会計ソフトとは?メリットから仕組み、使い方までわかりやすく解説
会計ソフトの導入を検討している方の中には「会計ソフトの概要や仕組み、使い方を知りたい」「会計ソフトを導入するメリットとは?」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。
本記事ではそんな方へ向けて、会計ソフトの概要や導入メリット、仕組み、使い方を紹介します。需要が増加している理由も詳しく解説するので、会計ソフトの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
税理士
板山 翔
平成28年に日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。塾講師歴7年、大手WEBメディアで連載を持つなどの異色の経歴を持つ。5人以下の小 …続きを見る
平成28年に日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。塾講師歴7年、大手WEBメディアで連載を持つなどの異色の経歴を持つ。5人以下の小さな会社の経営者へ向けて、様々なメディアで情報発信をしており、YouTubeチャンネル「税理士ショウの超わかりやすいビジネスQ&A」は動画27本で登録者4,000人近くと、急成長している。 板山翔税理士事務所代表
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- 会計ソフトとは
- 会計ソフトの役割
- 会計ソフトのメリット
- 会計ソフトの需要が増加している背景
- 会計ソフトの種類
- 会計ソフトの仕組み
- 会計ソフトの主な機能
- 会計ソフトの使い方
- 会計ソフトの入力方法
- 会計ソフトを導入する際のポイント
- まとめ:自社で使いやすい会計ソフトを導入しましょう
会計ソフトとは
会計ソフトとは、企業や個人事業における金銭の動きが管理・集計できる業務用ソフトです。大半の会計ソフトがパソコンから操作する形式ですが、近年ではスマートフォンから使用できるものも登場しています。
会計ソフトの登場前は紙の帳簿・伝票を用いて会計業務を行うのが一般的とされていましたが、帳簿への転記の際のミスや写し漏れ、計算ミスが生まれる確率も高く簿記の専門知識が必要不可欠でした。しかし、会計ソフトを使用すればこれらのミスの防止が可能に。より効率的な会計業務ができることから、現在では多くの企業で会計ソフトが導入されています。
会計ソフトの役割
会計ソフトの代表的な役割は「会計業務を効率化すること」です。ほかにも「経営状況をみえる化する」「データを経営判断や方針決定、事業計画立案などに役立てる」といった活用方法も考えられます。
これらは会社の経理状況を管理する「管理会計」における会計ソフトの役割ですが、データを迅速・正確にまとめられるという点では、投資家や株主などステークホルダーへ向けて情報を開示する「財務会計」にも大きな役割を持っているといえるでしょう。
会計ソフトのメリット
ここからは、会計ソフトの導入によって生まれるメリットについて解説していきます。
会計業務を効率化できる
手作業やExcelを使った処理では、取引の記録や帳簿の作成に多大な時間と手間がかかりますが、会計ソフトを使用すれば、取引の仕訳を行うだけで自動的にデータの集計や転記が行われます。さらに、銀行口座やクレジットカードと連携することで、取引データも自動的に帳票に入力され、作業時間を大幅に短縮できます。これにより、計算ミスや入力ミスも減り、会計業務の精度も向上します。
法改正にスムーズに対応できる
多くの会計ソフトは、税制改正や申告書の様式変更に合わせてシステムが自動的にアップデートされます。これにより、税制改正の詳細を自身で調べたり、新しい書式を準備したりする手間が省ける上、安心して会計業務を行えます。
税理士
板山 翔のコメント
リアルタイムで財務状況を確認できる
日々の取引データを自動で集計し、キャッシュフローや売上実績のレポートを作成するため、経営陣は常に最新の財務情報を確認できます。また、グラフ表示機能を備えた会計ソフトを使用すれば、データを視覚的に把握しやすくなり、経営判断を迅速に行うことが可能に。
税理士
板山 翔のコメント
簿記の知識が無くても問題ない
会計ソフトを導入することで、簿記の知識がない担当者でも簡単に帳簿付けができるようになります。従来の手書きやExcelでの帳簿作成では、仕訳や勘定科目の知識が必須でしたが、多くの会計ソフトには仕訳入力を補助する機能が備わっています。また、取引データを自動で取り込み、自動的に仕訳を行う機能もあるため、経理初心者でも迷わずに帳簿を作成することができ、専門的な人材がいなくてもスムーズに会計業務が可能です。
税理士
板山 翔のコメント
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会計ソフトの需要が増加している背景
