IVR(電話の自動音声応答システム)とは?仕組みやメリットを解説
コールセンターやカスタマーサポートでは、IVR(電話の自動音声応答システム)による電話対応の自動化が拡大しています。IVRとは、音声ガイダンスで電話の一次対応を自動化し、電話業務の効率化や顧客満足度の向上を図るシステムです。「電話対応の工数を削減したい」「顧客対応に追われるスタッフの負担を軽減したい」「オペレーター不足が続いている」という課題をお持ちの企業には特におすすめのツールです。
しかし、IVRには複数の種類があり、搭載する機能もサービスによって異なるため、導入効果を得るには自社のニーズに合ったIVRを導入することが不可欠です。
そこで本記事では、IVRとは何か、仕組みや種類、IVRの具体的な利用シーンを解説します。メリット・デメリット、IVRを選ぶポイントも詳しく説明しますので、IVRを活用し電話対応にかかる手間や時間を節約したいコールセンターの担当者はぜひご覧ください。
- IVRとは?仕組みを解説
- IVRの利用シーン
- IVRの種類
- IVRの機能一覧
- IVRを導入するメリット
- IVRを導入するデメリット
- IVRを選ぶポイント
- IVRを運用する際の注意点
- まとめ:IVRはコールセンター業務の効率化を図りたい企業におすすめ
IVRとは?仕組みを解説
IVR(自動音声応答システム)とは「Interactive Voice Response」の略称で、顧客が電話をかけたときに自動で応答をしてくれるシステムのことです。例えば、カスタマーサポートに電話をかけると、「○○の方は1を、××の方は2を押してください」といった音声ガイダンスが流れることがあります。これがIVRです。
IVRは、あらかじめ設定したシナリオ(フロー)に従って動作する仕組みです。IVRを活用することで、事前に録音したガイダンスを流す、顧客の問い合わせ内容に適した担当者に自動で電話を振り分ける、顧客が必要とする情報を提供するなどが可能です。
コールセンターやカスタマーサポートは、IVRを活用して一次対応を自動化し、顧客対応を大幅に効率化できます。オペレーター不足に悩む企業や、顧客満足度の向上を図りたい企業には特におすすめです。さらに、IVRは24時間365日いつでも顧客対応が可能。営業時間外でも自動音声で顧客からの電話に対応できるので、顧客は時間を問わず必要な情報を得られます。
株式会社AI Shiftが行った、全国のカスタマーサポート部門を抱える企業への調査によると、電話での問い合わせ対応を「効率化する必要性をとても感じている」と回答した企業は全体の70.0%を占めました。
出典元:カスタマーサポート部門を抱える全国の企業を対象にアンケート調査(AI Shift調べ)
また、電話を効率化する必要性を感じる理由は、「人材確保が難しいため」51.85%、「対応品質の向上のため」40.74%、「コストが高いため」29.63%という回答でした。
上記データから、多くのカスタマーサポートでは「人材不足」「対応品質の改善」「コスト削減」などの課題を抱え、電話対応を効率化する必要性が高いことが明らかになりました。IVRを導入することで多くの電話対応を自動化できるため、電話業務の効率化を実現できます。今後、カスタマーサポートでは定型業務は自動音声で対応し、より複雑なお問い合わせにはオペレーターが対応する体制を整えることが重要になるでしょう。
IVRとボイスボット(AI自動電話応答)の違い
IVR(自動音声応答システム)とボイスボット(AI自動電話応答)は、どちらも顧客対応の効率化を目指すツールですが、特徴が異なります。
IVR | ボイスボット |
---|---|
・あらかじめシナリオを設定する ・キー操作に応じて対応 |
・顧客の発話内容を理解し個別対応が可能 ・学習能力があり、対応精度が向上する |
IVRは、あらかじめ設定されたシナリオに基づき、キー操作で定型的な対応を行います。低コストでシンプルな運用が可能です。一方、ボイスボットは自然言語処理を用いて柔軟な対応ができ、顧客の発話内容を理解し個別対応が可能です。学習能力があり、対応精度が向上しますが、導入コストが高めです。自社サービスの特性に応じて、どちらが適切かは異なるでしょう。
IVRの利用シーン
IVRの利用シーンは、大きく「顧客からの着信」「企業からの発信」に分けられ、さらに詳細に分かれます。ここでは主要なIVRの利用シーンを紹介します。
- 【着信】かかってきた電話への制御
- 【着信】かかってきた電話への自動受付
