会計ソフトとは?仕組みから使い方、入力方法までわかりやすく解説
「会計ソフトの仕組みや使い方、入力方法が知りたい」「会計ソフトを導入するメリット・デメリットは?」といった疑問を持つ方へ向けて、会計ソフトの概要や仕組み、使い方、導入メリット・デメリットを紹介していきます。
会計ソフトの役割や種類のほか、「なぜ需要が増加しているのか」についても詳しく解説しますので、会計ソフトの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
- 会計ソフトとは
- 会計ソフトの役割
- 会計ソフトの需要が増加している背景
- 会計ソフトの種類
- 会計ソフトの仕組み
- 会計ソフトの主な機能
- 会計ソフトのメリット・デメリット
- 会計ソフトの使い方
- 会計ソフトの入力方法
- 会計ソフトを導入する際のポイント
- まとめ
会計ソフトとは
会計ソフトとは、企業や個人事業における金銭の動きが管理・集計できる業務用ソフトを指すものです。大半の会計ソフトがパソコンから操作する形式ですが、近年ではスマートフォンから使用できるものも登場しています。
会計ソフトの登場前は紙の帳簿・伝票を用いて会計業務を行うのが一般的とされていましたが、帳簿への転記の際のミスや写し漏れ、計算ミスが生まれる確率も高く「簿記」の専門知識が必要不可欠でした。しかし、会計ソフトを使用すればこれらのミスの防止が可能。より効率的な会計業務が可能となることから、現在では多くの企業で会計ソフトが導入されています。
会計ソフトの役割
会計ソフトの代表的な役割は、「会計業務を効率化すること」です。ほかにも「経営状況をみえる化する」「データを経営判断や方針決定、事業計画立案などに役立てる」といった活用方法も考えられます。
これらは会社の経理状況を管理する「管理会計」における会計ソフトの役割ですが、データを迅速・正確にまとめられるという点では、投資家や株主などステークホルダーへ向けて情報を開示する「財務会計」にも大きな役割を持っているといえるでしょう。
会計ソフトの需要が増加している背景
会計ソフトの需要が増加している背景には、「会計業務におけるデータの電子化・デジタル化が必要不可欠になりつつある」ということがあげられます。昨今では多くの銀行がインターネットバンキングシステムを導入しているほか、確定申告をはじめとする各種申告も電子化されています。
さらに、2022年1月の電子帳簿保存法の改正・施行にともない、電子取引に関するデータ保存が義務化。社会的に電子化・デジタル化の流れとなっているのです。会計情報がシステム上でわかりやすく管理・集計できる会計ソフトの需要が増加するのも、当然といえるのではないでしょうか。
会計ソフトの種類
会計ソフトの種類は「クラウド型」と「インストール型」「無料ソフト」「Excel・自社システム」に大きく分かれます。ここからは、それぞれの種類について解説していきます。
クラウド型
クラウド型の会計ソフトは、インターネット上で操作ができる会計ソフトを指すものです。インターネット環境があれば場所を問わず利用できるのが大きな特徴で、各地に支社や営業所を持つ会社であっても統合した会計管理が可能となります。
そのほか「銀行やクレジットカードと連携して自動仕訳が行える」「経費精算ソフトや給与計算ソフトと連携して会計業務がさらに効率的になる」といった点も魅力です。
インストール型
インストール型会計ソフトは、文字どおりパソコンにソフトをインストールすると利用できる会計ソフトで「オンプレミス型」とも呼ばれます。クラウド型と異なる点としては、「インターネットに接続しなくても利用できる」ということがあげられます。
クラウド型は使用するかぎり月額利用料が発生するケースが大半ですが、インストール型はソフトを購入すれば継続的なコストがありません。一方で、「初期費用が高額」「データのバックアップ・復元に手間がかかる」といったデメリットもあります。
無料ソフト
無料ソフトは、こちらも文字どおり無料で使用できる会計ソフトのことです。会計ソフトの中には無料プランの用意があるケースがあるほか、中には完全無料で会計ソフトを提供している会社も。
無料ソフトの利用は「コストが抑えられる」というのが最大のメリットですが、一方で使用できる機能に制限があることがあり、さらには大量のデータ処理や専門的な処理が不可となっていることも多いというのがデメリットとしてあげられます。
Excel・自社システム
会計業務においては、Excelや自社システムを活用するというのも1つの方法です。ExcelをはじめとするMicrosoft Office製品の導入には費用が発生しますが、Excelがインストールされたパソコンがあれば実質無料で利用が可能。独自に会計フォーマットを作成し、収支をExcelへ記入しているという企業も決して少なくありません。
自社システムは、自社もしくは外部委託で開発した会計システムのこと。開発に相応の費用は発生するものの、専門的な会計処理が必要な場合は既存の会計ソフトでの対応が困難なことから、導入している企業もあるようです。
会計ソフトの仕組み
会計ソフトの一般的な仕組みは、売り上げや仕入れ・経費などが発生したら会計ソフトに記入する(仕訳する)と、「帳簿が作成されお金の動きが確認できる」「帳簿の内容をもとに確定申告や決算書が作成できる」というものです。日常的にお金の動きを会計ソフトに記録しておくことで、数字の把握だけでなく、税金の計算や決算・確定申告に必要な書類作成が容易に進められます。
システムが動作する仕組みとしては、インストール型はCD-RやWebサイトから会計ソフトをダウンロードして管理者がライセンス管理・メンテナンスを行います。会計ソフトがダウンロードされたパソコンからのみ操作ができ、データもそのパソコンへ保存されていく仕組みです。
