決算書作成に対応する会計ソフトおすすめ12選【2024年最新】
「決算書作成に工数がかかっている」「決算期は日々の業務に加え、決算書の作成に追われ時間が足りない」という経理担当者は多いのではないでしょうか。決算書作成を効率化したい企業におすすめなのが、決算書作成機能がある会計ソフトです。会計ソフトで決算書作成を自動化できれば、時間短縮につながるうえ、手作業による入力ミスも防止できます。決算書の正確性を高めたいという企業には特におすすめです。
そこで本記事では、決算書作成機能がある会計ソフトおすすめ9選を紹介します。会計ソフトで決算書作成をするメリット、会計ソフトの選び方も解説しますので、決算書を簡単に作成したい経理担当者はぜひご覧ください。
- 会計ソフトの決算書作成機能とは
- 会計ソフトで決算書作成するメリット
- 【比較表】決算書作成機能がある会計ソフト
- 【2024年最新】決算書作成機能がある会計ソフトおすすめ12選
- 決算書作成の手順
- 会計ソフトの選び方
- まとめ:決算書作成ソフトで業務効率化を図ろう
- よくある質問
会計ソフトの決算書作成機能とは
会計ソフトとは、企業のお金の出入りを記録し、データを管理・集計できるソフトウェアです。決算に必要な帳簿を簡単に作成でき、作業工数を削減できます。
会計ソフトの決算書作成機能とは、入力した仕訳データをもとに、損益計算書・貸借対照表などの決算書を作成できる機能です。決算書作成の自動化により、決算期の経理担当者の手間を大幅に軽減します。
また、決算書作成機能がある会計ソフトを活用することで、決算後に必要となる確定申告の書類も簡単に作成可能。「手作業によるミスを防止して、効率的に決算書作成をしたい」「決算のスピードアップを図りたい」という企業には、決算書作成機能がある会計ソフトがおすすめです。クラウド型の会計ソフトであれば、都度書類を印刷・送付する必要もなく、いつでも手軽にデータ共有が可能です。
MM総研のアンケート調査によると、中小企業における会計ソフトの利用率は50%を超えています。会計ソフト導入の目的としては「経理・会計業務にかかる人件費の削減」が最多という結果でした。
上記データから、多くの企業で経理・会計業務に会計ソフトを利用していることが分かります。会計ソフトは、集計や転記を自動化できるうえ、決算書を簡単に作成できるため業務効率化を目指す企業に人気のツールです。 決算書作成に時間がかかっているという課題がある企業は、会計ソフトの導入をおすすめします。
会計ソフトで決算書作成するメリット
ここでは、会計ソフトで決算書作成するメリットを詳しく解説していきます。
- 仕訳や転記を自動化でき、業務負担を軽減できる
- 入力ミスを防止し、データ修正の時間を削減できる
- 帳簿を電子データで保存できる
- 決算書を基に、税務申告も効率化できる
仕訳や転記を自動化でき、業務負担を軽減できる
会計ソフトは、仕訳を入力するだけで複数の帳簿が自動作成でき、転記も自動で行われるため決算書作成のハードルを下げることが可能です。自動仕訳機能を搭載した会計ソフトも多く、勘定科目を自動で判別して帳簿に反映してくれます。こういった便利な機能により、決算書に必要な書類(損益計算書・貸借対照表など)の作成が簡単になるため、経理担当者の業務負担は軽減します。会計処理にかかる手間を減らし、業務効率の改善を図れることは大きなメリットです。
入力ミスを防止し、データ修正の時間を削減できる
会計ソフトはクレジットカードや銀行の入出金といった取引データを連携できます。連携により、一つ一つの取引データを会計ソフトに手入力する必要がなくなり、結果的に決算書の入力ミスを防止。入力データを修正する作業が減るため、スムーズな決算書作成につながります。ソフト導入にはコストが発生するものの、残業時間の短縮(人件費の削減)や計算間違いといった人的ミスの減少が見込めることは企業にとってメリットでしょう。
帳簿を電子データで保存できる
会社法では、法律に則って作成した帳簿の保存期間は10年間と定められています。また、会社法に定めのない貸借対照表・損益計算書・棚卸表・領収証といった書類は7年間~10年間の保存が必要とされています。会計ソフトであれば、決算書はもちろんのこと、決算書作成に必要な帳簿を電子データで保存できるため、管理が簡単です。過去の決算書作成に活用した帳簿もすぐに検索して取り出せるため、データ分析も容易に行えます。
決算書を基に、税務申告も効率化できる