- 【発信】一斉発信による自動音声案内
- 【発信】特定顧客に対する案内
【着信】かかってきた電話への制御
IVRの利用シーンで最も多いのが、顧客からかかってきた電話の制御(適切な担当者へ自動的に振り分けること)です。例えば、カスタマーサポートに電話をかけると、「製品に関するお問い合わせは1を、サービスに関するお問い合わせは2を押してください」というガイダンスが流れます。IVRの制御により、顧客は自分の問い合わせ内容に最適な部門に自動転送され、待ち時間が短縮します。
【着信】かかってきた電話への自動受付
レストランやクリニックなどでは、予約の自動受付にIVRが利用されてます。例えば、顧客が電話をかけると、「ご予約の方は1を、予約の確認は2を押してください」といったガイダンスが流れます。顧客が1を押すと、予約システムに接続され、希望の日付や時間を入力して予約を完了できます。IVRの自動受付により、レストランやクリニックでは営業時間外でも予約を受け付けることができ、顧客の利便性が向上します。
【発信】一斉発信による自動音声案内
企業や公共機関が重要な情報を一斉に伝えるために、一斉発信を利用して自動音声案内を発信することもIVRの利用シーンのひとつです。例えば、電力会社が停電情報を顧客に伝える際に、事前に録音したメッセージを一斉に発信することができます。また、企業がキャンペーン情報を顧客に広く知らせるために、IVRを利用して自動音声案内を発信することにも利用されます。IVRの一斉発信により、多数の顧客に迅速かつ効率的に情報を伝達できます。
【発信】特定顧客に対する案内
特定の顧客に対して個別に情報を伝える際にもIVRが活用されます。例えば、金融機関が顧客に対して重要な取引情報や残高不足の通知を行う場合、IVRを利用して自動的に音声メッセージを発信します。このように、IVRは個別の顧客に迅速かつ確実に情報を伝える手段として有効です。
これらの利用シーン以外では、近年は「WebシステムやSMSと組み合わせて利用する」というケースも増えています。例えば、IVRをSMSと組み合わせると「電話で受付を完了し、SMSで決済手続き用のURLを送信する」といったことが可能で、音声のやりとりだけでは難しい場合に有効です。このような、他サービスやコミュニケーションツールとの連携は、電話の着信・発信の両方で利用されています。
IVRの種類
IVR(自動音声応答)は、大きく「クラウド型IVR」「オンプレミス型IVR」の2種類に分けられます。近年では、電話による音声応答に加えてPCやスマホで視覚的な案内を行う「ビジュアル型IVR」も増えています。ここでは、それぞれの特徴を解説します。
- クラウド型IVR:インターネットを通じて利用するシステム
- オンプレミス型IVR:自社サーバーで運営・管理するシステム
- ビジュアル型IVR:PCやスマホ画面で視覚的な案内ができるシステム
クラウド型IVR
クラウド型IVRは、インターネットを通じて利用するシステムです。インターネット環境とデバイスがあれば、場所を問わずに顧客対応できるためリモートワークにも対応可能。サーバーやシステムはサービス提供会社が用意し、企業はシステムのアップデートや保守管理を行う必要がありません。クラウド型IVRは、スピードと柔軟性に優れ、迅速に導入できるのが特徴。コスト効率も高く、初期投資が抑えられるため、運用コストの予測がしやすいです。
さらに、クラウド型IVRはスケーラビリティに優れており、需要に応じてシステムを柔軟に拡張できます。繁忙期だけスケールアップしたいコールセンターや、ビジネスの成長に応じて拡張したい企業におすすめです。
オンプレミス型IVR
オンプレミス型IVRは、自社のサーバーに設置し管理・運営するシステムです。自社管理が可能で、企業がハードウェアやソフトウェアを所有し直接運用します。クラウド型と比較すると、導入コストが高額で利用開始までに時間を要するものの、システムの全体的なコントロールを保持でき、高度なカスタマイズも可能。企業の特定のニーズに合わせてシステムを柔軟に設定でき、特定の業務プロセスに最適化するIVRを構築できることが特徴。
また、すべてのデータが自社内で管理できるので、データセキュリティやプライバシーを強化できます。法規制や業界標準に厳密に従うことが求められる企業に、オンプレミス型IVRは特におすすめです。
ビジュアルIVR
ビジュアルIVRは、電話の音声ガイダンスに加えて、スマートフォンやWebブラウザを使って視覚的なインターフェースを提供するシステムです。音声ガイダンスとともにスマートフォンやPCの画面上で視覚的なメニューを提供するため、顧客はより直感的に操作ができ、複雑な手続きも簡素化されます。
