オンライン決済の手数料はどれくらい?費用相場を解説
ECサイトや店舗にオンライン決済(キャッシュレス決済)を導入し、顧客の決済ニーズに応えようとお考えの方も多いでしょう。その際、気になるのが決済手数料。支払い1回につき、2.5%〜4%の決済手数料がかかります。
また、オンライン決済の導入にあたっては初期費用や月額料金も発生します。本記事ではオンライン決済にかかる費用の相場を解説。コストを抑えてクレジットカード決済をはじめとしたオンライン決済を導入したい店舗運営者はぜひご覧ください。
- オンライン決済の手数料とは
- オンライン決済の手数料相場(決済手段別)
- 決済手数料以外にかかる費用・相場
- オンライン決済サービスの手数料比較
- 格安でおすすめのオンライン決済サービス8選
- 手数料だけじゃない!オンライン決済サービスの選び方
- まとめ:キャッシュレス決済を導入して売上アップを目指そう
オンライン決済の手数料とは
オンライン決済(キャッシュレス決済)の手数料とは、クレジットカード・QRコード決済などのオンライン決済を行う際に、店舗が決済サービス提供会社に対して支払う手数料です。現金のやりとりなしでスピーディに支払いが完了するという利便性と引き換えに、その決済システムを利用する手数料が発生するのです。
オンライン決済には、クレジットカード、電子マネー、銀行振込、コンビニ決済などさまざまな決済手段がありますが、それぞれ手数料の仕組みや金額が異なります。
オンライン決済に手数料が発生する仕組み
最もメジャーなクレジットカード決済を例に、手数料が発生する仕組みを解説します。
消費者が店舗でクレジットカード決済を行うと、カード会社の決済ネットワークを通じて決済処理が走ります。その際に与信枠(カードを問題なく利用できるか)も確認され、問題なければ支払いが完了します。
このような決済ネットワークを保守・運用するためにはコストが発生します。また、高度化する不正利用の手口に対するセキュリティ対策にも、コストがかかります。こういった運用に必要なコストが、決済サービスの手数料として入っているのです。
オンライン決済の手数料相場(決済手段別)
オンライン決済時の手数料は、クレジットカード・電子マネーなど、決済手段によって違います。ここでは、決済手段ごとの手数料相場を紹介します。
| 決済手段 | 手数料相場 |
|---|---|
| クレジットカード決済 | 決済金額の2.5%〜4%程 |
| QRコード・ID決済 | 決済金額の3%程 |
| 電子マネー決済 | 決済金額の3%〜4%程 |
| コンビニ決済 | 約100円~600円/1件 |
| 銀行口座振替 | 約120円/1件 |
クレジットカード決済の手数料
クレジットカード決済の手数料相場は2.5%〜4%です。なお、購入者の支払いが滞るリスクが高い商材ほど手数料が高い傾向があります。また、大規模チェーン店より個人経営店などの小規模店舗のほうが手数料が高い傾向があります。
→クレジット決済代行会社の手数料比較(別記事)
QRコード・ID決済の手数料
QRコード決済の手数料相場は3%程となっています。店舗ではQRコード用のポップを置くだけ、クレジットカードのような専用端末が不要です。そのため、QRコード決済の導入にはほとんど費用がかからず、手軽に導入できる点が魅力となっています。
なお、ECサイトやネットショップでも「PayPay」をはじめとするQRコード決済を導入できます。ECサイトではQRコードを読み込む操作はなく、ID・パスワードで決済アプリにログインして支払いを行うため「ID決済」と呼ばれます。
→QRコード決済ができる決済代行サービス(別記事)
電子マネー決済の手数料
電子マネーの手数料相場は3〜4%です。交通系ICカード(Suica、PASMOなど)や流通系(WAON、nanacoなど)があり、事前にお金をチャージして使う決済手段となっています。事前にチャージする形式のため、クレジットカードのような信用力の審査はなく、だれでも利用しやすいオンライン決済サービスといえます。
電子マネーの決済手数料はクレジットカードと比較して少し高いですが、クレジットカードを持たない顧客(消費者)のニーズを満たす決済手段です。自社の顧客層に応じて導入を検討しましょう。
→電子マネー決済ができる決済代行サービス(別記事)
コンビニ決済の手数料
コンビニ決済の手数料相場は、決済1件あたり100円~600円程です。決済金額が増えると手数料も高くなる仕組みです。たとえば、決済金額が1万円以下の場合は、110円~220円程の手数料が発生します。決済金額が3万円であれば手数料は400円程です。
