契約書の郵送これで完璧! 封筒の書き方から郵送まで徹底解説
契約書は、法人でも個人でもビジネスを行う上で必ず作成する必要のある書類です。正しい作成方法や郵送方法を理解しておかなければ、トラブルにつながるケースもあります。今回の記事で契約書の書き方のマナーや郵送時の注意点を学んでいきましょう。
今回は、契約書の正しい郵送方法やマナーを詳しく解説していきます。新社会人だけではなくて、契約書作成業務を普段行っている人も、再度確認をしてみてください。
契約書を正しく作成する意味
法人の場合でも、個人事業主の場合でもビジネスを始めたら、直面することが契約書の作成です。売買取引契約書、業務請負契約書、賃貸借契約書、雇用契約書など、契約書にはさまざまな種類の契約書があります。
契約書を安易に作成してしまうと、報酬や納期上のトラブルを引き起こすことになるので注意が必要です。また、契約金額が高額な場合や、多くの人達が関与してくる案件に対して、トラブルを起こしてしまうと厄介です。
このようなトラブルを回避するためにも、あらゆるケースを想定しながら、契約書は正しく作成していく必要があります。契約書を正しく作成することは、お互いが気持ちよく取引を行う上で、非常に大切なことなのです。
契約書を作成したら
契約書を正しく作成したら、終わりというわけにはいきません。契約書の作成に気を取られてしまって、送付が疎かになってしまうことがよくあります。
契約書の送付は、無事に届いたのかを確認、把握できるようになければいけません。また、契約書の郵送方法のマナーを守ることによって、相手との信頼関係を築くことができます。
同封する送付状や封筒の宛名書き、書類と一緒に送付状を添えるなど、細部にまでこだわることが大切です。小さなことを1つひとつ守ることで、取引先と信頼関係を結ぶことができて、スムースな取引が行えるようになるでしょう。
封筒の種類と特徴
封筒にはさまざまな種類があります。実は、それぞれどのようなビジネスシーンで利用するかが決められているのです。
正しい封筒を選んで郵送することで、相手に好印象を与えられます。ここでは、封筒の種類とそれぞれの特徴について解説します。
縦書き封筒
縦書き封筒には、長形(なががた)封筒と角形(かくがた)封筒の2種類の封筒があります。
長形封筒
長形封筒は、細長い形状の封筒です。書類や伝票を折りたたんで封入したり、縦文字の手紙を封入したりします。長形封筒は、縦の長さが横の長さの2倍あり、封入口が短い辺になっていることも特徴です。縦書きの宛名書きとも相性が良いことから「和封筒」とも呼ばれています。定形郵便で安価に送付できるというメリットがあります。
角形封筒
角形封筒は、正方形に近い形の封筒です。書類を折りたたまずに、そのまま書類を封入することができます。冊子や書籍を封入する際にも最適です。
契約書をはじめ、履歴者や職務経歴書など折りたためない重要な書類を郵送する際に利用されます。しかし、角形封筒は定形外郵便として扱われます。定形郵便の料金では届けられないので、郵送料金には注意が必要です。
横書き封筒
横封筒は横型の封筒です。別名で洋型封筒とも呼ばれます。名前の通り、海外では主流となっている封筒で、当初はエアメールなどで多用されていました。
長型封筒と比較するとデザインが良いため、結婚式への招待状やイベントの案内状、DMを送付する際などに利用されます。縦型封筒と比較すると、送付先の相手との関係性が近い場合やカジュアルなシーンに利用されます。
窓付き封筒
窓付き封筒とは、一部にセロハン素材を使用したデザインの封筒のことをいいます。窓の位置は、通常は左上に1つのみとなりますが、用紙のサイズや使用用途に応じて、さまざまなタイプの窓付き封筒が作られます。
メリットは、窓付きのカ所に宛名が見えるに配置するため、宛名書きなどの事務作業を大幅にカットできることです。また、雨や汚れなどで宛名が分からなくなってしまうなどのトラブルを防止できます。
あえて、窓付きで郵便物の中身を見せて、受け取り手の興味関心を寄せる効果も期待できます。しかし、配達員にも中身が見られてしまうので、重要な書類の郵送には不向きの封筒です。窓付き封筒は、大量に送る必要があるDMなどの郵送に頻繁に使われます。
封筒の書き方・マナー
契約書を郵送する際は、住所や宛名を正しく書き、適切な切手を貼りましょう。ビジネスマナーを守ることによって、相手に安心感を与えられ、スムーズな取引を行えます。ここでは、正しい封筒の書き方や郵送マナーについて解説していきます。
切手の扱い方
契約書を郵送する際の封筒に貼る切手は、可能な限り少ない枚数に抑えましょう。社内に残っていた切手を集めて貼りつけて、封筒を郵送することは相手に対して失礼です。
