小規模・中小企業向けクラウド販売管理システムおすすめ10選
「事業規模が小さいうちはシステム不要、Excelで十分」とお考えの経営者は多いでしょう。しかし、手動でExcelを更新するのは手間・時間がかかる上、売上と入金のタイミングがずれ、リアルタイムで自社の売上を把握するのは難しいもの。経営状況を把握できないことで、思いがけず資金繰りに苦しむことも。
このような課題を解決するのが販売管理システムです。中小企業や小規模事象者でも、経営状況をきちんと把握するためにはシステム化がおすすめです。本記事では、小規模・中小企業向けにおすすめのクラウド販売管理システム10選を紹介します。経営者や財務担当者はぜひご覧ください。
- 小規模・中小企業に販売管理システムがおすすめの理由
- 小規模・中小企業向け販売管理システムの選び方
- 【比較表】小規模・中小企業向け販売管理システム
- 【2024年最新】小規模・中小企業向け販売管理システムおすすめ10選
- まとめ:システム導入で、売上や原価を適切に管理しよう
小規模・中小企業に販売管理システムがおすすめの理由
販売管理システムとは、企業の売上・在庫・購買情報を管理するためのソフトウェアです。受注状況や在庫状況といった「モノ」の管理と、売上や請求書といった「カネ」の管理を1つのシステムで一元的に管理できる点がメリットです。
具体的に、小規模・中小企業に販売管理システムがおすすめの理由3つを解説します。
- データ入力の手間を軽減できる
- 資金繰りの状況をすぐに把握できる
- データ分析によって、利益確保の調整がしやすい
データ入力の手間を軽減できる
小規模・中小企業の現場社員にとって、販売管理システムを導入する大きなメリットは「データ入力の手間を削減できる」点でしょう。従来、Excel入力やメールでの受注報告では、担当者によって報告方法が違ったり、入力漏れの項目があり、確認・修正の手間が発生していました。販売管理システムでは受注時に入力する項目を整備でき、だれでも同じように受注情報を入力するため、ヒューマンエラーを防止できます。
また、販売管理システム内に請求データをCSV連携することで、請求書作成を自動化。毎月発生していたデータ入力の手間を軽減できる点もメリットです。
資金繰りの状況をすぐに把握できる
小規模・中小企業の経営層にとって、販売管理システムを導入する大きなメリットは「資金繰りの状況をすぐに把握できる」点でしょう。販売管理システムではリアルタイムの受注件数、売上・売上原価といった収支を可視化します。また通常、売上と入金にはタイムラグがありますが、入金タイミングも考慮して「いつ・いくら」入金されるかを可視化します。
これにより、経営者は自社の資金繰りの状況をすぐに把握し、潜在的な資金不足に早期対応できるようになります。
データ分析によって、利益確保の調整がしやすい
販売管理システムではあらゆる販売データが蓄積されるため、「自社のどの商品が売れ筋か」「売上や利益の推移は順調か」といったデータ分析が可能です。市場のニーズが高まっている商品を特定できれば、需要に応じた価格変更を柔軟に行えます。これに伴い、在庫数を増やすといった在庫調整もスムーズに行えるでしょう。
また、利益が減っている状況であれば、商品の価格設定を見直して売上を積み上げる施策や、販管費を見直してコストを抑える施策を考えられます。このように、リアルタイムのデータ分析により利益確保の調整がしやすい点も、販売管理システムのメリットです。
以上、小規模・中小企業に販売管理システムがおすすめの理由を3つお伝えしました。どの企業においても「売上が下がっていないか」「資金繰りは問題ないか」は、倒産せずに経営を続けるために注視しなければいけません。ぜひ販売管理システムを導入して自社の経営管理を最適化しましょう。
小規模・中小企業向け販売管理システムの選び方
いくら高機能な販売管理システムであっても、使い勝手が悪い・自社の運用に合わないシステムでは効率化は図れません。ここでは、小規模・中小企業が販売管理システムの導入を失敗しないための選び方を解説します。
- クラウド型とオンプレミス型の比較
- 初期費用・月額料金の比較
- 必要な機能を搭載しているか
