エクセルでの販売管理表の作り方│メリットも紹介【2024年最新版】
エクセルを使って販売管理表を作りたいけれど、作り方がわからず困っているという方も多いでしょう。販売管理表を作ることで、売上管理から在庫、顧客管理まで多くの情報を管理できます。この記事では、エクセルを使った販売管理表の作り方を解説するほか、メリットとデメリットについても具体的にご紹介していきます。
- エクセルで販売管理システムは作れる?
- エクセルを用いた販売管理資料の作り方
- エクセルでの売上管理表作成に役立つ数式3選
- エクセルで販売管理資料を作るメリット
- エクセルで販売管理資料を作るデメリット
- 複雑な販売管理ならシステム導入がおすすめ
- 販売管理システムとは?
- 販売管理システムを導入するメリット
- 販売管理システムの選び方
- まとめ
エクセルで販売管理システムは作れる?
エクセルでは本格的な販売管理システムのような複雑な構造は作れません。しかし、販売管理に関する売上管理表や顧客管理表、在庫管理表といった表は作成することが可能です。これらのリストを見るだけでも販売管理を実現できるでしょう。
また、並べ替えや検索をすることで販売管理システムが運用できます。さらにエクセルではこれらの管理表同士を連携させることで、販売管理システムに相当するシステムを構築することは可能です。たとえば、異なるシートやファイルにあるそれぞれの数値を高度な関数やマクロを使って統合できるほか、データもエクセルに蓄積できます。
エクセルを用いた販売管理資料の作り方
ここからは、エクセルを用いた販売管理資料の作り方を以下の2つの項目に分けて解説していきます。
・売上管理の基礎を理解する
・マスターデータを作成する
それぞれ詳しくみていきましょう。
売上管理の基礎を理解する
まずは、売上管理の基礎を理解しておくことが大切と言えます。知っておきたいことは、収益、費用、利益の要素です。これらは、収益の中から費用を差し引き、利益になるという構造を知っておくことが重要で、これをエクセルの表として管理することが求められます。
具体的には、取引ナンバーや取引相手、販売価格、原価、売上、粗利といった項目とマスターデータです。マスターデータを用意することで、頻繁に利用する項目を選択できるようになります。
マスターデータを作成する
何度も入力することがある取引先の情報や商品のマスターデータを作成します。それぞれの項目を入力したらテーブルの形式にしておいて作成すると、リボンに「テーブルデザイン」が表示される仕組みを作成できます。
資料のレイアウトを作成する
資料の大枠を作成することからはじめます。列と行にそれぞれの項目を入力しましょう。たとえば、列には月日や摘要、収入や備考など、行は管理番号などを設定していきます。列の中央揃えや背景色を変更するのもポイントで、目立つ色を利用すると見やすくなります。
ただ、レイアウトは、サンプルデータがある場合にはそれを利用するのがおすすめです。このようにして資料のレイアウトを作ることで見やすい販売管理資料を作れます。
セルに実際のデータを入力する
次にセルへ実際のデータを入力します。日付、摘要、収入、支出といった実際の項目を入力していきますが、金額などの通リは右端に寄るようにして入力すると分かりやすいデータを作ることができるでしょう。
さらにレイアウトを調整するのもポイントです。セルが想定以上のサイズだったり、小さすぎたりといった場合はセルのサイズを調整して見やすい形にします。
数式を入力する
各項目の下に「=SUM(:)」の数式を入力しましょう。たとえば、E列の5から300までにセルを入力した数字の合計を足す場合の合計を計算したい場合は「=SUM(E5:E300)」を入力して行の上部に収入や支出の合計が表示されます。さらにそれらの差し引いた数字として「=収入のセル-支出のセル」の数式を作ると利益の合計が出ます。
タイトルや日付を記載する
最後にタイトルや日付を入れていきます。一番上のセルにタイトルをつけると見やすくなります。フォントサイズを大きくするか、分かりやすいタイトルをつけるようにしましょう。
次に日付も重要です。日付として年月日を入力して、いつ作られた資料か分かるようにします。また、可能であれば担当者名も入れるとよりよい資料になるでしょう。
エクセルでの売上管理表作成に役立つ数式3選
ここからは、エクセルでの売上管理表作成に役立つ数式を、以下の3つに分けて解説していきます。
・COUNTIF関数
・AVERAGE関数
・VLOOKUP関数
それぞれ詳しく確認していきましょう。
COUNTIF関数
COUNTIF関数とは、指定した範囲に指定した条件を満たすセルが何個あるか数える関数です。入力式は「COUNTIF(範囲,条件)」。たとえば「COUNTIF(A1:A10,"<10")」と入力すると、データの数値が10以下になるセルの数を返します。COUNTIF関数は、売り上げが○円以上の顧客数などを求めることが可能です。
