【事例あり】ナレッジマネジメント導入の課題とポイントを徹底解説!
業務の属人化が進んでしまっている、社内でノウハウをまとめきれていない……などと悩んでいる場合には、ナレッジマネジメントを導入するべきタイミングかもしれません。
しかし、ナレッジマネジメントを導入すればすぐに状況を改善できるかと問われればそうではないのも事実です。ナレッジマネジメントを導入する際にありがちな課題や、成功させるポイントを知っておくべきでしょう。
そこでこの記事では、ナレッジマネジメントを導入する際によくある課題や失敗事例のほか、ナレッジマネジメントを成功させるポイント、さらにはナレッジ管理を効率的に行うためのツールに関して紹介していきます。
ナレッジマネジメントを導入しようと検討している場合は、ぜひ参考になさってください。
- ナレッジマネジメントの概要
- ナレッジマネジメント導入に対する課題(失敗事例)
- ナレッジマネジメントを成功させるポイント
- ナレッジ管理を最適化・効率化させるためのツール
- まとめ:ナレッジマネジメントでビジネスを効率的に成長させよう
ナレッジマネジメントの概要
そもそも、ナレッジマネジメントとは何なのでしょうか?まずはじめに、概要を確認しておきましょう。
ナレッジマネジメントとは、従業員1人ひとりが個人で蓄積してきた仕事のコツやノウハウなどといったナレッジを、部署内や全社員に共有していくことにより、全体的なスキルの底上げ、さらなるアイディアの創出を促進することを指します。全体的にスキルや知識量が底上げされることにより、社員全体の生産性をあげることが可能です。
基本的には、SECI(セキ)モデルと呼ばれる知識創造のプロセスに沿って取り組まれます。
SECI(セキ)モデルとは
ナレッジマネジメントにおいて欠かすことのできないSECI(セキ)モデルとはどのようものなのかも確認しておきましょう。
SECI(セキ)モデルとは、従業員1人ひとりが個人的に所有している知識・ノウハウや、技能のような言葉で説明しづらい暗黙知を組織で管理し、形式知へと変換させていくことによって、ノウハウの全社への共有や新たなナレッジの創出を試みるプロセスのことを言います。
基本的には、暗黙知を暗黙知のまま実務を通して他人へと伝える共同化プロセス、暗黙知を言葉に(形式知化)し、他の人々と共有していく表出化プロセス、形式知を他の形式知と合わせて新たな形式知を生み出す結合化プロセス、さらには形式知が1人ひとりの中で暗黙知に変化していく内面化プロセスを経て、ナレッジやスキルの底上げを目指すことが可能です。
ナレッジマネジメント導入に対する課題(失敗事例)
ここからは、ナレッジマネジメントを導入する際に直面しがちな課題や、失敗事例をいくつか紹介していきます。以下で紹介する事例を把握した上で、ナレッジマネジメントを導入する前に対策を練っておきましょう。
1.そもそもナレッジが蓄積されていかなかった
ナレッジマネジメントを導入する際によくありがちな課題・失敗事例としてはじめにあげられるのが、導入したにも関わらず、うまくナレッジが蓄積されていかなかったというパターンです。
きちんと従業員に説明することもなくナレッジマネジメントを導入してしまうと、「生産性を全体的に上げるためにもナレッジを共有しよう」という意識が育ちません。また、完全に実績重視で人事評価が下されているような場合、他の従業員にナレッジを共有したくないという場合もあるでしょう。
このパターンの課題を解決するためには、まず事前にナレッジマネジメントの重要性や実施に至った背景を納得がいくように説明しなければなりません。また、場合によっては人事評価制度の見直しも必要となります。
2.有益なナレッジがなかなか蓄積されなかった
ナレッジマネジメントを導入する際によくありがちな課題・失敗事例として2つ目にあげられるのが、ナレッジは蓄積されていっても、有益なナレッジはなかなか蓄積されなかったというパターンです。
ナレッジマネジメントを導入したからと言って、すぐに有益なナレッジが蓄積されていくというわけではありません。優秀な人材であればあるほど、すでに自分のワークスタイルが確立されており、他の従業員のナレッジなど必要ない、と思っている可能性も高いでしょう。その場合、自身のナレッジばかり共有するのは納得いかない、と考える人もいるかもしれません。
このパターンの課題を解決するためには、有益なノウハウを多数持っていると考えられる従業員が、「ナレッジをシェアしたい」と思えるような仕組み作りが必要でしょう。
3.臨機応変な対応力が低下してしまった
ナレッジマネジメントを導入する際によくありがちな課題・失敗事例として3つ目にあげられるのが、これまでには見られていた臨機応変な対応力が低下してしまったというパターンです。
ナレッジマネジメントを導入する前には、知識・ノウハウが1つにまとめられておらず、きちんと共有もされていないため、何か問題に直面した際には従業員1人ひとりが考えて行動するしかありません。つまり、ノウハウが蓄積されていなかったからこそ、臨機応変な対応を取れていたということです。
