【2024年最新】脱属人化の具体的な方法やアイデア | 属人化のデメリット、危険な業務なども解説
バックオフィス業務や営業、お問い合わせ対応などのさまざまな業務において、担当者以外が状況をわかっておらず悩んでいる……という会社も多いのではないでしょうか。そこで今回は、業務の属人化が起こることによるデメリットや属人化してしまう原因、属人化しやすい業務などのほか、脱属人化の方法・アイデアなどを紹介していきます。
- 属人化とは
- 業務の属人化が起こす5つのリスク・デメリット
- 業務の属人化が生じてしまう原因
- 属人化させると危険な4つの業務
- 脱属人化(業務標準化)がもたらす3つのメリット
- 脱属人化の具体的な方法・アイデア
- まとめ
属人化とは
そもそも属人化とは、どういった状況を指しているのか確認していきましょう。
属人化とは、とある業務やプロジェクトなどの進捗について、特定の担当者しか把握できておらず、他の人々にとってはどう進んでどのような状況なのかがわからない様を指しており、どのような会社でも起こりがちな現象の1つです。
例えば、「支払いの請求処理についてはそれぞれの担当者に任せてしまっており、どのようなフローで行われているのか把握していない」「問い合わせ対応に関しては各々に任せてしまっており、対応内容については周知されていない」などといった状況は、業務が属人化してしまっていると言えるでしょう。
業務の属人化が起こす5つのリスク・デメリット
それでは、業務の属人化が起こってしまうことによって、どのようなリスクやデメリットがあるのでしょうか。
ここからは、属人化によって考えられるさまざまな状況を紹介していきます。
業務のブラックボックス化
業務が属人化してしまうことによって、業務のブラックボックス化が起こってしまうことは避けられません。属人化してしまえば、特定の人物以外はその業務の進め方や進捗状況などを把握していない状況となってしまいます。
そのため、周囲の同僚や上司であっても、「その業務の詳細については曖昧な情報しか知らない」「進捗状況は把握していない」「担当者に聞かないと誰もわからない」といったブラックボックス化が起こってしまいます。
正当な評価を下しにくくなる
業務の属人化が起こってしまうことで、正当な評価を下しにくくなってしまうのもデメリットの1つです。
先に述べた通り、業務の属人化が起これば業務の詳細についてはブラックボックス化してしまうので、どのように業務が進められているのか、プロセスすら把握できない状況となってしまいます。そのような状況の中では、担当者がどれほど努力を尽くしていても、評価する側には伝わらないでしょう。担当者からすれば、「こんなに頑張ってきたのになぜ?」と思う評価になるかもしれません。
業務効率の低下
業務の属人化が起こることによって、業務効率が低下してしまうのも大きなデメリットの1つです。
業務の属人化が起こっている場合、普段は「Aさんがいるから大丈夫」「その業務はAさんに任せれば問題ない」と頼りきり、スムーズに回るかもしれません。しかし、担当者が不在の場合はどうなるでしょうか。誰も業務の詳細やプロセスなどを知らないため、大きく業務効率が低下してしまいます。「Aさんがいなければ対応できない」と一旦停止してしまうような状況となるでしょう。
業務品質の安定性が下がる
業務が属人化してしまうことによって、業務品質の安定性も下がってしまいます。先ほども述べた通り、業務が属人化してしまっている場合には、担当者がいない際に対応できなくなってしまいます。
そのため、普段は1人の担当者に任せっきりであった業務について誰かがチェックする際、その内容に何か問題があったとしても気づけない場合があります。担当者が対応した場合とそれ以外とで、品質管理に差が出てしまう恐れがあると言えるでしょう。
組織崩壊のリスクを抱え続ける
業務が属人化してしまえば、組織崩壊のリスクを抱え続けると言っても過言ではありません。
例えば、重要な業務について任せっきりの社員が、他の社員にナレッジやスキルについて伝えることなく退職してしまえばどうなるでしょうか。業務を属人化させてしまっていた故に、社内にはノウハウが溜まっていない状況となり、また一から積み上げなければなりません。その場合、属人化してしまっていた業務の内容によっては、業績が大きく下がってしまう恐れもあるでしょう。
業務の属人化が生じてしまう原因
