チャットボットで予約受付を効率化しよう!活用事例とおすすめツール3選
飲食店やホテル・旅館、観光施設などを運営していく上で欠かせないのが予約受付業務。顧客との接点、意見や要望の受け皿となる大切な仕事だとわかってはいても、「受付業務にかかるコスト、人件費をなんとかしたい」、「できれば他の仕事に人手を回したい」と考えていらっしゃる経営者の方も多いのではないでしょうか?
そうした方におすすめなのが、今回取り上げるチャットボット。スタッフに代わって顧客対応を巻き取ってくれるツールです。チャットボットは予約受付にどんなメリットをもたらすのか、導入にあたってはどんな点に注意すべきなのか、実際の活用事例とあわせて見ていきましょう。
- チャットボットとは
- 予約受付にチャットボットを利用するメリット
- 予約受付にチャットボットを活用している企業の事例
- チャットボットを選ぶポイント
- 予約システムとして使えるチャットボット3選
- まとめ:チャットボットで予約受付業務の生産性をアップ!
チャットボットとは
チャットボットはchat(テキスト形式の会話)とbot(ロボット)を組み合わせた造語であり、自動的に会話を進めるプログラム・ツール全般の総称です。
身近なところでは、iPhoneに搭載されているSiri、Amazonのスマートスピーカー・Alexaもチャットボットの1つ。導入することで、顧客からの要望や問い合わせを自動的に受け付けた上で、回答や選択肢を提示できるようになります。
チャットボットはその仕組みによって大きく2種類に分けられ、あらかじめ設定したシナリオに沿って会話を分岐させ、回答を表示するタイプは「ルールベース型」。蓄積されたデータ(問い合わせ履歴など)に対して機械学習を重ねた上で、テキストを分析し、統計的に最適だと考えられる回答を表示するタイプは「AI(人工知能)搭載型」と呼ばれます。
日本国内におけるチャットボットの市場規模は、2022年に130億円以上に達すると見込まれており、業種・規模を問わず導入を進める企業が少なくありません。
予約受付にチャットボットを利用するメリット
続いてはメリットについて。予約システムとしてチャットボットを利用すると具体的にどんな利点があるのか、大きく3つに分けてご紹介します。
24時間365日対応できる
1つめのメリットは、24時間365日体制で対応できること。チャットボットを導入すれば、残業代や手当を支払って深夜・休日に従業員を常駐させる必要はなくなり、顧客からの予約を常時受け付けられるようになります。
おのずと予約の取りこぼしは減り、コスト削減とあわせて売上アップが期待できるでしょう。またチャットボットは電話と違い、話中で相手を待たせたり通話が途切れたりすることもないため、顧客側のストレスが軽減され、顧客満足度の向上も見込めるはずです。
多言語対応できる
2つめは多言語対応。現在リリースされているチャットボットのなかには、外国語に対応しているものが少なくありません。
たとえば、ObotAIが提供しているAI搭載型のチャットボット「ObotAI」は、日本語のほか英語、中国語、ベトナム語など7ヵ国をカバーし、会話テキストをそのまま保存することが可能です。こうしたチャットボットを導入すれば、辞書やスマートフォンの翻訳アプリを使わなくても、外国人からの予約をスムーズに受け付けられるようになります。
参考:https://obot-ai.com/
ヒューマンエラーを防げる
予約受付におけるヒューマンエラーを未然に防げるのも、チャットボットの大きなメリットの1つです。飲食店や観光施設のスタッフが長時間にわたって電話での予約対応にあたっていると、予約日や人数を聞き間違えたり、予約内容のメモを書き損じてしまったりすることがありますが、チャットボットは疲労やストレスとは無縁。会話のベースとなるシナリオやデータがきちんと整備されていれば、対応を誤ることはありません。
予約受付にチャットボットを活用している企業の事例
次は実際にチャットボットを予約受付業務に活用している4社の事例を見ていきましょう。
株式会社モンテローザ
魚民、白木屋といった居酒屋チェーンを中心に、全国に約1,700店の直営店舗を展開するモンテローザ。
AIチャットボット導入事例ページによると(クラスメソッド株式会社 https://classmethod.jp/cases/monteroza-chatbot/)、各店舗ではスタッフが電話で宴会の予約対応にあたっていたものの、ランチタイムの短時間に電話が集中することが多く、接客中のスタッフが応答できなかったり、顧客を長時間待たせてしまったりするケースが頻発していました。
その解決策として2018年に取り入れたのが、コミュニケ―ションアプリのLINEをプラットフォームとするAI搭載型チャットボット。導入後は24時間365日体制で自動的に予約を受け付けることが可能になり、スタッフの負担は軽減。予約の取りこぼし解消とあわせて顧客満足度の向上も見込めるようになりました。
