エクセルでの販売管理表の作り方!便利なテンプレートも紹介
「エクセルを使って販売管理表を作りたいけれど、作り方が分からない」とお困りの方も多いでしょう。本記事では、初めて販売管理表を作る担当者向けに、エクセルでの販売管理表の作り方を分かりやすくお伝えします。便利なテンプレートも紹介します。
販売管理表があれば、売上・在庫・顧客の情報を一元的に管理することが可能。業務効率化につながります。管理担当者はぜひご覧ください。
- エクセルで販売管理システムは作れる?
- Microsoft Office公式が提供するテンプレート
- エクセルで販売管理表を作る方法
- エクセルで販売管理表を作るメリット
- エクセルで販売管理表を作るデメリット
- 簡単に販売管理を行いたいなら、システム導入がおすすめ
- まとめ:ツールを活用して販売業務の効率化を実現しよう
エクセルで販売管理システムは作れる?
エクセルでは本格的な販売管理システムのような複雑な構造は作れません。しかし、販売管理を適切に行うための売上管理表や顧客管理表、在庫管理表といった表は作成できます。これらのリストを作るだけでも販売管理が効率化されます。
さらに、エクセルでは管理表同士を連携させることで、販売管理システムに相当するシステムを構築することが可能です。たとえば、顧客管理シートから顧客情報を引っ張ってくる関数を使って、「どの顧客が、どの商品をいくらで購入したか」というデータを一元管理できます。マクロを組んで、発注書などの帳票を自動で印刷する仕組みも構築できます。
Microsoft Office公式が提供するテンプレート
Microsoft Officeの公式サイトには業務に役立つさまざまなエクセルのテンプレートがあり、自由にダウンロードして使えます。販売管理表を作りたい方におすすめのテンプレートをいくつか紹介します。
顧客管理表テンプレート
こちらのエクセルテンプレートでは、次のような項目が用意されています。
- 顧客コード
- 顧客ランク
- 会社名
- 担当者名
- 担当部署
- 郵便番号
- 住所
- 電話番号
これ以外にもエクセルで管理したい項目を追加することで、社内で適切に顧客管理ができるでしょう。→テンプレートはこちら(Microsoft Office公式サイト)
受注・売上管理表のテンプレート
Microsoft Officeの公式サイトでは、毎月の売上の推移を入力できるテンプレートを用意しています。営業マンの目標数値と実績を見比べることでPDCAを回せます。→テンプレートはこちら(Microsoft Office公式サイト)
ただし上記テンプレートでは受注案件1件ごとの詳しい情報を管理できません。Microsoft Office公式サイトには受注管理ができるテンプレートはありませんが、次のような項目をエクセルで入力することで簡単に受注管理表を作れます。
- 受注番号
- 顧客番号(顧客管理表にて一意の数字を発行する)
- 商品コード
- 商品名
- 単価
- 数量
- 受注金額(単価×数量の計算式を入れる)
- 出荷先
顧客番号と受注情報と一覧化することで、「どの顧客がどの商品を購入し、いくら売上たか」をすっきりと管理できます。
インボイスに対応した請求書類のテンプレート
こちらは、インボイス制度に対応した適格請求書、および見積書・納品書を作れるテンプレートです。見積書、請求書、納品書が連動して入力されるので、時間をかけずに書類を作成できます。→テンプレートはこちら(Microsoft Office公式サイト)
帳票作成にかける労力をできるだけ削減したい方は、ぜひエクセルのテンプレートを活用しましょう。
エクセルで販売管理表を作る方法
エクセルで販売管理表を1から作る方法を、3段階で解説します。
- マスターデータを作成する
- 販売管理表のレイアウトを作成する
- エクセルのセルにデータを入力する
①マスターデータを作成する
まずは、顧客・取引先情報、および商品情報のマスターデータをエクセルで作成します。マスターデータを作成しておくことで、受注時に「どの顧客が」「どの商品を」購入したか、必要な情報を紐づけて管理できるようになります。
②販売管理表のレイアウトを作成する
次に、エクセルで販売管理表のレイアウトを作成します。販売管理表では次のような項目を設定します。
- 受注番号
- 顧客番号(顧客管理表にて一意の数字を発行する)
- 商品コード
- 商品名
- 単価
- 数量
- 受注金額(単価×数量の計算式を入れる)
- 出荷先
エクセルの「デザイン」タブから、表の色や罫線などのスタイルを選択し、販売管理表を見やすいデザインにすることもおすすめです。