- 適格請求書(インボイス)を発行できるか
- 自社システムと連携できるか
クラウド型とオンプレミス型の比較
販売管理システムの導入形態は、「クラウド型」と「オンプレミス型」があります。クラウド型の販売管理システムは、インターネットを介して利用するもので、インターネットに接続できる環境ならPC・スマホ・タブレットからアクセス可能。外出先やリモートワークで業務する中小企業におすすめです。
一方でオンプレミス型の販売管理システムは、自社でサーバーを用意し、システム設計・開発を行う必要があります。クラウド型と比較すると費用が高額になりますが、自社の業務に沿って細かくカスタマイズできる点がメリット。自社専用の販売管理システムを構築したい中小企業におすすめです。
初期費用・月額料金の比較
販売管理システムの利用には、初期費用・月額料金が発生します。以下、販売管理システムの費用相場をご覧ください。
導入形態 | 初期費用 | 月額料金 |
---|---|---|
クラウド型 | 無料~15万円 | 1万円~10万円 |
オンプレミス型 | システム開発費用(数百~数千万円) | システム保守費用 |
クラウド型の販売管理システムは月額料金が数万円程で済み、初期費用が無料のケースもあります。予算が少ない小規模・中小企業でも気軽に導入できるためおすすめです。
必要な機能を搭載しているか
販売管理システムには、「汎用型」と「業界特化型」の2種類あります。汎用型は多くの業界に共通する機能を搭載しており、幅広い業界で利用可能です。一方、業界特化型は特定の業界に特化して開発されており、業界固有のニーズやプロセスに対応できる機能を搭載しています。例えば、食品卸企業向けのシステムでは、消費期限や賞味期限の管理機能、さまざまな価格設定をできる機能が提供されています。
販売管理システムは、単に販売管理に特化したものから、在庫管理や購買管理、他システムとの連携が可能なものまで多様です。企業が抱える課題を解決するためには、自社に必要な機能が搭載されたシステムを選ぶことが重要となります。まずは、販売管理システムで解決したい課題やニーズを明確にし、必要な機能を洗い出して選択の基準としましょう。
適格請求書(インボイス)を発行できるか
2023年10月に開始されたインボイス制度は、売手が買手に対して正しい消費税額を伝えるための法律です。登録事業者である売手は、買手からインボイスを求められた際に適格請求書(インボイス)を発行する義務があります。インボイスに対応した販売管理システムなら、インボイス登録番号や適応税率など、求められている記載要件に確実に対応できます。
また、取引先から適格請求書(インボイス)を受け取って経費処理する場合も、消費税の端数処理など特別な対応が必要です。インボイスに対応した販売管理システムなら、インボイスに対応した帳票出力が可能となります。
自社システムと連携できるか
販売管理システムは、自社システムと連携することで、より業務効率のスピードを向上させることができます。例えば会計ソフトと連携すれば、販売データを自動で会計ソフトに共有し、仕訳の手間を削減できます。また、CRM(顧客管理システム)と連携すれば、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴、行動データといった情報の一元管理が可能です。
【比較表】小規模・中小企業向け販売管理システム
ここからは実際に、小規模企業・中小企業向けの販売管理システムを比較します。自社の予算や必要な機能と照らし合わせながら、おすすめの販売管理システムをご確認ください。
サービス名 | 初期費用 | 月額料金 |
---|---|---|
フリーウェイ販売管理 | 無料 | 2,980円 |
商蔵奉行クラウド | 小規模企業:無料 中小企業:50,000円 |
小規模企業:7,340円~ 中小企業:17,000円~ |
FLAM | 無料 | 9,800円~ |
楽楽販売 | 150,000円 | 70,000円~ |
楽商 | 200,000円~ | 30,000円~ |
弥生販売ネットワーク | パッケージ型製品で、購入価格は3ライセンスで288,000円 | - |
freee販売 | 要問合せ | 要問合せ |
