決済代行会社とは?仕組みやメリットを図解で分かりやすく解説
これから新たなビジネスを店舗やオンラインショップで始めようとお考えで、決済手段の準備を進めている方も多いでしょう。2023年のキャッシュレス決済比率は39%となっており、3人に1人以上は現金以外の決済手段を使っています。そのため、店舗へのキャッシュレス決済の導入は必須となりつつあります。
決済代行会社を利用すれば多数の決済手段を一括で導入可能です。本記事では、そもそも決済代行会社とは何か、仕組みやメリット・デメリット利用していない場合を図解で分かりやすく解説。ぜひご覧ください。
- 決済代行会社とは
- 決済代行サービスの仕組み(図解)
- 決済代行会社と契約するメリット
- 決済代行会社を利用するデメリット
- 【業種別】おすすめの決済代行会社
- これだけは押さえておきたい!決済代行会社を選ぶポイント2点
- まとめ:自社に合った決済代行方法を導入して売上アップにつなげよう
決済代行会社とは
決済代行会社とは、キャッシュレス決済を加盟店(店舗やECサイト)に導入するための契約手続きや売上管理を一括で行ってくれる業者です。通常、クレジットカード決済やコンビニ決済、口座振替などの決済手段をお店で使えるようにするには、各決済機関と契約をしなければなりません。しかし、決済代行会社を介することで複数の決済手段をまるっと一括で導入できます。
決済代行会社を利用して導入できる、主な決済手段は下記の通りです。
決済手段 | 概要 |
---|---|
クレジットカード決済 | Visa、Mastercard、JCBなどの国際ブランドと提携する店舗でカード決済ができる。 |
電子マネー決済 | 事前にICカードやスマホにお金をチャージし、決済端末にかざして支払う。SuicaやPASMOなどの交通系、楽天Edyやnanacoのような流通系がある。 |
QRコード決済 | 専用アプリでQRコードを読み取り、事前にチャージしたお金で支払う。 |
口座振替 | 銀行口座から自動引き落としする。 |
コンビニ決済 | 商品の代金をコンビニで支払う。 |
決済代行会社を利用することで、店舗やECサイトに簡単・早くキャッシュレス決済を導入できる点がメリットです。また消費者は普段使っている決済手段を店舗で使えるようになり、「手持ちに現金しかないから購入できなかった」という機会損失を防げます。
決済代行サービスの仕組み(図解)
ここで簡単に、決済代行サービスの仕組みについて解説します。決済代行会社は加盟店とカード会社(アクワイアラ)を仲介する存在。カード会社とは代理店契約を結び、カード会社に代わって加盟店開拓を行います。加盟店は決済代行会社と契約するだけで、Visa・Mastercard・JCBなどのカード決済サービスを一括で導入できます。
関係者 | 説明 |
---|---|
国際ブランド | VisaやMastercard、JCBなどの世界的なクレジットカードブランド。 |
アクワイアラ | 国際ブランドと契約し、決済システムを構築するカード会社。 |
イシュア | 消費者向けにクレジットカードを発行するカード会社。 |
加盟店 | 店舗・ECサイトなど。 |
決済代行会社 | 加盟店と複数のアクワイアラを仲介する業者。 |
クレジットカード利用者 | クレジットカードを持つ消費者。 |
決済代行サービスを利用しない場合、加盟店は複数のアクワイアラ(カード会社など)とやりとりしなければなりません。決済代行サービスを利用すると手続きが一括で完了し、返金や入金トラブルがあった際も決済代行会社が対応してくれます。管理が煩雑になりがちなキャッシュレス決済の運用がスムーズにでき、システム運用の手間やコストを大幅に削減可能です。
決済代行会社とクレジットカード会社の違いは?