一方、クラウド型はWebサイトから会計ソフトへログインし、ブラウザ上で操作を行います。ログインに必要なID・パスワードがあればデバイスを問わず利用でき、データもインターネット上に保存されます。
会計ソフトの主な機能
会計ソフトに搭載されている主な機能は、以下のとおりです。
- 仕訳入力機能・帳簿確認機能(現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛帳など)
- レポート機能(取引レポート、残高レポート、損益レポートなど)
- 法人決算機能(賃借対照表や損益計算書の作成など)
このほか、金融機関やクレジットカード、その他システムとの連携による自動仕訳機能や、スマートフォンからの操作に対応している会計ソフトも登場しています。
会計ソフトのメリット・デメリット
ここからは、会計ソフトの導入によって生まれるメリット・デメリットについて解説していきます。
会計ソフトのメリット
会計ソフトの導入・利用メリットとしてあげられるのは、下記の点。
- 計算ミスや入力漏れを防ぎ、会計業務の効率化を大幅に促進できる
- 会計業務に関わる税制度などの法改正にスムーズに対応できる
- 会社の経営状況をリアルタイムに見える化でき、今後の事業方針や経営判断に役立てることができる
会計ソフトを導入すれば会計業務の大幅な効率化につながると考えられます。業務の効率化は業務負担や残業時間の低減につながり、将来的な人件費の削減が叶うでしょう。また、経営状況が可視化されるため、データにもとづいた論理的な判断にも役立てられるはずです。
会計ソフトのデメリット
会計ソフトを導入・利用するデメリットとしては、下記が挙げられます。
- コストがかかる
- 使用環境が限られる
- 会計ソフトの操作に慣れる必要がある
中でも「無料の会計ソフトを使用しない限り、導入には一定のコストが発生する」というのが最大のデメリットではないでしょうか。クラウド型・インストール型のどちらも使用環境が限られてしまうというのも事実です。
さらに、業務用ソフトの使用経験がない場合には、会計ソフトの操作に慣れる時間が必要となります。決算の直前などではなく、日常的に余裕を持って使用できるタイミングを見計らって導入するとよいでしょう。
会計ソフトの使い方
ここからは、会計ソフトを使用する際の主な流れを解説していきます。
導入してユーザー設定・データ移行をする
まずは会計ソフトを購入・導入し、ユーザー設定と、必要に応じてデータを移行します。ユーザー設定の際には下記の情報が求められることが多いようです。
- 製品に登録するメールアドレス
- パスワード
- 登録名義(法人名など)
- 代表者名
- 担当者名
また、これまで使用していた会計ソフトからの乗り替えの場合には、データを移行することで新たな会計ソフトでもデータの参照が可能となります。Excelによる会計業務からの移行であっても、会計ソフトに合わせた形式でデータを出力することでデータが移行できます。
仕訳入力などの初期設定を行う
次に、仕訳入力などの初期設定を行います。初期設定では、次の設定を行うのが一般的です。
- 事業所データ
- 事業所の消費税処理
- 開始残高、預貯金
- 売掛金、買掛金(得意先、仕入先)
- 経費に関する情報
- 主な勘定科目、仕訳
これらの情報を会計ソフトに設定することで、自社に合わせた利用が可能となります。
データを連携する
金融機関やクレジットカードとの連携を行います。会計ソフトの中には、これらの連携によって取引内容の自動仕訳が可能になるものも。会計ソフトをさらに便利に活用することができるでしょう。
さらに、会計ソフトによっては給与計算システムや人事労務システム、販売管理システム、書類管理システムなどとの連携にも対応しているので、既存のシステムと連携できるものを選べば業務効率化の推進につながります。
伝票作成をする
データ連携が完了したら、必要に応じて伝票を作成します。システム上の帳簿に入力した内容をもとに伝票が作成できる会計ソフトも多く、クリックのみで操作が完了するというケースも少なくありません。
会計ソフトの入力方法
会計ソフトに情報を入力する際には、下記のポイントをおさえておくことで、より効率的に業務が進められるでしょう。
- 「簿記」の仕組みや流れを知っておく
- ソフト上での入力の流れを理解しておく
- 自社における勘定科目の決まりを作っておく
- 自動入力機能がある場合は活用する
- 同じ勘定科目の内容をまとめて入力する
Excelの操作に慣れている場合はExcelでフォーマットを作成・出力し、そのデータを会計ソフトにインポートするという方法もあるようです。
担当者のスキルや方法に合わせた運用を確立すれば、短期間での作業効率向上も不可能ではありません。
会計ソフトを導入する際のポイント
会計ソフトを導入する際には、まず「法人向けの会計ソフトであるか」を必ず確認しましょう。会計ソフトには法人向けだけでなく「個人事業主向け」「10人以下の事業所向け」など、事業形態や規模に合わせたものが存在しています。自社の規模に適したものを選ぶことで、大きな導入効果が期待できるでしょう。
また、パソコンで作成する帳簿に関する法律「電子帳簿保存法」に対応している会計ソフトであるかも必ず確認したいポイント。さらに、仕訳入力機能の詳細や連携可能なシステム・ソフトの種類や数も把握しておくといいかもしれません。
大企業での導入にあたっては、内部統制への対応可否も重要なポイントといえます。
まとめ
この記事では、会計ソフトの概要や役割、種類、仕組みとあわせて、導入で得られるメリット・デメリット、使い方などを解説してきました。会計ソフトを導入する際には、自社の規模に合っているかを確認の上、必要な機能を満たしているものを選びましょう。
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