例えば、ビジュアルIVRは予約や問い合わせで視覚的な選択肢が表示されるため、顧客の操作ミスが減少し、顧客理解も深まります。視覚的な情報提供により、顧客満足度も向上し、より良いユーザー体験が実現できるでしょう。顧客対応の効率化と顧客満足度向上を両立したい企業におすすめです。
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IVRの機能一覧
IVRには幅広い機能があり、使い分けることでさまざまな効果を得ることができます。以下、IVRの機能を詳しく解説します。
電話の自動音声応答(音声ガイダンス)
電話の自動音声応答はIVRのメイン機能で、電話の一次対応を自動化するものです。顧客が電話をかけると音声ガイダンスを自動再生します。顧客はメニューに従って適切なキーを押し、必要な情報を取得したり、適切な担当者に電話と話すことができます。オペレーターが対応するよりも迅速に顧客の課題を解決でき、多言語での対応も可能です。
電話の振り分け
顧客の入力に基づいて電話を適切な部門や担当者に振り分ける機能です。電話は適切な担当者に割り振られるため、顧客は待ち時間を短縮し、迅速に必要なサポートを受けることができます。例えば、「技術サポートは1を、営業部は2を押してください」といった音声ガイダンスが流れ、顧客の選択に応じて電話が振り分けられます。これにより、効率的なコールルーティングが実現します。
SMS送信
IVRは、顧客との通話中に必要な情報をSMSで送信する機能も持っています。SMS送信機能により、顧客は通話終了後も重要な情報を確認できます。例えば、予約確認や支払い情報、キャンペーンの詳細などをSMSで送信可能です。顧客の利便性が向上するとともに、企業からの情報提供をより効果的に行えるようになる機能です。
担当者への通知
IVRには、特定の状況において担当者に通知を送る機能もあります。例えば、重要な顧客からの問い合わせや緊急の問題が発生した場合、担当者にリアルタイムで通知が送られることで、スピーディーな対応が可能に。企業は、顧客の重要な問題に対して迅速かつ適切に対応できるため顧客価値(CX)の向上につながります。
通話録音
顧客との通話を録音する機能により、後で通話内容を確認したり、品質管理やトレーニングに活用したりできます。例えば、カスタマーサポートセンターでは、オペレーターの対応品質の評価で通話録音を使用します。録音された通話は、顧客対応の改善やトラブルの解決に役立ちます。
顧客情報の表示
顧客情報の画面表示機能とは、着信の際に顧客情報をポップアップ表示できる機能です。IVRは、顧客管理システム(CRM)のような外部システムと連携することで、通話中に顧客情報を画面表示することが可能になります。オペレーターは顧客の履歴や過去の問い合わせ内容を把握しながら電話対応ができ、スムーズな案内が可能に。また、オペレーターの心理的負担も軽減します。
折り返し電話の予約
IVRは、顧客が希望する時間に折り返し電話を予約する機能も搭載します。顧客は忙しい時間帯を避けて都合の良い時間に対応を受けることができます。例えば、「担当者からの折り返しを希望する場合は1を押してください」といった案内があり、顧客が希望する時間を入力すると、その時間に担当者から電話がかかってきます。折り返し電話予約の機能は、顧客満足度を向上させる重要な要素です。
IVRを導入するメリット
コールセンターやカスタマーサポートを運営する企業は、IVRを導入することでどのような効果が見込めるのでしょうか。ここでは、具体的なメリット6つを解説します。
- 定型業務を自動化でき、生産性が向上する
- 応答率を改善できる
- 営業時間外でも対応でき、機会損失を防げる
- 人手不足・コスト削減などの課題を解消できる
- オペレーターの負担を軽減できる
- 顧客満足度の向上につなげられる
定型業務を自動化でき、生産性が向上する
IVRを導入することで、よくある問い合わせ・手続きといった定型業務を自動化し、業務を効率化できます。例えば、カスタマーセンターでのお客様確認や、クレジットカードの残高確認・支払い期日の案内など、繰り返し発生する業務を自動音声で対応できるようになります。一次対応をIVRで自動化できれば、オペレーターはより複雑な問い合わせや顧客対応に集中でき、企業全体の生産性が向上します。
応答率を改善できる
