ナレッジマネジメントのメリット・デメリットまとめ
ナレッジマネジメントを実施する企業が増えているなか、「自社もナレッジマネジメントを実施した方がいいの?」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。しかし、ナレッジマネジメントを行うメリットやデメリットをきちんと把握してからでないと、自社にとってナレッジマネジメントが必要なのかどうかも判断できないはずです。
そこでこの記事では、ナレッジマネジメントを行うメリットをはじめ、ナレッジマネジメントツールを導入する際のメリット・デメリットや注意点などを紹介していくので、ナレッジマネジメントを実施しようか検討中という方はぜひ参考にしてください。
- ナレッジマネジメントのメリットとは
- ナレッジマネジメントツールの導入メリット
- ナレッジマネジメントツールのデメリット
- おすすめのナレッジマネジメントツール3選
- ツール導入の際に注意したいポイント
- まとめ:ナレッジマネジメントを活用して企業価値を高めよう
ナレッジマネジメントのメリットとは
そもそもナレッジマネジメントとは、個人でストックしてきた経験上の知識やノウハウなどといった「暗黙知」を、テキストなどの「形式知」とし、組織内で共有していくこと。知識やノウハウを組織内で蓄積し、そこからさらに新たな知識を生んでいくことによって社内全体の生産性アップなどにつなげます。
ナレッジマネジメントを実施する具体的なメリットには、どのようなことがあげられるのでしょうか。
属人化の回避
ナレッジマネジメントを行うメリットとしてはじめにあげられるのが、属人化を回避できるということ。たとえば優れた営業成績を記録し続ける社員がいた場合、その人材には営業を成功させるさまざまなノウハウやスキルが暗黙知として備わっていると考えられます。つまり、その暗黙知をほかの営業社員にもシェアすることができれば、いわゆる「勝ちパターン」を営業チーム全体で知ることができ、個人に頼り続けるのではなく、全体の成績アップにつなげられます。
また、優れた人材が退職してしまう、あるいは異動してしまうというときに、もしノウハウなどが暗黙知のままだと引き継ぎがスムーズにいきません。そういった問題を未然に防ぐためにも、ナレッジマネジメントは効果的です。
スピーディーな教育が可能
ナレッジマネジメントを行うメリットとして2つ目にあげられるのが、スピーディーな教育を叶えられるということ。新人教育などを行う際はどうしても時間がかかってしまうもの。普段の業務を行いながら教育にも時間を割かなければならないため、指導者の負担も大きいでしょう。
しかしナレッジマネジメントを行っていけば、実務を通して学んでいく(=スキルを盗んでいく)ような暗黙知までを形式知に転換して伝えられるため、教育コストが大幅に軽減できます。たとえばこれまではわざわざ口頭で教えていたものをすべてマニュアル化することで、分からないことがあればマニュアルを参照すればよく、これまでに指導していた人材がもし異動や退職となっても問題ありません。
業務効率化
ナレッジマネジメントを行うメリットとして3つ目にあげられるのが、業務効率化にも貢献するということ。ナレッジマネジメントを行う場合、それぞれが抱えていた知識やノウハウをテキストなどに起こして残しておけます。情報を従業員はいつでも閲覧できる状態にしておけば、従業員ごとに業務に対する知識にばらつきがあるという状況も防げ、初めて行う業務であってもスムーズに始められるでしょう。
わざわざほかの人に分からない点を聞く手間もカットできるため、指導側もつきっきりになる必要がありません。社内全体の効率化につながるのがナレッジマネジメントと言えます。
企業価値の向上
ナレッジマネジメントを行うメリットとして4つ目にあげられるのが、企業価値の向上にもつながるということ。ナレッジマネジメントを行う=情報共有が盛んに行われていくことなので、社内コミュニケーションを活性化できます。これまでには具体的に何をやっているのかも分からなかった他部署とも連携でき、企業としての競争力、ならびにパフォーマンスも高まっていくでしょう。
競争力やパフォーマンスが上がることは、企業価値が上がるということ。企業価値の底上げを行いたいという場合にはナレッジマネジメントが非常におすすめでしょう。