株式会社ホテル京阪
店内向けモバイルオーダーサービス「O:der Table」の導入事例ページ(株式会社Showcase Gig https://www.showcase-gig.com/casestudy/hotelkeihan/)によると、関西エリアを中心にビジネスホテル、リゾートホテルを運営しているホテル京阪では、公式サイトにAI搭載型のチャットボットを導入し、顧客向けのコンシェルジュ業務を無人化しています。
サイトを訪れると画面右下にチャットボットが表示され、宿泊したいホテルや料金プランを選択することが可能。人数・日時を選んだ上で、支払いまでチャットボット上で済ませられます。さらに2021年からはホテル内のレストランなどにもAIチャットボットが導入され、手持ちのスマートフォン端末からメニューをオーダーできるようになりました。
こうした取り組みはポストコロナ時代の新たな接客のスタンダードとして注目を集めており、Webメディアなどで取り上げられる機会も少なくないようです。
医療法人社団壮明会 山﨑内科医院
対話型AIプラットフォーム「Cognigy」の導入事例ページ(TDSE株式会社 https://cognigy.tdse.jp/works/yamazaki-naika/)によると、「人を診る医療」をモットーにアレルギーや呼吸器官の診療サービスを手がけている山崎内科医院は、新型コロナワクチンの接種予約にAI搭載型チャットボットを導入しました。
接種時に必須となる事前の問診、接種条件の指定、希望日の登録受付などをドクター、スタッフに代わってチャットボットが行うことで、非対面・非接触の接種予約を実現しています。今後はインフルエンザワクチンの予約受付などにもチャットボットを活用していくようです。
ヤマト運輸株式会社
自動チャットサービスの導入紹介ページ(ヤマト運輸株式会社 https://faq.kuronekoyamato.co.jp/app/customer/detail/a_id/3554)によると、宅配サービス大手のヤマト運輸では、以前からサービスセンターで再配達や集荷の予約を受け付けていましたが、ネット通販市場の急拡大により、スタッフの負担が増加。
繁忙時に応答を取りこぼしてしまったり、顧客に通話料を負担させてしまったりする点にも課題を抱えていました。
そこで2018年に導入を決めたのが、LINEチャットボット。導入後は24時間365日体制で予約を受け付けられるようになり、懸案だったスタッフの負担や顧客満足度の低下を払拭しました。さらに伝票の発行などもチャット経由で行えるようにすることで、売上アップも実現しています。
チャットボットを選ぶポイント
人件費の削減、顧客満足度の向上などさまざまなメリットをもたらすチャットボットですが、導入にあたってはツールのどんな点をチェックすべきなのでしょうか?
料金
ITベンダー間の競争が進んだことで、以前と比べるとチャットボットの料金は下がりつつあるものの、ルールベース型はおおむね月額1万円から3万円前後、AI型は月額8万円から15万円前後の利用料(+製品によっては初期費用、サポート費用など)がかかります。
予約受付やカスタマーサポートのツールとして継続的に利用し続けることを考えると、決して安い買い物とは言えません。導入にあたっては必ず複数社から見積もりをとり、予約受付にかかる人件費と照らし合わせた上で費用対効果の見込めるツールを選びましょう。
やや手間はかかるものの、予算的に厳しい場合はLINEのチャットボット機能を使うのも1つ。LINEチャットボットの利用方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
連携機能
現在リリースされているチャットボットのなかには、ルールベース型・AI型問わず、ソーシャルメディアやほかの業務用ツールとデータを連携させることができるものも数多くあります。
売上管理システムや予約管理システムと連携させればチャットボットに登録されたデータをわざわざエクスポートする必要はなく、経理処理を大幅に効率化できるでしょう。
対応言語
予約受付システムとしてチャットボットを導入する場合は、対応言語も大事なポイントの1つ。前述の「ObotAI」のようなチャットボットなら翻訳する手間が省ける上、相手にストレスを与えることなくスピーディーに予約受付を済ませられます。
ポストコロの集客戦略としてインバウンド対応に力を入れていきたい飲食店や宿泊施設には、できるだけ多くの言語に対応しているチャットボットがおすすめです。
セキュリティ
チャットボットには相手の氏名や電話番号、メールアドレスのほか、銀行の口座番号、クレジットカード番号といったセンシティブな情報が蓄積されます。そうした情報が一度でも外部に漏洩してしまうと、事業者としての信頼は失われ、リカバリーするのは簡単ではありません。その点でセキュリティは非常に大事なポイントです。
