クレジットカード決済の導入にかかる平均費用と料金相場【完全版】
ソフトバンクグループの決済代行サービス・SBペイメントサービスが2018年に行った調査によると、ネット通販におけるクレジットカードの利用率は約79%。スマホ決済やアプリなど支払い方法が多様化するなかでも、クレジットカードは依然としてキャッシュレスの中心的な役割を担っています。 実際のところ、「現金の持ち合わせがなくても買える」、「ポイントが貯まる」、「代引きは面倒」といった理由からカードでしか買い物をしない人は少なくありません。通販会社やECサイト運営会社にとって、クレジットカード決済の有無は売り上げを大きく左右するポイントの1つと言えるのではないでしょうか。 この記事ではそんなクレジットカード決済の導入費用について解説します。あわせて決済代行サービスを選ぶ際のポイントなどもご紹介するので、カード決済の導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
- 1.決済代行サービスの費用相場
- 2.クレジットカード決済の導入費用の算出方法
- 3.業態と売り上げ規模別に見る費用の相場
- 4.なぜ価格が違う?価格差の出る理由
- 5.実際にクレジットカード決済の料金を調べてみた
- 6.決済代行サービス選びで失敗しないためには
- 7.決済代行サービス選びで迷ったらアイミツSaaSへ
1.決済代行サービスの費用相場
クレジットカード決済の導入費用を紹介する前に、決済代行サービス全般の費用相場を解説します。
項目 | 一般的な費用相場 |
初期費用(システム導入費用) | 3万円~8万円 |
月額手数料 | 3,000円~8,000円 |
決済手数料 | 決済金額の2%~10%前後 |
トランザクション費用 | 決済1回あたり数円~数十円ほど |
注目したいのは決済手数料。決済ごとにかかる手数料なので、商品・サービス数が多いほど費用がかさみます。商品の金額によって割合が異なる場合もあるので、導入時には必ずチェックしましょう。
2.クレジットカード決済の導入費用の算出方法
クレジットカード決済代行にかかる費用の主な内訳は、初期費用、月額費用、決済手数料の3つ。なかでも最も大きな割合を占めるのが決済手数料です。
決済手数料のパーセンテージは商材や売り上げ規模によって変わり、基本的に買い物客と購入件数が増え、毎月の売り上げが上がるほど支払う金額も高くなります。
ちなみにコンビニ決済やスマホ決済と比べるとクレジットカード決済の手数料率は高めなので注意。これは、決済代行サービスの取り分に加えてカード発行会社の利益、カードブランド(Master Cardなど)のブランド使用料も含まれているからです。
費目別に見るクレジットカード決済の費用の相場
費用 | 相場 |
初期費用 | 1万円から5万円 |
月額料金 | 月額3,000円から8,000円 |
決済手数料 | 決済金額の3%から10% |
トランザクション料 | 決済1件につき5円から15円 |
ここからは費目別の相場について詳しく解説していきます。
初期費用
クレジットカード決済に必要な決済システムを導入する際にかかる費用です。ネットショップや予約サイトへのシステム組み込み、導入サポート、初期設定の人件費、アカウント発行にともなう手数料などが含まれます。
初期費用の一般的な相場は1万円から5万円前後。以前と比べると低価格化しており、なかには初期費用無料の決済代行サービスもあるようです。
月額料金
決済システムを利用するにあたってかかる基本料金です。決済代行サービスのサーバー代、顧客データの管理費用などが含まれ、決済金額にかかわらず毎月定額で発生します。
月額費用の一般的な相場は3,000円から8,000円前後。前述の初期費用と同様、低価格化・無料化が進んでおり、1万円以上の月額料金を設定しているところはほとんどありません。
決済手数料
決済に対して発生する手数料です。クレジットカードの決済手数料は販売する商材によって違いがあり、食品や日用品、衣類などはおおむね3%から5%前後が相場。一方、エステサロンや美容クリニック、婚活支援サービスなどでは5%から10%前後になります。
サービス業の決済手数料が高めなのは、物販よりもデフォルト(未払い)のリスクが高いから。
たとえば会員制のエステサロンでは、サービスの質に満足できなかった顧客が料金の支払いを渋る、リボ払いが遅れるというケースが少なくありません。そのため、代金が未回収になるリスクに備えて、あらかじめ決済1件あたりのパーセンテージが割高に設定されているのです。
トランザクション料
決済時のデータ処理を行なう際にかかる費用(決済代行サービスへのデータ取り次ぎ費用)です。一般的な相場は決済1件あたり5円から15円前後。決済代行サービスや契約プランによっては、あらかじめ月額料金に組み込まれていることも少なくありません。
見落としがちな費用にも注意
商品のキャンセル、返品交換があった場合、上記のほかに取り消し手数料がかかります。相場としては1件あたり5円から15円ほど。それほど高額ではないものの、サイズ違いによる返品交換が発生しやすいアパレル販売店などは、決済手数料と同様、常に発生するコストという意識を持っておいた方がいいでしょう。
【これだけは押さえておきたいポイント】
・初期費用の相場は1万円から5万円前後
・月額料金の相場は月額3,000円から8,000円前後
・決済手数料の相場は決済金額の3%から10%前後
未払いのリスクがあるサービス業はやや高め
・トランザクション料の相場は決済1件につき5円から15円前後
・その他、注文のキャンセル、返品交換があった場合に取り消し手数料がかかる
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3.業態と売り上げ規模別に見る費用の相場
業態/売り上げ(月商) | 相場 |