しかし、クレジットカードのように一定のパーセンテージで手数料が決まっているわけではなく、手数料額に上限があります。そのため、高額な支払いの際に手数料が低く抑えられるというメリットがあります。
→コンビニ収納代行の手数料比較(別記事)
銀行口座振替の手数料
銀行口座振替の手数料相場は、1件あたり120円程です。クレジットカードなどと比較して、手数料が安い傾向があります。毎月自動で口座から引き落としをするようなケースにおいては、決済手数料を安く抑えられるでしょう。
→銀行振込ができる決済代行サービス(別記事)
決済手数料以外にかかる費用・相場
決済手数料以外にも、オンライン決済サービスを利用する際には、次の費用がかかります。
- 初期費用
- 月額料金
- トランザクション手数料
初期費用
オンライン決済サービス導入時には初期費用が発生する場合があります。初期費用の相場は2万円程で、システム開発などにかかる費用や契約手数料が含まれます。初期費用が無料のオンライン決済サービスもあります。
初期費用が有料のサービスは、自社のニーズに合わせてシステムをカスタマイズ・開発してくれる点がメリット。企業に合わせた決済方法を提案してたりと、導入サポートが手厚いことも多いです。
初期費用が無料のサービスは、汎用的で使いやすいシステムである一方で、個々の店舗に合わせたカスタマイズに対応していない場合が多いです。カスタマイズする場合はオプション機能料金がかかります。しかし、導入コストを大幅に抑えられるため、予算が限られる企業やスモールスタートで事業を始めたい企業におすすめです。
月額料金
オンライン決済サービスの月額料金は3,000円程が相場となっており、月額料金にはシステム利用料やデータ管理費用が含まれます。実店舗なら決済端末のリース代も加わります。月額料金は決済手段の種類によっても変わってきます。各社の決済手段ごとの手数料を比較して、導入するサービスを選ぶのがポイントです。
トランザクション手数料
トランザクション手数料とは決済時のデータ転送にかかる通信費で、決済1回あたり数十円が相場です。決済手数料と混同されやすいですが、決済手数料はオンライン決済の価値自体に支払われる手数料で、トランザクション手数料は通信費です。
オンライン決済サービスの手数料比較
ここからは実際に、オンライン決済サービスの手数料を比較します。以下、初期費用・月額料金・手数料・トランザクション手数料の比較表をご覧ください。
店舗向けオンライン決済サービスの手数料比較
| サービス名 | カード決済手数料 | 初期費用 | 月額料金 | トランザクション手数料 |
|---|---|---|---|---|
| Airペイ | 3.24% | 無料 | 無料 | 要問合せ |
| Square | 対面:2.5% 非対面:3.6% |
無料 | 無料~ | 要問合せ |
| ペイゲート | 1.98%~ | 無料 | 3,300円(税込) | 要問合せ |
| STORES 決済 | 2.95%~ | 無料 | 無料 | 無料 |
料金を比較すると、「Airペイ」「Square」「atone」は初期費用・月額料金ともに無料と、安い費用で利用できるオンライン決済サービスです。また、「ペイゲート」はカード決済手数料が1.98%~と低いため、決済件数が増えても手数料を安く抑えられます。店舗運営者はぜひ導入を検討ください。
ECサイト向けオンライン決済サービスの手数料比較
| サービス名 | カード決済手数料 | 初期費用 | 月額料金 | トランザクション手数料 |
|---|---|---|---|---|
| イプシロン | 2.79%~ | 無料 | 2,980円~9,980円 | 無料 |
| ゼウス | ~3.5% | 無料 | 3,000円(税抜) | 30円(税抜) |
| サブスクペイ | 2.65%~ | 要問合せ | 要問合せ | 要問合せ |
| atone ※後払いサービス |
3.5%~ | 無料 | 無料 | 要問合せ |
料金を比較すると、「イプシロン」「ゼウス」「atone」は初期費用無料で、コストをかけずに導入できるおすすめサービスです。クレジットカード決済は2%~3%台の手数料で利用できます。ECサイト・ネットショップ運営者はぜひ導入を検討ください。
格安でおすすめのオンライン決済サービス8選
2025年最新の料金プランを比較した結果、格安でおすすめのオンライン決済サービス8選を紹介します。各サービスの特徴や、他社と比較したおすすめポイントを紹介しますので、オンライン決済サービス選びにお悩みの方は参考にしてください。
