給与明細や源泉徴収票は電子化可能!メリットやおすすめシステム紹介【2025年最新版】
給与明細や源泉徴収票の発行は企業に義務づけられていますが、電子化によってその負担は従来よりも格段に軽減されています。この記事では給与明細や源泉徴収を交付する流れや電子化のメリットとあわせて、おすすめのシステムを紹介します。給与明細や源泉徴収の電子化を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
- 給与明細や源泉徴収票は電子化してもOK
- Web給与明細/源泉徴収票を交付する流れ
- Web給与明細や源泉徴収票についてよくある疑問
- 給与明細や源泉徴収票は電子化するメリット
- Web給与明細/源泉徴収票の発行におすすめのシステム3選
- まとめ
給与明細や源泉徴収票は電子化してもOK
給与明細や源泉徴収票は紙による作成が一般的でしたが、2006年に税制改正時に法的に認められたことから、近年ではデジタル化の一環としてこれらを電子化する企業が増加傾向にあります。
従来は紙での発行・保管が義務づけられていましたが、現在はそれも撤廃されており、デジタルでの運用がスタンダードになりつつあるのです。給与明細と源泉徴収票の電子化は、企業はもちろん従業員にも多くのメリットが期待できます。
Web給与明細/源泉徴収票を交付する流れ
給与明細や源泉徴収票の電子化が認められている現在では、以下の流れでの交付が一般的です。それぞれのステップについて詳しく解説していきます。
電子化について受給者から承諾を得る
帳票の電子化は法的に認められているものの、紙媒体から電子媒体への切り替えにあたっては事前に給与の受給者である従業員の承諾を得なければなりません。紙の給与明細や源泉徴収票に慣れ親しんでいる従業員が抵抗感を示すことを想定し、電子化のメリットをわかりやすく資料にまとめたり、システムの操作マニュアルを用意しておくなど、全社で一眼となって電子化を進められるような構築づくりに取り組むのが理想でしょう。
Web給与明細/源泉徴収票を発行できるツールを導入する
給与明細や源泉徴収票を電子化してWeb上で閲覧できるようにするためには、専用ツールの導入が不可欠です。近年は多くのWebサービスが登場しており、会社の規模やニーズ、予算などに応じて製品を選ぶことができます。「現在は自社で開発したツールを使用している」という場合でも、既存製品を活用するほうが運用効率やコストパフォーマンスが改善されると考えられるので、乗り換えを検討してみることをおすすめします。
Web給与明細/源泉徴収票を閲覧できるよう環境を整備する
Web給与明細や源泉徴収票を適切に活用するためには、導入したツールをきちんと運用するための環境整備も進めなければなりません。具体的には、新たなシステムへのデータ移行や統合データベースの構築、セキュリティ対策などがあげられます。
Web給与明細、源泉徴収票は個人情報でもあるので、第三者による閲覧や不正アクセスは回避する必要があります。利便性を維持しながらも、安全性の確保が求められるのです。
Web給与明細/源泉徴収票を発行して交付する
運用環境が整ったら、システムを用いてWeb給与明細や源泉徴収票を発行・交付します。操作方法は導入するシステムによって異なりますが、基本的には従業員ごとにIDを付与すると場所を問わず給与明細や源泉徴収票をWebから確認できるようになります。
PCはもちろんスマートフォンやタブレットからもえっつらんできるので、紙と比較すると利便性が大幅に改善されます。システムの操作マニュアルや「よくある質問」を作成すれば、利用促進・定着にもつながるでしょう。
Web給与明細や源泉徴収票についてよくある疑問
Web給与明細や源泉徴収は、運用する中ではじめて生まれる疑問もあると考えられます。ここからは、利用にともなって生まれがちな疑問について解説します。
Web源泉徴収票は確定申告に使えるのか
従来、確定申告では申告書類とあわせて源泉徴収票の提出が必要であったことから「Web源泉徴収票では提出ができないのでは」と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、現在は確定申告への源泉徴収票の添付義務は廃止されているので、この悩みは不要だと言えます。
何らかの理由で紙の源泉徴収票が必要な場合は、システムからデータをダウンロードすれば印刷が可能です。必要に応じて紙とデータを使い分けるとよいでしょう。
Web給与明細/源泉徴収票を断られたら?
