給与明細電子化の同意書は必要?電子化する手順やメリット・デメリットも解説【2025年最新版】
給与明細の発行は、毎月発生する組織の重要かつ定型化された業務です。従来は紙で手渡すか、会社から郵送するというのが一般的でしたが、最近では明細の電子化やWeb発行に置き換わりつつあります。この記事では、そんな給与明細の電子化に従業員の同意書が必要なのか、電子化でどのようなメリットが得られるのかについて、解説します。
給与明細電子化に同意書は必要か
これまで給与明細を紙で配布してきた企業にとって、給与明細の電子化は大きなデジタルシフトとなります。会社から紙で渡されるのに慣れていた社員にとっては、いきなり明細が来なくなったと不安に感じることもあるでしょう。給与明細の交付は、所得税法によって企業が義務付けられている取り組みです。
また、近年のデジタル化に伴い、給与明細を電子化して配布することも許可されています。ただ、給与明細を電子化して交付する際には従業員の同意が必要であり、請求があった場合には紙で交付しなければなりません。事前に同意書を作成して、従業員から電子化の同意を得ておきましょう。
給与明細電子化の手順
これまで紙で交付していた企業の場合、給与明細の電子化は概ね以下のような手順で進められます。
従業員から給与明細電子化の同意を得る
給与明細の電子化にあたって、まず進めるべきなのが従業員の同意の獲得です。給与明細の交付が義務付けられているのはもちろん、電子化は経営者の都合でいつでも行えるわけではなく、電子化の同意を従業員から得ることが義務付けられており、同意が得られない従業員は紙での交付が必要です。電子化のメリットは大きく、経営者はもちろん従業員にも恩恵があります。給与明細の電子化によって何が変わるのか、どんなメリットがあるのかなどを正しく伝え、理解してもらうことにより、双方が利益を得られるよう促しましょう。
給与明細電子化に使用するツールを導入する
給与明細の電子化を推進する上では、専用のツール導入が必要です。給与明細の電子化に特化したツールを導入することで、給与計算業務や明細の交付負担が大幅に改善されるので、積極的に活用しましょう。給与明細の電子化ツール選びのポイントは、既存の給与明細のフォーマットをほぼそのままの形で維持できるか、勤怠管理システムなど、他の既存システムとの連携ができるかといった点が挙げられます。
自社の予算に応じて最適なものを選ぶことも大切であるため、複数のシステムから予算内で最も最適なサービスを探し出せるのがベターです。
ツールを通じて電子化された給与明細を配信する
従業員の同意と電子化ツールを導入できたら、実際に給与明細の電子化作業を進めます。電子化された給与明細は、従業員のメールアドレスに明細書を送信することはもちろん、Web明細という形でアドレスを送信し、アドレスを経由して閲覧してもらうことも可能です。他にも従業員専用のアカウントを発行し、各アカウントに明細書を交付するという方法も選ぶことができます。
サービスによっては給与明細の電子化システムをすぐに使い始めることが難しく、使い方を覚えるための研修を受けなければならないこともあるでしょう。導入の際には時間や人的な余裕を持って推進し、運用を開始することが大切です。
セキュリティ対策にも要注意
給与明細の電子化は、業務効率化や閲覧が簡単になるなどの多くのメリットが期待できますが、一方で気を付けておかなければならないのがセキュリティ対策です。世界では企業を狙ったサイバー攻撃が増加傾向にあり、日本も例外ではなく、多くの企業がサイバー攻撃の脅威にさらされています。セキュリティ対策に優れたサービス導入を推進しないと、従業員の情報漏えいや、会社の機密情報の流出、身代金の要求などの被害に遭うかもしれません。
サービスそのもののセキュリティ対策はもちろんですが、自社でも独自にサイバーセキュリティを強化し、リスクを最小限に抑える取り組みが大切です。
給与明細を電子化するメリット
給与明細の電子化によって、具体的には以下のようなメリットが得られます。
紛失・再発行リスクが減る
給与明細を紙で発行する必要がなくなれば、紛失や再発行のリスクを回避することができます。紙で給与明細を発行する場合、明細書がなくなった際にはその都度再発行の申請をしなければならず、従業員も会社も手間が増えてしまい面倒です。電子化された給与明細なら、いつでも好きな時に閲覧できるのはもちろん、ダウンロードも可能なので、紛失のリスクは無くなります。
発行コストを抑えられる
給与明細の発行にかかるコストを抑え、会社の負担削減につながるのも給与明細電子化のメリットです。給与明細の発行には紙台や印刷費用が定期的にかかるだけでなく、明細書を郵送するためのコストもかかります。これらの費用は従業員数が増えれば増えるほど大きくなるため、企業の負担は規模に比例して大きくなり、成長を阻害する要因となるでしょう。給与明細の電子化は、このような企業が抱える無駄を省き、スマートな組織文化を育むことに繋がります。
個人情報の漏えいリスクが減る
給与明細を電子化し、紙への発行を撤廃することで、会社から個人情報が流出してしまうリスクの低下にも繋がります。紙で給与明細を発行する場合、そこには多くの個人情報が記載されているため、廃棄にはある程度気を配らなければなりません。給与明細を電子化してしまえば、不用意に給与明細を紙に出力する必要はなくなり、第三者に個人情報が筒抜けになってしまうリスクを回避できるでしょう。
業務効率化につながる
給与明細を電子化するだけで、経理担当者の業務効率化や、関連業務の効率化が進みます。給与明細発行の負担が減るのはもちろんですが、給与情報を従業員情報や勤怠情報と紐付けて一元管理するのにも役立つためです。給与計算と勤怠管理、そのほか会見関連のシステム同士で連携されることで、さらなる業務効率化が期待できます。積極的に業務を電子化し、効率的な業務遂行を実現しましょう。
給与明細を電子化するデメリット
給与明細の電子化は確かに便利ですが、導入前に注意しておくべきデメリットもあります。
情報漏えいリスクはゼロにならない
まず、給与明細を電子化することはセキュリティ対策を強化することに直結するとは限らず、むしろ新しいセキュリティリスクを誘発してしまう可能性もあります。例えばクラウド上にあるデータベースへの不正アクセスのきっかけを与え、社内情報が丸ごと外部に漏れてしまう、という事件のきっかけになることもあるでしょう。セキュリティ対策を徹底的に強化し、リスクを最小限にとどめる努力を別途続けることが大切です。
既存システムとの連携を確認する必要がある
システム連携を強化することで、給与明細の電子化はさらなる業務効率化のきっかけとなることができます。ただ、給与明細電子化システムが全ての既存システムと連携できるとは限らないため、互換性のある製品同士で揃えなければなりません。導入前にシステム同士の相性を確認し、正しい連携効果が得られるかをチェックしておきましょう。連携が既存システムとできない場合は、既存システムの入れ替えを検討するのも有効です。
まとめ
この記事では、給与明細を電子化するのに同意が必要なのかについてや、給与明細の電子化の際に知っておきべきメリットとデメリットについて、解説しました。給与明細の電子化はさまざまな恩恵を会社にもたらしてくれますが、一方で注意しておくべき点もあります。PRONIアイミツでは、そんな給与明細の電子化に貢献するサービスを、あなたのニーズに合わせて選定するお手伝いを提供します。システム導入を検討の際には、お気軽にご相談ください。
探すのに時間がかかる
相場がわからない
複数を比較しづらい
プロが代わりに探して紹介します!