の購買履歴やWebサイトでの行動をデータ分析することにより、個別にコンテンツを配信できます。また、Email、SNS、広告などさまざまなチャネルを通じた顧客とのコミュニケーションにより顧客の購買意欲を高め、取りこぼしを防ぎます。MAツールを検討する際には、各ツールがどちらの企業向けかを確認しておきましょう。
ベンダーによるサポートの充実具合
ベンダーがMAツール導入・運用時に充実したサポートを提供してくれるか、も選ぶうえでの重要なポイントです。たとえば、問題が発生した際の「問い合わせ対応」、 ツールの最適な活用方法や最新情報を提供してくれる「運用支援」などがあります。ベンダーによるサポート体制が十分に整っていると、導入後に想定外の問題に直面した際も安心です。また海外産のMAツールは、サポートが日本語対応していないケースもあります。国内で開発されたMAツールか、日本語対応の海外製品ツールかどうかを確認しておきましょう。
自社のツールと連携可能か
すでに自社のマーケティング・営業支援ツールがある場合、MAツールと効果的に連携できるか事前に確認しておくことも重要です。それぞれのツールとの連携は、顧客データの管理やマーケティング業務の効率化、機能の活用に直結します。例えば、既存のCRMやSFAツールとMAツールを連携することで、顧客情報や営業活動のデータを一元的に管理し、適切なコミュニケーションを行うことが可能となります。また他にも、Web解析ツールや広告プラットフォームとの連携によって、効果的なマーケティング施策の運用が実現できます。
同規模・同業種の競合他社で導入されているか
同規模かつ同業種である競合他社が導入しているMAツールは、その業界特有のマーケティング課題や見込み顧客獲得・育成のプロセスに対応した機能が備わっていることが期待できます。そのため、自社のマーケティング施策の効率化や成果向上が見込まれるでしょう。また、自社の業務やマーケティング戦略にフィットしやすいと考えられます。そのため、導入後の運用面での失敗リスクを低減することが可能です。
MAツール導入時の注意点
以下、導入時の注意点について3つのポイントを解説します。
他部署と連携しながらツール選定を進める
MAツールは、顧客行動を分析するマーケティング部門だけでなく、顧客にアプローチする営業部門も活用するツールです。両者では、MAツールの使い方や必要な機能が異なるでしょう。そのため、一つの部門のみで導入するツールを決めるのではなく、関連する他部署と連携しながらツール選定を進めることが大切です。
ツール導入後にすぐ効果が出るわけではない
MAツールの導入は、効果が出るまでに時間や費用がかるため、中長期的な計画が必要です。そのため会社からの理解を得ておくことが必須です。まずは自社に最適な方法で運用するために、導入に至るまでの検討や準備に時間をかけなければなりません。またMAツールをうまく活用するためには十分な見込み顧客のデータが必要であり、その収集や分析にも時間を要します。顧客に提供するコンテンツの準備も、手間やコストがかかる作業です。
ナーチャリングのコンテンツを準備する
自社の製品やサービスに興味を持つ見込み顧客を効果的に育成し、購買に至るまでのプロセスを最適化するための取り組みを「リードナーチャリング」と言います。MAツールを使うことでwebを訪れた顧客の行動履歴やセグメント分けを行い、個々の興味・関心に合わせたコンテンツを適切なタイミングで提供するナーチャリングが可能となります。
その際、提供するコンテンツが準備不足の場合は顧客育成を十分に行うことができず、顧客とのコミュニケーションが不十分として長期的な関係構築が難しくなります。ホワイトペーパーや、webコンテンツ、メール、セミナーなど顧客にとって必要な情報が載ったコンテンツを十分に準備しておくことで、顧客とのコミュニケーションを継続的に行い次の段階のアプローチに繋げることができます。MAツール導入前に、効果的なマーケティング活動を行うために必要なコンテンツを十分に用意しておくことが重要です。
見込み顧客数を増やす
MAツールは、見込み顧客数のデータを管理、分析して適切なアプローチを行うことができます。しかしそもそもの見込み顧客数が不足していると、正確な分析や効果的な施策の立案が難しくなります。見込み顧客数が不足している場合の解決策として、以下のような方法が効果的と考えられます。
- コンテンツマーケティングを活用して、自社サイトやブログで有益な情報を提供
- SEO対策を施し、検索エンジンからのアクセスを増やす
- SNSやメールマーケティングで、ターゲット層にアプローチする
十分な見込み顧客数が確保された状態でMAツールを導入することで、より効果的なマーケティング活動が実現できます。
まとめ:適切なMAツールを選ぶことが、売上増加の鍵となる
MAツール(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動の効率化や見込み顧客の育成を目的としたツールのことです。日々発生するさまざまなマーケティング作業を自動化し、担当者への負担を軽減することができます。また見込み顧客数を増やして適切なタイミングで適切なアプローチをすることは、商談の機会増加に繋がり、結果として売上や利益の増加が期待できます。
そんなMAツールですが「導入しただけでマーケティング活動を成功まで自動的に導いてくれる魔法のようなツール」というわけではありません。ですが、事前に課題の洗い出しやシナリオ設計、人員・コストの確保など準備して自社のニーズに合う適切なMAツールを選ぶことで、最大限に効果を発揮し担当者をサポートしてくれます。
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