給与明細や源泉徴収票の電子化が許されるのは、あくまでも従業員の承諾を得られた場合です。従業員から「給与明細や源泉徴収票を紙で発行してほしい」と要望があった際には、企業はそれに応えなければなりません。
ただし、近年は紙の帳票を利用するメリットは企業・従業員の双方にとって小さくなっており、将来的には電子に切り替えるのが理想的です。電子化のメリットを資料にまとめて説明するなど、理解を促す機会を作りましょう。
給与明細や源泉徴収票を電子化している割合はどれくらい?
給与明細や源泉徴収票の電子化を検討しているものの「実際にどの程度の企業が電子化しているのかが気になる」という方もいるのではないでしょうか。ペーパーロジック社が2021年に都内勤務の会社員を対象に実施した調査(※)の結果では、「(自分の会社では)給与明細が電子のみで発行されている」という回答が53.2%と半数以上にのぼることが判明。「紙と電子の両方」を含めると、80%以上の人が勤務先の給与明細が電子化されている回答したことになります。
また、近年では現金ではなく電子マネーによる給与支給を希望する声も増加しており、さまざまな面でデジタル化が進んでいることがうかがえます。
※出典:ペーパーロジック株式会社「【リサーチ】4⽉25⽇は「ファーストペイデー(初任給の⽇)」! 給与明細って紙?」
https://paperlogic.co.jp/news_20210426/
電子化同意書のフォーマットは?
従業員に給与明細や源泉徴収票の電子化に関する同意を得るにあたっては、同意書をどのように作成するかお困りの方もいるでしょう。しかし、実は電子化同意書の書式に方的な決まりはないので、任意のフォーマットでの作成が可能です。記載すべき項目(※)は以下の通りです。
(1)電子交付する書類の名称(給与所得の源泉徴収票、給与支払明細書の別等)
(2)電磁的方法の種類やその具体的な方法
(3)受信者ファイルへの記録方法(XML形式、PDF形式、暗号化して記録する旨および復号化方法等)
(4)交付予定日(毎年●月●日までに交付、給与支給日に交付等)
(5)交付開始日
(6)その他参考となる事項
※出典:国税庁「基本的な事項」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/denshikofu-qa/answer.htm#q1
給与明細や源泉徴収票は電子化するメリット
給与明細や源泉徴収票の電子化には、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で具体的に解説します。
コストカットできる
電子化によって期待できる最大のメリットとも言えるのが、業務効率化にともなうコスト削減です。給与明細や源泉徴収票を紙で作成すると用紙代や印刷代、郵送代などが発生します。企業規模が大きいほど、これらのコストは高額になりやすいでしょう。
しかし、給与明細や源泉徴収票を電子化すれば、これらのコストが不要になります。さらに、紙の帳票を保管しておくスペースも削減できるので、空いたスペースの有効活用にもつながるでしょう。
業務を効率化できる
給与明細や源泉徴収を紙で作成・発行するには、都度印刷や配布、郵送の必要があります。これらの作業は事業の成長には直接関係がないにもかかわらず、担当者にとっては大きな負担となり、それによって残業時間が増加すれば人件費も膨らんでしまいます。
給与明細や源泉徴収票の電子化は、発行・交付にともなうすべての手続きをPCから行えるため、作業にかかる時間の大幅な削減が可能です。帳票の発行にかかる時間や手間を抑えられれば、より重要な業務に集中できる環境づくりにもなるでしょう。
紛失リスクが減る
書類の紛失リスクを低減できるというのも、給与明細や源泉徴収票を電子化するメリットの1つです。紙での発行・保存を続けているとオフィスのスペースを圧迫するだけでなく、適切な管理が難しくなります。誤って必要な書類を破棄してしまったり、帳票が配布されないまま放置されることもあるでしょう。
一方で、電子化された給与明細や源泉徴収票は、データベースに情報が保存されるので削除しない限り紛失のリスクはありません。安心して帳票を保存・管理できるでしょう。
過去のデータも調べやすい
給与明細には保存の義務がないことから、企業によっては過去のデータが存在しないというのも珍しくありません。しかし、何らかの事情で過去のデータが必要になった際には、給与明細をすぐに探し出せれば負担を軽減することができます。
給与明細や源泉徴収票の電子化は、このように過去のデータが必要になった場面にも役立つものです。データベースの検索機能を使えば、スピーディーに必要なデータへたどり着けるのでキャビネットや倉庫で1枚ずつ帳票を確認する必要もありません。
いつでもどこでも確認できる
