Web給与明細とは?電子化のメリット・デメリットやサービスの選び方も解説【2024年最新版】
ビジネスの成長や生産性向上を目的に、業務方法や業務フローのデジタル化を推進する企業が増加傾向にあります。オンライン上で給与明細を閲覧できる「Web給与明細」の導入もデジタル化施策の1つです。
当記事では、Web給与明細の概要や活用のメリット・デメリット、サービスの選び方、活用事例などをまとめて紹介します。Web給与明細の導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
Web給与明細とは
Web給与明細とは、文字通り従業員の給与明細をWeb上で配布・閲覧できる仕組みのことです。データ化された給与明細を扱うため、作成や配布、閲覧、管理が容易になり業務効率化につながるだけでなく、ペーパーレス化にも貢献するなどさまざまなメリットがあります。
近年では幅広い業務のデジタル化が推奨されており、その一環として多くの企業がWeb給与明細を導入・活用しているようです。
給与明細を電子化する方法
Web給与明細は給与明細を電子化するサービスですが、電子化する方法は大きく分けて3種類があります。
(1)Web給与明細専用システムを使う
(2)Web給与明細対応の給与計算システムを使う
(3)Web給与明細対応の労務管理システムを使う
以下からは、それぞれの方法について解説します。
Web給与明細専用システムを使う
給与明細を電子化するもっとも一般的な方法は、Web給与明細の専用システムを利用することです。既存の給与計算システムと連携させれば、そのデータをもとに電子化された給与明細が自動で作成されるため、任意のタイミングで従業員へ配布することができます。
Web給与明細の専用システムは扱いやすく、比較的安価に導入できるというのも大きなメリットです。一方で給与計算機能は実装していないため、給与データは別のソフトで作成する必要があります。
Web給与明細対応の給与計算システムを使う
Web給与明細に対応している給与計算システムの使用も、給与明細を電子化する方法の1つです。給与計算から明細の作成・配布までの一連の流れを1つのシステム上で完結できるため、利便性・効率性に優れていると言えます。外部のシステムとの連携やデータ共有への対応可否を気にする必要もありません。
しかし、Web給与明細対応の給与計算システムの導入にあたっては既存システムを撤廃しなければならず、データ移行作業が発生するため注意が必要です。
Web給与明細対応の労務管理システムを使う
給与明細を電子化する方法として最後にあげるのは、Web給与明細対応の労務管理システムを使用する方法です。給与計算から明細の作成・発行に加え、入社手続きや社会保険や雇用保険の管理といった労務管理もまとめて行うことができます。さらに上位のシステムとして、人事管理に対応しているものもあります。
1つのシステムで労務管理全般が可能なため、利便性・効率性に優れているのが特徴です。しかし、多機能であることから初期費用・月額費用が高額な傾向にあります。
Web給与明細を活用するメリット
多くの企業がWeb給与明細を導入する背景には、さまざまなメリットが得られるという理由があります。ここからは、Web給与明細を活用するメリットを解説します。
配布や管理の負担を減らすことができる
Web給与明細を活用する代表的なメリットが、給与明細に関する一連業務の負担を大幅に軽減できることです。紙を使用した給与明細は印刷・封緘し、手渡しもしくは郵送で配布する必要があり、担当者の負担となっていると考えられます。配布・管理の過程で紛失するリスクがあるだけでなく、履歴の確認や再発行にも手間が生じます。
このような紙の給与明細にともなう課題をまとめて解決できるのは、人事部門にとっても従業員にとっても魅力と言えるでしょう。
ペーパーレス化でコストカットにつながる
紙を用いたアナログな業務は、用紙や印刷、封緘、発送の実費に加えて人的コスト・保管コストが生じることが問題視されています。給与明細の作成・発行も例外ではありません。
Web給与明細を導入すれば、給与明細に関する業務をシステム上で完結させられるため、ペーパーレス化によるコストカットが可能です。真逸t機発生するコストを削減することは、長期的に見れば経営にも大きなメリットをもたらすでしょう。
テレワークにも対応できる
Web給与明細を導入すれば紙の給与明細の作成・配布が不要となるため、テレワーク環境下での給与明細配布も容易に行えます。場所を問わず給与明細を作成・配布できるのはもちろん、従業員もオンライン上でいつでも自身の給与明細を確認することが可能です。
テレワークをスムーズに導入・運用するためには、あらゆる業務のデジタル化・ペーパーレス化の推進が欠かせません。毎月必ず発生する給与明細の作成・配布を電子化するメリットは大きいと言えるでしょう。
Web給与明細を活用するデメリット
Web給与明細の活用には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在しています。ここからは、Web給与明細の主なデメリットについて解説します。
従業員の同意を取らなければならない
Web給与明細の導入にあたっては事前に従業員からの合意を得る必要があり、一方的な判断による導入はできません。紙の給与明細に慣れ親しんだ従業員やITツールに抵抗のある従業員の反発があれば、スムーズな導入が困難なのは大きなデメリットと言えます。
合意を得る作業はWeb給与明細システムの機能で手軽に行えますが、反発が想定される場合は「Web給与明細を導入する意義・メリット」を周知する、賛成派の従業員に協力を求めるなどの工夫が必要です。
情報漏えいのリスクはゼロではない
Web給与明細は基本的にオンライン上で使用するため、システムへの不正アクセスによる情報漏えいや改ざんなどのリスクがあります。もちろん提供元は安全に利用できる環境の構築・維持に取り組んでいますが、リスクを完全に排除することはできない点を留意しておきましょう。