具体的な条件として、暗号化通信(SSL)、ファイアウォール、データセンターにおけるデータバックアップは必須。その上で、できればプライバシーマークもしくはISO27001(情報セキュリティマネジメント)の認証を取得している開発元の製品を選ぶのがおすすめです。
サポート体制
チャットボットは顧客とのコミュニケーション、カスタマーサポートを目的とした比較的シンプルなツールではありますが、何らかの不具合によって動作が重くなったり、停止してしまったりする可能性はゼロではありません。万が一の事態に備えて、フォロー体制が充実している開発元の製品を選んでおくとより安心して運用できるでしょう。
たとえば、メディアリンクが提供しているチャットボット「sinclo」には初期設定のサポート、稼働後のヘルプデスクといった運用・保守サービスが付いており、800社以上に導入済み。ゼネラルリサーチ社が2019年に行ったチャットボットの市場調査で顧客満足度No.1に選ばれています。
参考:https://sinclo.medialink-ml.co.jp/
予約システムとして使えるチャットボット3選
最後は予約業務に使えるアイミツおすすめのチャットボットをご紹介します。いずれも使いやすさやリーズナブルな料金が人気を集めており、導入実績も豊富です。
-
料金
お問い合わせ -
初期費用
なし
-
最低利用期間
なし
-
最低利用人数
なし
anybot(エニーボット)は、エボラニが提供しているチャットボットです。自動会話のほか顧客データの自動分類、LINE、Facebookとの連携といった機能が搭載されており、専用のミニアプリによって予約受付業務にも対応します。
美容関連商品を販売するある企業ではanybotを導入し、Web面談ができる仕組みを構築したことで、顧客からの問い合わせが約2倍に増加。1ヵ月当たりの売り上げが約3.6倍に伸びました。注目ツールとして日経新聞などのマスメディアで取り上げられる機会も少なくないようです。
- CSVインポート(取込)機能
- CSVエクスポート(取出)機能
- IVR(自動音声応答)機能
- チャットデザインのカスタマイズ機能
- カルーセル(スワイプ範囲)の設定
- 送信メッセージの編集・削除機能
- イメージマップ(画像表示)機能
- テキストフォームの作成機能
- チャット開始時の通知設定
- タグ・属性追加時のシステム表示設定
ChatPlus
-
料金
月1,500円 -
初期費用
0円
-
最低利用期間
お問い合わせ
-
最低利用人数
お問い合わせ
ChatPlusは、チャットプラスが提供しているチャットボットです。業界トップクラスとなる約1万社への導入実績を誇ります。
5種類の料金プランが用意されており、5アカウントで利用できるビジネスプランは月額1万5,800円(税抜)、AI搭載型のチャットボットは月額15万円(税抜)で導入可能(いずれも年間契約の場合)。会話データの分析、ファイル添付といった多彩な機能のほか、開発元による丁寧なサポートも信頼を集めているようです。
- 有人対応機能
- サポート担当者の割り当て機能
- CSVインポート(取込)機能
- CSVエクスポート(取出)機能
- 企業情報の取得機能
- リード情報(アドレス)の取得機能
- IVR(自動音声応答)機能
- ログの管理機能
- チャット履歴のメール送信機能
- 特定ルールの設定
COGNIGY
COGNIGY(コクニジー)は、テクノスデータサイエンス・エンジニアリングが開発・販売を手がけるチャットボットです。高精度のAIが搭載されており、予約受付や接客、観光案内など幅広い局面に効果を発揮します。LINEやSlackとワンタッチで連携するほか、音声による会話も可能です。
加えて英語・中国語をはじめとする20種類の言語に対応しているのも魅力の1つ。インバウンド対応に力を入れている飲食店や観光施設にはぴったりのツールではないでしょうか。自治体への導入実績も少なくなく、熊本市ではCOGNIGYを活用して24時間365日体制で観光客をサポートできる体制を整えました。
まとめ:チャットボットで予約受付業務の生産性をアップ!
今回は予約システムとしてチャットボットを利用するメリットや実際に活用している企業の事例、導入にあたっての注意点などをご紹介しました。サービス選定の参考になれば幸いです。
なお、PRONIアイミツ(当サイト)では、ITツール受発注支援のプロとして、チャットボットツール選びについての相談を受け付けています。いくつかの質問に答えるだけで希望要件に合ったツールが分かる診断(無料)もありますので、ぜひ一度お試しください。
探すのに時間がかかる
相場がわからない
複数を比較しづらい
プロが代わりに探して紹介します!