従業員がWebブラウザからいつでも給与明細や源泉徴収票を確認できるのも、電子化による大きなメリットです。紙の給与明細や源泉徴収票は、当然ながら手元にないっと内容が確認できません。郵送で配布される場合は届くまでに時間がかかるため、「今すぐ確認したい」という要望に応えられないこともあるでしょう。
Web給与明細システムを導入すれば、従業員は発行後すぐにWebブラウザから明細を確認できるので、リアルタイムでの確認が必要な際にも活躍します。
Web給与明細/源泉徴収票の発行におすすめのシステム3選
続いては、給与明細や源泉徴収の電子化におすすめの代表的なサービスを紹介します。
ジンジャー給与
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料金
月500円/ユーザー -
初期費用
なし
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最低利用期間
12ヶ月
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最低利用人数
10人
「ジンジャー給与」は、jinjerの提供する給与計算システムです。Web明細をスムーズに発行するための機能を備えているのが特徴で、シリーズ製品である「ジンジャー勤怠」や「ジンジャー人事労務」などと連携させるとより効率的な業務が実現します。コストを抑えて導入できる点や、充実のセキュリティにくわえて、多くの企業に導入されているというのも魅力と言えるでしょう。
- 明細配信・照会
- 源泉徴収票機能
- 電子明細利用承諾
- 明細項目マスタ・テンプレート設定
- 従業員情報登録
- 明細データCSVアップロード
- 明細PDF発行
- 年末調整機能
- 社会保険改定通知
- PCでの明細閲覧
マネーフォワード クラウド給与
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料金
月2,980円 -
初期費用
なし
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最低利用期間
なし
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最低利用人数
なし
「マネーフォワード クラウド給与」は、マネーフォワードの提供するサービスです。給与計算対象者の自動判定をはじめ、各種保険料や所得税などが自動で計算される機能があるため、業務負担軽減が期待できます。また、運用環境は最新の法改正や保険料率、増税などに合わせて無料でアップデートされるので、手間をかけずに常に最新の法律や税率などが反映された給与明細の発行が可能です。
- 明細配信・照会
- 源泉徴収票機能
- 電子明細利用承諾
- 明細項目マスタ・テンプレート設定
- 明細配信グループ作成
- 従業員情報登録
- マイページ発行
- パスワード変更・再発行
- 退職者閲覧期限設定
- 複数の管理者権限設定
SmartHR
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料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
「SmartHR」は、給与明細や源泉徴収票の電子化にくわえて、人事・労務に関するデータの一元管理や組織改善に役立つ機能を備えているサービスです。入社手続き・雇用契約や人事評価といった人事・労務業務はもちろん、人事評価や従業員名簿、従業員データベースなどもシステム上で管理できるので、幅広い業務の効率化を図りたいという場合にもうってつけと言えるでしょう。
- 明細配信・照会
- 過去2年分以上の明細閲覧
- 源泉徴収票機能
- 電子明細利用承諾
- 明細項目マスタ・テンプレート設定
- 明細パターン設定
- 明細配信グループ作成
- 従業員情報登録
- マイページ発行
- パスワード変更・再発行
まとめ
この記事では、給与明細や源泉徴収票を電子化する流れや電子化のメリットを解説するとともに、おすすめのシステムを紹介してきました。給与明細や源泉徴収票をWebから作成・発行・管理できる環境を構築できれば、用紙や印刷にかかるコストを削減できるだけでなく、従業員の利便性向上も実現できます。しかし、現在ではWeb給与明細に対応しているシステムが多く、自社に合った製品を探し出すのが負担という方もいるのではないでしょうか。
「PRONIアイミツ」では、給与明細や源泉徴収票の電子化に役立つシステムの比較検討に役立つさまざまな情報を提供しています。これらもあわせてご覧いただき、気になるサービスがある場合はお気軽にお問い合わせください。
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