決算書作成機能がある会計ソフトは、決算書を基に税務申告も効率化できることもメリット。決算書作成に利用したデータの多くは、税務申告に必要なデータでもあるため、税務署に申告する書類も簡単に作成できます。
なお、税制の改正や様式の変更があった場合も、クラウド型の会計ソフトであれば法改正への対応が容易です。法令改正のアップデートは自動で行われるため、従来の古い法令で税務申告書を作成してしまうことを防止できます。「手間をかけず、いつでも最新の法令に沿って税務申告をしたい」という企業にはクラウド型会計ソフトがおすすめです。
決算書作成機能がある会計ソフトの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツ(当サイト)をご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った会計ソフト(最大6社)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
【比較表】決算書作成機能がある会計ソフト
ここからは実際に、料金や機能を比較して、決算書作成機能があるおすすめの会計ソフトを紹介します。以下は、とくに人気の会計ソフトの料金比較表です。
サービス名 | 初期費用 | 月額料金 |
---|---|---|
freee会計 | 無料 | 980円~ |
マネーフォワードクラウド会計 | 無料 | 800円~ |
弥生会計オンライン | 無料 | 2,166円~ |
Manageboard | 要問い合せ | 要問い合せ |
PCAクラウド会計 | 無料 | ソフト利用料金:4,620円 サーバー利用料金:18,480円 |
ちまたの会計 | 無料 | 無料 |
A-SaaS(エーサース) | 要問い合せ | 要問い合せ |
FXクラウドシリーズ | 要問い合せ | 要問い合せ |
勘定奉行クラウド | 無料~7万7,000円 (プランによって異なる) |
6,600円~3万6,850円 |
円簿会計 | 無料 | 無料 |
フリーウェイ経理Lite | 無料 | 無料 |
税理士いらず | 16,500円 (インストール版のみ) |
無料 (バージョンアップ時:手数料5,500円が発生 ) |
上記の比較表をご覧の通り、 多くのクラウド型会計ソフトは初期費用無料で導入できるため、「導入費用を抑えたい」という企業におすすめです。また、月額料金がリーズナブルな会計ソフトを選べば、コストを抑えながら決算書作成に対応できます。
【2024年最新】決算書作成機能がある会計ソフトおすすめ12選
ここからは、決算書作成機能がある会計ソフトおすすめ12選を紹介します。各サービスの決算書作成の特徴も解説しますので自社の会計ソフト選びの参考にしてください。
- freee会計
- マネーフォワードクラウド会計
- 弥生会計オンライン
- Manageboard
- PCAクラウド会計
- ちまたの会計
- A-SaaS(エーサース)
- FXクラウドシリーズ
- 勘定奉行クラウド
- 円簿会計
- フリーウェイ経理Lite
- 税理士いらず
freee会計
freee会計は、freee株式会社が提供するクラウド型会計ソフト。クラウド型の会計ソフトでトップクラスのシェアを誇る人気のサービスです。簿記や経理に関する知識がなくても簡単に操作できるのが特徴で、毎月の経費処理をしておけばワンクリックで決算書作成が行えます。
豊富な機能にくわえてサポート体制も充実しており、電話・メール・チャットによる問い合わせが可能。さらに、ヘルプページやオンラインセミナーも用意されているので、会計ソフトの導入がはじめての経理担当者も安心して利用できます。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- Mac対応
- 勘定科目のCSVインポート機能
- AIによる勘定科目の提案機能
- 取引先のCSVインポート機能
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
マネーフォワード クラウド会計
マネーフォワードクラウド会計は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型会計ソフト。顧客満足度が高く、継続率は99%と信頼に厚いサービス。銀行口座やクレジットカードにくわえ、電子マネーやPOSレジ、Amazonなど3,000以上のサービスとの連携によってデータ入力や仕訳を自動化できます。