しかし、ナレッジマネジメントを導入してノウハウが蓄積されたばかりに、自分で考えて行動する力が低下してしまうことも。単にナレッジを共有していくだけでなく、考える力を育てるためのアプローチも同時に行うべきでしょう。
ナレッジマネジメントを成功させるポイント
ここからは、ナレッジマネジメントを成功させるポイントを紹介していきます。以下で紹介する3つのポイントを押さえておくことによって、「ナレッジがうまく蓄積できなかった」、「なかなかナレッジマネジメントが社内で定着しない」という失敗を未然に防ぐことができるでしょう。
1.ナレッジ共有がしやすい環境づくりを行う
ナレッジマネジメントを成功させるためのポイントとしてはじめにあげられるのが、ナレッジを共有しやすい環境づくりを行うということです。
ナレッジを共有しやすい環境を作るためには、まず「なぜナレッジマネジメントを行うべきなのか」を理解してもらう必要があります。導入前の説明会をはじめ、勉強会や報告会なども定期的に開催し、ナレッジマネジメントの重要性や効果について説いていくべきです。
また、ナレッジを共有する側にいる従業員にとっては、「どうしてこっちばかりナレッジをシェアしなきゃいけないんだ?」と納得がいかないこともあるかもしれません。そのような従業員も積極的にナレッジを共有できるように、ナレッジをシェアした人を評価する制度を整えるなど、ナレッジを共有したいと思える仕組みを作っていきましょう。
2.共有されたナレッジを一元管理する
ナレッジマネジメントを成功させるためのポイントとして2つ目にあげられるのが、共有されたナレッジを分かりやすく一元管理するということです。
ナレッジを共有するということへの理解を得られたとしても、さまざまなツールやシステムなどそこかしこにナレッジが散らばっていては、ナレッジを収集したいときに困ってしまいます。スムーズにナレッジを収集できなければ、ナレッジマネジメントの効果が出ません。
そのため、ナレッジをスムーズに収集しやすいツールなどを導入しておくことが非常に重要でしょう。社内SNSやグループウェアなど、どれを導入するべきかはきちんと整理し、現場の従業員にとって使いやすいインターフェースのものを導入することを忘れてはなりません。
3.必要な時にナレッジを引き出せる仕組みを構築する
ナレッジマネジメントを成功させるためのポイントとして3つ目にあげられるのが、必要な時にナレッジを引き出せるような仕組みを構築しておくということです。
先ほどナレッジがうまく蓄積できない・有益なナレッジが蓄積されないといった課題・失敗事例を紹介しましたが、一方でナレッジが蓄積されすぎてしまうということもあります。
ナレッジは蓄積されればされるほどいいものですが、いざナレッジを活用したいシーンになった場合、「どのナレッジを参考にするべきなのか分からない」と情報の取捨選択に迷ってしまうかもしれません。また、現段階では必要としていないナレッジばかり押し付けられ、ナレッジマネジメントに対し嫌気が差してしまう可能性もあるでしょう。
そのような事態を防ぐためにも、従業員の様子をきちんと観察しておくことが重要です。「とにかくナレッジを共有してほしい」というやり方ではなく、「知りたいナレッジがあったら検索できる」という環境を整えておきましょう。
ナレッジ管理を最適化・効率化させるためのツール
ナレッジ管理を最適化・効率化させるためには、社内SNSやグループウェアなどもおすすめのツールとしてあげられますが、ナレッジマネジメントツールを導入することがベストです。
ナレッジマネジメントツールは、個人で蓄積されてきたノウハウを社内全体にスムーズに共有することに特化したツール。ネットワークも活用して組織内外の知識をデータベース化する専門知識型、模範的社員の知識や行動などを共有するベストプラティクス共有型、顧客対応の方法などを共有する顧客知識共有型、組織における知識を分析し経営戦略にも役立て、競合他社分析なども行う経営資本・戦略策定型の4パターンがあるため、自社に必要なナレッジマネジメントツールを導入してみましょう。
まとめ:ナレッジマネジメントでビジネスを効率的に成長させよう
今回は、ナレッジマネジメントに関する基本的な知識をはじめ、ナレッジマネジメントを導入した際にありがちな課題・失敗事例、ナレッジマネジメントを成功させるためのポイントを紹介してきました。
ナレッジマネジメントを導入する際には、「なぜナレッジマネジメントを導入するに至ったのか」をきちんと説明し、その重要性を理解してもらうことが非常に重要です。ナレッジマネジメントがもたらすメリットを把握してもらった上で、積極的に知識を共有したくなるような環境を構築していきましょう。
ナレッジマネジメントを成功させたいという場合には、ナレッジマネジメントツールの導入が欠かせません。どのツールを導入するべきか分からないという場合や、自社にはどのタイプのナレッジマネジメントツールが合っているのか迷っているという場合には、ぜひPRONIアイミツをご利用ください。
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