ナレッジマネジメントツールの導入メリット
ナレッジマネジメントを円滑に行っていくには、ツールを導入しておくと非常に効率的です。ナレッジマネジメントツールを導入するのには、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは4つのポイントにまとめてチェックしていきましょう。
スムーズなナレッジ収集・共有
ナレッジマネジメントツールを導入すると、スムーズなナレッジ収集と共有が可能です。ナレッジマネジメントツールは、ただナレッジを蓄積していくだけではありません。社員同士でコミュニケーションを取れるようなSNSや、質問や回答を行える機能など、情報収集を盛んにするための機能が万全に揃っています。
ナレッジがどんどんシェア・蓄積されていくにしたがって、社員は自力でノウハウを身につけられるためよりスキルアップが図れるでしょう。情報収集や共有が盛んに行われば、それだけ新たなナレッジの創出にもつながっていきます。そうなると新規事業の開発や既存事業のブラッシュアップにもつなげられるはずです。
ナレッジのレコメンデーションが発生
ナレッジマネジメントツールを導入すれば、ナレッジのレコメンデーションが発生するのも大きなメリットです。たとえばナレッジの管理をExcelで行う場合、これまでに蓄積されてきた知識やノウハウがあまりにも多すぎて、そこから自分の知りたい情報を探し出すのに時間がかかってしまう場合も少なくありません。
しかしナレッジマネジメントツールを導入しておけば、社員の部署や属性などといった情報からその人に必要なナレッジを分析した上で、リコメンデーションを行うことが可能です。リコメンデーションは自動で行われるため、「どの情報からチェックしたらいいの?」と戸惑う必要もないでしょう。社内情報の検索がスピーディーになれば、パフォーマンスの向上につながるはずです。
顧客満足度の上昇
ナレッジマネジメントツールを通して知識の共有・蓄積をすることによって、顧客満足度の上昇にもつなげられます。ナレッジマネジメントツールを導入しておけば、「お客様の声」や顧客から得たフィードバックの数々を蓄積できるため、営業部門や開発部門などといったほかの部門とも、リアルタイムで情報の共有が可能です。顧客からの声を活用して新たなサービスの開発や改善につなげていけるでしょう。
新規事業の開発や、既存サービスの改善に悩んでいる会社の場合、ナレッジマネジメントツールの導入によって解決が期待できるかもしれません。
システム連携で知識を統合できる
ナレッジマネジメントツールを導入しておくことによって、外部システムとの連携で知識の統合も可能です。これまでにさまざまなシステムやツールを用いて情報を管理してきた場合、それぞれのシステムに情報が分散されてしまっている状態となっています。「この情報を知りたいのにどこで管理されているんだろう?」「この情報はどこに記しておけばいいんだろう?」と、情報の収集や管理どちらにおいても戸惑ってしまうでしょう。
しかしナレッジマネジメントツールを導入しておけば、分散してしまった知識を1つのプラットフォームにまとめることができるため、情報の収集や管理がより効率的になります。企業規模が多く、情報の管理にばらつきが生じてきてしまった場合や、情報量が多すぎるという場合にはぴったりでしょう。
ナレッジマネジメントツールのデメリット
ここまでナレッジマネジメントツールを導入するデメリットを紹介してきましたが、一方でデメリットがないというわけではありません。実際にナレッジマネジメントツールの選定や導入に移る前に、どのようなデメリットがあるのかを確認しておきましょう。
コストの発生
ナレッジマネジメントツールを導入するデメリットとしてはじめにあげられるのが、コストが発生してしまうというポイントです。ナレッジマネジメントツールを導入する際、どうしてもセットアップ料としての初期費用や月額利用料金がかかってしまいます。ユーザー数が多ければ多いほど、ランニングコストが膨らんでしまうでしょう。導入するナレッジマネジメントツールによっては、操作方法が難しいなどの理由で教育コストがかかってしまうこともあるかもしれません。
ナレッジマネジメントが浸透しないケース