店舗向けオンライン決済サービス
ECサイト向けオンライン決済サービス
Airペイ
Airペイは、株式会社リクルートが提供するオンライン決済サービスです。初期費用・月額料金・決済端末(カードリーダー)が無料で、気軽にキャッシュレス決済を導入したい店舗運営者におすすめです。
クレジットカード・電子マネーの決済手数料は3.24%、各種QRコード決済の手数料は2.95%、交通系電子マネーの決済手数料は2.95%となっています。
Airペイは、1台の決済端末と、iPhoneまたはiPadがあれば、すぐにキャッシュレス決済を使い始められます。飲食・美容・宿泊・イベントなど、さまざまな業界の店舗決済(対面決済)で導入実績がありますので、ぜひご検討ください。
主な機能
Square
Square(スクエア)は、あらゆる決済をオールインワンで対応できる端末「Squareターミナル」を無料提供しています。スタイリッシュでデザイン性の高い決済端末が人気で、世界中400万人以上に利用された実績があります。
Squareは初期費用無料、月額料金も無料~利用できます。また、店舗でのクレジットカード決済手数料は2.5%~と、他社と比較して安い点がおすすめ。そのほか、交通系電子マネー(Suica、PASMOなど)やQRコード決済(PayPay、楽天ペイなど)に対応しています。
主な機能
ペイゲート
ペイゲートは、株式会社スマレジが提供するオンライン決済サービスです。初期費用無料、月額料金3,300円(税込)で導入でき、クレジットカード決済手数料は1.98%~。他社と比較して料金が安い点がおすすめです。
マルチ決済端末「PAYGATE」は、クレジットカード決済や電子マネー決済、QRコード決済に1台で対応。レシート出力のプリンターも内蔵されているので、煩雑になりがちなレジ周りがスッキリします。また、持ち運びできる端末なので、決済場所を選びません。
主な機能
STORES 決済
STORES決済(旧:Coiney)は、リアル店舗の対面決済に対応したオンライン決済サービス。お店のキャッシュレスをかんたんに実現できるサービスで、これまで15万社以上に導入実績があります。
他社と比較したおすすめポイントは、手数料が安いこと。交通系電子マネーは業界最安水準の1.98%で決済できます。また、クレジットカード決済手数料は3.24%となっています。なお、決済端末は一定の条件をクリアすれば無料です。
専用決済端末「Coiney」は持ち運びに便利なコンパクトサイズを実現。都市型フェスやキャンプ場といったアウトドアイベントにも適しています。申し込みから最短3営業日後に利用開始できる点もおすすめポイントです。
主な機能
イプシロン
イプシロンは、GMOイプシロン株式会社が提供する、中小企業向けオンライン決済サービス。これまで4万社以上に導入実績があり、ECサイトやデジタルコンテンツ購買の決済にも多数導入されています。
イプシロンは初期費用無料で導入可能。クレジットカード決済手数料は2.79%~、トランザクション手数料は無料となっています。
クレジット決済だけでなく、コンビニ決済、銀行振込み、PayPay、多通貨決済にも対応しています。オプションサービスとして、分割・リボルビング払いや不正検知サービスなども選べるため、自社にあった機能を追加できます。
主な機能
ゼウス
ゼウスは、SBIグループの株式会社ゼウスが提供するオンライン決済サービスです。設立25年の実績で1万4000以上のサイトに導入されており、パートナー会社は400社以上。多くの企業から信頼を得ており、安心して利用できます。
ゼウスは初期費用無料・月額料金3,000円(税抜)と、他社と比較して安い点がおすすめのポイント。クレジットカード決済手数料は3.50%以下に設定されています。
カスタマーサポートが手厚く、コールセンターは24時間365日稼働。国際基準に基づいた応対品質の評価で最高ランクを受賞しており、トラブルが起きた際もすぐに丁寧なサポートを受けられます。
主な機能
サブスクペイ
サブスクペイは、株式会社ROBOT PAYMENTが提供するオンライン決済サービスです。その名の通り、サブスクにおける月額決済をスムーズに実施することを目指して開発された決済サービスとなっています。これまで14,000社以上に導入実績があり、コンテンツ配信費やSaaSなどのシステム利用料の決済で活用されています。
サブスクペイの継続課金システムは、対応する決済手段が豊富な点がメリット。クレジットカード、口座振替、銀行振込、コンビニ決済、掛け払い決済に対応しています。