AIが搭載されているのも特徴で、使うほどに自動仕訳の精度が向上。決算書作成も自動化できるので、業務効率の改善を図りたいという企業にもおすすめ。金融機関レベルのセキュリティも大きなメリットです。
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- Mac対応
- 勘定科目のCSVインポート機能
- AIによる勘定科目の提案機能
- 取引先のCSVインポート機能
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
- 現預金出納帳の作成機能
弥生会計オンライン
弥生会計オンラインは、弥生株式会社が提供するクラウド型の会計ソフト。弥生は1978年創業の会計ソフトのリーディングカンパニーで、さまざまな業態に合わせた会計ソフトを100万件以上※提供してきました(※有償契約数)。
簿記や会計、パソコンの操作に不慣れな方でもわかりやすく使いやすい機能構成・画面設計が特徴。決算書作成にくわえてグラフを用いたレポート作成にも対応しているため、リアルタイムで経営状況が可視化できます。また、サポートでは操作方法はもちろん会計業務に関する相談にも対応しているため、会計業務の初心者の方も安心でしょう。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- Mac対応
- 勘定科目のCSVインポート機能
- AIによる勘定科目の提案機能
- 取引先のCSVインポート機能
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
Manageboardは、株式会社ナレッジラボが提供するクラウド型の予算管理システムです。予算達成を目的とした機能を豊富にそなえているのが特徴で、計画・実績の一元管理や成長戦略の立案をサポート。多数の成長企業・中堅企業への導入実績も豊富です。
計画策定や予算実績分析だけでなく、業績予測や将来的な試算を反映して1年後の見通しをシュミレーション可能。経営の仮説や検証に必要な経営データに、いつでもメンバーがアクセスできることも大きなメリット。データを活用したシミュレーションや予測業務の効率化を図りたいという企業におすすめです。
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- 勘定科目のCSVインポート機能
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
- 現預金出納帳の作成機能
- 総勘定元帳の作成機能
- 残高試算表の作成機能
- 月次推移表の作成機能
- 決算書の作成機能
PCAクラウド会計
PCAクラウド会計は、ピー・シー・エー株式会社が提供する会計ソフトです。自動仕訳や予約伝票、部門グループなど会計機能を多数備えているだけでなく、外部システムとのAPI連携にも対応しています。デジタルトランスフォーメーションを推進する会社にもおすすめです。実際に導入した企業からは「会計作業の負担が軽減され、月次決算の確定も早めることができた」「短縮で生まれた時間を経営データ分析にあてられるようになった」といった声が寄せられており、高い効果が期待できます。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- 勘定科目のCSVインポート機能
- 取引先のCSVインポート機能
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
- 現預金出納帳の作成機能
- 総勘定元帳の作成機能
- 補助元帳の作成機能
ちまたの会計は、自治会やPTA、地域のスポーツクラブといった非営利組織を対象に提供されているクラウド型の会計ソフトです。導入時の設定が最小限で会計の初心者でも簡単に操作ができることにくわえ、パソコンやスマートフォン、タブレットからの操作が可能。会計帳簿の自動入力や決算書作成にも対応しているので、「手書きでの会計業務から脱却したい」「端末や場所を問わず操作できる会計ソフトを探している」という方にもうってつけでしょう。
- メールサポートあり
- Mac対応
- 現預金出納帳の作成機能
- 残高試算表の作成機能
- 前期比較表の作成機能
- 月次推移表の作成機能
- 決算書の作成機能
- 勘定科目の設定
- 取引先など補助科目の登録機能
- 収益レポートの作成機能