AVERAGE関数
AVERAGE関数とは、指定した範囲内にある数値の平均値を算出する関数です。AVERAGE関数の入力式は「AVERAGE(範囲)」です。たとえば「AVERAGE(A1:A10)」と入力すれば、A1からA10に入力されている数値の平均値を算出できます。また、AVERAGE関数から派生する関数として、AVERAGEIF関数が存在します。
VLOOKUP関数
指定したセルと同じ行、別の列にあるデータを検索する関数で、入力式は「VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」です。たとえば、1行目に番号、2行目に商品名が入力された表があり、表の最初の番号が入っているセルがA5でデータは10行、商品番号が"03"を検索したい場合、入力式は「VLOOKUP("03",A5:B14,2,FALSE)」となります。
エクセルで販売管理資料を作るメリット
ここからは、エクセルで販売管理資料を作るメリットを、以下4つに分けて解説していきます。
・手軽に開始できる
・コストを抑えられる
・関数を活用すれば高性能の資料が作れる
・必要に応じて自由にカスタマイズできる
手軽に開始できる
ワードやエクセルなど、Microsoft社のOffice製品は今や現代のビジネスに欠かせない製品であり、基本的にどの会社のパソコンにもインストールされています。そのため、エクセルはすぐに使える環境が整っている上、エクセルを使いこなせる社会人の数も多いでしょう。このように、エクセルなら使い慣れたツールですぐに売上管理を始められます。
コストを抑えられる
販売管理専用のツールは、導入コストがかかります。それに対して多くの企業でインストールされているエクセルなら既存のツールですぐに販売管理表を作れるため、コストもかかりません。
一般的に企業には予算が存在するので、新しいものを導入するとなると稟議から承認まで時間もかかります。既存ツールならこの工程も必要ないのですぐに導入できるのも便利でしょう。
関数を活用すれば高性能の資料が作れる
エクセルには、これまで紹介してきたCOUNTIF関数やAVERAGE関数、VLOOKUP関数をはじめ、さまざまな関数が用意されています。これらの関数を活用することで、ただ販売データを記録するだけでなく、集計や分析することも可能です。このようにエクセルは手軽に導入できるツールですが、使い方や使う人の知識量次第で用途が広がります。
必要に応じて自由にカスタマイズできる
エクセルは白紙のシートが用意されているだけのとてもシンプルなツールです。その代わりに関数だけでなく表の作成やピボットテーブルなどのたくさんの機能が用意されており、必要に応じて機能を選択することで、自由度の高い資料作成ができます。専用のツールの場合用途が決まっている分カスタマイズできる範囲に限りがあるため注意が必要です。
エクセルで販売管理資料を作るデメリット
ここからは、エクセルで販売管理資料を作るデメリットを、以下の3つに分けて解説していきます。
・他ツールとの連携が難しい
・複雑なシステムは作れない
・エクセルを熟知した人材が必要
他ツールとの連携が難しい
エクセルで販売管理資料を作る場合、他ツールとの連携が難しいというデメリットがあります。基本的に、エクセルはほかのツールとの連携は難しいですが、販売管理システムによってはさまざまなツールと連携できる機能が備わっているものもあります。勤怠管理システムや給与明細システムなどで連携したい方は事前の確認が必要です。
複雑なシステムは作れない
続いて、エクセルでは複雑な販売管理資料を作りにくいこともデメリットです。エクセルでは、高度な知識やスキルがない場合は、細かな分析や蓄積した情報のデータベースとしての利用は難しくなっています。そのため、複数のシートや関数を計算しながら販売管理をしたい場合は別の方法を検討することをおすすめします。
エクセルを熟知した人材が必要
エクセルを熟知した人材が必要な点もデメリットです。エクセルの自由度の高さはメリットではありますが、知識がない人が使うと必要な機能や使いやすい配置を理解できず、使いにくいエクセルの販売管理シートになってしまいます。管理していた人材が退職した場合、販売管理表を運用できる人もいなくなり、蓄積した販売データが無駄になるリスクもあります。
複雑な販売管理ならシステム導入がおすすめ
エクセルでも簡単な販売資料を作成することが可能です。しかし、データが巨大化すると処理に時間がかかり、販売データが破損するリスクも出てきます。そういった意味で、企業の業務改善や人的ミス削減を目指して実施するのであれば、販売資料をはじめとしたさまざまな業務に対応できる販売管理システムの導入がおすすめです。
販売管理システムとは?