会計ソフトの需要が増加している背景には、「会計業務におけるデータの電子化・デジタル化が必要不可欠になりつつある」ということがあげられます。昨今では多くの銀行がインターネットバンキングシステムを導入しているほか、確定申告をはじめとする各種申告も電子化されています。
さらに、2022年1月の電子帳簿保存法の改正・施行にともない、電子取引に関するデータ保存が義務化。社会的に電子化・デジタル化の流れとなっています。会計情報がシステム上でわかりやすく管理・集計できる会計ソフトの需要が増加するのも、当然といえるのではないでしょうか。
会計ソフトの種類
会計ソフトの種類は「クラウド型」と「インストール型」「無料ソフト」「Excel・自社システム」に大きく分かれます。ここからは、それぞれの種類について解説していきます。
クラウド型
クラウド型の会計ソフトは、インターネット上で操作ができる会計ソフトを指すものです。インターネット環境があれば場所を問わず利用できるのが大きな特徴で、各地に支社や営業所を持つ会社であっても統合した会計管理が可能となります。
そのほか「銀行やクレジットカードと連携して自動仕訳が行える」「経費精算ソフトや給与計算ソフトと連携して会計業務がさらに効率的になる」といった点も魅力です。
インストール型
インストール型会計ソフトは、文字どおりパソコンにソフトをインストールすると利用できる会計ソフトで「オンプレミス型」とも呼ばれます。クラウド型と異なる点としては、「インターネットに接続しなくても利用できる」ということがあげられます。
クラウド型は使用するかぎり月額利用料が発生するケースが大半ですが、インストール型はソフトを購入すれば継続的なコストがありません。一方で、「初期費用が高額」「データのバックアップ・復元に手間がかかる」といったデメリットもあります。
無料ソフト
無料ソフトは、こちらも文字どおり無料で使用できる会計ソフトのことです。会計ソフトの中には無料プランを提供している場合や、完全無料で提供している場合もあります。
無料ソフトの利用は「コストが抑えられる」というのが最大のメリットですが、一方で使用できる機能に制限があることがあり、さらには大量のデータ処理や専門的な処理が不可となっていることも多いというのがデメリットとして挙げられます。
Excel・自社システム
会計業務においては、Excelや自社システムを活用するというのも1つの方法です。ExcelをはじめとするMicrosoft Office製品の導入には費用が発生しますが、Excelがインストールされたパソコンがあれば実質無料で利用が可能。独自に会計フォーマットを作成し、収支をExcelへ記入しているという企業も決して少なくありません。
自社システムは、自社もしくは外部委託で開発した会計システムのこと。開発に相応の費用は発生するものの、専門的な会計処理が必要な場合は既存の会計ソフトでの対応が困難なことから、導入している企業もあるようです。
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会計ソフトの仕組み
会計ソフトの一般的な仕組みは、売り上げや仕入れ・経費などが発生したら会計ソフトに記入する(仕訳する)と、「帳簿が作成されお金の動きが確認できる」「帳簿の内容をもとに確定申告や決算書が作成できる」というものです。日常的にお金の動きを会計ソフトに記録しておくことで、数字の把握だけでなく、税金の計算や決算・確定申告に必要な書類作成が容易に進められます。
システムが動作する仕組みとしては、インストール型はCD-RやWebサイトから会計ソフトをダウンロードして管理者がライセンス管理・メンテナンスを行います。会計ソフトをダウンロードしたパソコンからのみ操作ができ、データもそのパソコンへ保存されていく仕組みです。
一方、クラウド型はWebサイトから会計ソフトへログインし、ブラウザ上で操作を行います。ログインに必要なID・パスワードがあればデバイスを問わず利用でき、データもインターネット上に保存されます。
会計ソフトの主な機能
会計ソフトに搭載されている主な機能は、以下のとおりです。
- 仕訳入力機能・帳簿確認機能(現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛帳など)
- レポート機能(取引レポート、残高レポート、損益レポートなど)
- 法人決算機能(賃借対照表や損益計算書の作成など)
このほか、金融機関やクレジットカード、その他システムとの連携による自動仕訳機能や、スマートフォンからの操作に対応している会計ソフトも登場しています。
会計ソフトの使い方
ここからは、会計ソフトを使用する際の主な流れを解説していきます。
- 導入してユーザー設定・データ移行をする
- 仕訳入力などの初期設定を行う
- データを連携する
- 伝票作成をする
導入してユーザー設定・データ移行をする