A-SaaSは、freee株式会社が提供する税理士向けのクラウド型会計ソフトです。会計だけでなく給与や税務などの機能をそなえているのが特徴で、1つのソフトで仕訳入力から給与計算、年末調整、法人税・所得税の申告までが行えます。
顧問先に対するアドバイスや資金繰り対策を提案する際にも役立てやすいので、「顧問先へ付加価値を提供したい」と考えている税理士事務所にもうってつけ。記帳の自動化や決算書作成、電子申告にも対応しています。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- Mac対応
- 勘定科目のCSVインポート機能
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
- 現預金出納帳の作成機能
- 前期比較表の作成機能
- 月次推移表の作成機能
- 決算書の作成機能
FXシリーズは、TKCが提供するクラウド型会計ソフトです。「会計で会社を強くする」ことを目的とした機能を多数そなえているのが特徴で、金融機関へ提出するための決算書や試算表の自動作成にも対応しています。
会計事務所によるサポートを提供しているのも特徴で、予算・実績の状況を確認した上で経営助言が受けられます。また、部門・部署ごとの売り上げや限界利益、固定費などが手軽に把握できるのも魅力です。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- Mac対応
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
- 現預金出納帳の作成機能
- 総勘定元帳の作成機能
- 前期比較表の作成機能
- 月次推移表の作成機能
勘定奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)が提供する会計ソフト。OBCのソリューションは72万社以上の導入実績を誇り、2023年にはIPOを果たした企業の半数がOBCのクラウドサービスを利用しています。
AIが金融機関の取引データをもとに自動で仕訳を行う機能や、Excelファイルを読み込んで自動仕訳をする機能などが豊富に揃っています。決算報告書の自動作成も可能で、勘定式や報告式、二期間比較などのフォーマットを選択して出力できます。また、帳票のタイトルやレイアウトのカスタマイズも柔軟に行え、企業ごとのニーズに合わせた帳票作成が可能です。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- 電子帳簿保存法対応
- AIによる勘定科目の提案機能
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
- 月次推移表の作成機能
- 決算書の作成機能
- 勘定科目の設定
- 取引先など補助科目の登録機能
円簿会計は、株式会社円簿インターネットサービスが提供する会計ソフト。初期費用や月額利用料が一切かからない点が大きな特徴です。会計仕訳機能も永続的に無料で利用でき、コストを抑えたい企業に特におすすめです。
円簿会計では、仕訳帳、出納帳、総勘定元帳、決算報告書などの帳票を無料で出力可能。さらに、法人向けの決算書の作成にも対応し、様々な事業内容や規模の企業で利用できることもメリット。また、クラウドベースのソフトウェアであるため、WindowsのPCだけでなく、Mac、スマートフォン、タブレットからも操作可能。利便性とコスト削減の両立を求める個人事業主や法人に、円簿会計はおすすめの会計ソフトです。
- Mac対応
- 仕訳帳の作成機能
- 総勘定元帳の作成機能
- 補助元帳の作成機能
- 残高試算表の作成機能
- 決算書の作成機能
- Windows対応
- クラウド(SaaS)
- モバイルブラウザ(スマホブラウザ)対応
- 通信の暗号化
フリーウェイ経理Liteは、株式会社フリーウェイジャパンが提供するインストール型の会計ソフト。2024年7月時点で392,135ユーザーに導入されている実績があります。初期費用や月額料金が一切かからず、無料で利用できる点が大きなメリット。
フリーウェイ経理Liteでは、仕訳データを入力しておくだけで、貸借対照表や損益計算書、製造原価報告書が自動的に作成可能。法人・個人向けの雛形に対応し、決算書の表紙やレイアウトも自由にカスタマイズできます。決算書の見た目にも拘りたい方におすすめ。また、今期と前期を比較できる決算書を出力できるため金融機関への提出資料としても役立ちます。決算書の作成や印刷もすべて無料で行える点が特徴です。