アラジンクラウドソリューション(別名:アラジンオフィス) | 要問合せ | 要問合せ |
WorkVision販売管理 | 要問合せ | 要問合せ |
SKit FLEXi | 要問合せ | 要問合せ |
多くの販売管理システムはクラウド型となっており、どのデバイス・どの場所からもアクセス可能で使いやすいです。一方、「楽商」や「弥生販売ネットワーク」など一部のサービスはパッケージ型となっており、クラウドの便利さはないものの、セキュリティの高い環境で利用できます。
「自社に合ったシステムの候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った販売管理システムが分かる診断(無料)ができます。
【2024年最新】小規模・中小企業向け販売管理システムおすすめ10選
小規模企業・中小企業向けの販売管理システムを比較した結果、2024年最新のおすすめシステム10選を紹介します。
- フリーウェイ販売管理
- 商蔵奉行クラウド
- FLAM
- 楽楽販売
- 楽商
- 弥生販売ネットワーク
- freee販売
- アラジンオフィス
- WorkVision販売管理
- SKit FLEXi
フリーウェイ販売管理
フリーウェイ販売管理は、無料で使えるクラウド販売管理ソフト。伝票1,000通までなら永久無料で利用できます。有料版も料金が安く、初期費用無料・月額料金2,980円で使えます。
機能としては、請求書の発行、領収書の発行があります。インボイスにも対応済みです。一方でフリーウェイ販売管理では仕入・購買・在庫管理の機能がなく、事業規模が大きい企業にはおすすめできません。
機能を考慮すると、フリーウェイ販売管理は「安い販売管理システムを探している」「試しにソフトを使ってみたい」とお考えの小規模事業者や個人事業主におすすめといえます。
商蔵奉行クラウド
商蔵奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する、クラウド販売管理ソフト。同社は中小企業や中堅企業向けにさまざまな業務ツール(財務会計システム、労務システム、給与計算システムなど)を提供しており、シリーズ累計で72万社へ導入実績があります。
販売管理ソフト「商蔵奉行クラウド」は、インボイスだけでなく、改正電子帳簿保存法にも対応済み。電帳法では受領した領収書等を細かな条件を満たして保存する必要があり大変ですが、「商蔵奉行クラウド」があれば自動で法令対応できます。
そのほか、見積・受注・売上管理、請求管理、債権・入金管理のための機能を網羅しています。利用料金は月額数万円と安く、中小企業におすすめの販売管理ソフトです。
FLAM(フラム)は、株式会社フリップロジックが提供するクラウド販売管理ソフトです。仕入れや売上の管理(見積、発注、入出荷、売上、請求、入金)から、在庫管理までをワンパッケージで提供しています。
他社と比較して料金が安い点がメリット。初期費用無料、月額料金9,800円~利用できる販売管理システムです。30日間の無料トライアルがありますので、機能や使い勝手が気になる小規模・中小企業担当者はぜひお試しください。
楽楽販売は、株式会社ラクスが提供するクラウド販売管理ソフト。これまで中小企業から大企業まで3,500社以上に導入実績があり、最も有名な販売管理ツールの1つです。人気の理由は、販売管理に必要な機能を網羅しているから。自社の業務フローにあわせて、ノンプログラミングで入力項目や画面を整備し、受注から請求までの処理を自動化します。
また、株式会社ラクスではバックオフィス業務の効率化に役立つツールを複数提供しており(経費精算システム・請求書システム)、システム同士を連携することで業務効率化を図れます。
- 説明書がなくても使えて便利。わからないことがあっても、チャットサポートがフォローしてくれて利用しやすい。
- 営業支援システムはここ2年のうちに初めて導入して、途中から引き継ぐ形で使うようになったのですが、サポートが迅速丁寧で不明点もスムーズに解決しながら使えてます