クレジットカード決済手数料は2.65%~。初期費用や月額料金は公開されておらず、個別見積もりが必要です。
主な機能
atone
atone(アトネ)は後払いに特化した決済代行サービス。コンビニ・銀行ATM・口座振替で後払いができます。ネットショッピングの利用者はクレジットカード登録不要、利用開始に必要なのはメールとSMSの認証のみです。
atoneを導入すると、クレジットカードを持たない顧客も後払い決済が可能となる点がメリット。クレジットカードを持たない若年層をメインの顧客層としている事業者におすすめです。
atoneは初期費用・月額料金・トランザクション手数料が無料。決済手数料3.5%~のみが発生します。
主な機能
手数料だけじゃない!オンライン決済サービスの選び方
ここまで、手数料などの費用が安いオンライン決済サービスを紹介してきましたが、費用以外にも比較検討すべきポイントがあります。自社に決済サービスを導入する際は、次の3点をチェックしましょう。
- 客層に合った決済手段を利用できるか
- セキュリティ体制は万全か
- 資金繰りに困らない入金サイクルか
客層に合った決済手段を利用できるか
オンライン決済サービスによって、取り扱う決済手段は異なります。自社の顧客がどのような決済手段を求めているかを調査して、客層に合った決済手段を提供できるオンライン決済サービスを選ぶことが重要です。
キャッシュレス決済のなかで、最も利用者が多い「クレジットカード」は必須といえます。また、若年層向けの事業を行っている場合、PayPayなどの話題の決済方法を取り扱うと、それ自体を店舗の強みの一つとしてアピールできます。
セキュリティ体制は万全か
キャッシュレス決済は顧客のクレジットカード情報や口座情報などの個人情報を取り扱います。情報漏えいが発生した場合、顧客や取引先の信頼を大きく損なうため、セキュリティ対策が万全のオンライン決済サービスを選ばなければなりません。
公的機関の認証マークを表示しているサービスは、高いレベルのセキュリティ基準を満たしています。各セキュリティ基準の詳細は以下の表を参考にしてください。
| 基準 | 概要 |
|---|---|
| PCI DSS | クレジットカードの国際ブランド5社が定めたセキュリティ基準。クレジットカード情報を安全に取り扱うための適切な対策をしている事業者が認定を受ける。 |
| プライバシーマーク | 日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が定める基準。個人情報を保護するための取り組みが基準を満たしている事業者が認証を受ける。 |
| ISO27001 (ISMS認証) |
国際標準化機構が定める ISO認証のうち、情報管理に関する基準。情報を安全に管理するための基準を遵守している事業者が認定される。 |
| EMV 3Dセキュア (3Dセキュア2.0) |
本人認証方法のひとつ。IDやパスワードを設定し、なりすましによる不正利用を防止する。3Dセキュア2.0は1.0と違い、ワンタイムパスワードや生体認証などの認証方法にも対応している。 |
資金繰りに困らない入金サイクルか
入金サイクルとは、キャッシュレス決済で取引した売上金が振り込まれるまでの日数や頻度を指します。入金サイクルが遅いと資金繰りに困る可能性があるため要チェックです。
毎月2~4回締めで定期的に入金があるサービスや、入金サイクルをより早めるオプションがあれば安心です。「入金待ちの間に事業資金が足りなくなった」「資金繰りに困った」という事態にならないよう、オンライン決済サービスごとの入金サイクルも比較しましょう。
まとめ:キャッシュレス決済を導入して売上アップを目指そう
オンライン決済(キャッシュレス決済)は、店舗でもネットショップでも、必須となっています。普段、あまり現金を持ち歩かず、キャッシュレス決済をメインで使う消費者もふえています。現金のみ対応の店舗では、販売機会を逃してしまうリスクが高まっているといえます。
オンライン決済を利用するには手数料がかかるものの、それを上回る売上増大の効果が期待できます。現金を取り扱わなくなることで、現金管理や銀行入金の手間がなくなり、人件費のカットにもつながるでしょう。
数あるオンライン決済サービスを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った決済サービスが分かる診断(無料)ができます。
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