- 電話サポートあり
- メールサポートあり
- チャットサポートあり
- 勘定科目のCSVインポート機能
- 取引明細の自動取込機能
- 仕訳帳の作成機能
- 現預金出納帳の作成機能
- 総勘定元帳の作成機能
- 補助元帳の作成機能
- 残高試算表の作成機能
税理士いらず
出典:有限会社アイソフト『税理士いらず』
税理士いらずは、有限会社アイソフトが提供する会計ソフト。小規模法人向けに開発された、決算書・申告書一括作成ソフトです。税理士に依頼することなく、法人決算書や法人税申告書などの税務書類を自動作成します。会計ソフト機能と税務申告ソフト機能が一体化していることが特徴。日々の取引データを入力するだけで、減価償却や未払法人税等計上などの複雑な決算仕訳の作成や税額の計算を自動処理。誰でも簡単に、税務署提出用の様式に対応した書類を作成できます。30日間の無料体験版も提供しています。
会計ソフトの導入を検討中の方は、ぜひPRONIアイミツをご活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った会計ソフト(最大6サービス)をご案内可能です。1社1社に問い合わせる手間・ツール選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
決算書作成の手順
ここでは、決算書作成の手順を解説します。決算書は、種類や企業によって作成手順が異なるケースがありますが、大まかに以下の流れで作成します。
- 1. 決算書作成に必要な書類を把握する
- 2. 記帳を全て完了し、実際の残高と突き合わせをする
- 3. 決算整理仕訳をする
- 4. 決算残高を確定する
- 5. 仕訳した勘定科目を、総勘定元帳に転記する
- 6. 総勘定元帳をもとに、試算表を作成する
- 7. 決算書を作成する
(1)決算書作成に必要な書類を把握する
最初に、決算書作成に必要な書類を、具体的に把握しておきましょう。「総勘定元帳」「勘定科目内訳明細書」「賃金台帳」「領収書綴り」「前期の決算書」を揃えることで、決算に必要な数字の根拠がとれるようになります。
(2)記帳を全て完了し、実際の残高と突き合わせをする
決算書は帳簿をもとに作成するため、まずは、当年度分の全ての取引を記帳します。日常的に、会計ソフトで取引を入力しておくことで、帳簿を作成する負担が軽減し、残高確認の自動化も可能です。この段階では、帳簿と銀行口座の残高が一致しているかを確認し、誤差がないかをチェックします。
(3)決算整理仕訳をする
次に、決算整理仕訳を行います。決算整理仕訳とは、通常の取引とは異なる年末の調整仕訳を指し、減価償却費の計上や未払い費用、前払い費用の処理が含まれます。これらの仕訳は、期末の財務状態や業績を正確に反映させるために不可欠な作業です。
会計ソフトは自動仕訳機能を持っていることが多く、工数を削除できます。減価償却費は予め登録しておけば自動的に計上され、年末に行う手間が省けます。また、未払い費用や前払い費用の処理も、あらかじめ設定しておくことで、自動的に計上されるため、手動での仕訳よりも効率的です。
(4)決算残高を確定する
決算整理仕訳が完了した後は、最終的な決算残高を確定する必要があります。決算残高とは、企業が期末において所有する資産や負債、純資産、収益および費用の確定値を指します。これらの値が決算書に記載されるため、正確性が求められます。
会計ソフトを使用すると、各勘定科目の仕訳や取引を自動的に集計し、残高を一元管理できます。膨大な取引データを手動で計算する必要がなく、残高確認のスピードが向上します。勘定科目の不整合やエラーを自動で検出してくれるソフトもあるため、見落としや入力ミスを未然に防止できます。
(5)仕訳した勘定科目を、総勘定元帳に転記する
続いて、すべての仕訳を総勘定元帳に転記します。総勘定元帳は、すべての勘定科目ごとに取引の履歴が記録されており、企業の財務状況を全体的に把握するための基本資料となります。
会計ソフトでは、取引が仕訳帳に入力されると、自動的に各勘定科目に対応する総勘定元帳にも転記される仕組みが一般的です。これにより、手動での転記ミスや入力漏れを防ぐことができます。
(6)総勘定元帳をもとに、試算表を作成する
総勘定元帳のデータが揃ったら、それをもとに試算表を作成します。試算表とは、企業の財務状況を集計したもので、決算書作成の前段階で確認する重要な書類です。試算表を使うことで、仕訳や転記に誤りがないか、収支のバランスが取れているかを確認できます。