属人化が引き起こすデメリットはわかりましたが、業務の属人化はなぜ起こってしまうのかもあわせて確認していきましょう。
業務が多忙過ぎる
とりわけ人数のあまり多くない中小企業の場合には、人手不足で各々がそれぞれの業務に追われているということが少なくありません。
そのため、「わざわざ他の社員に教えて対応してもらうより、自分ですべて対応した方が早い」と判断し続けてしまい、結果的に属人化が起こってしまうと考えられます。
業務そのものの専門性が高い
業務そのものの専門性が高い場合、自ずと属人化してしまうことも少なくありません。
専門的な知識や高度なスキルが求められる業務の場合、担当者以外はなかなか対応できないことが多いでしょう。その結果、いつも同じ人ばかりが対応してしまい、業務が属人化してしまっているという状況に陥ります。プログラミングやWebマーケティングなどといった分野において多い例でしょう。
ノウハウや技術を共有するための環境が整っていない
ノウハウや技術を周囲に共有できるような環境が整っていない場合も、業務の属人化が起こってしまいがちです。
口頭で伝えることもできますが、それではなかなかナレッジが蓄積していきません。業務マニュアルを作る、グループウェアやナレッジマネジメントシステムを導入して互いに情報発信を行うなどといった工夫が必要となるでしょう。しかし、そういったツールを導入することなく、マニュアルも作成しないままだと、属人化は避けられません。
社員が意識的に業務を属人化させることも
社員によっては、あえて業務を属人化させてしまうパターンも見られます。
会社が個人成果主義の強い環境であった場合には、自分にしか対応できない業務を増やすことによって、自分の成果につなげようと考える社員が少なくありません。自分にしか対応できない業務を持つことで、社内における自分の立場や価値などを守りたいと考える社員もいるでしょう。
属人化させると危険な4つの業務
ここからは、もしも属人化させてしまうと危険な業務を紹介していきます。
属人化しやすい業務でもあるため、以下の4つの業務に関しては注意しましょう。
1.バックオフィス業務
属人化させてしまうと危険な業務としてはじめにあげられるのが、バックオフィス業務です。
バックオフィス業務には、請求書管理や契約書管理、商品の在庫管理や発注業務などが含まれますが、事業を動かしていく中でも根本を成す業務と言っても過言ではありません。
そのため、Aさんにしか契約書の管理は任せられない、Bさんしか在庫の状況はわかっていないなどと言った状況になれば、バックオフィス以外の業務に関しても大きく影響してしまうでしょう。
2.問い合わせやトラブル対応
問い合わせ対応やトラブル対応なども、属人化させてしまうと非常に危険です。
例えば、顧客から商品に関する問い合わせがあった場合、いつも対応しているAさんであれば正しい案内が行えるかもしれません。しかし、もしも問い合わせ業務が属人化してしまっていれば、Bさんが急遽対応することになった際、異なる案内を行ってしまうことも。案内にブレがあることでトラブルにつながってしまうでしょう。
3.営業・案件対応
営業や案件対応についても、属人化させてしまうと非常に危険な業務と言えます。
決まった営業担当者ばかりに任せっきりにしており、その他の社員は営業活動や案件対応についてきちんと取り組めていない場合、もしも担当者が異動や退職となってしまえばどうなるでしょうか。A社との案件はどこまで進んだか、B社とのプロジェクトはどうなったかなどの詳細をシェアできておらず、大きな損害につながってしまうかもしれません。取引先からの信頼問題にも関わるでしょう。
4.自社商材の説明やサポート
自社商材の説明やサポートに関しても、属人化させてはいけません。
もしも自社商材についての説明やサポートに関して属人化が進んでいれば、「Aさんからは◯◯と言われたのに、後からBさんに△△と言われたが、どっちが正しいのか?」「AさんとBさんでサポート内容が違う」などと言ったクレームを顧客から言われる恐れがあります。顧客にとっては誰が対応しても同じ状況でなければならないため、属人化をできるだけ避ける必要があるでしょう。
脱属人化(業務標準化)がもたらす3つのメリット
属人化してしまうことによるリスクやデメリットなどを解説してきましたが、脱属人化させた場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下では、3つのメリットを紹介していきます。