切手は、記念切手でも構いませんが、ビジネス上ふさわしい切手かどうかの判断はしましょう。
住所・宛名
住所や宛名は、手紙の第一印象に当たります。どんなに郵送した書類の内容が良いものでも、封筒の住所や宛名の書き方が雑だと、相手に好印象を与えられません。
封筒の住所や宛名書きの手を抜けば、それだけで信頼関係は崩れてしまいます。たとえば、会社名の株式会社は(株)と省略せずに、正式名称を使うようにしましょう。また、宛名が会社名の場合は「御中」を付けますが、担当者宛に送付する場合は「様」を利用します。担当者の部署名も分かる場合は、部署名も省略してはいけません。
縦書き
縦書きは、目上の方や改まった書類を郵送する際に適した書き方です。
【表面での注意事項】
- 切手は封筒の左上に貼る
- 住所は郵便番号の右端に揃えて、上から一文字下げる
- 番地などの数字には漢数字を使用する
- ビル名やマンション名は省略をしないで書く
- 宛名は、住所よりも大きな文字で書く
【裏面での注意事項】
- 封締めに「〆」を使用する
- 左上に封かん日を記入する
- 自分の住所と名前を揃えて書く
横書き
横書きは、親しい間柄の方への手紙やお礼状を郵送する際に利用します。カジュアルなシーンの用途として、横書きは利用されます。
【表面の書き方】
- 切手は右上に貼る
- 左端から2文字くらいのスペースを空けて、郵便番号を書く
- 番地などの数字には、算用数字を使用する
- 目上の人に送る際は、ビル名やマンション名を省略せずに書く
- 宛名は住所よりも少し大きめに記載する
【裏面の書き方】
- 封かん日を入れる場合は、左側に記載する
- 洋封筒に封締めは不要ですが、書いても失礼には当たりません
- 郵便番号と住所は揃えて記載する
- 住所より少し大きめに名前を記載する
その他注意すべきポイント
封筒に住所や宛名を書く場合は、字がシッカリと分かるように、黒色の太ペンを使用して書きましょう。
細いボールペンで書くと、住所や宛名が見えにくいです。また、簡単に消すことができるフリクションボールペンだと、温度変化で文字が消えてしまう恐れがあるため、封書書きには向いていません。必ず、太いマジックペンで書くようにしましょう。
また、封書書きをしている最中に誤字脱字をしていることに気づいた場合は朱書きをします。住所などの朱書きは問題ありませんが、宛名を朱書きするのは良くありません。赤字で人名を書くことは、縁起が悪いとされているので、人名を間違えてしまった場合は、新しい封筒を用意して再度書き直しましょう。
郵送方法は主に2つ
契約書の作成に注意を払うことも大切ですが、契約書の郵送方法にも注意を払いましょう。意外と郵送方法には、気を配られないというケースが多いです。
契約書の郵送方法として、おすすめな郵送方法は2通りあります。それは「簡易書留」と「郵達証明郵便」です。2つの郵送方法について詳しく解説をします。
簡易書留
簡易書留で郵送依頼すると、郵便局で引き受けから郵送までの状況をネット上で確認できます。
書留を出した際に郵便窓口から発行される引受番号によって、「郵便追跡サービス」上で配達状況を確認でき、重要書類の契約書の郵送状況が分かるので安心できます。
簡易書留のメリットとして、配達状況確認以外にも損害賠償が保証されるというメリットがあります。万が一、郵送時に書類の紛失などのトラブルが起きた場合は、5万円以内で実損額を賠償してもらうことが可能。契約書に印紙が貼られている場合は、賠償対象となります。そのため、高額な契約書の場合は簡易書留を利用すると安全です。
郵送料金は「基本郵便料金+簡易書留料金」。簡易書類料金は、一律320円です。通常の郵便物を簡易書留で送る場合は、84円+320=404円となります。
配達証明郵便
一般書留では、配達した事実を証明してくれる郵送サービスが利用できます。
無事に郵便物が相手の手元に届いた場合、「配達証明書」が郵便局から差出人宛に送付されます。そのため、確実に相手に契約書が届いたのか知りたい場合に、配達証明郵便のサービスを活用しましょう。
配達証明郵便は、裁判開廷時のお知らせが無事に出来たかどうかの証拠として利用されることがあります。しかし、届けたことを証明するだけであって、本人の手元に確実に届いているかは分かりません。窓口の人が代理で受け取っていることもあり得るのです。
配達証明郵便の利用料金は、「基本郵便料金+一般書留料金+配達証明加算料金320円」です。通常の郵便物を簡易書類で送る場合は、84円+435円+320円=839円となります。
どちらを使えばいいの?