③エクセルのセルにデータを入力する
最後に、エクセルのセルに受注データを入力します。その際、受注金額は「単価×数量」で決まるため、事前に数式を入れておくと自動で計算されます。また、次のような関数を活用することで販売管理を効率化できるでしょう。
関数 | 概要 |
---|---|
COUNTIF関数 | 指定した条件を満たすものの個数を数えることができる関数。たとえば、売上が一定以上の顧客数を自動算出できます。 |
AVERAGE関数 | 平均値を算出できる関数。たとえば、顧客の平均購入金額を自動算出できます。 |
VLOOKUP関数 | データ抽出ができる関数。たとえば、商品マスタで商品名を検索し、対応する商品IDを抽出することが可能。 |
エクセルで販売管理表を作るメリット
エクセルで販売管理表を作るメリットを2点にまとめます。
費用をかけずに、気軽に販売管理ができる
Microsoft社のOffice製品は多くの企業で導入されており、既存のツール(エクセル)で費用をかけずに販売管理表を作れる点がメリットです。新たに販売管理のためのツールを導入する場合には予算が必要となり、社内稟議から承認まで時間もかかります。エクセルならこの工程も不要で気軽に導入できる点も便利です。
レイアウトを自由にカスタマイズできる
エクセルは白紙のシートが用意されているだけのシンプルなツール。関数、表、ピボットテーブルなどの機能を活用し、レイアウトを自由にカスタマイズできる点がメリットです。また、さまざまな関数を活用することで、販売データ管理だけでなく、集計・分析も可能となります。
エクセルで販売管理表を作るデメリット
一方で、エクセルで販売管理表を作るデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
多機能なシステムは作れない
受注管理だけでなく、受注に紐づく売上管理、原価管理、在庫管理などを行いたい場合にはエクセルはおすすめできません。これら全てをエクセルで管理しようと思うと、複雑に関数を組む必要があり、間違った操作でエラーが出てしまう可能性も高くなります。
自社ツールとの連携が難しい
基本的にエクセルと別のツールの連携は難しいため、「自社ツールと連携してデータを一元管理したい」という場合にはおすすめできません。一方、販売管理に特化したソフトウェアなら、システム連携により社内データを効率的に管理できる可能性があります。
簡単に販売管理を行いたいなら、システム導入がおすすめ
エクセルであっても簡易的な販売管理表を作ることは可能です。しかし、関数が複雑化したり、データ量が増大すると処理に時間がかかり、販売データを破損するリスクも。「簡単に販売管理を行いたい」「人的ミス・手間を削減したい」とお考えなら、システム導入がおすすめです。
販売管理システムとは
販売管理システムとは、企業の売上・在庫・購買情報を管理するためのソフトウェアです。受注状況や在庫状況といった「モノ」の管理と、売上や請求書といった「カネ」の管理を1つのシステムで一元的に管理することで、自社の経営状態を可視化します。
販売管理システムには、大きく分けて3つの機能があります。
機能 | 概要 |
---|---|
販売管理 | 見積書の作成から、注文・受注・売上・請求・入金までの流れを管理する。 |
在庫管理 | 出荷数・入荷数・棚卸などを管理し、在庫数をリアルタイムで把握する。 |
購買管理 | 原材料などの仕入状況の管理、支払状況の管理。 |
詳しくは下記の記事で解説していますので、ご興味があればぜひご覧ください。
また販売管理システムの中には無料で利用できるものもあり、コストをかけずに販売管理したい企業におすすめです。
まとめ:ツールを活用して販売業務の効率化を実現しよう
エクセルを活用することで、受発注の情報を一元化し、担当者の業務効率化を図ることができます。一方で、あまりエクセルの知識がない場合や、管理すべきデータ量が多い場合には販売管理ソフトなどのツール導入がおすすめです。
しかし、販売管理ソフトは多数あり、どのような基準で選べばよいか迷う方も多いでしょう。PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、販売管理ソフト選びについての相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったツールが分かる診断(無料)もありますので、ぜひ一度お試しください。
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