1.業務品質の維持・向上に役立つ
脱属人化を進めて業務標準化を叶えた場合には、同時に業務品質の維持や向上を叶えることもできます。
これまでに1人で対応してきた業務を、複数の従業員で対応できるような職場になった場合、担当者がいなくても質を落とさずに対応できる、複数で対応することでチェック体制も構築できるなど、品質維持や向上につながる環境が整うこととなるでしょう。脱属人化を進めることで、誰が対応しても品質にブレのない業務に変えられるはずです。
2.業務効率がアップする
脱属人化を進めることによって、業務効率がアップすることも大きなメリットの1つです。
脱属人化を進める際には、ナレッジマネジメントシステムの活用やマニュアル作成などを通し、情報共有が行われることとなります。そのため、誰であってもどのように業務を進めていくのかを把握できるようになるのです。
その結果、もしも担当者がいなくとも、情報を参照しながら行えば誰でも業務に対応できる状態となるので、質問などに割く時間も必要ありません。
3.担当者が不在でも柔軟に対応しやすくなる
脱属人化を進めることで、担当者が不在であっても柔軟に対応できるようになる点も大きなメリットです。
脱属人化を進めていない場合、担当者が外出してしまった、担当者が急に異動になった、退職となったという状況に対応できません。担当者でなければ対応できないことによって、周囲の社員が柔軟にカバーできない状況となってしまいます。しかし、脱属人化を叶えていれば、担当者が不在であっても他の社員が柔軟に対応できるでしょう。
脱属人化の具体的な方法・アイデア
ここからは、脱属人化をどのように進めていくべきなのか、おすすめの方法やアイデアを紹介していきます。脱属人化を進めたいとお悩みの場合には、ぜひ参考になさってください。
まずは属人化の現状を整理する
脱属人化を叶えるために、まずは属人化の現状について整理しておきましょう。
現段階における業務フローを洗い出し、どの業務において属人化が起こっているのかを確認しておかなければ、対策をとることができません。予想していなかった業務も属人化している可能性があるため、きちんと洗い出しておくことが重要です。
必要に応じて業務フローを見直す
業務の属人化は、複雑な業務フローが原因であることも少なくありません。複雑であるが故に、対応できる社員が限られてしまうからです。
なるべく業務フローをシンプルにするよう心がけ、可能な限り単純化できるようにしましょう。業務フローをシンプルにしておくことによって、業務マニュアルを作成する際にも役立つのではないでしょうか。
ノウハウを収集・蓄積するための環境を構築する
業務の脱属人化を叶えるためには、ノウハウを収集・蓄積するための環境を構築するのも非常に重要です。定期的にミーティングを行い、そこで業務改善に関するアイディアの共有や情報共有などを行ってみるのも1つの手段でしょう。
また、個人成果主義に基づいた評価制度ではなく、チームで動いていくことによって評価につながるような人事評価制度に変えていくのも重要です。評価項目の1つに、チームへの情報共有・ナレッジ共有などに関する内容も取り入れてみるとより効果的かもしれません。
ITツールを活用する
業務の属人化は、それぞれの業務が複雑であることが原因で起こってしまうこともあります。
しかし、ITツールを用いて情報共有や業務の自動化などを行えば、脱属人化へとつなげることも可能です。例えばナレッジマネジメントを活用すれば、業務に関連するナレッジやノウハウなどを社内でシェアし蓄積していくことができます。RPAツールを導入すれば、単純な定型業務を大量にこなすことができ、よりコア業務にリソースを割くことができるでしょう。
ビジネスチャットツールがあれば、社内コミュニケーションも活性化して情報共有やスムーズになります。
こういったITツールの数々を活用することで、業務の属人化を少しずつ解消していけるはずです。
まとめ
今回は、業務の属人化が起こってしまう理由や属人化のデメリット、脱属人化のためにはどうするべきかなどをまとめて解説してきました。
脱属人化をスムーズに進めるためには、ITツールの導入が欠かせません。アイミツでは、脱属人化をサポートする多くのITツールを紹介しているので、業務の属人化や人手不足などにお悩みの場合にはぜひ参考になさってください。
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