契約書を郵送する際は、郵達証明郵便で郵送する方法がおすすめです。郵達証明郵便で郵送すれば「配達証明書」を受け取ることが可能。先方の都合で契約書を紛失してしまった場合「配達証明書」があれば安心です。
契約書を郵送する際は、郵送先の相手に「契約書を簡易書留か郵達証明で送ります」と一本連絡をかけておくと確実に受け取ってもらうことができるでしょう。そのような連絡を一本入れることによって、昼間に仕事をしている人もポストを確認して不在届を確認し、受け取れる時間帯を郵便局に伝えて早期に契約書を受け取ってもらえるようになります。
契約書の割印と契印
契約書には必要に応じて割印や契印を押す必要があります。ここでは、割印と契印のそれぞれの意味と違いを解説していきます。
割印とは
割印とは、複数ある書類にまたがった位置に押印することによって、1つの印章がそれぞれの書類で「割れて押されている」印章のことをいいます。
割印は、複数の書類が関連していることを証明するために使われます。割印を押すことによって、自分の都合の良いように契約内容を改ざんしてしまうリスクを回避できます。
契印とは
契印とは、複数ページから構成される契約書を作成したのち、途中のページを差し替えたり、抜き出したりする不正行為を防止するために押印するものです。
契約書のページの継ぎ目にまたいで押印していきます。契約書のページが多い場合は、すべてのページの継ぎ目に契印を押すことは大変です。
そのため、契約書をホチキスなどで綴じて製本テープを貼り、安易にページが抜けないようにしたうえで、裏表紙に契印を押すという方法もあります。
すべてのページに契印が押せない場合であっても、このような方法を採用すると契印として成立します。
割印・契印の違い
割印も契印も契約書に改ざんがないかを証明するための印鑑ですが、用途が異なります。契約書が1枚の場合は割印で問題はありません。割り印は複数の契約書が同一であることを証明するための印章だからです。
しかし、契約書が複数ページで構成されている場合は、途中のページの差し替えや抜き取りも行われてしまう可能性があります。そのようなトラブルを避けるために、ページの継ぎ目に押していくための印章が契印です。
割印は1枚から構成されている契約書が、同一の契約書であることを証明するもの、契印は複数ページからなる契約書の差し替えや抜き取りを防止するための印章という違いがあります。
送付状
契約書をはじめ、書類を郵送する際には送付状を添えます。送付状は、どのような目的で添えるのかご存知ですか?ここでは、送付状の役割について解説します。
送付状とは
送付状は、書類郵送時に書類と一緒に添えます。契約書を送る際に宛先、送付者、書類の枚数を知らせる役割を持ちます。送付状をつけて郵送することは、ビジネスマナーでは必要不可欠です。一般的に送付状には、次の項目を記載しておきましょう。
【送付状の項目について】
送付日 / 宛先 / 送付者 / 連絡先 / 所属部署 / 組織名 / 件名 / 書類の概要
送付状は必要?
送付状は「誰に」「何を」「どれだけ」送ったのかを明らかにする目的で必要です。書類を受け取った相手は、送付状に記載されている内容を確認して、自分宛の書類なのか必要書類が同封されているのかを確認できます。
また送付状は、確認するだけの目的だけではなく、挨拶代わりの役割を持ちます。送付状には補足事項を書けるので「先日、お電話でお伝えした見積書になります。」と補足事項を書いておくのもいいでしょう。
まとめ
契約書を作成することに注意は払われることはありますが、郵送方法まで注意を払われることは少ないです。しかし、手紙の第一印象ともなる封筒の選び方や書き方は非常に重要です。正しい書き方をすることによって、相手との信頼関係を築き上げられます。
書類と一緒に送付状を添えると、相手に内容の不備がないか示せるので親切です。また、契約書のような重要な書類を郵送する際は、本当に相手に届いたかを確認することが必要です。ポストに投函されないように、必ず手で渡されるように手配をしましょう。
契約書の郵送は一歩間違えてしまうと取引上のトラブルを引き起こしてしまいます。契約書の郵送の手続きはデリケートに行いましょう。
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