まずは会計ソフトを購入・導入し、ユーザー設定と、必要に応じてデータを移行します。ユーザー設定の際には下記の情報が求められることが多いようです。
- 製品に登録するメールアドレス
- パスワード
- 登録名義(法人名など)
- 代表者名
- 担当者名
また、これまで使用していた会計ソフトからの乗り替えの場合には、データを移行することで新たな会計ソフトでもデータの参照が可能となります。Excelによる会計業務からの移行であっても、会計ソフトに合わせた形式でデータを出力することでデータが移行できます。
仕訳入力などの初期設定を行う
次に、仕訳入力などの初期設定を行います。初期設定では、次の設定を行うのが一般的です。
- 事業所データ
- 事業所の消費税処理
- 開始残高、預貯金
- 売掛金、買掛金(得意先、仕入先)
- 経費に関する情報
- 主な勘定科目、仕訳
これらの情報を会計ソフトに設定することで、自社に合わせた利用が可能となります。
データを連携する
金融機関やクレジットカードとの連携を行います。会計ソフトの中には、これらの連携によって取引内容の自動仕訳が可能になるものも。会計ソフトをさらに便利に活用することができるでしょう。
さらに、会計ソフトによっては給与計算システムや人事労務システム、販売管理システム、書類管理システムなどとの連携にも対応しているので、既存のシステムと連携できるものを選べば業務効率化の推進につながります。
伝票作成をする
データ連携が完了したら、必要に応じて伝票を作成します。システム上の帳簿に入力した内容をもとに伝票が作成できる会計ソフトも多く、クリックのみで操作が完了するというケースも少なくありません。
会計ソフトの入力方法
会計ソフトに情報を入力する際には、下記のポイントをおさえておくことで、より効率的に業務が進められるでしょう。
- 「簿記」の仕組みや流れを知っておく
- ソフト上での入力の流れを理解しておく
- 自社における勘定科目の決まりを作っておく
- 自動入力機能がある場合は活用する
- 同じ勘定科目の内容をまとめて入力する
Excelの操作に慣れている場合はExcelでフォーマットを作成・出力し、そのデータを会計ソフトにインポートするという方法もあるようです。担当者のスキルや方法に合わせた運用を確立すれば、短期間での作業効率向上も不可能ではありません。
会計ソフトを導入する際のポイント
ここからは、会計ソフト導入時に押さえておきたいのポイントを3つ解説します。
- 担当者のスキルに合う会計ソフトを選ぶ
- サポート面が充実しているか確認する
- 顧問税理士に相談してみるのもおすすめ
担当者のスキルに合う会計ソフトを選ぶ
会計ソフトを選ぶ際には、担当者のスキルレベルに適したものを選びましょう。簿記の資格を持っているなど、知識が十分にある場合は問題ありませんが、経理初心者が担当の場合には、簿記の知識がなくても使えるソフトを選ぶ必要があります。
無料トライアルを利用して、誰でも操作できるかを確認した上で、本格的に導入しましょう。
税理士
板山 翔のコメント
サポート面が充実しているか確認する
会計ソフトを選ぶ際には、サポート面の充実度を確認し、自分たちが求めるサポートが提供されているサービスを選びましょう。メールサポートのみ、電話・メールサポート両方利用可能、遠隔操作によるサポートも可能、操作方法のみならず経理に関する相談にも対応可能など、会計ソフトによって対応するサポートは大きく異なります。
まずはどの程度のサポートを求めているのかを整理し、ニーズにマッチした会計ソフトを導入しましょう。
税理士
板山 翔のコメント
顧問税理士に相談してみるのもおすすめ
顧問契約を行っている税理士事務所がある場合、その税理士事務所で利用されている会計ソフトを導入した方がスムーズに進むことが多いです。操作方法についてわからない点があれば相談できるだけでなく、データ連携もスムーズになります。複数の会計ソフトを比較して、どのソフトにするべきか悩んだ場合には、顧問税理士に相談するのもおすすめです。
まとめ:自社で使いやすい会計ソフトを導入しましょう
この記事では、会計ソフトの概要や役割、種類、仕組みとあわせて、導入で得られるメリット・デメリット、使い方などを解説してきました。会計ソフトを導入する際には、自社の規模に合っているかを確認の上、必要な機能を満たしているものを選びましょう。
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税理士
板山 翔
板山翔税理士事務所代表
平成28年に日本初のオンライン専門の税理士事務所を開業。塾講師歴7年、大手WEBメディアで連載を持つなどの異色の経歴を持つ。5人以下の小さな会社の経営者へ向けて、様々なメディアで情報発信をしており、YouTubeチャンネル「税理士ショウの超わかりやすいビジネスQ&A」は動画27本で登録者4,000人近くと、急成長している。
税理士
板山 翔のコメント