サービスの運用状況や稼働状況を定期的に確認するほか、従業員を対象に情報セキュリティ教育を実施するなどリスクを抑えるための対策を行うことも重要です。
Web給与明細サービスの選び方
ひとことにWeb給与明細サービスと言っても、各社からさまざまな製品が提供されており特徴や機能構成は異なります。ここからは、多数の製品がある中で自社に適したものを選ぶためのポイントを解説していきます。
すでに使用している給与計算ソフトに対応しているか
Web給与明細システムを選ぶ際にもっとも最重とも言えるのが、既存の給与計算ソフトに対応しているかという点です。使用している給与計算ソフトに対応していないWeb給与明細システムでは給与データを取り込むことができないため、当然ながらWeb給与明細の発行も不可能となります。
Web給与明細システムによって対応している給与計算ソフトは異なるため、先入観で判断せずに必ず対応可否を確認するようにしましょう。
費用面に無理はないか
Web給与明細システムの導入・運用にはコストが生まれるため、機能・性能の優れたシステムほど高額な費用が必要になる傾向があります。Web給与明細システムは長期的な使用が想定されるため、わずかな差であっても積み重なると大きな負担となってしまいます。
機能が多いほど運用コストが膨らみやすいので、Web給与明細システムを選ぶ際には「必要十分な機能を備えた製品を選ぶ」ことが重要です。
導入後に「思ったような費用対効果が得られなかった」という事態に陥らないためにも、無駄なコストがないかを細かに確認しましょう。
サポート体制は整っているか
Web給与明細システムは、導入以降は毎月必ず使用するものです。スムーズに導入を進めるのはもちろん、運用上の課題をすみやかに解決するためにもサポートの充実しているシステムを選ぶ必要があります。手厚いサポートのあるシステムを選べば、難航しがちな初期設定もスムーズに完了させられるでしょう。
「サポートよりもとにかく費用を抑えたい」と考える方もいるかもしれませんが、その結果導入・運用に手こずってしまえば本末転倒です。システムの導入に不慣れな場合は、サポートの有無や内容は必ず把握しておくようにしましょう。
安心して利用できそうか
Web給与明細システムは、従業員の毎月の給与とその内訳が記載された書類を作成・発行するものです。障害やトラブルの被害を受けずに安定して利用できるシステムを選ぶというのも重要なポイントと言えます。
安心して利用できるかどうかを見極めるためには、提供元の公開している情報だけでなく、実際に導入した企業の評判を確認してみるのがおすすめです。時間と手間のかかる作業ではあるものの、それだけ意味のあるものだと考えて取り組みましょう。
サービスを比較してみてベストと思えるか
Web給与明細システムの導入・運用には費用と時間、労力が求められるため、自社に合った製品を選ぶことが重要です。単に各システムの機能や性能、評判を確認するだけでなく、要件を満たす製品を徹底的に比較検討し「もっともニーズに合っている」と判断できるものを導入すべきでしょう。
候補となる製品をある程度絞り込んだら、トライアルを利用して操作性や使用感を確かめてみるのもおすすめです。多くの時間と労力を投下することにはなりますが、長期利用が想定されるシステムのため妥協せずに選定するのが大切と言えます。
Web給与明細の活用事例
自社のニーズに合ったWeb給与明細を導入するためには、システムの機能・性能の比較だけでなく実際に導入した企業の事例を参考にするのもおすすめです。ここからは、Web給与明細システムの活用事例を紹介します。
活用事例1 元気寿司株式会社
元気寿司は、国内外に店舗を持つ大手回転寿司チェーンの運営会社です。「寿司の代名詞になる」という目標達成に向けて事業を拡大する中で従業員は約6,000人にのぼり、手作業による給与明細の作成が課題視されていたことから、Web給与明細システムを導入しました。
Web給与明細システムの導入後は、すべての従業員に対して給料日前に給与明細を配布できるようになったほか、年間500件を超えていた給与明細・源泉徴収票の再発行業務の削減に成功。さらに、従業員に対して「Web給与明細を導入した」ことの周知を徹底した結果、社外にも取り組みを知らせる機会になったそうです。
出典:大興電子通信株式会社 「元気寿司株式会社│導入事例」
https://www.daikodenshi.jp/case/genkisushi/
活用事例2 株式会社ビーピーエム アソシエイツ
ビーピーエム アソシエイツは、外資系企業の日本法人ならびに支社を対象としたアウトソーシングサービスを手がける会社です。顧客向けのオプションサービスとして、Web給与明細システムを利用しています。
外資系企業の給与計算や会計を担う中で、「外国の方は引っ越しが多く、給与明細を郵送しても届かない」という課題解決の手段としてWeb給与明細システムのニーズがあったと言います。現在は顧客企業の約1割がWeb給与明細をしており、シンプルな画面設計・操作性が評価されています。
日本語だけでなく英語にも対応しているWeb給与明細システムを導入したことで、顧客満足度の向上にもつながったそうです。
出典:株式会社ウェブインパクト 導入事例 株式会社ビーピーエム アソシエイツ様
https://www.webimpact.co.jp/web_q/casestudy/
まとめ
Web給与明細システムは、給与明細の作成・配布をより効率的に行うのに便利なツールです。紙の給与明細の作成・配布にともなう作業負担を課題視する方やデジタル化による業務効率改善、テレワークの推進を希望する会社には特におすすめと言えるでしょう。
「PRONIアイミツ」では、さまざまなWeb給与明細システムの特徴や機能、事例などを掲載しています。Web給与明細の導入を希望される方は、ぜひ比較検討にお役立てください。
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