販売管理システムとは、販売に必要な物やお金の流れを把握できるシステムを指します。商品やサービスの受注といったものから納品に至るまでの一連の流れを管理できるのが特徴です。
具体的には、受注管理、出荷管理、さらには請求や回収管理、仕入や発注管理、在庫管理、債権管理といった販売業務に求められる管理を1つのシステムの中で集約し管理できるメリットがあります。一元管理することでさまざまなメリットが得られ、円滑な販売業務ができるのです。
販売管理システムを導入するメリット
ここからは、販売管理システムを導入するメリットを2つに分けて解説していきます。
・業務効率化が期待できる
・人的ミスの削減につながる
それぞれを詳しく解説していきましょう。
業務効率化が期待できる
販売管理システムを導入することで、業務の効率化が可能です。具体的には、時間短縮、正確性のアップ、同時並行業務の実現が挙げられます。まず、伝票が迅速に作成できるので時間短縮が可能です。
また、複雑な伝票計算を正確に処理することでミスの発生を防ぎ、労力も削減できます。さらに、オンライン上で同時並行の業務も可能になる点もメリットです。
人的ミスの削減につながる
人的ミスの削減が期待できる点もメリットです。たとえば、販売管理の業務に転記作業があります。これは伝票などのデータをもとに在庫管理や、帳票作成といった業務です。
従来の方法では、データを呼び出して再入力が必要でした。しかし、販売管理システムを導入すれば、入力したデータがほかの帳票類にもそのまま反映されるので転記ミスを削減できます。
販売管理システムの選び方
続いて、販売管理システムの選び方を以下の3つのポイントに分けて解説していきます。
・必要なコスト
・導入後のサポート
・同業界での実績
それぞれの選び方詳しく確認していきましょう。
必要なコスト
販売管理システムを選ぶ上で注意すべき点として、必要なコストが挙げられます。オリジナルで自社開発する場合は、初期費用が高額になり数百万円を超えることもありますが、一度作成すれば毎月の費用を抑えられる場合もあります。
一方、クラウド型を導入すると毎月の費用は発生するものの、初期費用はほとんどかかりません。どちらが自社に向いているのかを考えましょう。
導入後のサポート
販売管理システムは、導入後のサポートも重要です。専門的なシステムのため、自社の従業員だけでは対応できないことも度々起こるでしょう。その場合、サポートしてくれる存在は重要です。
自社でシステムを運用する場合は、保守や運用のサポートに強い業者を選ぶようにしましょう。また、導入時の講習などのサポートをしてくれる業者も検討してみるのがおすすめです。
同業界での実績
意外に見落としがちなのが同業界での実績をチェックすることです。販売管理システムは、業界によって使い勝手や求められるものが大きく異なります。
同業他社が導入している実績があれば、業界の仕様に最適化された販売管理システムの提供を受けられる可能性が高まります。スムーズな導入を求めるのであれば、同業界の実績もチェックしましょう。
まとめ
この記事では、エクセルを使った販売管理表の作り方を解説してきました。加えて、作るメリットやデメリットまでもご理解いただけたかと思います。
最低限のエクセルの知識がある方で、デメリットを最小限に抑えられる場合は、記事内でご紹介した売上管理表作成に役立つ数式などを活用して表を作成してみてください。一方で、エクセルで作ることが難しい場合や自社の方針に合わない場合は、販売管理システムの導入など、外注することがおすすめです。
販売管理システムは、使いたい機能や連携したいシステムなど、目的に応じて適したシステムが異なります。そのため、自社に必要な機能を理解した上で、適したものを選ぶことが必要です。
しかし、販売管理システムを導入すべきかわからないという方も多いのではないでしょうか。PRONIアイミツでは、さまざまな販売管理システムを比較検討できるページをご用意しております。この比較表機能を活用することで、必要な条件を絞り込んでシステムの比較ができるためおすすめです。ぜひ活用してみてください。
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