クレジットカード会社はVisaやMastercardなどの国際ブランドのライセンスを取得し、決済ネットワークを構築する決済機関です。決済代行会社は、クレジットカード会社の代行として、加盟店に決済サービスを導入する業者です。
クレジットカード会社自身で国内にある多数の加盟店を開拓していくのではなく、決済代行会社が加盟店開拓の役割を担うことで、より効率的にキャッシュレス決済の普及が実現しています。
決済代行会社と契約するメリット
決済代行会社と契約し、店舗やECサイトにキャッシュレス決済を導入するメリットをまとめます。
一括で多数のキャッシュレス決済手段を導入できる
第一のメリットは、一括で多数のキャッシュレス決済手段を導入できることです。多くの決済代行会社では、クレジットカードのほか、電子マネー、QRコード決済、口座振替などさまざまな決済サービスを提供しています。
SBペイメントの調査によると、顧客自身が希望する決済手段が用意されていない場合、60%以上の顧客が他店舗で商品を購入するという回答が得られました。この結果から、決済手段不足は販売機会を損失する大きな要因になるとわかります。
出典:SBペイメントサービス株式会社「ECサイトにおける決済手段の利用実態調査」
顧客(消費者)が頻繁に使う決済手段や、ポイントの貯まりやすい決済手段に対応していれば、ユーザー満足度の向上につながるでしょう。
クレジットカード各社の審査の手間を省ける
VISAやMastercardなどのクレジットカード会社と直接契約しようとすると、審査申込の書類を準備して提出する必要があります。事務作業にあまり時間をかけられない新規事業者にとって、自力で1社1社と契約することは現実的ではありません。
決済代行サービスを利用すると、決済代行会社に対してのみ書類を送ればよく、複数の書類を準備する必要はありません。このように、クレジットカード各社の審査の手間が省ける点がメリットです。
売上を一元管理できる
決済代行会社のシステム上で、キャッシュレス決済による売上を一元管理できる点もメリットです。決済エラーや未払いが発生していないかを確認したり、リアルタイムの売上をシステム上で確認することができ、経営・資金繰りがしやすくなります。
セキュリティ対策がしっかりしている
クレジットカード決済を行う際は、カード番号などの重要な個人情報を取り扱います。セキュリティ対策の穴があるとカード情報が漏えいするリスクがあるため、しっかりとセキュリティ対策を施す必要があります。
決済代行会社は、加盟店がカード情報を取り扱わないような決済フローを構築し、そのほか多数のセキュリティ対策を実施しています。そのため、加盟店側でコストをかけてセキュリティ対策を行わなくても、安全にキャッシュレス決済が可能です。
以上、決済代行会社と契約するメリットをお伝えしました。決済代行サービスを導入したいと思っても、数あるサービスを比較して自社のニーズに合ったものを選ぶのは大変です。「まず候補を絞りたい」という担当者はぜひPRONIアイミツを活用ください。PRONIアイミツでは、いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合った決済代行サービスが分かる診断(無料)ができます。
決済代行会社を利用するデメリット
決済代行会社の活用は、事業者に多くのメリットを与えてくれる反面、導入前には検討しておくべき課題もあります。最も大きな問題は、やはり手数料の問題です。手数料は小規模な事業者が運用する分にはあまり大きな問題になることはありませんが、どんどんと店舗の規模を大きくして行ったり、多店舗展開や大型ECを展開したりというというビジョンを検討している場合、重荷となる場合があります。
手数料を支払わなければならない
決済代行会社の手数料は一律というわけではなく、サービスの利用内容や導入条件に応じて変動する傾向にあります。おおむね2%~10%以内の範疇に収まりますが、決済システムの導入を進める事業者の規模などによって、変動することもあります。
例えば経営基盤が盤石な大手スーパーやコンビニエンスストアでは、1%程度の手数料で済んでいる一方、個人商店に決済システムを導入する場合、同じ条件でも手数料は3~5%にまで上昇することもあります。またQRコード決済や後払い決済、交通系ICカードなど、どんな決済手段を導入するかによって事前に店に設置すべきカードリーダーなども変わるため、その分の費用も考慮する必要があります。
【業種別】おすすめの決済代行会社
ここで、業種別におすすめしたい決済代行会社を3社ご紹介します。決済代行会社によって得意とする業種や実績の豊富な分野というのは微妙に異なるため、各社の実績や提供サービスを比較しながら自社に最適なサービスを選ぶことが大切です。
今回は決済代行サービスを利用する機会の多い、BtoBとEC、そして実店舗向けの事業者に向けてご紹介します。機能を比較しながら最適なものを選びましょう。
- SBペイメントサービス
- ゼウス
- VeriTrans4G
-
料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
ソフトバンクグループが提供しているSBペイメントサービスは、大手ならではの決済手段を豊富に取り揃えているのが特徴です。VisaやMastercardといった人気のあるブランドはもちろんのこと、日本国内の各種クレジットカードへの対応も進めています。
