文書管理システムの選び方を徹底解説
請求書や発注書をはじめ、契約書、業務マニュアルなど、企業ではさまざまな文書を管理しなければなりません。しかし、保管・管理しなければならない文書は増えるばかりで、管理方法に困っている方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、文書管理システムの導入です。文書管理システムを導入すればオフィスのペーパーレス化が叶うだけでなく、文書管理自体も非常にスムーズになります。
この記事では、文書管理システムの選び方や導入するメリット・デメリットなどを紹介していきますので、ぜひご参考になさってください。
文書管理システムとは
文書管理システムとは、名前のとおり文書の一元管理を叶えるシステムです。冒頭でも述べているように、企業において管理しなければならない文書は数多くあります。
契約書や発注書・注文書、日報、議事録、さらに企業によっては設計書や社内マニュアルまであり、管理にはかなりの手間がかかるのが事実。そのうえ書類はどんどん増えるため、保管場所にも悩まされてしまうでしょう。そこで文書管理システムを導入すれば、電子化した文書をまとめて管理することが可能。文書の検索・閲覧やバージョン管理なども非常にスムーズになります。
また、クラウド版の文書管理システムであれば、アップロードした文書データはクラウド上で管理されるため、紛失するリスクもありません。似た機能を持つツールにファイルサーバーが挙げられますが、ファイルサーバーはあくまでも文書の保管に特化したものです。検索面やセキュリティ面など、さまざまな部分で文書管理システムに劣ります。
文書管理の必要性とは
企業で文書を管理する際は、「それぞれの文書を保管しておくのは面倒だから、古いものは処分してしまおう」というわけにはいきません。法律によって保存が義務付けられているものもいくつかあるため、文書の保管には注意が必要です。
たとえば、官公庁に提出した文書や株主名簿、社報は永年保存が定められています。可能性としては低いとは思われますが、間違っても破棄してはなりません。また、株主総会や取締役会の議事録の場合は、10年間の保存が必要です。上記のような絶対に紛失してはならない文書については、電子化して文書管理システムで保管しておくと安心でしょう。
文書管理システムの選び方
文書管理システムの必要性がわかったところで、どのように選べばいいのかを確認していきましょう。正しい選び方のポイントを押さえておくことで失敗を未然に防止できます。
必要な機能で選ぶ
文書管理システムの選び方としてまずはじめにあげられるのは、必要な機能をきちんと整理したうえでニーズに応えているものを選ぶべきということです。文書管理システムでできることは、電子化された文書の保管だけではありません。文書の検索機能やバージョン管理機能、アクセス権限設定機能、外部システムとの連携機能まで搭載されているものも多いでしょう。
そのため、実際に文書管理システムの選定に移る前には、最低限どのような機能がほしいのかを整理しておくことが重要です。検索機能ひとつを取っても、ファイル名や日付データなどでソートできるものや、全文索機能が搭載されているもの、WordやExcelファイルの中身まで検索対象とするものなどさまざま。どこまでを求めるのかをまとめておきましょう。
文書のタイプによって選ぶ
文書管理システムではさまざまなタイプの文書を管理できるため、保管したい文書に基づいて考えるのも選び方としては非常に重要です。
たとえば「文書の種類を問わず、すべて文書管理システムで管理したい」という場合では、社内文書全般の管理に対応したものを導入するべきでしょう。すべてを一元管理できることから、ユーザー数・使用頻度ともに高くなると予想されるため、アクセス権限設定を柔軟に行えるものや、外部システムとの連携がしやすいものがおすすめです。
一方で「基本的に契約書や関連書類のみ保管したい」という場合には、アラート機能が必要でしょう。契約書の期限や支払い期限、納品期限などが近づいた際にアラートしてくれるシステムであれば、文書を管理できるのみならず、スケジュールに遅れることなくスムーズに業務を進められます。
活用方法によって選ぶ
文書管理システムの選び方として、システムをどのように活用していきたいのかを整理したうえで、活用方法に基づいて選ぶことも非常に重要です。「基本的に、各種文書の保管と検索だけできればいい」という場合は、機能がシンプルなもので問題ありません。
しかし、契約書・稟議書などを管理する場合は、承認状況がどうなったのか、誰がファイルを確認してくれたのかなどを把握できればなお便利です。ワークフロー機能をあわせて活用できるものを選べば、より業務を効率化できます。
セキュリティレベルで選ぶ
企業で管理される文書のなかには、多くの個人情報や機密情報が記載されています。そのため、文書管理システムを選ぶ際は、セキュリティレベルに問題がないかどうかも非常に重要なポイントです。
アクセス権限は細かく設定できるのか、ファイルや通信は暗号化できるのか、二段階認証などログイン方法に問題はないかなど、セキュリティ面の機能がどれほど充実しているのかをきちんと確認しておくべきです。また、プライバシーマークやISMS認証を取得しているかどうかも重要でしょう。