IVRの導入で、より多くの顧客からの電話に応答できるようになり、応答率を改善できる点もメリットです。IVRは要件に応じて自動で適切な音声ガイダンスを再生するため、顧客はすぐに必要な情報を得ることができます。例えば、注文状況の確認やよくある質問への対応を自動化することで、オペレーターが手が空いている時にすぐに対応でき全体の応答率が向上します。顧客の待ち時間を短縮できるため、満足度も高まります。また、システムのスケーラビリティにより、ピーク時の問い合わせにも柔軟に対応できるため、安定した顧客サービスを提供することができます。
営業時間外でも対応でき、機会損失を防げる
IVRは、24時間365日顧客対応ができるシステムです。営業時間外でも顧客の問い合わせに対応でき、機会損失を防げるのは大きなメリットでしょう。例えば、緊急の問い合わせや予約の確認など、顧客が迅速に対応を必要とする場合に役立ちます。IVRによる営業時間外の対応で顧客の利便性を向上できるうえ、企業の信頼性も高まります。
人手不足・コスト削減などの課題を解消できる
IVRの導入は、人手不足やコスト削減といった企業の課題を解消する手段として有効です。IVRの活用で多くの電話対応を音声応答できるので、オペレーターの数を減らすことが可能です。人件費の削減にもつながるでしょう。また、IVRの通話録音機能をオペレーターの教育や顧客応対の改善に活用することで、教育コストも削減できます。
オペレーターの負担を軽減できる
IVRシステムは、定型的な問い合わせや手続きを自動化し、オペレーターの負担を大幅に軽減できます。例えば、頻繁に繰り返される問い合わせに対してIVRが一次対応することで、オペレーターはストレスを軽減し、効率的に業務を遂行できます。結果として、職場の環境改善にも寄与しオペレーターの離職防止にも役立ちます。
顧客満足度の向上につなげられる
IVR導入で、顧客は待ち時間を短縮でき、かつ、効率的に必要な情報を取得できるようになり、顧客満足度の向上につなげられます。
例えば、顧客は転送された担当者に再度同じ説明をしなければならない手間が発生していた場合でも、IVRを導入することで解消できます。一次対応の自動化で、顧客情報を把握した状態で適切なオペレーターに転送できるため、顧客満足度を高められます。
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IVRを導入するデメリット
IVRには多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。ここでは、主なIVRのデメリットを解説します。
- 顧客にストレスを与えるリスクも
- 特定の窓口に入電が集中するケースがある
- 導入・運用にあたりコストが発生する
顧客にストレスを与えるリスクも
IVRは自動音声応答による効率化がメリットですが、顧客にとってはストレスの原因となることもあります。顧客がすぐに人間のオペレーターと話したい場合、IVRによる自動化が顧客の不満が高めることにつながり、企業への信頼が損なわれるリスクがあります。また、音声ガイダンスが長くオペレーターにつながるまでに時間がかかる、質問カテゴリーが分かりにくいなども、顧客にストレスを与える要因になります。
対策としてIVRの導入前に、自社サービスの特性・顧客の属性を踏まえて導入を検討することをおすすめします。また、自動音声応答のフロー・ガイダンスは顧客へのストレスに十分配慮し、設計しましょう。
特定の窓口に入電が集中するケースがある
IVRを導入しても、特定の窓口に入電が集中するケースがあります。例えば、技術サポートやカスタマーサービスの窓口に多くの問い合わせが集まり、対応が追いつかなくなることがあります。このような状況では、IVRシステムの効果が薄れ、顧客の待ち時間が長くなり、満足度が低下するおそれがあります。IVRで効率的な振り分けを行うためには、システムの設計や設定に工夫が必要です。
導入・運用にあたりコストが発生する
IVRの導入には、初期投資や運用コストがかかります。特にオンプレミス型IVRの場合、ハードウェアやソフトウェアの購入、設置、保守に多大な費用が必要です。システムの運用には専門的な知識が不可欠で、専任のスタッフが必要となるでしょう。クラウド型IVRの場合でも、月額料金や使用量に応じた課金が発生するため、コスト管理が重要です。企業はIVRの導入前にこれらのコストを考慮し、投資対効果を見極める必要があります。
IVRを選ぶポイント