楽商(ラクショウ)は、株式会社日本システムテクノロジーが提供する販売管理システムです。特徴は、業界・業種ごとの特徴に合わせたパッケージソフト(インストール型ソフト)になっていること。たとえば、卸売・商社向けソフト、医療機器メーカー向けソフト、自動車販売業向けソフトなどがあり、2024年時点では14種類に分かれています。
業界独自の慣習にマッチした販売管理システムをお探しの中小企業に、楽商(ラクショウ)はおすすめです。
弥生販売ネットワーク
「弥生販売ネットワーク」は、弥生株式会社が提供するパッケージ型(PCにインストールして利用する)の販売管理ソフトです。小規模事象者・中小企業向けに開発されたソフトウェアとなっており、最大20ライセンスまで対応しています。
管理できるものとしては、見積・受注・売上、得意先・商品の台帳、請求・入金などがあります。また、予算実績推移表などのレポートにより資金繰りを把握することも可能です。少人数(20人まで)で販売管理ソフトを運用したいなら、ぜひ「弥生販売ネットワーク」を検討ください。
freee販売
freee販売は、freee株式会社が提供するクラウド販売管理ソフトです。とくに「IT・システム開発業」「コンサル業」「クリエイティブ・制作業」の企業向けに開発されたソフトウェアとなっています。このようなプロジェクト型ビジネスを運営している小規模・中小企業におすすめです。
freee株式会社では小規模・中小企業向けに会計ソフトも提供しており、「freee販売」と連携することで会計処理まで自動化することができます。案件管理から入出金、会計処理までまるっと効率化したいなら、ぜひfreee販売を検討ください。
アラジンオフィス
アラジンクラウドソリューションは、株式会社アイルが提供するクラウド販売管理・在庫管理システムです。クラウド型のツールなので、「外出先、リモートワークでも業務対応できる環境を整えたい」という小規模・中小企業におすすめです。
アラジンクラウドソリューションは、これまで5,000社以上の企業に導入実績があります。販売管理システム導入後のアフターサポートも万全。操作方法やハードウェアトラブルなどがあった際の問い合わせ窓口が一本化されているので、問題解決まで迅速であることが期待できます。
WorkVision販売管理は、株式会社WorkVisionが提供するクラウド販売管理ソフトです。販売システムの構築実績は40年超と、老舗のソフトウェア。機械器具、建設資材、電子部品、食品業界・製造業などにシステム導入した経験をもとに、中小企業・大企業向けにソフトウェアを改良してきました。
オープンソースソフトウェア(OSS)を用いたシステム設計により、他のシステムとの連携が短期間で可能となっています。たとえば、CRM(顧客管理システム)、SFA(営業支援システム)、貿易システム、EDI、受発注システムとの連携が可能です。
SKit FLEXi(スキットフレキシー)は、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・セキスイシステムズが提供するクラウド型のERP(統合基幹業務システム)です。販売管理の機能はもちろんのこと、在庫管理、会計、情報分析などの機能もそなえた業務システムとなっています。これまでの実績としては、卸売業(鉄鋼、建材、機械、電気、化学品など)への導入が特に多いです。
クラウド型のシステムのため、自社オフィス以外のさまざまな場所からもアクセス可能。アクセス権限を付与すれば、リモートワークの社員、外出先の営業マン、取引先、外部倉庫、グループ会社の担当者も必要なデータを入力することができます。
販売データだけでなく、会計まで自社の業務を一元管理したい中小企業は、ぜひSKit FLEXi(スキットフレキシー)のERPも検討ください。
まとめ:システム導入で、売上や原価を適切に管理しよう
営業マンからメールであがってくる受注情報を1つひとつExcelに入力するようなやり方では、人的ミスを避けられません。売上や原価を正確に管理し、リアルタイムで把握・分析したいなら、販売管理システムの導入がおすすめです。システム導入によって業務効率化が進めば、従業員がよりコアな業務に集中できる環境もつくれるでしょう。
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