クレジット決済以外にも、「早払い」や「こんど払い」などの柔軟な決済機能を提供し、BtoB企業に求められる柔軟な決済方法のニーズにも的確に応えてくれます。多様な支払い方法をクライアントに提案できるため、客離れを防ぎ、リピーターとして強い関係構築を進められます。上場企業への導入実績もあり、信頼性の高いサービスと言えます。
- 電子マネー対応
- QRコード・バーコード対応
- クレジットカード決済
- コンビニ決済対応
- キャリア決済対応
- 口座振替対応
- 銀行振込(バーチャル口座)対応
- ペイジー決済対応
- 払込票決済対応
- 掛け払い決済・後払い決済対応
-
料金
月3,000円 -
初期費用
30,000円
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
EC向けの決済代行会社としておすすめしたいのが、ゼウスです。上場企業への導入実績を持つだけでなく、1万4,000を超えるECサイトに導入されてきた実績があるため、スケールを問わず活躍が期待できる決済システムを利用できます。
近年多くのユーザーに利用されている、電話料金の支払いと合わせられるキャリア決済や、電子マネーによる決済にも対応しているので、ECで取引を積極的に進めたい場合にうれしいサービスです。代引き決済や銀行振込、コンビニ決済など、クレジットカードを持たない人にも優しい決済手段の提供にも対応し、あらゆるターゲットに対して効果的なサイト作りを進められます。
- 電子マネー対応
- デビットカード対応
- 代引き決済対応
- クレジットカード決済
- コンビニ決済対応
- キャリア決済対応
- 口座振替対応
- 銀行振込(バーチャル口座)対応
- ペイジー決済対応
- 払込票決済対応
VeriTrans4G
-
料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
実店舗向けの決済代行会社を探しているという方には、VeriTrans4Gがおすすめです。リアル店舗向けのスマートフォン決済サービス「mPOS」を利用できます。スマホと専用のリーダーを使ったスムーズな決済で、ストレスフリーな支払いを行えるとともに会計の混雑を回避することが可能です。
ポイントによる決済手段の提供はもちろん、インバウンド向けの国際決済にも対応しているので、リピーターに優しく、グローバルスタンダードな決済システムを構築できます。セキュリティ対策も国際基準に則って行われているため、不正使用などを心配する必要はありません。
- 電子マネー対応
- QRコード・バーコード対応
- デビットカード対応
- クレジットカード決済
- コンビニ決済対応
- キャリア決済対応
- 口座振替対応
- 銀行振込(バーチャル口座)対応
- ペイジー決済対応
- 払込票決済対応
これだけは押さえておきたい!決済代行会社を選ぶポイント2点
決済代行会社は探し出すとさまざまな企業が存在するため、どれか1社を選ぶとなると、頭を悩ませてしまうこともあるでしょう。決済代行会社を選ぶ上では、豊富な決済手段を揃えているかどうか、そしてセキュリティ対策を怠っていないかどうかが、主な決め手となります。自社にあった決済代行会社選びが中々全身しないという場合はこの2つの軸を念頭に置いて考えてみることをおすすめします。
- 豊富な決済手段があるか
- セキュリティ面がしっかりしているか
豊富な決済手段があるか
豊富な決済手段があるかどうかですが、これはクレジットカード会社の種類はもちろんですが、決済方法そのものの多様さにも注目することが重要です。例えばクレジットカード決済以外にも、交通系ICカードや、QRコードなどのその他のキャッシュレス決済サービスを備えている場合、これらを別個に導入する必要がなくなるため、決済管理の一本化につながります。
また決済手段が豊富であればあるほど、実際にすぐに導入はしなくとも、後ほど必要になったときに申請をスムーズに行えるため、今は必要なくてもあるにこしたことはない、というのがポイントです。手数料も踏まえ、手数の多い会社を選びましょう。
セキュリティ面がしっかりしているか
決済システムの導入に際して、やはり欠かせないのがセキュリティの問題です。近年はサイバー犯罪の増加も大きな社会問題となっており、クレジットカードのスキミングやECサイトへのハッキングによる情報漏洩や不正使用など、多くのリスクが世の中には溢れています。これらは個人レベルで対応することは難しく、高度なセキュリティ環境を構築したシステムを利用することで、発生のリスクを抑えられます。
決済代行会社を選ぶ場合には、セキュリティにどれくらい力を入れており、どんな脅威を回避できるのか、というところに注目しながら商品やサービスを選ぶようにしましょう。
まとめ:自社に合った決済代行方法を導入して売上アップにつなげよう
今回は、決済代行会社を利用するメリットや具体的にどれくらいの効果を得られるのかについて、カード会社との直接取引と比較しながらご紹介しました。カード会社と直接やりとりするのに比べ、手数料は発生するものの、代行会社の利用は非常にスマートなだけでなく、セキュリティ対策にも効果があるなどのメリットを得られます。
近年は各社とも豊富な決済手段を揃えているため、丁寧に選べば自社のニーズへフィットする会社はうまく見つけられるでしょう。大手代行会社をお探しの際には、以下の記事も参考にしてください。
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