ナレッジマネジメントツールを導入した場合に考えられるデメリットとして、ツールを導入したにも関わらずナレッジマネジメントが浸透しないことがあります。ナレッジマネジメントの企業における重要性が十分に伝わっていない場合、従業員が積極的にナレッジシェアを行わない場合があります。成果主義を掲げている営業チームの場合などには、自分が築いてきたノウハウやスキルを他人にシェアしなければならないことに、抵抗を感じる人ももちろんいるでしょう。そのため人事評価制度を根本的に見直すなど、ナレッジ共有を行い安い環境づくりから行わなければなりません。
うまく活用できない社員の存在
ナレッジマネジメントツールを導入しても、ナレッジの共有方法が分からない、あるいは情報収集の方法が分かりづらいと悩む社員が出てくるかもしれません。場合によっては、誰もがスムーズに使えるように導入説明会を開く、マニュアルを別途作成する、都度指導方法を教えるといった手間がかかることもあるでしょう。
おすすめのナレッジマネジメントツール3選
今回は、PRONIアイミツがおすすめするナレッジマネジメントツールのなかから「Qast」、「NotePM」、「flouu」の3つに絞って紹介します。
Qastは、東京都渋谷区に本社を構えるanyが提供しているナレッジマネジメントツールです。マークダウン記法によるナレッジシェアをはじめ、匿名投稿によるQ&A、キーワード検索などの機能を搭載しています。
大きな特徴としてあげられるのが、業界・職種問わず誰でも使いこなせる分かりやすさ。ナレッジシェアに必要な機能に絞って搭載していることから、非常にシンプルで操作に迷いません。簡単にナレッジのシェアと閲覧ができるので、システムの定着率も早いのはうれしいポイントでしょう。
情報共有を行う際に気になるのが、きちんと情報が行き届いているのかということ。Qastを導入しておけば、投稿の既読人数と誰が読んだのかを把握できるため、誰が読んでいないのを確認できます。
SlackやChatwork、Teamsなどの外部サービスと連携して利用できるのも心強いでしょう。電話やメール、チャットを通したサポート体制が整っているのも安心できるポイントです。
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- シングルサインオン
- パスワード設定
NotePM
NotePMは、神奈川県川崎市に本社を構えるプロジェクト・モードが提供しているナレッジマネジメントツールです。多くの導入実績を誇り、これまでの登録企業数は3,000社を突破。「社内版ウィキペディア」として多くの情報を一元管理でき、日報やノウハウ、報告書、マニュアル、議事録など情報の種類は問いません。高機能エディタとテンプレートをあわせて活用すれば、誰でも簡単にナレッジを共有できるのが心強いでしょう。
情報の閲覧も非常にスムーズ。検索機能が非常に長けており、ナレッジのテキストのみならずWordやExcel、さらにはPDFファイルの中身なで検索可能です。アクセス権限は柔軟に行えるため、社内のみならず外部のメンバーも招待して使用できます。
ナレッジの変更があった場合には自動的にログを記録でき、変更された場所はハイライトで表示するため、変更後に参照する際にもスムーズに確認できるでしょう。ページを見た人や参照した時間などもチェックでき、誰が情報を見てないのかも把握可能です。
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- Pマーク
- 冗長化
- 通信の暗号化
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- シングルサインオン
- アクセスコントロール
flouuは、東京都新宿区に本社を構えるプライズが提供しているナレッジマネジメントツールです。ナレッジ管理はドキュメントを通して簡単に行え、ドキュメント作成はリアルタイムに同時編集可能。頻出の文章はテンプレートとして登録もできるほか、ファイルの添付もできます。
リアルタイムチャット機能を搭載しているので、コミュニケーションを取りながらナレッジシェアを行えるのもうれしいポイント。SlackやChatworkなどといった外部のビジネスチャットツールと連携も可能です。
ディレクトリやラベルの貼付などによるドキュメント管理が行えるほか、ドキュメントの内容のみならずコメントや添付ファイルまでをも対象とした検索機能を搭載しているため、見たい情報にすぐリーチできるのは心強いでしょう。