食品や日用品を取り扱うネットショップ/月商100万円 | 月額3万円から6万円 |
エステサロンや美容系クリニック/月商300万円 | 月額15万円から30万円 |
次に業態・売り上げ別にクレジットカード決済の費用を見ていきましょう。
食品や日用品を取り扱うネットショップ/月商100万円
食品や日用品を販売する月商100万円前後のネットショップが、クレジットカード決済を導入するとしましょう。
その場合、費用の相場は月額3万円から6万円前後。これに初月のみ平均3万円前後の初期費用が加わります。
単価の安い商品の場合にはスマホのキャリア決済を利用する買い物客も多いため、それらを組み合わせることでさらに決済コストを下げることも可能です。
また、決済代行サービスやクレジットカード会社の多くは、顧客の売り上げが増えるにつれて手数料率が下がる料金体系を敷いています。そのため、事業規模が大きくなれば決済1件あたりの単価は抑えられるでしょう。
エステサロンや美容系クリニック/月商300万円
前述の通り、エステサロンや美容系クリニックといったサービスはデフォルト(未払い)のリスクが高く、その分クレジットカード決済の手数料率が割高に設定されています。
月商300万円前後のエステサロンや美容クリニックがクレジットカード決済を導入すると、費用の相場は月額15万円から30万円前後。
ちなみに美容系サービス業は審査のハードルも高く、開業したての場合などはカード会社と契約を結べないことも。最近ではそうした課題を持つ顧客からのニーズを見据え、美容系サービスに特化した決済代行サービスも増えきているようです。
【これだけは押さえておきたいポイント】
・食品や日用品を販売するネットショップ(月商100万円)が
カード決済を導入した場合、費用の相場は月額3万円から6万円前後
・エステサロンや美容系のクリニックが(月商100万円)が
カード決済を導入した場合、費用の相場は月額15万円から30万円前後
4.なぜ価格が違う?価格差の出る理由
ここまで見てきた通り、クレジットカード決済の費用のうち最も大きな割合を占める決済手数料は、商材と売り上げ規模に応じて決まります。決済代行サービスによる違いはそれほどありません。
ただし、各決済代行サービスの料金体系の違いによって、初期投資とランニングコストの比率が変わってくることはあるようです。
たとえば大手のなかには、初期費用が安い反面、月額料金がやや割高に設定されているところも。手持ちの資金と将来的な売り上げ見込みなどを照らし合わせつつ、自社に合った会社を選びましょう。そのためにはやはり、複数社から見積もりをとることが大切ではないでしょうか。
【これだけは押さえておきたいポイント】
・決済代行サービスによる料金の違いはそれほど大きくない
・ただし、料金体系によって初期費用とランニングコストの比率は変わる
・導入の際は手持ちの資金と売り上げ見込みを照らし合わせ、
自社に合う会社を選びたい
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5.実際にクレジットカード決済の料金を調べてみた
実際にクレジットカード決済の料金を公開している決済代行サービスを見つけたので、参考までにご紹介します。
株式会社Aのサービス
費目 | 料金 |
初期費用 | 1万5,000円(エンジニアによる導入支援が必要な場合、別途費用あり) |
月額料金 | 4,500円(対象期間の売り上げが10万円以上の場合は無料) |
決済手数料 | 決済金額の3.4%から4.4% |
株式会社Bのサービス
費目 | 料金 |
初期費用 | 無料 |
月額料金 | 5,000円 |
決済手数料 | 決済金額の4%から5% |
6.決済代行サービス選びで失敗しないためには
ここまでクレジットカード決済の費用について解説してきましたが、実際に決済代行サービスと契約する際にはどんな点に目を向けるべきなのでしょうか。決済代行サービス選びのポイントを3つに分けてご紹介します。
セキュリティ体制
顧客の個人情報やカード情報が万が一流出すれば社会的な信用も失われ、事業継続も危うくなります。契約先を選ぶ際は初期費用や手数料率に加え、セキュリティ体制にもしっかり目を向けましょう。
具体的な条件としてISO27001(情報セキュリティマネジメント)もしくはプライバシーマークの認証は必須。そのうえで大手ECサイトや上場企業と取引している決済代行サービスなら、安心して契約できるのではないでしょうか。
入金サイクル
入金サイクルも大切なポイントの1つです。
月末締めの翌月10日払い、20日締めの翌月末払いなど、代金の入金サイクルは決済代行サービスによってさまざま。とりわけ開業したての場合、資金繰りに大きな影響をもたらします。その反面、他の取引先への支払いと入金のタイミングを揃えられれば、経理処理をまとめて済ませることができるでしょう。
決済システムの使い勝手
買い物客が入力したデータの処理が遅い場合や、次のステップへのボタンの位置が分かりにくい決済システムは、いわゆる「カゴ落ち」の原因になってしまいます。同様に、管理者側の画面の使い勝手が悪ければ、経理処理が滞ってしまう場合もあるでしょう。
契約前にデモ画面に触らせてもらい、操作性に優れた決済システムを提供しているサービスを選んでおけばそのような失敗は減らせるはずです。
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7.決済代行サービス選びで迷ったらアイミツSaaSへ
今回はクレジットカード決済の導入にかかる費用について解説しました。決済システムを選ぶ際、参考になれば幸いです。
アイミツSaaSでは、自分にあった決済代行サービス選びに関するご相談を受け付けています。
利用料金は無料ですので、以下の「一括見積もりをする(無料)」からお問い合わせください。



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