会計ソフトの多くは、総勘定元帳から自動的に試算表を生成する機能をそなえています。複数の勘定科目を一度に集計できるため、従来の手動作業と比べてスピーディに試算表作成が可能。この試算表をもとに、最終的な決算書作成を行います。
(7)決算書を作成する
最後に、試算表のデータを元に決算書を作成します。決算書には、主に「貸借対照表」や「損益計算書」などが含まれ、企業の財務状況や経営成績を総合的に示す重要な書類です。会計ソフトを使用すると、これらの決算書類を自動で作成可能です。総勘定元帳や試算表に基づいて、正確な数値を反映し、フォーマットに従って作成します。また、ソフトによっては、税務申告用の書類や財務諸表なども一括で作成できる機能をそなえているため、税務処理までを見越した作業効率化が可能です。
会計ソフトの選び方
会計ソフトを選ぶポイントは、以下の3つです。
- 自社に必要な機能を搭載しているか
- 簡単な操作で決算書作成ができるか
- サポート体制は万全か
自社に必要な機能を搭載しているか
一口に会計ソフトといっても、搭載機能は製品によってさまざま。自社の導入目的に合わせて必要な機能を搭載する会計ソフトを選びましょう。たとえば、経理業務の改善を目的とする場合は経理データを多角的に確認できる分析機能をそなえた製品がおすすめ。また、勘定科目を推測して自動仕訳する製品や、クレジットカードや銀行口座のデータを連携できる製品もあります。
簡単な操作で決算書作成ができるか
せっかく導入しても「操作が難しい」「決算書作成が分かりにくい」という理由で経理担当者の作業工数が増えてしまうと、費用をかけて導入する意味がありません。導入前に無料トライアルを利用し、決算書作成の流れ、操作をチェックしましょう。経理担当者が簡単な操作で決算書を作成できる会計ソフトであれば、決算期の残業も削減できます。
サポート体制は万全か
会計ソフト運用中のサポート体制も確認しておきたいポイントです。サポート内容は会計ソフトによって大きく異なります。例えば、メールのみのサポート、電話とメールの両方での対応、遠隔操作でのサポート、操作方法に加えて経理に関する相談が可能なものなど様々です。まずは、自社がどのレベルのサポートを必要としているかを整理し、そのニーズに合ったサービスを選びましょう。
まとめ:決算書作成ソフトで業務効率化を図ろう
本記事では、決算書作成に対応する会計ソフトを厳選し比較しました。決算書作成ソフトを活用することで、ほぼ自動で書類を作成できるため業務効率化を図れます。決算期の経理担当者にかかる業務負担や残業を削減できるためおすすめです。会計ソフトを選ぶには、各サービス・製品の特徴を把握し、自社の目的やニーズに合った会社を見つけることが大切です。PRONIアイミツでは、さまざまな条件で会計ソフトの比較が可能。以下のランキングページから、指定の連携ツールや無料プランの有無など、あなたの会社に最適なサービスを探すことができます。
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会計ソフトの導入を検討中の方は、まずは無料の診断から始めてはいかがでしょうか。PRONIアイミツをご利用いただくと、希望要件に合った会計ソフト(最大6社)の診断・紹介が可能です。システム選びの時間を大幅に節約できるため、ぜひ一度お試しください。
よくある質問
ここでは、会計ソフトでの決算書作成についてよくある質問に回答します。
自分で簡単に決算書を作成するには?
自分で簡単に決算書を作成するには、会計ソフト(決算書作成ソフト)の活用がおすすめです。自分で決算書を作成する場合、取引データの記帳、請求書・領収書といった帳票整理などを日常的に行っておく必要があります。会計ソフトであれば、日々データを入力しておくだけで、決算書作成を自動化できます。
法人決算を税理士なしで行う方法は?
法人決算を税理士なしで行うには、決算書作成機能がある会計ソフトの導入がおすすめ。決算書作成に対応するソフトであれば、日々経理業務をこまめに行っておくことで税理士なしでも法人決算が可能です。
無料で使えるおすすめの決算書作成ソフトは?
無料で使えるおすすめの決算書作成ソフトは、「ちまたの会計」「円簿会計」「フリーウェイ経理Lite」。どれも、初期費用無料、月額利用料もずっと無料で使えるソフトです。
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