情報セキュリティマネジメントの国際規格、「ISO27001」の認証を取得しているだけでなく、2段階認証やIP制限、通信の暗号化など、セキュリティー面も充実しています。
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- IP制限
- 二要素認証・二段階認証
- アクセスコントロール
- パスワード設定
- リンクの有効期限設定
ツール導入の際に注意したいポイント
ここからは、ナレッジマネジメントツールを導入する際に注意しておきたいポイントを紹介していきます。以下の4点に注意しておけば、導入後もスムーズでしょう。
社員の理解を得る
ナレッジマネジメントツールを導入する際には、事前に社員からの理解をきちんと得ておきましょう。社員からの理解を得ているかどうかは、ナレッジマネジメントツールを導入する上でもっとも重要と言っても過言ではありません。ナレッジマネジメントの重要性が伝わっていないままツールを導入しても、結局は誰も情報を共有しようとせず、費用の無駄となってしまいます。
大切なのは、社員の誰もがナレッジを共有したいと思えるような環境づくりをするということ。成果主義に偏っている人事評価制度を見直すだけでなく、いつでもナレッジの共有をしやすいようにタブレットやスマートフォンを配布するなど、情報共有が盛んになる環境を構築していきましょう。
自社の環境に適しているか
ナレッジマネジメントツールを導入する際には、自社の環境に適しているのかどうかもきちんとチェックしておかなければなりません。ナレッジマネジメントツールと言っても種類はさまざま。今現在の社内環境にマッチするシステムでなければ、導入時にいろいろと手間がかかってしまうでしょう。もしも企業規模が小さい場合や、まずは部署単位で導入してみるという場合には、スモールスタートも可能であるのかなどを事前に確認しなければなりません。連携させたい外部システムがあるのであれば、システム連携機能がどれほど充実しているのかもチェックしておきましょう。
使いやすいツールか
ナレッジマネジメントツールを導入する際に限った話ではありませんが、使いやすいツールなのかどうかも非常に重要なポイントです。ナレッジマネジメントツールを導入したとしても、情報の投稿が非常にしづらい、あるいは情報検索のハードルが高いなどといった問題点がある場合、次第に誰もツールを使わなくなってしまう可能性もあります。
ナレッジマネジメントツールは、どれだけ情報を共有・確認しやすいのかが非常に重要なポイント。使いやすさで優れているツールであれば、ナレッジシェアのハードルが下がるため、情報共有が盛んに行われていくはずです。情報共有を盛んに行ってもらいナレッジを蓄積していくためには、使いやすいナレッジマネジメントツールであることが大前提。それぞれのサービスが無料トライアルを用意しているため、本格導入の前に必ず利用しましょう。
サポート体制を確認する
ナレッジマネジメントツールを導入する際には、サービス提供側のサポート体制もきちんと確認しておくことが非常に重要です。ツールを実際に利用してみると、分からない点が出ることやトラブルなどが起こる可能性も。電話やメール、チャットなどで不明点をすぐに聞けるサポート体制が整っていた方が、安心して使用できるでしょう。ツールの使い方のみならず、ナレッジマネジメントに関するノウハウがあるのかどうかもプラスアルファで確認しておくといいかもしれません。
まとめ:ナレッジマネジメントを活用して企業価値を高めよう
今回は、ナレッジマネジメントを行うこと自体のメリットや、ナレッジマネジメントツールを導入するメリット・デメリットなどを紹介してきました。ナレッジマネジメントを行うことによって、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。企業価値を高めていきたいと考えている場合には、実施しない手はないでしょう。
ナレッジマネジメントツールの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったナレッジマネジメントツール(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
プロが条件に合ったサービスを選定します!