数多くのIVRから自社に最適な1つを選ぶには、どんな観点で比較したらよいのでしょうか。本章では、IVRを選ぶポイントを解説します。
- 「クラウド型」「オンプレミス型」「ビジュアル型」のどれか
- 自社に必要な機能を搭載しているか
- 導入から運用までの期間を比較する
- 外部システムと連携できるか
- サポート体制は万全か
- トータルコストで費用比較し、予算内におさまるか
「クラウド型」「オンプレミス型」「ビジュアル型」のどれか
IVRを選ぶ際、「クラウド型」「オンプレミス型」「ビジュアル型」の3つの選択肢があります。それぞれ導入形態やインターフェースが異なるため、企業のニーズや条件に合わせて最適な選択をすることが重要です。
クラウド型IVRは、インターネット環境があれば利用できるためリモートワークを推進する企業におすすめ。また、導入費用・運用コストが比較的安く、迅速な導入が可能です。一方、オンプレミス型IVRは、高度なカスタマイズ性やセキュリティ性を重視する企業におすすめ。データセキュリティやプライバシー保護の重視に適しており、特定の要件を満たすための自由度が高いことも特徴。
ビジュアル型IVRは、スマホ画面やPC画面で案内を視覚化し、複雑な手続きを簡素化して顧客満足度向上につなげたい企業におすすめです。音声ガイダンスに加えて視覚的なインターフェースを提供でき、ユーザーフレンドリーな操作が可能です。
自社に必要な機能を搭載しているか
IVRはサービスによって多様な機能があるため、自社の業務に必要な機能を搭載しているかを確認しましょう。例えば、基本的な音声ガイダンスや通話録音機能だけでなく、SMS送信、折り返し電話の予約機能など、自社のニーズに応じた機能が必要です。
さらに、業界特有の要件を満たすカスタマイズ性も求められることがあります。具体的な業務シナリオを想定し、それに対応できるサービスを選定できれば、導入後の効果を最大限に引き出すことが可能です。また、フローの分岐がどこまで対応可能か、将来的な機能追加やアップグレードは柔軟にできるかも選定のポイントです。なお、コールセンターに必要な機能を搭載したIVRは、以下の記事で解説していますのでぜひ参考にしてください。
導入から運用までの期間を比較する
IVRによっては導入から実際の運用まで時間がかかる場合があるため、運用までの期間を比較することも大切です。また、どのサービスでも、クラウド型IVRは比較的迅速に導入できるのが特徴で、導入後、数日から数週間で運用を開始できるケースが多いです。
これに対して、オンプレミス型IVRはインフラの設置やシステムのカスタマイズに時間がかかり、導入から運用開始までに数ヶ月を要することもあります。導入までの期間を事前に確認し、自社のプロジェクトスケジュールに合ったIVRを選ぶことが重要です。また、導入後のトレーニング期間やサポート体制についても考慮し、円滑な運用開始を目指しましょう。
外部システムと連携できるか
IVRが外部システムと連携できるは、選定の重要なポイントです。例えば、CRM(顧客関係管理システム)やカスタマーサポートシステムとIVRを連携することで、顧客情報をリアルタイムで参照し、より効率的な対応が可能になります。APIの提供や既存システムとの互換性を確認し、シームレスなデータ連携が実現できるかを検討しましょう。
また、外部システムとの連携によって業務プロセスを自動化できるか、オペレーターの負担を軽減できるかという点も考慮する必要があります。システム連携が最適化できれば、全体的な業務効率と顧客サービスの質が向上します。
サポート体制は万全か
IVRの導入と運用には、強固なサポート体制が不可欠です。導入前に、サービス提供会社のサポート体制の内容・対応時間を詳しく確認してください。例えば、24時間対応のカスタマーサポートや、緊急時の迅速な対応が可能かをチェックします。
さらに、トラブルシューティングや定期的なメンテナンス、システムアップデートなどに関するサポートも評価対象となります。信頼性の高いサポート体制が整っていることで、システム運用中のリスクを最小限に抑え、安定した運用が実現します。
トータルコストで費用比較し、予算内におさまるか
IVRの導入には、初期費用だけでなく、運用コストも含めたトータルコストを考慮する必要があります。クラウド型IVRは初期費用が比較的少ないものの、月額料金や通話料金が発生します。通話料金は、従量課金のサービスが多いので事前に確認しておきましょう。