導入形態で選ぶ
文書管理システムの近年の主流はクラウド型ですが、オンプレミス型のシステムも提供されています。どちらで導入するべきかを整理し、ニーズに合った文書管理システムをチョイスするのも重要です。
たとえばオンプレミス型の場合は、クラウド型よりもセキュリティ面に優れているのがメリット。基幹システムと連携させやすい点も心強いでしょう。一方で、どうしても導入費用がかさんでしまうのはデメリットです。
クラウド型の場合は、初期費用を抑えて導入できる点が大きなメリットですが、インターネット上で使用するため、社内サーバーに構築されるオンプレミス型よりも、セキュリティリスクは高まります。文書管理システムを導入するうえで何を重視するのかを考慮し、最適な導入形態を選びましょう。
操作性で選ぶ
文書管理システムを選ぶポイントとしては、操作性も見逃せないポイントです。便利な機能が豊富に搭載されており、ペーパーレス化も実現してくれる文書管理システムですが、使い勝手が悪ければ意味がありません。どんなに便利そうに見えても、社員が使いこなせず定着しなければ効率化は不可能です。そのため、操作性に優れているかどうかも非常に重要なポイントだと言えます。
文書管理システムのメリット
文書管理システムの選び方がわかったところで、文書管理システムを導入するとどのようなメリットがあるのかを確認していきましょう。
書類・ファイルを探す時間が削減できる
文書管理システムを導入することによって、書類やファイルなどを探す時間を大幅に削減することができます。従来のように大量の書類をファイリングして管理している場合は、どの書類がどこにあるのかが把握できず、必要な書類をすぐに取り出せないという状況に陥ってしまうでしょう。
しかし文書管理システムであれば、検索機能を活用することによってすぐにファイルを取り出すことが可能です。ファイルのなかまで検索できるシステムなら、さらに正確に参照できるでしょう。
ペーパーレス化を推進できる
文書管理システムを導入することによって、企業のペーパーレス化を推進できるのも大きなメリットです。契約書や見積書、稟議書、申請書など、企業ではさまざまな種類の文書を管理しなければなりません。そして、管理する文書が多ければ多いほど、保管場所に困るようになります。
しかし、保管する必要のある文書をすべて電子化し、文書管理システムで一括管理としてしまえば、保管場所には2度と困りません。また、文書の印刷にかかっていたコストもカットすることができます。保管が楽になるだけでなく、印紙代もコストダウンできるのは非常にうれしいポイントでしょう。
最新のデータか一目で確認できる
文書管理システムを導入することによって、最新のデータかどうかをひと目で確認できるのも大きなメリットです。文書管理システムを使わずに従来どおり管理していると、どこにどの書類があるのかを把握しきれません。さらに、いざ書類を見つけても、その書類が最新かどうかがわからない場合もあるでしょう。もしも古いデータのものを参照して業務を進めてしまうと、思いもよらぬトラブルにつながる可能性もあります。
その点、文書管理システムを導入しておけば、バージョン管理を行えるため最新のデータが一目瞭然です。操作ログまで管理できるものなら、データや記載された文章の改ざんも防止できます。
文書管理システムのデメリット
最後に、文書管理システムを導入するデメリットについても確認しておきましょう。メリット・デメリットの双方をふまえたうえで導入を決めると安心です。
運用ルールの定期的な見直しが必要
文書管理システムを導入するデメリットとしてはじめにあげられるのが、運用ルールの定期的な見直しが必要な点です。文書管理システムを導入したからと言って、すぐにすべてのフローがスムーズに進むわけではありません。運用を進めていくなかで、「このようなルールにした方が使いやすい」「この点は使い方を見直すべき」など、課題や改善点が上がってきます。浮上した課題をそのまま放置するわけにはいかないため、定期的に運用ルールを見直さなければなりません。
きちんとルールを整備せずに運用を進めてしまうと、文書管理システムを導入したメリットを最大限に受けられないだけでなく、思わぬトラブルにつながってしまう可能性も。誰もがスムーズに使い続けられるように、定期的にルールを見直すべきです。
スキャニングの手間が発生する
文書管理システムを導入する際、すでに文書が電子化されている場合はデータをアップロードするだけで済みます。しかし、文書のデータ化からはじめなければならないケースも多いでしょう。そういった場合は、数多くの文書をスキャニングしなければなりません。
しかし、どうしてもスキャニング作業が面倒という方には、企業が提供しているスキャニング代行サービスを活用するという手も。いずれにせよ、紙の文書をデータ化する際には手間やコストが発生する点がデメリットだと言えます。
まとめ:文書管理システムを使用して、業務効率化を促進!
今回は、文書管理システムの選び方や導入するメリット・デメリットなどをご紹介してきました。文書データをシステム上で管理できれば、テレワーク時にも役立ちます。業務効率化を進めるためにも、ぜひ導入を検討してみましょう。
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