一方、オンプレミス型IVRは初期費用が高く、ハードウェアやソフトウェアの購入、設置、保守にかかる費用があります。また、長期的な視点でのコスト比較も重要で、将来的な拡張やアップグレードの費用も見積もりに含めることが必要です。予算内に収まるかどうかを確認し、自社にとって費用対効果が高いサービスを選定しましょう。
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IVRを運用する際の注意点
実際にサービスを運用する前に、注意点を把握しておくことで失敗を回避できるでしょう。ここでは、IVRを運用する際の注意点を解説します。
- 選択肢と階層を増やしすぎない
- 「オペレーターと話す」の選択肢も考慮する
- 音声ガイダンスは短く、わかりやすい説明にする
- データを元に、音声応答の内容を定期的に確認する
選択肢と階層を増やしすぎない
IVRを設計する際に、選択肢や階層を増やしすぎないように注意しましょう。多すぎる選択肢や複雑なメニュー構成、深すぎる階層は、顧客にとって混乱を招き、目的の情報やオペレーターにつながるまでにストレスを与える原因となります。シンプルで直感的なメニュー構成を心がけ、3~5つの必要最小限の選択肢で顧客が簡単に目的を達成できるように設計しましょう。
「オペレーターと話す」の選択肢も考慮する
IVRがどれほど優れていても、顧客が直接オペレーターと話したいケースもあるでしょう。そのため、音声ガイダンスの最後には「オペレーターと話す」という選択肢を設けることが重要です。
特に、複雑な問題や緊急の問い合わせに対応するためには、迅速にオペレーターに接続できるオプションが必要です。「オペレーターと話す」という選択肢を明確に提示し、顧客が必要なときには迅速に人間の対応を受けられる体制にすることで、顧客満足度の低下を回避できます。
音声ガイダンスは短く、わかりやすい説明にする
IVRの音声ガイダンスは、できるだけ短く、わかりやすい説明にすることにも注意しましょう。長すぎる説明は顧客にとって煩わしく、途中で電話を切ってしまう原因となります。具体的で簡潔な言葉を使い、顧客が一度で理解できるような音声ガイダンスを心がけましょう。また、音声のトーンやペースも重要です。定期的に音声ガイダンスを見直し、必要に応じて改善を行うことで、顧客体験を向上できます。
データを基に、音声応答の内容を定期的に確認する
IVRの運用において、データを元に自動音声応答の内容を定期的に見直すことも重要です。顧客のフィードバックや通話データを分析し、どの部分で顧客がつまずいているか、どの選択肢が多く利用されているかを把握します。
データを基に、不要な選択肢を削除する、音声ガイダンスやメニュー構成を最適化するなどを行うことで、顧客の利便性を向上できます。さらに、顧客のニーズや市場の変化に対応するために、音声応答の内容は柔軟に更新することにも注意しましょう。
以上、IVRを運用する際の注意点を解説しました。下記記事では無料トライアルや無料デモから始められるおすすめのIVRを厳選して紹介しています。IVRを導入したい企業はぜひご覧ください。
まとめ:IVRはコールセンター業務の効率化を図りたい企業におすすめ
IVR(自動音声応答システム)は、企業のコールセンター業務の効率化に大いに役立つツールです。IVRを導入することで、定型業務の自動化や応答率の向上、24時間対応の実現、コスト削減など多くのメリットが得られます。また、顧客満足度の向上にも寄与し、業務の質を高めることができます。
一方で、IVRの設計や運用には注意が必要です。選択肢や階層の増やしすぎ、音声ガイダンスのわかりにくさ、顧客が直接オペレーターと話す選択肢の欠如などは、顧客のストレスを招くリスクがあります。定期的にシステムを見直し、顧客のフィードバックを元に最適化を図ることが重要です。
また、IVRの選定においてはクラウド型、オンプレミス型、ビジュアル型のどれが自社のサービスに最適かを検討する必要があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、企業の規模や業務内容、予算に応じて最適な選択をしましょう。
IVRは多数あり、どれを選べばよいか分からないと悩む担当者も多いでしょう。PRONIアイミツ(当サイト)は、ITツール受発注支援のプロとして、IVR選びについての相談を受け付けています。いつくかの質問に答えるだけで希望要件に合ったIVRが分かる診断(無料)もありますので、ぜひ一度お試しください。
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